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HCL Domino

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
HCL Notes/Domino
開発元かいはつもと HCLテクノロジーズ
最新さいしんばん
14.0 / 2023ねん12月
対応たいおうOS Notes: Windows, macOS、Domino: Windows, Linux, AIX, IBM i, Docker
種別しゅべつ グループウェア,アプリケーション開発かいはつ実行じっこう
ライセンス プロプライエタリ
公式こうしきサイト HCL Notes/Domino,HCL Domino
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HCL Notes/Domino(HCL ノーツ/ドミノ)はHCLテクノロジーズ開発かいはつ販売はんばいしているグループウェアようミドルウェア、アプリケーション開発かいはつ実行じっこう環境かんきょう

当初とうしょロータス (Lotus Development) しゃLotus Notes(ロータスノーツ)、Lotus Domino(ロータスドミノ)という製品せいひん[1][2]1995ねんIBMによるロータスしゃ買収ばいしゅう以降いこうはIBMソフトウェア部門ぶもんのロータスブランドの中核ちゅうかく製品せいひんとなり、2013ねんの9.0からIBM Notes/Domino(IBMノーツ/ドミノ)という製品せいひんめいになった[3]2018ねん12月6にちにIBMは2017ねん10月より協業きょうぎょうしているHCLテクノロジーズに Domino/Notes をふく複数ふくすう製品せいひん売却ばいきゃく発表はっぴょう[4][5]、2019ねん7がつ1にち完全かんぜん移行いこうされ、HCL Notes、HCL Domino とう HCL をかんする製品せいひんめいとなっている。

概要がいよう

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Lotus Notesは1989ねん登場とうじょうした、クライアントサーバーがたのグループウェアであり、グループウェアという言葉ことば市場いちば浸透しんとうさせたソフトウエアであるといわれている。

定型ていけい情報じょうほうあつか分散ぶんさんがた文書ぶんしょデータベースの構造こうぞうと、強力きょうりょく複製ふくせい機能きのうっており、プラットフォーム依存いぞんせいひくく、カスタマイズせい非常ひじょうたかいとされる。このためだい規模きぼなシステムの基盤きばんとなることおおい。

Lotus Notes/Dominoは以下いか構成こうせいされるが、両者りょうしゃとも「Notes」または「Notes/Domino」とばれることおおい。

  • Notes - Windwos/Mac ばんクライアント(8よりEclipseベースとなった)
  • Nomad Web - ブラウザーじょう動作どうさするクライアントでデータベースがそのまま動作どうさ複製ふくせい可能かのう。 (インストール作業さぎょう不要ふよう更新こうしん自動的じどうてきおこなわれる)
  • Nomad Mobile - iOS/Android じょう動作どうさするアプリでデータベースがそのまま動作どうさ複製ふくせい可能かのう
  • Domino - サーバー(R4.5より、従来じゅうらいのNotesサーバーにWebサーバ機能きのう統合とうごうされた)

Lotus Notes/Dominoは、サーバ(Lotus Domino)にたいして、専用せんようのクライアントソフトウェア(Lotus Notes)や汎用はんようブラウザ(Domino Web Access)でアクセスするハイブリッドがたグループウエアであり、電子でんしメール電子でんし掲示板けいじばんデータベース・スケジュール管理かんりなどの機能きのうそなえる。Lotus Notesの登場とうじょうまえは、システムの活用かつようといえば大型おおがたコンピュータからの数値すうちデータの還元かんげん帳票ちょうひょう中心ちゅうしんであったのにたいし、Lotus Notes/Domino では、掲示板けいじばん機能きのうによる数値すうちデータの共有きょうゆう、あるいは電子でんし会議かいぎしつ機能きのうとく注目ちゅうもくされた。

各種かくしゅ開発かいはつ言語げんごによる開発かいはつ可能かのうで、現在げんざいリッチクライアントてき要素ようそ先進せんしんてきっており、本来ほんらいはユーザ部門ぶもんだけでグループウェアシステム構築こうちく出来できることを目的もくてきとしていた。開発かいはつ言語げんご以下いかの3種類しゅるい使用しようできる。

またクラスタリング機能きのう標準ひょうじゅんっており、サービスのサーバーの障害しょうがいには、かくクライアントがスタンバイのサーバーにたいして、引継ひきつぎ(フェイルオーバー)できる。

歴史れきし

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レイ・オジーは「ノーツのちち」とばれる
  • 1993ねん10月5にち日本にっぽん法人ほうじんのロータス株式会社かぶしきがいしゃが「ノーツ R3J」を出荷しゅっか
  • 1995ねんIBMよりTOB(敵対てきたいてき買収ばいしゅう)される。抵抗ていこうしたが結局けっきょく32おくドルで買収ばいしゅうされる。
  • 1996ねん3月15にち、ロータス株式会社かぶしきがいしゃが「ノーツ R4J」を出荷しゅっか
  • 1996ねん7がつ19にち、ロータス株式会社かぶしきがいしゃが「ノーツ R4.1J」を出荷しゅっか
  • 1996ねん、NotesデータベースをブラウザからアクセスできるようにするNotes R4サーバようアドオン「Domino」がリリースされる[6]。Lotus Notes R4.5でDominoがサーバに統合とうごうされてからは、サーバをDominoとぶようになる。
  • 1997ねん1がつ31にち、ロータス株式会社かぶしきがいしゃが「ノーツ ドミノ R4.5J」を出荷しゅっか
  • 1997ねん11月12にち、ロータス株式会社かぶしきがいしゃが「ノーツ ドミノ R4.6J」を出荷しゅっか[7]
  • 1999ねん3月2にち、ロータス株式会社かぶしきがいしゃが「ノーツ ドミノ R5.0」を出荷しゅっか
  • 2001ねん7がつ31にち、Domino R5.0.8をリリース。iNotes Web Accessが発表はっぴょうされブラウザーからのアクセスの表現ひょうげんりょく向上こうじょうする。
  • 2002ねん11月28にち日本にっぽんIBMが「IBM Lotus Notes/Domino 6.0」を発表はっぴょう正式せいしき名称めいしょうから「R」(リリース)がえる。
  • 2003ねん10月1にち、Lotus Notes/Domino 6.5をリリース。iNotes Web AccessはDomino Web Accessに名称めいしょう変更へんこうされる。
  • 2005ねん10月5にち日本にっぽんIBMが「IBM Lotus Notes/Domino 7.0」を発表はっぴょう
  • 2007ねん8がつ15にち日本にっぽんIBMが「IBM Lotus Notes/Domino 8」を発表はっぴょう。Notesがeclipseベースになる。
  • 2008ねん10月、IBMがLotus Notesを使用しようしたホスティングサービス発表はっぴょう[8]
  • 2009ねん1がつ16にち日本にっぽんIBMが「IBM Lotus Notes/Domino 8.5」を出荷しゅっか
  • 2009ねん4がつ、IBMがLotusLive発表はっぴょう。Lotus NotesのSaaSかた提供ていきょうサービスもふくまれた。
  • 2013ねん3がつ、IBMが「IBM Notes/Domino 9.0」を発表はっぴょう。9.0からLotusのかんむりがはずされ、IBMとなった[3]
  • 2013ねん10がつ29にち、9.0.1を出荷しゅっか開始かいし。IBMは9.0.xについてすくなくとも2021ねん9がつまでサポートを継続けいぞくし、当面とうめん9.0.1が最新さいしんばんとなる。9.0.1にたいして修正しゅうせいプログラム (Fix Pack) を提供ていきょうすることで最新さいしん状態じょうたいとなる[9]
  • 2014ねん4がつ16にち、9.0.1 Fix Pack 1 がリリースされる。
  • 2014ねん8がつ19にち、9.0.1 Fix Pack 2 がリリースされる。
  • 2015ねん1がつ21にち、9.0.1 Fix Pack 3 がリリースされる。
  • 2015ねん6がつ17にち、9.0.1 Fix Pack 4 がリリースされる。
  • 2015ねん11月30にち、9.0.1 Fix Pack 5 がリリースされる。
  • 2016ねん5がつ12にち、9.0.1 Fix Pack 6 がリリースされる。
  • 2016ねん9がつ13にち、9.0.1 Fix Pack 7 がリリースされる。
  • 2016ねん12月30にち、IBMがクラウド提供ていきょうしているWebメールクライアントであるVerseを、オンプレミスのDominoでも利用りよう可能かのうにする IBM Verse On-Premises V1.0 がリリースされる[10]
  • 2017ねん3がつ7にち、9.0.1 Feature Pack 8 がリリースされる。8からFix Packの名称めいしょうをFeature Packと改称かいしょう修正しゅうせいくわえて機能きのう追加ついかおこなわれるようになる[9]
  • 2017ねん8がつ18にち、9.0.1 Feature Pack 9 がリリースされる。
  • 2018ねん1がつ30にち、9.0.1 Feature Pack 10 がリリースされる。
  • 2018ねん9がつ30にち、8.5 のサポートが終了しゅうりょう
  • 2018ねん10がつ10日とおか、10.0 がリリースされる。Linux ばんクライアントがされなくなり Windows ばんと Mac ばんのみとなる。サーバーは 64-bit ばんのみとなる。
  • 2019ねん2がつ5にち、10.0.1 がリリースされる。日本語にほんごばんは 10.0.1でリリースされた。IBM ブランドでの最後さいごとリリースとなる。どう時期じきに IBM Domino Mobile Apps (の HCL Nomad Mobile) 1.0.0 がリリースされた (1.0.6 以降いこうは HCL がリリース)。
  • 2018ねん12月6にち、IBMよりHCL Technologiesへの売却ばいきゃく発表はっぴょう
  • 2019ねん7がつ1にち、HCL Technologiesに完全かんぜん移行いこうされた。
  • 2019ねん12がつ20日はつか、HCL Notes/Domino 11 がリリースされる。HCLしゃによる最初さいしょのメジャー・バージョン。同時どうじHCL Sametime 11もリリースされた。
  • 2021ねん5がつ27にち、HCL Notes/Domino 12 がリリースされる。HCL Nomad Web 1.0.0 がリリースされる。
  • 2023ねん12月7にち、HCL Notes/Domino 14 がリリースされる (13 は欠番けつばん)。
  • 2024ねん6がつ1にち、Notes/Domino 9.0.x および v10.0.x のサポートを終了しゅうりょう
  • 2025ねん6がつ25にち、Notes/Domino 11.x のサポート終了しゅうりょう (予定よてい)。

構成こうせい

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Lotus Domino

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Lotus Notesの基幹きかんとなるサーバソフトウエア。構築こうちく設定せっていによってHTTPサーバSMTPサーバの機能きのうなどをつ。多数たすうのデータベース(DB)をデフォルトでデータ部分ぶぶん格納かくのうしており、さら追加ついか編集へんしゅうすることができる。DB構成こうせいによって、Dominoのたす機能きのうおおきくわる。現場げんばレベルではクライアントソフトウェアのLotus NotesにたいしてDominoサーバなどとばれることがおおい。

Dominoを操作そうさするためのクライアントソフトウエア。Microsoft ExchangeにたいするOutlookのような存在そんざい。メールやカレンダーなど、基本きほんてき機能きのうくわえ、サーバの管理かんりができる(サーバー管理かんりには管理かんりしゃIDおよびパスワード必要ひつよう)。また後述こうじゅつするDesignerやAdministratorの機能きのう使用しようすることで、より高度こうど設計せっけいおこなうことが可能かのうである。

8以降いこうはEclipse RCPを基盤きばんとしたStandardばん追加ついかされ従来じゅうらいからあるものがBasicばん呼称こしょうされるようになった。14からはBasicばん廃止はいしされStandardばんのみとなった。

Lotus Notes Standard
Eclipse RCPベースのLotus Expeditorじょう構築こうちくする、リッチクライアントばんNotesクライアント
Lotus Notes Basic
従来じゅうらいどおりWindowsアプリケーションとして提供ていきょうされるNotesクライアント

StandardばんはEclipseじょう展開てんかいするため、下記かきのようなちがいがある。

Lotus Notes Standard
UnixカーネルのOSでも稼動かどうする(LinuxMacなど)
Eclipseプラグイン使用しようできる。
コンポジットアプリケーションが使用しよう可能かのう
Lotus Notes Basic
従来じゅうらいどおりの操作そうさかん

Nomad Mobile

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スマホおよびタブレットようアプリ。バージョン10で IBM Domino Mobile Apps の名称めいしょう追加ついかされた。HCL への移管いかんは HCL Nomad Mobile と改称かいしょうされた。Notes クライアントのBasicばん相当そうとう機能きのう (Javaとう一部いちぶ機能きのうのぞく) が利用りようでき、Notes クライアントで使つかっているアプリケーションをそのまま実行じっこう可能かのうである。ローカルストレージへのデータベースの複製ふくせい可能かのうである。スマホのカメラやGPSを使用しようしたアプリケーションも利用りようできる。Notes ID ファイルを使用しようした強固きょうこなセキュリティが維持いじされているが、指紋しもん認証にんしょうかお認証にんしょうなど OS と連動れんどうした認証にんしょうにより、ユーザーは Notes ID を意識いしきする必要ひつようはない。

アプリケーションのインストール不要ふようで、ブラウザのみで動作どうさするNotes クライアントのBasicばん相当そうとう機能きのう。2021ねん5がつ初回しょかいリリース。Notes クライアントのBasicばん相当そうとう機能きのう (Javaとう一部いちぶ機能きのうのぞく) が利用りようでき、Notes クライアントで使つかっているアプリケーションをそのまま実行じっこう可能かのうである。ブラウザーのキャッシュ領域りょういきにプログラムをダウンロードして実行じっこうさせる。サーバーがわでプログラムが更新こうしんされるとブラウザーのキャッシュがおこなわれ、最新さいしんのプログラムの状態じょうたい維持いじできる。

iNotes (旧名きゅうめい: Domino Web Access)

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1990年代ねんだい後半こうはん、インターネットおよびブラウザの普及ふきゅうともない、ブラウザーからもノーツのアプリケーションにアクセスする必要ひつよう発生はっせいした。最初さいしょWWWベースでのNotesの利用りよう可能かのうにしたのは、Notes 4ようアドオンWeb Publisher」だった。この機能きのうはサーバの管理かんりするデータをバッチ処理しょりでHTMLに変換へんかんするものであったが、この機能きのうはダイナミックにHTMLを生成せいせいする方式ほうしき進化しんかし、バージョンのNotes 4.5からNotes Server本体ほんたい統合とうごうされたことが、サーバを「Domino」(ドミノ)とぶきっかけになった。Domino R5.0.8からiNotes Web Accessに名称めいしょう変更へんこうし、さらにLotus Notes/Domino 6.5で、Domino Web Accessに名称めいしょう変更へんこうされた。しかし、Lotus Notes/Domino 7でも、DWAファイル格納かくのうフォルダは[iNotes]のままである。Lotus Notes/Domino 8.5ではふたたびLotus iNotesという名称めいしょう変更へんこうされた。

6.5以前いぜんはiNotes Web Acsess (IWA) Dominoサーバない設置せっちされたメールボックスにたいして、ウェブブラウザでアクセスすることで、Personal Information Manager (PIM) 機能きのう使用しよう可能かのうとなる機能きのうである。Microsoft ExchangeにたいするOutlook Web Accessのような存在そんざいであり、Lotus NotesのインストールされていないPCにおいても、受信じゅしんしたメールや、Lotus Notesで作成さくせいしたカレンダーなどが限定げんていてき閲覧えつらんできる。しかし送信そうしんもとのメール形式けいしきによっては、Lotus Notesで表示ひょうじすると正常せいじょう表示ひょうじされるが、DWAで表示ひょうじするとバグ仕様しよう表示ひょうじできない場合ばあいもある。ただし、DWA専用せんよう用意よういされたActiveX導入どうにゅうすると、バージョンによっては若干じゃっかん機能きのう向上こうじょうする。

iNotes はDOMを使用しようしているなどアーキテクチャがふるくなっているため、iNotes はバージョン 14 でもサポートされているが HCLでは後継こうけいとして HCL Verse を提供ていきょうしている。

iNotes の後継こうけいとなるメール、カレンダー機能きのう提供ていきょうし、ブラウザでの利用りようくわえて、スマホ・タブレットようアプリが提供ていきょうされている。スマホ・タブレットで利用りようする場合ばあいは、Domino サーバーとのあいだに HCL Traveler という中間ちゅうかんサーバーが必要ひつようである。

モバイルデバイスのメール、カレンダー機能きのうから Domino を利用りようできるようするために開発かいはつされたサーバー機能きのうで、ActiveSync プロトコルでモバイルと通信つうしんできるよう、Domino とのあいだ変換へんかんする役割やくわりつ。IBM Lotus Domino 8.0.1 で追加ついかされた。当初とうしょは Microsoft Windows Mobile や BlackBerry をサポートしていた。その、iOS も追加ついかされた。HCL Verse もまた ActiveSync プロトコルを使用しようしている。

Domino Administrator (管理かんりクライアント)

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Dominoサーバを管理かんりするための管理かんりしゃようクライアントソフトウエア。グループしたDominoサーバぐん一括いっかつ管理かんりしたり、遠隔えんかくからでもこのソフトウエアを使用しようすることで、Dominoにたいして直接ちょくせつコマンド送信そうしんすることができる。ACL(アクセス操作そうさリスト)やディレクトリリンクなどの設定せっていをするさいには、このソフトウエアを使用しようすると便利べんりである。

HCL Domino Designer(開発かいはつクライアント)

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DBのソースコードたいして直接ちょくせつ入力にゅうりょくしたり、いちからDBを設計せっけいする開発かいはつしゃようクライアントソフトウエア。Eclipse RCP じょう動作どうさする。開発かいはつ環境かんきょうはノーツ R1 から存在そんざいしていたが、Domino Designer として分離ぶんりされたのは R5 からである。

HCL Nomad Designer (開発かいはつクライアント)

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Nomad 1.0.10 (2023ねん12月リリース) で追加ついかされたもので、ブラウザじょうで Domino アプリケーションを開発かいはつできるもの。上記じょうきの Eclipse RCP ばんのサブセット。

機能きのう

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パーティションサーバ

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Lotus Dominoの機能きのうひとつ。ひとつのOSにたいして複数ふくすうのDominoサーバを構築こうちくし、起動きどうさせるための機能きのう

基幹きかん部分ぶぶん共有きょうゆうし、個別こべつ設定せっていされた部分ぶぶんのみべつパーティションへ設置せっちすることで、複数ふくすうだいのDominoサーバを稼動かどうさせること出来できる。そのことがこの機能きのうめい由来ゆらいともなっている。

Windowsの場合ばあいは、基本きほんてきにはCドライブにプログラム(基幹きかん部分ぶぶん)をインストールし、DやEなどにデータ(個別こべつ設定せってい作成さくせいされたデータなど)を設置せっちする。エンジンを共有きょうゆうしているため、負荷ふか実質じっしつ1.5ばい程度ていどであり、それぞれにべつ役割やくわりたせたい場合ばあいには非常ひじょう効率こうりつ構成こうせい構築こうちくすること出来できる。とくにエンタープライズ環境かんきょうのような、多数たすうのユーザがアクセスする環境かんきょうでは、往々おうおうにしてネットワーク負荷ふか非常ひじょうたかくなってしまう。そのためDominoサーバごとにネットワークカードをあてて、サーバ単体たんたいたいしてのアクセス負荷ふか分散ぶんさんすることが出来できる。ただし、サーバにたいする物理ぶつり負荷ふか当然とうぜんわらない。

ディレクトリリンク

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Dominoの機能きのうのひとつであるディレクトリリンクとは、Dominoサーバのデータを設置せっちしたディレクトリ(Dominoデータディレクトリ)ないから、パーティションのディレクトリやそとHDD、ストレージサーバなどにリンクを作成さくせいし、リンクさきがあたかもどういちディレクトリであるかのように、Dominoサーバが振舞ふるまわせる機能きのうである。

おもにリソース対策たいさくや、データ拡散かくさんなどを目的もくてき使用しようされる。

従来じゅうらい設置せっちしてあったHDDでは容量ようりょうりなくなった場合ばあい、データの整理せいり削除さくじょ・またはHDDをよりだい容量ようりょうなものに交換こうかんする必要ひつようがあるが、そういった手間てま省略しょうりゃくするため、のパーティションにもスペースを占有せんゆうする機能きのうである。そのため、データの拡散かくさん可能かのうであるため、まんいちHDDが破損はそんしてしまった場合ばあい保険ほけんにもなりうる。

Active Content Filter (ACF)

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Dominoサーバによる悪意あくいある異常いじょうコード削除さくじょ機能きのう。Dominoサーバに設置せっちされたメールボックスあて送信そうしんされたメールに、悪意あくいあるActiveXやJavascriptなどを発見はっけんすると、そのメールのヘッダごと削除さくじょしてしまう機能きのう。ただしNotesではメールを正常せいじょう表示ひょうじできるが、DWAで表示ひょうじした場合ばあいには、ACFの誤作動ごさどう原因げんいん本文ほんぶんまるごと消失しょうしつしてしまうなどの問題もんだいてんもある。

実績じっせき比較ひかく

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Lotus Notes/Dominoは、だい企業きぎょう防衛ぼうえいしょう自衛隊じえいたいなどを中心ちゅうしん採用さいようされており、とく都市とし銀行ぎんこうでの普及ふきゅうりつは100%とされる。IBMテクニカルサービスによる平成へいせい18年度ねんど普及ふきゅうりつ調査ちょうさでは、300〜999にん規模きぼ企業きぎょう(9229しゃ)で24%、1000〜4999にん規模きぼ企業きぎょう(2552しゃ)で38%、5000にん規模きぼ以上いじょう企業きぎょう(385しゃ)においては55%であると報告ほうこくされた(なおこの普及ふきゅうりつには、保守ほしゅ目的もくてきでのライセンス購入こうにゅうなどはふくまれていないため、実際じっさい割合わりあいさらたかいとされた)。

Lotus Notes/Dominoはオープンシステムけのパッケージソフトウェアであるが、レガシーマイグレーション対象たいしょうとされる場合ばあいがある。これはLotus Notesがグループウェア製品せいひんとしてはもっとふること現在げんざいのWebけいグループウェア製品せいひん比較ひかくするとクライアントサーバーがたであり、クライアントの配布はいふ管理かんり必要ひつようことなどがげられる。

また2002ねん~2007ねんには、IBMはJavaおよびWebベースのIBM Workplace推進すいしんしたため、一部いちぶでは「Lotus Notes/Dominoはくなるのではないか」との観測かんそくながれた。しかしLotus NotesはR8よりeclipseベースに移行いこうして存続そんぞくし、Webけい製品せいひんとの連携れんけい強化きょうかした。またIBM Workplace製品せいひんぐんは、Lotusブランドのなか製品せいひんとなった。

Lotus Notes/Dominoのおも競合きょうごう製品せいひんは、1990年代ねんだいにはMicrosoft Exchange Server(および現在げんざいではSharePoint Server)であり、2000年代ねんだいにはWebけいサイボウズ Officeなどである。なお、これら製品せいひんたいしNotesのPIM機能きのう限定げんていてき使用しようできる「Domino Web Access」などの製品せいひんている。製品せいひんコンセプトの比較ひかくでは、Exchangeはメールベースの製品せいひんであり、ワークフローなど高度こうど機能きのうでは複数ふくすうのサーバ製品せいひんわせる必要ひつようがある。サイボウズなどは用意よういされたWeb画面がめんをすぐに手軽てがる使つかえる製品せいひんである。これらにたいしてLotus Notes/Dominoは、強力きょうりょく複製ふくせい機能きのう定型ていけい文書ぶんしょデータベースであり、ユーザーの開発かいはつプラットフォームとしての側面そくめんつよい。

修正しゅうせいモジュール

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Lotus Notes/Dominoの修正しゅうせいモジュール(FIX)には、おも以下いかの3種類しゅるい(3レベル)がある[11]

  1. メンテナンス・リリース(Maintenance Release、MR)- 多数たすう修正しゅうせい累積るいせきしたもの
  2. フィックス・パック(Fix Pack、FP)- メンテナンス・リリースのあいだ修正しゅうせい累積るいせきしたもの
  3. ホットフィックス(Hotfix、HF)- 重大じゅうだい障害しょうがい脆弱ぜいじゃくせい修正しゅうせいなど、個別こべつ対応たいおう暫定ざんてい修正しゅうせいであり、一般いっぱん公開こうかいはされない(のIBMソフトウェア製品せいひんのi-Fix、e-Fixに相当そうとう

たとえば、8.5にたいして、メンテナンスリリース1、フィックスパック2、ホットフィックス345を適用てきようした場合ばあい表示ひょうじは「8.5.1 FP2 HP345」である。

参照さんしょう

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  1. ^ Steve Lohr (June 13, 1995). “What Lotus Got: Cash and Freedom ”. The New York Times. https://www.nytimes.com/1995/06/13/business/what-lotus-got-cash-and-freedom.html June 21, 2019閲覧えつらん 
  2. ^ Alas, poor Lotus/IBM Notes, we knew ye well” (December 10, 2018). 2021ねん7がつ8にち閲覧えつらん
  3. ^ a b IBM Notes/Domino 9.0 Social Edition は、企業きぎょうをソーシャル・ビジネスの実現じつげん確実かくじつみちびきます - 日本にっぽんIBM
  4. ^ https://newsroom.ibm.com/2018-12-06-HCL-Technologies-to-Acquire-Select-IBM-Software-Products-for-1-8B
  5. ^ https://www.hcljapan.co.jp/news-gl/20190701-735.html
  6. ^ べいLotusしゃが、「Domino」を発表はっぴょう”. PC Watch (1996ねん5がつ29にち). 2012ねん5がつ3にち閲覧えつらん
  7. ^ ロータス、「ノーツ ドミノR4.5」と「ノーツ R4.5」を発売はつばい”. PC Watch (1997ねん2がつ3にち). 2012ねん8がつ23にち閲覧えつらん
  8. ^ IBM、Lotus Notesはつのホステッド・サービスを月額げつがく8ドルで提供ていきょう[リンク]
  9. ^ a b IBM発表はっぴょうレター: IBM Notes/Domino 9.0.1 はサポート期間きかん延長えんちょうし、 IBM Connections V5.5 のソーシャル機能きのう活用かつようしたコラボレーション機能きのう拡張かくちょうします (2016ねん9がつ13にち) [1]
  10. ^ IBM発表はっぴょうレター: IBM Verse On-Premises V1.0 は次世代じせだいのクラウド・メール体験たいけんをオンプレミス・ユーザーに提供ていきょうします (2016ねん12月13にち) [2][リンク]
  11. ^ Lotus Notes/Domino 障害しょうがい修正しゅうせいプログラム提供ていきょうのポリシー[リンク]

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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