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HAT-P-11

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
HAT-P-11
星座せいざ はくちょう
かけの等級とうきゅう (mv) 9.587[1]
分類ぶんるい Kかたぬし系列けいれつぼし[2]
位置いち
もと:J2000.0[2]
あかけい (RA, αあるふぁ)  19h 50m 50.2474562793s[2]
あかぬき (Dec, δでるた) +48° 04′ 51.097364378″[2]
あか方偏かたへんうつり -0.000212[2]
視線しせん速度そくど (Rv) -63.452 km/s[2]
固有こゆう運動うんどう (μみゅー) あかけい:125.984 ミリびょう/とし[2]
あかぬき:232.988 ミリびょう/とし[2]
とししゅう視差しさ (πぱい) 26.4508 ± 0.0234ミリびょう[2]
誤差ごさ0.1%)
距離きょり 123.3 ± 0.1 光年こうねん[ちゅう 1]
(37.81 ± 0.03 パーセク[ちゅう 1]
絶対ぜったい等級とうきゅう (MV) 6.7[ちゅう 2]
軌道きどう要素ようそ性質せいしつ
惑星わくせいかず 2
物理ぶつりてき性質せいしつ
半径はんけい 0.683 ± 0.009 R[3]
質量しつりょう 0.809+0.020
−0.027
M[1]
表面ひょうめん重力じゅうりょく 4.59 ± 0.03 (log g)[1]
自転じてん速度そくど 1.5 ± 1.5 km/s[1]
自転じてん周期しゅうき 29.2 [1]
スペクトル分類ぶんるい K4V[2]
光度こうど 0.26 ± 0.02 L[1]
表面ひょうめん温度おんど 4,780 ± 50 K[1]
金属きんぞくりょう[Fe/H] 0.31 ± 0.05[1]
年齢ねんれい 65+59
−41
おくねん[1]
カタログでの名称めいしょう
ケプラー3[2]
BD+47 2936[2]
GSC 03561-02092[2]
HIP 97657[2]
KOI-3[2]
KIC 10748390[2]
TYC 3561-2092-1[2]
2MASS J19505021+4804508[2]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

HAT-P-11は、はくちょう方向ほうこうやく120光年こうねんはなれた距離きょりにある10等級とうきゅう恒星こうせいである。太陽たいようくらいちまわちいさいスペクトル分類ぶんるいK4VがたKかたぬし系列けいれつぼしで、光度こうど太陽たいようの4ぶんの1程度ていどである。2020ねん時点じてんで、2太陽系たいようけいがい惑星わくせい周囲しゅうい公転こうてんしていることがられている。

特徴とくちょう

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おおきさの比較ひかく
太陽たいよう HAT-P-11
太陽 Exoplanet

HAT-P-11はスペクトルがたがK4Vに分類ぶんるいされる橙色だいだいいろ恒星こうせいで、太陽たいようくらべてちいさくくら天体てんたいである。質量しつりょう太陽たいようの81%、半径はんけいは68%で、表面ひょうめん温度おんど太陽たいようより1,000Kひくい。一方いっぽうで、金属きんぞくりょう太陽たいようやく2ばいあり、じゅう元素げんそ豊富ほうふ恒星こうせい分類ぶんるいされる。恒星こうせい進化しんかモデルによると年齢ねんれいは65おくねん見積みつもられているが、これはおおきな誤差ごさ(-59おくねん/+41おくねん)をふくんだで、いろどりそう活動かつどうもとづいた推定すいていでは12.5おくねんとされている[1]

またHAT-P-11には、周期しゅうき29.2にち振幅しんぷく0.0062等級とうきゅうちいさなへんこう発見はっけんされている。誤認ごにん可能かのうせい考慮こうりょして検証けんしょうおこなわれたが、否定ひていてき証拠しょうこつかっていない。へんこう事実じじつならば恒星こうせい表面ひょうめん黒点こくてん自転じてんともなってかくれすることが原因げんいんかんがえられている[1]。さらに、HAT-P-11には恒星こうせい活動かつどう活発かっぱつ緯度いど存在そんざいすることがられている[4]

惑星わくせいけい

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HAT-P-11の手前てまえ通過つうかするHAT-P-11bの想像そうぞう

2009ねんトランジットほうによる太陽系たいようけいがい惑星わくせい探査たんさおこなっていたHATネット計画けいかくによって、HAT-P-11を公転こうてんする惑星わくせい HAT-P-11b発見はっけんされた。この惑星わくせい恒星こうせい至近しきん距離きょりを4.9にち周回しゅうかいする海王星かいおうせい質量しつりょう天体てんたいで、しょくげんこうおおきさから半径はんけい海王星かいおうせいよりややおおきい程度ていどであることがかっている[1]。HAT-P-11の発見はっけん当時とうじ海王星かいおうせい質量しつりょうけいがい惑星わくせいほかにもいくつかられていたが、そのような天体てんたいしょく観測かんそくされ、半径はんけい実測じっそくされたのはグリーゼ436bつづいて2れいだった[5]

HAT-P-11とその惑星わくせいけい太陽系たいようけいがい惑星わくせい探索たんさくおこなっていたケプラー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう観測かんそく視野しやない存在そんざいしており[1]、ケプラーミッションでの命名めいめい規則きそくもとづいてHAT-P-11にはケプラー3、HAT-P-11bにはケプラー3bという別名べつめいあたえられている[2]

2018ねん、HAT-P-11を公転こうてんするだい2の惑星わくせい HAT-P-11c存在そんざいすることが確認かくにんされた。HAT-P-11bとはことなり、ドップラー分光ぶんこうほう視線しせん速度そくどほう)で発見はっけんされたため、惑星わくせい物理ぶつりてき特性とくせい下限かげん質量しつりょうしかられていない。HAT-P-11cははなれしんりつ0.601というおおきくいがんだ楕円だえん軌道きどう公転こうてんしており、きんてんでは1.67 auまで接近せっきんし、とおてんでは6.61 auまでとおざかる[6]

HAT-P-11の惑星わくせい[6][7]
名称めいしょう
恒星こうせいちかじゅん
質量しつりょう 軌道きどうちょう半径はんけい
天文てんもん単位たんい
公転こうてん周期しゅうき
()
軌道きどうはなれしんりつ 軌道きどう傾斜けいしゃかく 半径はんけい
b 23.4 ± 1.5 M 0.05254+0.00064
−0.00066
4.887802443+0.000000034
−0.000000030
0.218+0.034
−0.031
89.05+0.15
−0.09
°
4.36 ± 0.06 R
c ≥1.60+0.09
−0.08
 MJ
4.13+0.29
−0.16
3407+360
−190
0.601+0.032
−0.031

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ とししゅう視差しさびょう)より計算けいさん光年こうねんは1÷とししゅう視差しさびょう)×3.2615638より計算けいさん
  2. ^ 等級とうきゅう + 5 + 5×log(とししゅう視差しさびょう))より計算けいさん小数しょうすうだい1まで表記ひょうき

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m Bakos, G. Á.; Torres, G.; Pál, A.; Hartman, J.; Kovács, Géza; Noyes, R. W.; Latham, D. W.; Sasselov, D. D. et al. (2010). “HAT-P-11b: A Super-Neptune Planet Transiting a Bright K Star in the Kepler Field”. The Astrophysical Journal 710 (2): 1724–1745. arXiv:0901.0282. Bibcode2010ApJ...710.1724B. doi:10.1088/0004-637X/710/2/1724. 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s Results for BD+47 2936”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2020ねん12月26にち閲覧えつらん
  3. ^ Deming, Drake; Sada, Pedro V.; Jackson, Brian; Peterson, Steven W.; Agol, Eric; Knutson, Heather A.; Jennings, Donald E.; Haase, Flynn et al. (2011). “Kepler and Ground-based Transits of the Exo-Neptune HAT-P-11b”. The Astrophysical Journal 740 (1): 33. arXiv:1107.2977. Bibcode2011ApJ...740...33D. doi:10.1088/0004-637X/740/1/33. 
  4. ^ Sanchis-Ojeda, Roberto; Winn, Joshua N. (2011). “Starspots, Spin-Orbit Misalignment, and Active Latitudes in the HAT-P-11 Exoplanetary System”. The Astrophysical Journal 743 (1): 9. arXiv:1107.2920. Bibcode2011ApJ...743...61S. doi:10.1088/0004-637X/743/1/61. 
  5. ^ Dittmann, Jason A.; Close, Laird M.; Green, Elizabeth M.; Scuderi, Louis J.; Males, Jared R. (2009). “Follow-up Observations of the Neptune Mass Transiting Extrasolar Planet HAT-P-11b”. The Astrophysical Journal 699 (1): L48-L51. arXiv:0905.1114. Bibcode2009ApJ...699L..48D. doi:10.1088/0004-637X/699/1/L48. 
  6. ^ a b Yee, Samuel W.; Petigura, Erik A.; Fulton, Benjamin J.; Knutson, Heather A.; Batygin, Konstantin; Bakos, Gáspár Á.; Hartman, Joel D.; Hirsch, Lea A. et al. (2018). “HAT-P-11: Discovery of a Second Planet and a Clue to Understanding Exoplanet Obliquities”. The Astronomical Journal 155 (6): 255. arXiv:1805.09352. Bibcode2018AJ....155..255Y. doi:10.3847/1538-3881/aabfec. 
  7. ^ Huber, K. F.; Czesla, S.; Schmitt, J. H. M. M. (2017). “Discovery of the secondary eclipse of HAT-P-11 b”. Astronomy and Astrophysics 597: 9. arXiv:1611.00153. Bibcode2017A&A...597A.113H. doi:10.1051/0004-6361/201629699. 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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