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N400 (神経しんけい科学かがく)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

N400は、 事象じしょう関連かんれん電位でんい (ERP)としてられる脳波のうはにおける成分せいぶん一種いっしゅである。 刺激しげき呈示ていじ開始かいしやく400ミリびょうでピークをまけ方向ほうこうれとして命名めいめいされたが、250〜500ミリびょうひろがることもある.通常つうじょう頭頂とうちょう中心ちゅうしんあたりに位置いちする電極でんきょく最大さいだい振幅しんぷく観測かんそくされる。 N400は、視覚しかくおよび聴覚ちょうかくによる単語たんご手話しゅわサイン、 写真しゃしんかお環境かんきょうおんにおいなど、 言葉ことばやその意味いみのある(または潜在せんざいてき意味いみつ)刺激しげきたいするのう反応はんのうだとかんがえられている。 [1] [2] [3]

歴史れきし

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N400は、Mart KutasとSteven Hillyardによって1980ねんはじめて発見はっけんされた. [4] かれらは元々もともとP300成分せいぶん惹起じゃっき期待きたいして、ぶん読解どっかいにおいて予期よきしない意外いがい単語たんごへの脳波のうは反応はんのう調しらべる実験じっけんおこなった。 P300は以前いぜん予期よきしない刺激しげきによって誘発ゆうはつされることがしめされていた。 したがって、KutasとHillyardは、意味いみてき逸脱いつだつした単語たんご文末ぶんまつとなるぶん使用しようし(れいわたしはクリームといぬ一緒いっしょにコーヒーをみます.えい: I take coffee with cream and dog),その予想よそうがい文末ぶんまつ単語たんごたいしてP300が観測かんそくされるとかんがえた。 しかし、この意味いみ逸脱いつだつふくんだ文末ぶんまつは、ERP波形はけいせいれをこすわりに、予測よそく可能かのう文末ぶんまつ単語たんごれいかれほん図書館としょかんもどした.えい: He returned the book to the library)にたいする波形はけい比較ひかくしてまけ方向ほうこうれをしめした.また,おな論文ろんぶんにて,このまけれが文末ぶんまつたん予期よきできない事象じしょうによって惹起じゃっきするわけではなく,意味いみてき予測よそく可能かのうでも物理ぶつりてき予測よそく不可能ふかのう単語たんごれい: She put on her high-heeled SHOES)にたいしてはN400のわりにP300が惹起じゃっきすることをたしかめた.このことから、このN400が単語たんご意味いみてき処理しょり関連かんれんしており、ただたん予期よきしない単語たんごたい反応はんのうではないことをしめした。

成分せいぶん特徴とくちょう

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N400は、頭皮とうひじょう観測かんそくできる神経しんけい細胞さいぼう電気でんきてき活動かつどう明確めいかくなパターンによって特徴付とくちょうづけられる。 その命名めいめいしめすように、この成分せいぶん刺激しげき呈示ていじからやく400ミリびょうでピークにたっする、250〜500ミリびょう時間じかん区間くかんまけつような波形はけいしめす。 この刺激しげき反応はんのうあいだ遅延ちえんは,あらゆる実験じっけん課題かだいにおいて非常ひじょう安定あんていしているとされており, 年齢ねんれい以外いがい要素ようそはそのピークのタイミングに影響えいきょうしない。 [2] N400は、 ちちさま突起とっきみみたぶ)にけられたリファレンス電極でんきょく 、および刺激しげきまえの100 msのベースラインの電位でんい比較ひかくして、まけ成分せいぶんしめす。 その振幅しんぷくは、-5〜5 マイクロボルト範囲はんいである。 ただし、N400成分せいぶん刺激しげきたいする反応はんのう指標しひょうとして使用しようする研究けんきゅうでは、刺激しげき実験じっけん条件じょうけんあいだにおける波形はけい相対そうたいてき振幅しんぷくちがい (「N400効果こうか」)が,振幅しんぷく絶対ぜったいそのものよりも重要じゅうようとなる。 N400成分せいぶん自体じたいつねまけであるということではなく,実験じっけん条件じょうけん比較ひかくしてよりまけ方向ほうこうれるということである。 その頭皮とうひじょう分布ぶんぷ頭頂とうちょう中心ちゅうしん最大さいだいとなり、また視覚しかく呈示ていじによる単語たんごでの場合ばあいには頭部とうぶ左側ひだりがわでわずかにおおきくなるが、刺激しげき呈示ていじ方法ほうほうによってわずかにことなる。

おも実験じっけんパラダイム

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N400について研究けんきゅうするための典型てんけいてき実験じっけんでは、一般いっぱんてきには視覚しかく刺激しげきによる単語たんごぶんまたは文脈ぶんみゃくくみ呈示ていじおこなう。 たとえば、典型てんけいてき視覚しかくによるN400の実験じっけんでは、被験者ひけんしゃコンピューターのモニターまえすわり、画面がめん中央ちゅうおうに1つずつ表示ひょうじされるで単語たんごる。 まばたきや視線しせん移動いどうなどのうごきはおおきな電気でんきてきノイズの原因げんいんとなるため、それにたいして比較的ひかくてきちいさな信号しんごうであるN400成分せいぶんかくしてしまわないように、刺激しげき視線しせんうごかない画面がめん中央ちゅうおう呈示ていじする必要ひつようがある。 かく刺激しげきたいして被験者ひけんしゃ適切てきせつ注意ちゅういはらっていることを確認かくにんするために、しばしば行動こうどう課題かだいれい単語たんご/単語たんご判別はんべつ内容ないよう理解りかいについての質問しつもんへの回答かいとう記憶きおくについての調査ちょうさへの応答おうとう)が被験者ひけんしゃあたえられることがある。 ただし、N400をすためには,そのような被験者ひけんしゃによる明示めいじてき反応はんのう必要ひつようなく,行動こうどうともなわずとも受動じゅどうてき刺激しげき認識にんしきすると、この反応はんのう誘発ゆうはつされる。

N400の研究けんきゅう使用しようされる実験じっけん課題かだいれいとして、 プライミングパラダイムによるものがある。 このパラダイムでは,被験者ひけんしゃには、先行せんこう単語たんご目的もくてき単語たんご連想れんそうてき関連かんれんする(はちとハチミツなど)、意味いみてき関連かんれんする(砂糖さとうとハチミツなど),またはたんなるかえし(ハチミツとハチミツなど)のいずれかである単語たんごくみ表示ひょうじされる。 目的もくてき単語たんご(ハチミツ)をときのN400の振幅しんぷくは、かえしによる意味いみてきプライミングによって減少げんしょうする[1]。 そのため,振幅しんぷく減少げんしょうりょう利用りようして、単語たんごあいだ意味いみてき関連かんれんせい程度ていど測定そくていすることができる。

またべつのよくもちいられている実験じっけん課題かだいぶん読解どっかいである。 この課題かだいでは、被験者ひけんしゃ画面がめん中央ちゅうおういち単語たんごずつ表示ひょうじされ,文章ぶんしょうわるまでつづく。 もしくは、被験者ひけんしゃ自然しぜん音声おんせいぶんいてもらう。 前述ぜんじゅつとおりではあるが、被験者ひけんしゃ実験じっけんとおして定期ていきてき内容ないよう理解りかいへの質問しつもんこたえることがもとめられる場合ばあいもあるが、この設定せってい実験じっけん必須ひっすというわけではない。 実験じっけんしゃは、文脈ぶんみゃくじょう制約せいやく文末ぶんまつ単語たんごのClozeかくりつ(Clozeかくりつ定義ていぎについては以下いか参照さんしょう)など、ぶんのさまざまな言語げんごてき特性とくせいえた条件じょうけん設定せっていすることにより、これらの変化へんかがN400波形はけい振幅しんぷくにどのような影響えいきょうおよぼすか観測かんそくする。

前述ぜんじゅつのように、N400反応はんのうは、すべての意味いみのある、または潜在せんざいてき意味いみった刺激しげきたいしてることができる。 そのため、刺激しげき呈示ていじ方法ほうほうかんしてあらゆるパラダイムを設定せっていすることができる。 はな言葉ことば[5]頭文字かしらもじ[6]文末ぶんまつかれた写真しゃしん[7]音楽おんがく[8]現在げんざい文脈ぶんみゃく関連かんれんする言葉ことば[9],および実際じっさい言葉ことばもちいた動画どうが[10],これらのすべての刺激しげき呈示ていじによるN400の反応はんのうについて調しらべられている.

言語げんご特性とくせいたいする機能きのうてき感受性かんじゅせい

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さらなる研究けんきゅうにより,実験じっけん操作そうさにおける要因よういんなかでN400に影響えいきょうあたえるものとそうでないものが調しらべられている.一般いっぱんてきあきらかになっていることとして以下いかしめす.

N400の振幅しんぷく影響えいきょうあたえる要因よういん

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単語たんご使用しよう頻度ひんどは、N400の振幅しんぷく影響えいきょうすることがられている。 のすべての要因よういん同一どういつである場合ばあい非常ひじょう頻繁ひんぱんもちいられるこう頻度ひんど単語たんごは、まれな単語たんごくらべてN400の振幅しんぷく減少げんしょうする[11]前述ぜんじゅつのように、N400の振幅しんぷく単語たんごかえしによっても減少げんしょうするため、文脈ぶんみゃくないかえしがこると、その単語たんごの2番目ばんめ呈示ていじたいしてはN400の振幅しんぷく減少げんしょうし,比較的ひかくてきせい方向ほうこう電位でんい反応はんのうしめ[12]。 これらのことから、単語たんご非常ひじょう頻度ひんどたかいものであるか、直前ちょくぜん認識にんしきした文脈ぶんみゃく登場とうじょうしている場合ばあい、N400が反映はんえいしているとされる,単語たんご意味いみ処理しょり容易よういにし、その振幅しんぷくらしている可能かのうせいかんがえられる。

N400の振幅しんぷくは、単語たんご文字もじ表記ひょうきちか単語たんごかず、または1 文字もじだけことなるほか単語たんごがどのくらい存在そんざいするか( bootとboatなど )といったことにも影響えいきょうける 。 文字もじ表記ひょうきちか単語たんごおお単語たんご形態けいたいてき類似るいじしたほかおおくの単語たんご存在そんざいする)は、そうでない単語たんごよりもおおきなN400の振幅しんぷく[13]。 この現象げんしょうは、擬似ぎじ単語たんごや、または実際じっさいには存在そんざいしない,単語たんごではない発音はつおん可能かのう文字もじれつ(flomなど)にもてはまる。 これは、N400が意味いみ理解りかいのネットワークにおける全般ぜんぱんてき活性かっせい反映はんえいしている証拠しょうことしてかんがえられており、おおくの単語たんご類似るいじしているような言葉ことば(それ自体じたい実際じっさい単語たんごであるかどうかに関係かんけいなく)が,それらの類似るいじした単語たんご意味いみ表現ひょうげんにアクセスする負荷ふかにより、よりまけ電位でんいったN400を誘発ゆうはつする。

N400は先行せんこうする刺激しげきによるプライミング影響えいきょうけやすい。いいかえると、目的もくてき単語たんごまえに、意味いみてき形態けいたいてき、または文字もじ表記ひょうきてき関連かんれんする単語たんごがある場合ばあい、その目的もくてき単語たんごたいする振幅しんぷく減少げんしょうする[1]

文脈ぶんみゃくにおいて、N400の振幅しんぷくおおきさを左右さゆうする要因よういんとしてその単語たんごのClozeかくりつばれるものがある. Clozeかくりつとは、先行せんこうする特定とくてい文脈ぶんみゃくたいしてその単語たんごつづきの単語たんごとなるかくりつとして定義ていぎされる。 KutasとHillyard(1984)は、単語たんごたいするN400の振幅しんぷくがそのClozeかくりつとほぼぎゃく線形せんけい関係かんけいにあることを発見はっけんした[14] 。 つまり、その文脈ぶんみゃくにおいてその単語たんごつづくであろうという予測よそく度合どあいがひくくなると、より予測よそくしやすい単語たんご比較ひかくしてN400の振幅しんぷくおおきくなった。 また,文脈ぶんみゃくから逸脱いつだつしている(したがって、Clozeかくりつは0となる)単語たんごは、おおきなN400振幅しんぷくす.(ただし、その逸脱いつだつした単語たんごによるN400の振幅しんぷくは、その位置いちにおいて予測よそくされる単語たんごのClozeかくりつによって変化へんかする[15].また,open-classの単語たんご(すなわち、名詞めいし動詞どうし形容詞けいようし、および副詞ふくし)によって誘発ゆうはつされるN400の振幅しんぷくは、ぶんうしろのほうあらわれるほど,前半ぜんはんあらわれる場合ばあい比較ひかくして減少げんしょうする[11]。 すなわち、これらの結果けっか示唆しさしているのは、先行せんこうする文脈ぶんみゃくによりぶん意味いみ構築こうちくされているさい、その文脈ぶんみゃく容易よういてはまる単語たんごつづ場合ばあいほど、その単語たんごによるN400の振幅しんぷく減少げんしょうするということである。

N400の振幅しんぷく影響えいきょうあたえない要因よういん

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N400の振幅しんぷく文末ぶんまつ予測よそくできない単語たんごたいしておおきくなるということであるが、その単語たんごたいして間違まちがいや不自然ふしぜんさをこすような否定ひてい表現ひょうげんによって影響えいきょうされることはないとされている[16]。 たとえば、 「A sparrow is building」というぶんにおけるbuildingたいするN400の振幅しんぷくは,「A sparrow is bird」という文中ぶんちゅうbirdたいする振幅しんぷくよりもまけ方向ほうこうおおきくなる 。 これらのぶん場合ばあいは、building文脈ぶんみゃくたいするClozeかくりつひくいため、 birdよりも予測よそくのしやすさはひくくなる。 ただし、両方りょうほうぶん否定ひていかたちである単語たんごのnot が追加ついかされた場合ばあいでも(すなわち A sparrow is not a building と A sparrow is not a birdbuildingたいするN400の振幅しんぷくほうが,birdたいする振幅しんぷくよりもおおきくなる. このことから、N400が文脈ぶんみゃくにおけるの単語たんごあいだ意味いみてき関係かんけい反応はんのうしめしていることを示唆しさしてはいるものの、かならずしもぶん真理しんりに(つまり,そのぶん意味いみてきただしいかどうかそのものに)直接的ちょくせつてき影響えいきょうけるということではないことがかる。 しかし、最近さいきん研究けんきゅうでは、N400が,否定ひていしめ目的もくてきとしてもちいられる数量すうりょう形容詞けいようし[17]によって、または現実げんじつてきそのぶん意味いみ合致がっちするかどうかによって変化へんかすることがしめされている[18]

さらに、文法ぶんぽう違反いはんはN400の反応はんのう誘発ゆうはつせず, むしろ、P600としてられる刺激しげき開始かいしやく500〜1000ミリびょうせい方向ほうこう電位でんいれをしめ[2]

N400のピークのタイミングのおくれに影響えいきょうする要因よういん

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N400の顕著けんちょ特徴とくちょうとして、その刺激しげきからの遅延ちえん一般いっぱんてき変化へんかしないことがげられる。 言語げんご特性とくせいかんするおおくの実験じっけん操作そうさがN400の振幅しんぷく影響えいきょうするが、N400の惹起じゃっきのタイミングに影響えいきょうおよぼす要因よういんはほとんどないとされている(よわい病気びょうき状態じょうたい言語げんご習熟しゅうじゅくがそのまれれいとしてげられる)[19]

発生はっせいげん

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ERP成分せいぶん神経しんけい細胞さいぼうによる発生はっせいげんめることは,発生はっせいげんから電極でんきょくいたるまでに電流でんりゅうながれが拡散かくさんしてしまうことから困難こんなんであるが、複数ふくすう手法しゅほうにより、その神経しんけい細胞さいぼうにおける発生はっせいげん可能かのうせいとしてしめされている[20]のう表面ひょうめん配置はいちされた電極でんきょく,もしくはのうまれた電極でんきょくによる計測けいそくから、またのう損傷そんしょう患者かんじゃからの根拠こんきょ、およびのう磁図(MEG)計測けいそく神経しんけい細胞さいぼう電気でんき信号しんごうによる頭皮とうひじょう磁気じきてき活動かつどう測定そくていする方法ほうほう)などにより、左脳さのうがわあたまが,N400の重要じゅうよう発生はっせいげんとしてかんがえられており、くわえて右脳うのうがわあたまからもその発生はっせい寄与きよしていることがかんがえられている[21] 。 しかし、より一般いっぱんしてうと、のうない広範囲こうはんいわたるネットワークでの活動かつどうが、N400での時間じかん区間くかん誘発ゆうはつされており、前述ぜんじゅつよりもさらに分散ぶんさんした広範囲こうはんい部分ぶぶん神経しんけい細胞さいぼう発生はっせいげん可能かのうせいしめしている(より完全かんぜん議論ぎろんについては、Kutas&Federmeier、2011、 [2]参照さんしょう)。

理論りろん

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N400がししている神経しんけい理解りかい処理しょり具体ぐたいてきなにであるかという部分ぶぶんについては、まだおおくの議論ぎろんがある。 一部いちぶ研究けんきゅうしゃは、刺激しげき認識にんしきされたのちに,N400によって反映はんえいされる潜在せんざいてき処理しょり発生はっせいするとかんがえている。 たとえば、BrownとHagoort(1993)によると、N400は処理しょり過程かていにおける後半こうはん発生はっせいし、単語たんご意味いみをそれに先行せんこうする文脈ぶんみゃく統合とうごうする処理しょり反映はんえいしているとかんがえている(Kutas&Federmeier[2]参照さんしょう)。 しかし、この説明せつめいでは、その刺激しげき自体じたい意味いみたない場合ばあい疑似ぎじ単語たんごなど)もN400を理由りゆう説明せつめいできていない。 研究けんきゅうしゃは、N400は単語たんご意味いみ認識にんしきされるよりもまえに,ずっとはや発生はっせいしており、 文字もじ表記ひょうきほうまたは音韻おんいん分析ぶんせき処理しょり反映はんえいしているとかんがえている[22]

最近さいきんでは,N400は意味いみ記憶きおくへのアクセスにかかわる処理しょりといった,よりひろ処理しょり過程かていであるとかんがえられている 。 このかんがえによると、入力にゅうりょくとなる刺激しげきからられた情報じょうほうと、短期たんきてき,また,長期ちょうきてき記憶きおくによって現在げんざい文脈ぶんみゃくからかんがえうる情報じょうほうとの統合とうごうあらわしているとされる(Federmeier&Laszlo、2009; Kutas&Federmeier、press in press [2])。

またべつせつとして、N400が予測よそくからのあやまり,または予想よそうがい結果けっか反映はんえいしているということがかんがえられている。 単語たんご予測よそく意外いがいせい(surprisal)というのは、ERPにおけるのN400の振幅しんぷくつよ関係かんけいすることがかっている[23]。 さらに、コネクショニストモデルによって,言語げんご学習がくしゅうにおける予測よそく誤差ごさにより,N400とP600の結果けっか説明せつめいがつくことがしめされている[24]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c Kutas, M.; Federmeier, K.D. (2000). “Electrophysiology reveals semantic memory use in language comprehension”. Trends in Cognitive Sciences 4 (12): 463–470. doi:10.1016/s1364-6613(00)01560-6. PMID 11115760. 
  2. ^ a b c d e f Kutas, M. & Federmeier, K.D. (In press).
  3. ^ (See Kutas & Federmeier, 2009, for review)
  4. ^ Kutas, M.; Hillyard, S. A. (1980). “Reading senseless sentences: Brain potentials reflect semantic incongruity”. Science 207 (4427): 203–208. doi:10.1126/science.7350657. PMID 7350657. 
  5. ^ Van Petten, C.; Coulson, S.; Rubin, S.; Plante, E.; Parks, M. (1999). “Time course of word identification and semantic integration in spoken language”. Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition 25 (2): 394–417. doi:10.1037/0278-7393.25.2.394. 
  6. ^ Laszlo, S.; Federmeier, K.D. (2008). “Minding the PS, queues, and PXQs: Uniformity of semantic processing across stimulus types”. Psychophysiology 45 (3): 458–466. doi:10.1111/j.1469-8986.2007.00636.x. PMC 2704151. PMID 18221447. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2704151/. 
  7. ^ Federmeier, K.D.; Kutas, M. (2001). “Meaning and modality: Influences of context, semantic memory organization, and perceptual predictability on picture processing”. Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition 27 (1): 202–224. doi:10.1037/0278-7393.27.1.202. 
  8. ^ Daltrozzo, J.; Schön, D. (2009). “Conceptual processing in music as revealed by N400 effects on words and musical targets”. Journal of Cognitive Neuroscience 21 (10): 1882–1892. doi:10.1162/jocn.2009.21113. PMID 18823240. http://daltrozzo.net78.net/papers/Daltrozzo_Schon_2009a.pdf. 
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  10. ^ Sitnikova, T.; Kuperberg, G.; Holcomb, P.J. (2003). “Semantic integration in videos of real0world events: an electrophysiological investigation”. Psychophysiology 40: 160–164. doi:10.1111/1469-8986.00016. PMID 12751813. 
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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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