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ispace

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社かぶしきがいしゃispace
ispace, inc.
種類しゅるい 株式会社かぶしきがいしゃ
機関きかん設計せっけい 監査かんさやくかい設置せっち会社かいしゃ[1]
市場いちば情報じょうほう
東証とうしょうグロース 9348
2023ねん4がつ12にち上場じょうじょう
本社ほんしゃ所在地しょざいち 日本の旗 日本にっぽん
105-0014
東京とうきょうみなとしば2-7-17
住友すみとも芝公園しばこうえんビル10F
設立せつりつ 2010ねん9がつ10日とおか
業種ぎょうしゅ サービスぎょう
法人ほうじん番号ばんごう 3030003001527
事業じぎょう内容ないよう 航空こうくう宇宙うちゅう産業さんぎょう
代表だいひょうしゃ 代表だいひょう取締役とりしまりやく 袴田はかまだ武史たけし
資本しほんきん 1000まんえん
じゅん利益りえき ▲16おく1466まん4000えん(2020ねん03がつ31にち時点じてん[2]
そう資産しさん 70おく6487まん8000えん(2020ねん03がつ31にち時点じてん[2]
主要しゅよう株主かぶぬし 袴田はかまだ武史たけし(19.12%)
株式会社かぶしきがいしゃINCJ(9.75%)
インキュベイトファンド3ごう投資とうし事業じぎょう有限ゆうげん責任せきにん組合くみあい(9.55%)
小沼おぬま美和みわ(7.82%)
株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽん政策せいさく投資とうし銀行ぎんこう(5.57%)
IF Growth Opportunity FundⅠ, L.P.(3.40%)
中村なかむら貴裕たかひろ(3.19%)
株式会社かぶしきがいしゃTBSホールディングス(2.79%)
IF SPV1ごう投資とうし事業じぎょう組合くみあい(1.87%)
株式会社かぶしきがいしゃSMBC信託しんたく銀行ぎんこう(1.87%)
吉田よしだ和哉かずや(1.59%)
ICJ1ごうファンド投資とうし事業じぎょう有限ゆうげん責任せきにん組合くみあい(1.59%)
株式会社かぶしきがいしゃ(1.43%)
清水建設しみずけんせつ株式会社かぶしきがいしゃ(1.39%)
株式会社かぶしきがいしゃ電通でんつうグループ(1.39%)
コニカミノルタ株式会社かぶしきがいしゃ(1.39%)
スズキ株式会社かぶしきがいしゃ(1.39%)
スパークス・グループ株式会社かぶしきがいしゃ(1.39%)
関係かんけいする人物じんぶつ 袴田はかまだ武史たけし創業そうぎょうしゃ
吉田よしだ和哉かずや初代しょだいCTO・主要しゅよう株主かぶぬし
中田なかたはな寿子ひさこ取締役とりしまりやく
外部がいぶリンク ispace-inc.com/jpn/ ウィキデータを編集
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ispace(アイスペース)は、日本にっぽん宇宙うちゅうベンチャー企業きぎょう月面げつめんへのペイロード輸送ゆそうサービスとう提供ていきょうする[3]

これまでのミッションでは、2018ねんまでGoogle Lunar X Prize参加さんか月面げつめん走行そうこうローバーHAKUTO開発かいはつ。2023ねん自社じしゃつき着陸ちゃくりくせんRESILIENCEにより民間みんかんはつ月面げつめん着陸ちゃくりくミッション1)を目指めざしたが失敗しっぱい。2025ねん6がつふたたがつ着陸ちゃくりくミッション2)を目指めざしている。

歴史れきし

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ispace設立せつりつまえ

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ispaceの前身ぜんしん、ホワイトレーベルスペース・ジャパンの誕生たんじょういたった契機けいきとして、2007ねんにピーター・ディアマンディスが月面げつめんでの賞金しょうきんレースGoogle Lunar X Prize (GLXP) を発表はっぴょうしたことがげられる。2010ねん12月31にちにGLXPの参加さんか登録とうろくられた時点じてんではレースに日本にっぽん拠点きょてんとするチームは参加さんかしていなかったものの、東北大学とうほくだいがく教授きょうじゅ吉田よしだ和哉かずや宇宙うちゅうロボット研究けんきゅうしつオランダ拠点きょてんとするチーム「ホワイトレーベルスペース」にくわわっていた。メディア業界ぎょうかい活動かつどうしていたスティーブ・アレンが代表だいひょうつとめるこのチームは[4]開発かいはつ拠点きょてん欧州おうしゅう日本にっぽんかれており、欧州おうしゅうがわつき着陸ちゃくりく日本にっぽんがわ月面げつめんしゃ (ローバー) の開発かいはつおこなうこととなっていた。

  • 2010ねん1がつ、ホワイトレーベルスペースが日本にっぽん開催かいさいしたイベントで袴田はかまだ武史たけし吉田よしだ和哉かずや出会であ[5]、GLXPへの参加さんか検討けんとうはじめる[3]
  • 2010ねん5がつ袴田はかまだ日本にっぽんでの月面げつめんしゃ開発かいはつ資金しきん調達ちょうたつ広報こうほう活動かつどうおこなうため、合同ごうどう会社かいしゃホワイトレーベルスペース・ジャパン創設そうせつ[3]吉田よしだ和哉かずやはCTOに就任しゅうにんした。日本にっぽんではホワイトレーベルスペース・ジャパンが資金しきん確保かくほ目指めざしていた一方いっぽう欧州おうしゅうがわは2012ねんごろには資金しきん不足ふそくにより開発かいはつまり、レースから撤退てったいすることとなった。
  • 2013ねん1がつ30にちにチームの拠点きょてん欧州おうしゅうから日本にっぽんうつすことが発表はっぴょうされ、代表だいひょうはスティーブ・アレンから袴田はかまだ交代こうたいした[6]

ispace設立せつりつ以降いこう

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  • 2013ねん
    • 5月、ホワイトレーベルスペース・ジャパンが組織そしき変更へんこうされ、社名しゃめい株式会社かぶしきがいしゃispaceとなる[3]
    • 7がつ16にち、ispaceが運営うんえいするGLXPのチームめい白兎しろうさぎにちなむ「HAKUTO」に変更へんこうされた。
  • 2015ねん
    • 1がつ、アメリカ進出しんしゅつのため日本にっぽん法人ほうじん親会社おやがいしゃとしてispace technologies, inc.をアメリカデラウェアしゅう設立せつりつ[3]
    • 1がつ26にちHAKUTOはGLXPのなかあいだしょう受賞じゅしょうし、賞金しょうきん50まんドルを取得しゅとくした[5]。HAKUTOは月面げつめんしゃ開発かいはつとくし、月面げつめんへの到達とうたつ必要ひつよう着陸ちゃくりく自前じまえでは開発かいはつせず、GLXPに参加さんかするほかのチームの着陸ちゃくりく有償ゆうしょうせてもらうという作戦さくせんった。レース終盤しゅうばんにはインドのチームインダスの着陸ちゃくりく相乗あいのりすることになったものの、2018ねん1がつ、チームインダスは資金しきん不足ふそくにより地球ちきゅうからのげに使つかうロケットの調達ちょうたつ断念だんねんした。
  • 2016ねん10がつ親会社おやがいしゃであるアメリカ法人ほうじんのispace technologies, inc.を解散かいさんし、日本にっぽん法人ほうじん本社ほんしゃとする。日本にっぽん法人ほうじん子会社こがいしゃとしてispace technologies U.S., inc.べいデラウェアしゅう設立せつりつ[3]
  • 2017ねん
    • 3月、日本にっぽん法人ほうじん子会社こがいしゃとしてispace EUROPE S.A.ルクセンブルク設立せつりつルクセンブルク政府せいふつき資源しげん開発かいはつかんする覚書おぼえがき締結ていけつ[3][7]。それまで月面げつめんしゃ開発かいはつ注力ちゅうりょくしていたが、袴田はかまだ当時とうじ最高さいこう執行しっこう責任せきにんしゃ中村なかむら貴裕たかひろインキュベイトファンド代表だいひょうパートナーの赤浦あかうらてっから今後こんごはGLXP終了しゅうりょう見据みすえてispaceがみずかがつ着陸ちゃくりく開発かいはつすることを提案ていあんされた[8]
    • 12月13にち、ispaceは独自どくじつき着陸ちゃくりく「シリーズ1」を開発かいはつすることを発表はっぴょう。2019ねんまつごろのミッション1でまずつき周回しゅうかいおこない、2020ねんまつごろにミッション2でつき着陸ちゃくりく月面げつめんしゃによるつき探査たんさおこなうとしていた。同時どうじにispaceは当時とうじ国内こくないのスタートアップ企業きぎょうでは最高さいこうがくとなる101.5おくえんのシリーズA資金しきん調達ちょうたつ実施じっし。またこのとき同社どうしゃのムーンバレー構想こうそう公表こうひょうされた。
  • 2018ねん
    • 3月、GLXPは終了しゅうりょうし、同月どうげつ31にちHAKUTOチームは挑戦ちょうせん終了しゅうりょうすることを発表はっぴょうした。
    • 9月26にちにispaceは最初さいしょつき探査たんさプログラムを「HAKUTO-R」と命名めいめいすることを発表はっぴょう同時どうじ米国べいこくスペースXしゃと2回分かいぶん契約けいやく締結ていけつしたこともあきらかになった。
    • 10月9にち、ispaceは米国べいこくチャールズ・スターク・ドレイパー研究所けんきゅうじょ共同きょうどうNASA商業しょうぎょう月面げつめん輸送ゆそうサービス (CLPS) の公募こうぼつき着陸ちゃくりく「アルテミス7」の提案ていあんおこなった[9]。アルテミス7はHAKUTO-Rで使つかわれるつき着陸ちゃくりく米国べいこくてたものである[ちゅう 1]。ispaceとドレイパー研究所けんきゅうじょは2026ねんまでの中長期ちゅうちょうきのパートナー契約けいやくむすんでいる[10]。11月29にち、NASAはCLPSへ参加さんかする資格しかくゆうする企業きぎょう9しゃのうちひとつとしてドレイパー研究所けんきゅうじょ選定せんていした。
  • 2019ねん8がつ22にち、ispaceはHAKUTO-Rのミッション内容ないよう変更へんこう発表はっぴょうした。つき着陸ちゃくりく前倒まえだおしで2021ねんミッション1実施じっしミッション2は2023ねん着陸ちゃくりく月面げつめんしゃによるつき探査たんさ実施じっしすることとした。
  • 2020ねん
    • 12月4にち、NASAは月面げつめん資源しげん採取さいしゅし、それをNASAへ譲渡じょうと (販売はんばい) する資格しかくゆうする企業きぎょうとしてispace(本社ほんしゃ)、子会社こがいしゃispace Europeをふくむ4しゃ選定せんていした[11]計画けいかくではまずispaceがミッション1の着陸ちゃくりくつきレゴリス採取さいしゅし、つづいてミッション2でispace Europeが月面げつめんしゃでレゴリスの採取さいしゅおこな[12][13][14]
    • 12月、ispace technologies, U.S. , inc.のオフィスをべいコロラドしゅうデンバー移転いてん[15][3]
  • 2021ねん
    • 5月27にちにはカナダ宇宙うちゅうちょう (CSA) から開発かいはつ資金しきんカナダ企業きぎょう3しゃ[16]がそれぞれがつへの輸送ゆそう・データ供与きょうよをispaceに委託いたくした[17]
    • 7がつ日本にっぽん無線むせん免許めんきょ取得しゅとく電波でんぱ利用りよう目的もくてきとして子会社こがいしゃispace Japan設立せつりつ[3]
    • 8がつ24にち、ispaceは従来じゅうらいよりも大型おおがたつき着陸ちゃくりく構想こうそう発表はっぴょう(のちのAPEX 1.0)。この着陸ちゃくりく設計せっけい製造せいぞう米国べいこく国内こくないおこなわれる[18]
  • 2022ねん7がつ25にち、NASAはCLPSはつつき裏側うらがわへの貨物かもつ輸送ゆそうミッションをドレイパー研究所けんきゅうじょ発注はっちゅうした[19]当初とうしょispaceはこのミッションで使つかわれる着陸ちゃくりくとして「シリーズ2」を発表はっぴょうしていたが、2023ねん9がつ28にちあらたなデザインの着陸ちゃくりく「APEX 1.0」を公開こうかいした[20]

開発かいはつ機体きたい

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RESILIENCEランダー(おく)とSORATOローバー(手前てまえ

ローバー

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  • SORATO
  • TENACIOUS(テネシアス、マイクロローバー)
    • 重量じゅうりょう5kg、たかさ26cm、はば31.5cm、全長ぜんちょう54cm。HDカメラを搭載とうさいした4りんローバーで、ランダー経由けいゆ管制かんせいしつ通信つうしんする。展開てんかいしき太陽光たいようこうパネルを搭載とうさいし14にち以上いじょう稼働かどうえつ目指めざし、搭載とうさいスコップでレゴリスの採取さいしゅ計画けいかく
    • ミッション2に搭載とうさいし、採取さいしゅしたレゴリスはNASAとの取引とりひきプログラムによって所有しょゆうけんわた予定よていだが、わた対応たいおう未定みてい[22]欧州おうしゅう拠点きょてん開発かいはつ[23]

ランダー

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  • RESILIENCE
    • 乾燥かんそう重量じゅうりょう340kg、販売はんばい可能かのうなペイロード重量じゅうりょう30kg。
    • ミッション1・2で使用しようされたランダー。日本にっぽん拠点きょてん開発かいはつ[3]
  • APEX 1.0
    • 乾燥かんそう重量じゅうりょう1,350kg、販売はんばい可能かのうなペイロード重量じゅうりょう300kg(ミッション4以降いこう最大さいだい500kg)。
    • 2026ねん打上うちあ予定よていのミッション3以降いこう使用しようするランダー。米国べいこく拠点きょてん開発かいはつ[3]
  • シリーズIIIランダー(仮称かしょう
    • 2027ねん打上うちあ予定よていのミッション6以降いこう使用しようすることが想定そうていされているランダー。日本にっぽん拠点きょてん開発かいはつ[3]

HAKUTO-Rプログラム

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ispaceの最初さいしょの2かいつき探査たんさミッションはHAKUTO-Rというプログラムを構成こうせいしている。HAKUTO-Rでは地球ちきゅうから月面げつめんへの輸送ゆそう技術ぎじゅつ実証じっしょうなどがおこなわれる。「R」にはReboot (さい起動きどう) の意味いみめられている[24]

ミッション1

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最初さいしょおこなわれるHAKUTO-R ミッション1 (M1) は、アラブ首長しゅちょうこく連邦れんぽう月面げつめんしゃラシッドなどを[25]、2022ねん12月にげられた[26]。M1は宇宙うちゅう空間くうかんを4カ月かげつはん航行こうこうして2023ねん4がつ26にちつき到着とうちゃく民間みんかん企業きぎょうとして世界せかいはつ月面げつめん着陸ちゃくりく目指めざしたが、月面げつめんへの軟着陸なんちゃくりく失敗しっぱい。ランダーとの通信つうしん途絶とだえた[27]

ミッション2

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HAKUTO-R ミッション2 (M2) は2025ねん1がつげられた[28]。このミッションではispace Europeが開発かいはつした月面げつめんしゃによるつき探査たんさおこなわれる。またつき縦穴たてあな探査たんさ検討けんとうされている[24]

2023ねん、「HAKUTO-R」のげを2024ねんふゆごろおこなうと発表はっぴょう。ソフトウェアの改良かいりょうなどをおこなった次回じかいつき着陸ちゃくりくせん名称めいしょうを「再起さいき」や「復活ふっかつ」の意味いみめた「RESILIENCE」としたと発表はっぴょうした。[29]

2024ねん1がつ20日はつかにJAXAのSLIMが、そして同年どうねん2がつ22にちインテュイティブ・マシーンズのNova-Cが月面げつめん着陸ちゃくりく成功せいこうしたことで、日本にっぽんはつ、そして民間みんかん企業きぎょうによる世界せかいはつ月面げつめん着陸ちゃくりく成功せいこう称号しょうごうゆずることとなった。HAKUTO-R ミッション1失敗しっぱい原因げんいんに、「世界せかいはつ」のこういそぐブラックな企業きぎょう体質たいしつ指摘してきする見解けんかいもある[30]

つき裏側うらがわへの着陸ちゃくりく

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ispaceのさん番目ばんめのミッションはつき裏側うらがわ着陸ちゃくりくおこなう。このミッションはドレイパー研究所けんきゅうじょ主導しゅどうしており[19]、ispaceはつき着陸ちゃくりく設計せっけいおこなう。つき裏側うらがわでは地球ちきゅう直接ちょくせつ通信つうしんすることができないため、着陸ちゃくりく一緒いっしょに2通信つうしん衛星えいせいげられ、これらはつき周回しゅうかい軌道きどう投入とうにゅうされる[31]。2023ねん9がつ現在げんざい、このミッションは2026ねんげが予定よていされている[20]

研究けんきゅう開発かいはつ

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すうねん以内いないつきおくられる見込みこみのかくミッションのほかに、ispaceは将来しょうらい見据みすえたさまざまな技術ぎじゅつ研究けんきゅう開発かいはつおこなっている。

昆虫こんちゅうがたロボット
整地せいちでの歩行ほこう跳躍ちょうやくのためあしがた構造こうぞうした昆虫こんちゅうがたロボット[32]不定ふていがた表面ひょうめん把持はじするためのかぎつめがたグリッパ (ロボットハンド) を開発かいはつJAXA宇宙うちゅう探査たんさイノベーションハブのだい1かい研究けんきゅう提案ていあん募集ぼしゅう採択さいたくされ、東北大学とうほくだいがく共同きょうどうで2016ねん4がつから2017ねん3がつまで研究けんきゅう[33][34]
宇宙うちゅうぐんロボット
つき小惑星しょうわくせい表面ひょうめん資源しげん探査たんさように1000だいものロボットを協調きょうちょう制御せいぎょする技術ぎじゅつ。JIG-SAW株式会社かぶしきがいしゃ共同きょうどう研究けんきゅう[35][32]
Polar Ice Explorer (PIE)
つききょくいきでのその資源しげん利用りよう (ISRU) の実現じつげんせい探査たんさするミッションのコンセプト。月面げつめん表面ひょうめん温度おんどひく地域ちいき着陸ちゃくりくし、水素すいそ分布ぶんぷ埋蔵まいぞうりょう土壌どじょう性質せいしつなどの調査ちょうさおこなうという前提ぜんていのもと、ミッションの構成こうせい搭載とうさいする観測かんそく装置そうち資金しきん調達ちょうたつ手法しゅほう検討けんとうおこなった。ispace Europeが研究けんきゅう[36]
推薬液化えきかエネルギーを低減ていげんする磁気じき冷凍れいとう技術ぎじゅつ
将来しょうらい月面げつめん推薬精製せいせいプラントけに、液体えきたい酸素さんそ液体えきたい水素すいそ精製せいせい必要ひつような推薬液化えきかシステムの検討けんとう液化えきかには従来じゅうらい気体きたいしき冷凍れいとうよりもこう効率こうりつ磁気じき冷凍れいとう方式ほうしき採用さいよう小型こがた磁石じしゃくシステムの試作しさく月面げつめん設置せっちする磁気じき冷凍れいとう概念がいねん設計せっけいおこなった[37]。JAXA宇宙うちゅう探査たんさイノベーションハブのだい6かい研究けんきゅう提案ていあん募集ぼしゅう採択さいたくされ、物質ぶっしつ材料ざいりょう研究けんきゅう機構きこう住友商事すみともしょうじ高砂熱学工業たかさごねつがくこうぎょう共同きょうどうで2021ねん2がつから2022ねん2がつまで研究けんきゅう[38]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ アルテミス7のてはゼネラル・アトミックスおこな予定よていだった。なおNASAのアルテミス計画けいかく名称めいしょうはこれよりのちの2019ねん5がつ14にち発表はっぴょうされており、アルテミス7とおな名前なまえなのは偶然ぐうぜんである。

出典しゅってん

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  1. ^ About Us - 株式会社かぶしきがいしゃispace
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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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