Microsoft Office Communications Server

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Microsoft Office Communications Server
開発元かいはつもと マイクロソフト
初版しょはん

LCS:2003ねん11月4にち (20ねんまえ) (2003-11-04)

OCS:2007ねん11月1にち (16ねんまえ) (2007-11-01)
最新さいしんばん
2007 R2 / 2009ねん5がつ (15ねんまえ) (2009-05)
対応たいおうOS Windows Server
プラットフォーム x64
前身ぜんしん Live Communications Server
後継こうけい Lync Server、Skype for Business Server
種別しゅべつ インスタントメッセージグループウェア
ライセンス Microsoft EULA プロプライエタリ
公式こうしきサイト office.microsoft.com/ja-jp
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Microsoft Office Communications Server(マイクロソフト オフィス コミュニケーションズ サーバー、OCS)は、マイクロソフト提供ていきょうするエンタープライズけリアルタイムコミュニケーションサーバーである。具体ぐたいてきには、インスタントメッセージングプレゼンス表示ひょうじ、ファイル転送てんそう、ピアツーピアもしくは多人数たにんずうVoIP、ビデオ通信つうしん電話でんわ・ビデオ・Web・PSTN利用りようした会議かいぎができる。これらの機能きのう組織そしきない組織そしきあいだ・インターネットじょう外部がいぶユーザー・またPSTNもうとのあいだ提供ていきょうされる。

Microsoft Office CommunicatorLive Meetingクライアントなどのクライアントソフトウェアとわせて利用りようする。2007ねん発売はつばいされたMicrosoft RoundTableわせると、リモート会議かいぎ参加さんかしゃ会議かいぎテーブルのまわりにすわっている全員ぜんいんのパノラマビデオを表示ひょうじさせることができた[1]

2011ねん1がつ後継こうけい製品せいひんMicrosoft Lync Server 2010がリリース[2]、その2015ねん4がつMicrosoft Skype for Business Server[3]移行いこうされている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

Office Communications Serverは、元々もともとLive Communications Server (LCS)とばれていたリアルタイムコラボレーション製品せいひん後継こうけいばんである。

Live Communications Server 2003[編集へんしゅう]

Live Communications Server 2003は、元々もともとMicrosoft Exchange 2000 Serverの世代せだいでExchange 2000 Conference Serverとして提供ていきょうされていた会議かいぎサーバーの機能きのうやExchange 2000 Server Instant Messaging Serviceとして提供ていきょうされていたインスタントメッセージ機能きのうべつ製品せいひんとしてしたものである。Live Communications Server 2003は2003ねん11月4にち発売はつばいされた[4]開発かいはつコードめいは「Greenwich」。

インスタントメッセージ、プレゼンス情報じょうほう表示ひょうじ音声おんせい通話つうわビデオ会議かいぎなどを提供ていきょうする、企業きぎょうけIMサーバソフトという位置いちづけで提供ていきょうされた。

Live Communications Server 2005[編集へんしゅう]

2005ねん1がつ発売はつばいされた。開発かいはつコードめいは「Vienna」。Standard EditionとEnterprise Editionのふたつのエディションが提供ていきょうされるようになった。フェイルオーバークラスタリングなどの機能きのうあたらしく搭載とうさいされた。クライアントソフトウェアはWindows Messenger使つかっていたが、途中とちゅうからOffice Communicator 2005に変更へんこうされた。

Office Communicator MobileやOffice Communicator Web Accessといった、パソコンのクライアントソフトウェア以外いがいからのアクセス方法ほうほう提供ていきょうされるようになった。

また、Live Communications Server PIC(Public IM Conenctivity)とばれる、AOL Instant MessengerYahoo! MessengerMSN Messengerなど公共こうきょうインスタントメッセージサービスとの接続せつぞくサービスがService Pack 1より開始かいしされた。

Office Communications Server 2007[編集へんしゅう]

2007ねん11月1にちからOCS 2007の提供ていきょう開始かいしされた[5]。このリリースから、名称めいしょうがLive Communications ServerからOffice Communications Serverに変更へんこうされた。Microsoft RoundTableとの連携れんけいによる、360パノラマ映像えいぞう使つかってのビデオ会議かいぎや、専用せんよう電話機でんわきデバイスとの連携れんけい可能かのうになった。

VoIPサポートが強化きょうかされ、PBXとの接続せつぞくOffice Communicator 2007による着信ちゃくしん電話でんわ転送てんそうなどがサポートされるようになった。

Office Communications Server 2007 R2[編集へんしゅう]

2009ねん5がつ1にちからOCS 2007 R2の提供ていきょう開始かいしされ、以下いかのような機能きのう追加ついかされた[6]。このバージョンより32ビット環境かんきょうのサポートがくなり、x64のみのサポートとなった。

  • 一般いっぱん回線かいせんからの電話でんわ会議かいぎ参加さんか
  • デスクトップ共有きょうゆう
  • 履歴りれきのこるグループチャット
  • アシスタントようコンソールと、委任いにん
  • SIPのトランキング
  • モバイルと同一どういつ番号ばんごうアクセス (ワンナンバー)

機能きのう[編集へんしゅう]

Office Communications Serverの基本きほんてき機能きのうひとつは、組織そしきないでのインスタントメッセージとプレゼンス情報じょうほう表示ひょうじである。具体ぐたいてきには豊富ほうふなプレゼンス情報じょうほう表示ひょうじ、ファイル転送てんそう、インスタントメッセージ、音声おんせい・ビデオ通信つうしん機能きのうなどである(これらの機能きのうは、ファイアウォールやネットワークアドレス変換へんかん影響えいきょうなどで、Office Communicator以外いがいのIMクライアントを利用りようしている組織そしきでは利用りようできない)。OCSは組織そしきない組織そしきがいのネットワークで、セキュアな音声おんせい・ビデオ通信つうしんおこなうためにen:Interactive Connectivity EstablishmentTLS暗号あんごう利用りようしている。

OCS 2007はリモートからアクセスするユーザーもサポートしている。これはモバイルやテレワーカーなど、インターネットしにアクセスしてくる組織そしきないのユーザーからの接続せつぞくと、パートナー企業きぎょうからの接続せつぞく両方りょうほうをサポートしている。OCS 2007はフェデレーションばれる、ほかの組織そしきのIMネットワークとの相互そうご接続せつぞく可能かのうにする機能きのう実装じっそうされている。フェデレーションの機能きのうによって、手動しゅどう組織そしきのエッジサーバーを手動しゅどう登録とうろく)もしくはDNSのSRVレコードを利用りようして組織そしきのOCSと接続せつぞくすることができる。

OCSはIMとプレゼンス表示ひょうじのために、SIPと、SIMPLEとばれるSIPの拡張かくちょうおこなったプロトコルを利用りようしている。メディアはRTPSRTP利用りようしている。Live Meetingようクライアントは、コンテンツのダウンロードにPSOM利用りようしている。Office CommunicatorはWebサーバーから配布はいふリストなどのアドレスちょうをダウンロードするために、HTTPSを利用りようしている。OCSは、デフォルトではSIPを利用りようする通信つうしんのすべてをTLSとSRTPで暗号あんごうしている。ただし、メディエーションサーバーとメディアゲートウェイとのあいだ通信つうしんはSIPをTCPとRTPでカプセルしている。しかしながら、Microsoft Unified Communications Open Interoperability Program[7]掲載けいさいされているようなハイブリッドがたのゲートウェイを使つかうと、すべての通信つうしん暗号あんごうされる。

OCS2007では、サーバーを通過つうかするすべてのIM通信つうしん記録きろくする機能きのうと、ビデオ会議かいぎなどのCall Detail Record記録きろくする機能きのうがある。これらの機能きのうは、様々さまざま要求ようきゅうもとめられるおおくの組織そしきにとって、コンプライアンスをまもることにつながる。これらアーカイブサーバーはエンドポイントあいだでのコンプライアンスを確保かくほするためのソリューションではない。

クライアントソフト・デバイス[編集へんしゅう]

Microsoft Office Communicator 2007とLive Meeting コンソール 2007がOCSようクライアントアプリケーションとして提供ていきょうされている。Office CommunicatorはIM・プレゼンス表示ひょうじ音声おんせい通話つうわやビデオ通話つうわ・アドホックな会議かいぎ使つかわれる。Live Meeting コンソールは事前じぜん準備じゅんびされた会議かいぎやアプリケーションの共有きょうゆう使つかわれる。これはOCSもしくはホスティングサービスであるMicrosoft Office Live Meetingのどちらにも利用りようすることができる。

ほかのクライアントには以下いかのようなものがある。

  • Office Communicator Mobile 2007はOffice Communicator 2007のWindows Mobileはんであり、操作そうさもなるべくおなじになるようにつくられている。
  • Office Communicator Web Access 2007はWebブラウザを利用りようしたプレゼンス表示ひょうじやインスタントメッセージを提供ていきょうする。
  • Microsoft RoundTableは電話でんわ会議かいぎやビデオ会議かいぎ機能きのう提供ていきょうする。おおきな特徴とくちょう会議かいぎしつの360方向ほうこううつしだし、RoundTableのまわりにすわっているひと音声おんせいひろい、スピーカーを画面がめんうつ機能きのうである[8][9]
  • LG-NortelとPolycomは、がたのOffice Communicator 2007を動作どうささせることのできる、従来じゅうらいがた電話でんわかたちをしたIPホンを提供ていきょうしている。

ホスティングサービス[編集へんしゅう]

Office Communications Serverの機能きのうをホスティングするマイクロソフトクラウドコンピューティングかたのサービスとして、Microsoft Office Communications OnlineMicrosoft Office Live Meetingサービスが存在そんざいする。前者ぜんしゃインスタントメッセージ、プレゼンス情報じょうほう表示ひょうじ、および1たい1のビデオ会議かいぎ機能きのう提供ていきょうし、後者こうしゃWeb会議かいぎであるLive Meeting機能きのう提供ていきょうする。

これらのホスティングサービスと社内しゃない設置せっちがたのサーバーは相互そうご接続せつぞくをすることはできない。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]