NAOMI

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NAOMI(ナオミ)はセガ開発かいはつしたアーケードゲーム基板きばんである。

NAOMI
メーカー セガ・エンタープライゼス
種別しゅべつ 業務ぎょうむようゲーム
発売はつばい 日本の旗 1998ねん
対応たいおうメディア GD-ROM
ロムカセット
ぜん世代せだいハードウェア MODEL3
次世代じせだいハードウェア SEGAHIKARU
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同社どうしゃ家庭かていようゲームドリームキャスト基板きばん互換ごかんせいがある。ほん基板きばん矢木やぎひろし開発かいはつした[1]

基板きばん命名めいめいしゃ当時とうじセガのふく社長しゃちょうつとめていた鈴木すずき久司ひさしであり[2]同社どうしゃせいアーケードゲーム基板きばん「MODEL3」につづくファイナルモデル、スーパーモデルという意味合いみあいから、当時とうじファッションかいスーパーモデルであったナオミ・キャンベルにあやかってつけられた[1]

公式こうしきにはあくまでも“New Arcade Operation Machine Idea”のりゃくとされているが、発表はっぴょうかい前日ぜんじつまったのちけの名前なまえであることが公式こうしきサイトの裏話うらばなしとしてかれていたことがある。

NAOMIの「O」は発表はっぴょう当時とうじドリームキャストのロゴと同様どうよう渦巻うずまきマークでありドリームキャスト互換ごかんをほのめかすものであったが、海外かいがいのショーに出展しゅってんしたさいたんなる渦巻うずまきマークとして認識にんしきされNA-MIとまれるケースが多発たはつ急遽きゅうきょシンプルなオレンジしょくの「O」にあらためられた。

概要がいよう[編集へんしゅう]

MODEL3つづく、セガアーケードゲームの主力しゅりょく基板きばんドリームキャストとのアーキテクチャ共用きょうようからくる量産りょうさん効果こうかにより、旧来きゅうらいアーケードゲーム基板きばんをはるかにしのぐグラフィック処理しょり能力のうりょくていコストを両立りょうりつさせた。コストパフォーマンスの改善かいぜん目指めざしており、描画びょうが性能せいのう後発こうはつSEGAHIKARUにはおとる。アーケードよう家庭かていようとの相互そうご移植いしょく, 並行へいこう開発かいはつ比較的ひかくてき容易よういであり、アーケードよう家庭かていようあいだ連動れんどうおこなうタイトルも一部いちぶ見受みうけられた。業界ぎょうかいはつしんJAMMA規格きかく(JVS)の基板きばんとしてもられている。

ほん基板きばん様々さまざま拡張かくちょうキットに対応たいおうしており、デフォルトで使用しようできるROMはROMボード(交換こうかんをしやすくするためにがたになっているため実際じっさいには同社どうしゃ過去かこ発売はつばいした基板きばんST-Vでも採用さいようされていたROMカートリッジ方式ほうしきちかい)であるが、専用せんようDIMMボードとGDドライブを追加ついかすることによりGD-ROM使用しよう可能かのうスパイクアウトなど一部いちぶ作品さくひんかんしてはサウンドカードなどの増設ぞうせつ可能かのうであり、前述ぜんじゅつ連動れんどうのためにビジュアルメモリリーダーを追加ついかすることも可能かのうである。

メインボードは最大さいだい4まいをスタック接続せつぞく処理しょり性能せいのうげることも可能かのうとなっており、F355チャレンジ(2)、エアラインパイロッツ、セガ・ストライクファイターとう、マルチモニタ機種きしゅ採用さいようされている。

後続こうぞくNAOMI 2はNAOMIの後継こうけい機種きしゅあたる。DIMMボードとGD-ROMはNAOMIとおなじものが使用しようでき、ほぼデフォルトとなっている。また上位じょうい互換ごかんせいもありNAOMIようのソフトも動作どうさする。グラフィック機能きのうは、NAOMIにおいてはSH-4でおこなっていたジオメトリ演算えんざん別途べっと専用せんようチップとして実装じっそうしハードウェアすることにより、NAOMIの300まんポリゴン/びょうから1,000まんポリゴン/びょう増強ぞうきょうされており、環境かんきょうマッピング機能きのうについても負荷ふか軽減けいげんほどこされている。さらにNAOMIとおなじグラフィックチップをもう1つ追加ついかけい2つ搭載とうさいすることでレンダリング能力のうりょく増強ぞうきょうしている。

キッズカードゲーム、メダルゲームなどでは、DIMMボードとGDドライブによって拡張かくちょうされていた機能きのうを1まい基板きばん統合とうごうしたSYSTEMSP存在そんざいする。この統合とうごうさいGDドライブはコンパクトフラッシュに、DIMMボードのDIMMはフラッシュROMにえられ、ネットワーク機能きのうもオンボードとなった。I/OめんではJVS対応たいおうとなりわりにパラレルI/Oの増強ぞうきょうとサウンドアンプの追加ついかおこなわれている。SYSTEMSPは甲虫かぶとむし王者おうじゃムシキング後期こうきロットより採用さいようされていた。

NAOMI GD-ROM SYSTEMは2007ねんの『のーコネパズル たころん』を最後さいご採用さいようタイトルが登場とうじょうしなくなり、それ以降いこうはROMボードがメインにもどっている。これは、GD-ROMディスクの生産せいさんラインとドライブのメンテナンスが終了しゅうりょうしたことにくわえ、半導体はんどうたい価格かかく大幅おおはば低下ていかといった要素ようそとうによるものであるとわれる。おも海外かいがいでの補修ほしゅう用途ようととして、NAOMI2以降いこうのGD-ROMタイトルをコンパクトフラッシュにえるCF-BOXとばれるアップデートキットも存在そんざいする。

1998ねん登場とうじょうして以来いらい、2009ねんまで現役げんえきのシステムボードとして活躍かつやく新作しんさく開発かいはつがされていた基板きばんで、アーキテクチャを流用りゅうようしたATOMISWAVE登場とうじょうもNAOMIを採用さいようつづけたメーカーがすくなくない。また、いちATOMISWAVE変更へんこうになったのち、NAOMIにもどってきたシリーズも一部いちぶ存在そんざいする。

最終さいしゅうバージョンのNAOMI2はセガが独自どくじにシステムアーキテクチャから設計せっけいした最後さいごのアーケード基板きばんとなっており、以降いこうXbox互換ごかんChihiroなどの他社たしゃ家庭かていようハードがベースの基板きばんや、LinuxやWindows OSベースのLINDBERGHといったパソコン(PC)のアーキテクチャをベースとした基板きばんにシフトしていくことになる。

部品ぶひん調達ちょうたつなんともない、修理しゅうりサポートは一部いちぶのSYSTEMSP使用しようタイトル以外いがい、2017ねん3がつ31にちを以って終了しゅうりょうした[3]

スペック[編集へんしゅう]

DreamcastようSH-4 HD6417091
DreamcastようPowerVR2 315-6201
  • CPU : SH-4200MHz/360MIPS)
  • ジオメトリエンジン:VideoLogic Elan (100MHz / NAOMI 2のみ搭載とうさい)
  • RAM : 32MB(ドリームキャストは16MB)
  • VRAM :16MB(ドリームキャストは8MB)
    • NAOMI 2:32MB + モデルデータ 32MB
    • グラフィックスエンジン : Power VR2 (NAOMI 2は2搭載とうさい)
    • ポリゴン描画びょうが能力のうりょく : 300まん/びょう
      • NAOMI 2:1,000まん/びょう
    • 同時どうじ表示ひょうじしょくすう : 1677まんしょく同時どうじ表示ひょうじ(24bit)
  • サウンドRAM : 8MB(ドリームキャストは2MB)
    • サウンドエンジン : YAMAHA スーパー・インテリジェント・サウンド・プロセッサ 32bit RISC CPU (ARM7 AICA 45 MHz)内蔵ないぞう
    • サウンド機能きのう : ADPCM 64ch
  • ソフト供給きょうきゅう媒体ばいたいカートリッジがたROMボード最大さいだい172MB)/ GD-ROM(※使用しようするには別途べっとでGDドライブとDIMMボードが必要ひつよう最大さいだい1GB)

作品さくひんリスト[編集へんしゅう]

  • 特記とっきがないものはすべて(開発かいはつ発売はつばい:セガ)
  • ◎は、専用せんよう筐体きょうたい専用せんようデバイスが必要ひつようになるタイトル。

NAOMI[編集へんしゅう]

1998ねん
1999ねん
2000ねん
2001ねん
2002ねん以降いこう

NAOMI GD-ROM[編集へんしゅう]

2000ねん
2001ねん
2002ねん
2003ねん
2004ねん
2005ねん
2006ねん
2007ねん

NAOMI 2[編集へんしゅう]

SYSTEMSP[編集へんしゅう]

以下いかすべてメダルゲームで、すべて◎(専用せんよう筐体きょうたい必要ひつよう)。

開発かいはつおよび発売はつばい中止ちゅうしとなったタイトル[編集へんしゅう]

NAOMI
作品さくひんめい 開発かいはつ 発売はつばい 備考びこう ちゅう
クルットストーン
ガンビート トレジャー   トレジャーのNAOMI採用さいようさくだい1だんであり、3Dシューティングレースゲームとして1999ねん稼働かどうする予定よていだった。
トレジャー代表だいひょう前川まえかわ正人まさとが、雑誌ざっし「コンティニュー」Vol.3(2001ねん12月21にち発行はっこう)に掲載けいさいされたインタビューでかたったところによると、キャラクターや背景はいけいはできていたものの、おもしろくならなかったとして発売はつばい見送みおくったとされている。
[4]
プロジェクトケルベルス ホビボックス マイルストーン 開発かいはつ途中とちゅうPlayStation Portable移行いこう。アーケードばん公式こうしきサイトが閉鎖へいさされたため事実じじつじょう開発かいはつ中止ちゅうし状態じょうたいとなった。
ニトロロワイアル マイルストーン
NAOMI GD-ROM
作品さくひんめい 開発かいはつ 発売はつばい 備考びこう ちゅう
ポチッとにゃ〜 コンパイル(のちアイキ タイトー 元々もともとはコンパイルが開発かいはつすすめていたが、経営けいえい破綻はたんともない、同社どうしゃ創設そうせつしゃらがげたアイキがいだ。
開発かいはつ途中とちゅう使用しよう基板きばんMVS変更へんこうされた[注釈ちゅうしゃく 1]
[5]
テトリス ザ・グランドマスター3 -Terror Instinct- アリカ タイトー 開発かいはつ途中とちゅう使用しよう基板きばんTaito Type X変更へんこうされた。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • ぜくう『アーケード発売はつばい稼働かどうゲーム大全たいぜん2』さんさいブックス〈ゲームラボ選書せんしょ〉、2022ねん9がつ21にちISBN 978-4866733326 

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 『アーケード発売はつばい稼働かどうゲーム大全たいぜん2』の著者ちょしゃぜくうによると、MVSへの移植いしょくには、ビスコとエイブルがかかわっていたという。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 株式会社かぶしきがいしゃインプレス (2016ねん5がつ23にち). “「GAME ON」トークイベント「セガハードの歴史れきしかたくす」レポート 歴代れきだいセガハードのみのおや集結しゅうけつしたゆめのキャスティングが実現じつげん”. GAME Watch. 2021ねん2がつ15にち閲覧えつらん
  2. ^ 水口みずぐち哲也てつや(インタビュー)「水口みずぐち哲也てつやのハチャメチャ人生じんせいが『Rez』で人類じんるい進化しんか(?)させるまで。「制約せいやく創造そうぞうむ」なんて、もういいわけしない【ゲームの企画きかくしょ水口みずぐち哲也てつや」『でんファミニコゲーマー,マレ』、2017ねん5がつ1にちhttps://news.denfaminicogamer.jp/projectbook/rezinfinite_mizuguchi2021ねん2がつ15にち閲覧えつらん 
  3. ^ 弊社へいしゃ製品せいひん保守ほしゅ対応たいおう終了しゅうりょうについてセガ・インタラクティブ、セガ・ロジスティクスサービス 2016ねん11月
  4. ^ a b ぜくう 2022, p. 145, ガンビート.
  5. ^ ぜくう 2022, p. 107, ポチッとにゃ〜.


関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]