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OTRAG (ロケット)

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OTRAG

機能きのう Launch vehicle
製造せいぞう OTRAG
開発かいはつこく ドイツ
実績じっせき
状態じょうたい 退役たいえき
射場いば コンゴ民主みんしゅ共和きょうわこくen:Shaba North
リビア、セブハ
スウェーデンエスレンジ
そう回数かいすう 18
はつ 5月18にち 1977
最終さいしゅう 9月19にち 1983
Common Rocket Propulsion Unit
全長ぜんちょう 16 m (52 ft)
直径ちょっけい 0.27 m (11 in)
空虚くうきょ重量じゅうりょう 150 kg (330 lb)
グロス重量じゅうりょう 1,500 kg (3,300 lb)
エンジン 1 × OTRAG
推力すいりょく 26.960 kN (6,061 lbf)
推力すいりょく 297 s (2.91 km/s)
燃焼ねんしょう時間じかん 140びょう
燃料ねんりょう N
2
O
4

OTRAG ロケットは1970年代ねんだいから80年代ねんだいにかけてOTRAGしゃによって設計せっけいされたモジュラーしき人工じんこう衛星えいせいげロケットである。

OTRAGロケットは複数ふくすう大量たいりょう生産せいさんされたユニットをわせて出来できており、1~10トンあるいはそれ以上いじょう衛星えいせい軌道きどう投入とうにゅうすること目的もくてきとしていた。大量たいりょう生産せいさんによって類似るいじ能力のうりょくゆうする従来じゅうらいがたのロケットの10ぶんいち費用ひよう目指めざしていた。

OTRAG CRPU

設計せっけい[編集へんしゅう]

CRPU (Common Rocket Propulsion Unit)をわせることによって多様たようなOTRAGロケットを製造せいぞうすることができた。観測かんそくロケットには4ほんあるいはそれ以上いじょうのCRPUを並列へいれつたばねる予定よてい上部じょうぶ積載せきさいぶつそなえる構造こうぞうだった。軌道きどう投入とうにゅうようのロケットは積載せきさいぶつ重量じゅうりょうおうじてすう10ほんから100ほんのCRPUを使用しようする予定よていだった。ロケットのだん相当そうとうするのは燃焼ねんしょうのCRPUを外側そとがわからはなし、内側うちがわのCRPUは積載せきさいぶつとも飛行ひこうつづける。

CRPUは実質じっしつてきにはみじかかん連結れんけつされた直径ちょっけい27cm、全長ぜんちょう16mの鋼管こうかんだった。CRPUは鏡板かがみいたあいだ固定こていようたまき追加ついかしたアルミせい鏡板かがみいたによって内部ないぶが3分割ぶんかつされた。前方ぜんぽう管内かんないおも硝酸しょうさんよん酸化さんか窒素ちっそ混合こんごうぶつによる酸化さんかざいたされていた。つぎ区画くかく燃料ねんりょうであるケロシン(灯油とうゆ)でたされていた。これはロケットの燃料ねんりょうようとして精製せいせいされた高価こうかRP-1ではなく、市販しはん灯油とうゆだった。最後さいご区画くかくはエンジンがそなえられた。燃料ねんりょう配管はいかんはケロシンの周囲しゅうい硝酸しょうさんおくりエンジンへれる。

CRPUの設計せっけいはすこぶる単純たんじゅんだった。タンクは推進すいしんざい加圧かあつによって供給きょうきゅうするため十分じゅうぶん強度きょうどそなえ、ターボポンプもちいないガスあつおくサイクルもちい、しかも一般いっぱんてきなガスあつおくサイクルとことなりだかあつヘリウムタンクやねつ交換こうかんたず、タンクないに600psi(4.1MPa)で充填じゅうてんされたガスで圧力あつりょくる。つまるところペットボトルロケットまったおな方法ほうほう燃料ねんりょう噴出ふんしゅつするわけである。エンジンはアブレーション冷却れいきゃく採用さいようしたことによって再生さいせい冷却れいきゃくたい熱性ねっせいケロシンを不要ふようにした。エンジンはジンバルによる角度かくど調整ちょうせい出来できないものだったが、わりにマルチコプターのように対角線たいかくせん方向ほうこうのCRPUの推力すいりょくえることによってった。そのため、エンジンはかん内壁ないへきないおさまるように機構きこう出力しゅつりょく調整ちょうせいべんのみで単純たんじゅん製造せいぞうされた。ほそかんなので区画くかくあいだ鏡板かがみいたのロケットのようなドームじょうではなく単純たんじゅん平板へいばんだった。点火てんか装置そうちそなえられず、わりにフルフリルアルコールをケロシンよりもさき噴射ふんしゃした。フルフリルアルコールは硝酸しょうさん接触せっしょくするだけで着火ちゃっかする

かん直径ちょっけいちいさかったので圧力あつりょく隔壁かくへき通常つうじょうのロケットのようなドームじょうではなくたいらないた使用しようされた。点火てんか装置そうちく、硝酸しょうさん接触せっしょくするだけで着火ちゃっかする自己じこ着火ちゃっかせいのフルフリルアルコールを灯油とうゆ供給きょうきゅうまえ噴射ふんしゃした。

アブレーション冷却れいきゃく使用しようによる十分じゅうぶんりょうのアブレータの搭載とうさいやすいがおも強度きょうどひく高圧こうあつ鋼鉄こうてつ構造こうぞうたい・ガスをためるためにタンクないひろきスペースを確保かくほしなければならないことによりCRPUはおもく、てい性能せいのうになった。かん直径ちょっけい同様どうようにエンジンの直径ちょっけいきびしく制限せいげんしたことによって上段じょうだんこう効率こうりつこう膨張ぼうちょうノズルの使用しよう出来できなかった。CRPUは3だん軌道きどう投入とうにゅうする予定よていだった。これにより2段式だんしきよりツィオルコフスキーのしきより重量じゅうりょう悪影響あくえいきょうらしている。

会社かいしゃ基本きほんてき設計せっけいは1トンを軌道きどう投入とうにゅうすると主張しゅちょうされた。予想よそうでは3だんが4のCRUP、その周囲しゅういに2だんが12のCRUP、そのまわりをかこむように1だんが48のCRUPで構成こうせいされていた。より大型おおがたでは重量じゅうりょうぶつげに可能かのうであればすう100のCRPUを使用しようすると予想よそうされた。

規模きぼ経済けいざいによって廉価れんかなそれぞれのCRPUは年間ねんかん100あるいは可能かのうであれば1000以上いじょう生産せいさんすることによって既存きそんのロケットよりもやすげることを企図きとしていた。さらに多数たすう小型こがたのエンジンを個別こべつ燃焼ねんしょうすることによって高信頼こうしんらいせい冗長じょうちょうせいあたえられると予想よそうされた。

会社かいしゃ見通みとおしではCRPUは徐々じょじょやすくなること見込みこんでいて、回収かいしゅうさい整備せいびしき単純たんじゅんなユニットを製造せいぞうすることまさらないという見通みとおしだった。貯蔵ちょぞう可能かのう推進すいしんざい少数しょうすう作動さどう部品ぶひんにより射場しゃじょうでの運用うんよう同様どうようにとても簡略かんりゃくされること予定よていされた。これらの利点りてんひく推力すいりょく重量じゅうりょう効率こうりつ欠点けってんおぎなってあまりあると期待きたいされた。

実績じっせき[編集へんしゅう]

エンジンはドイツとアフリカの試験しけん施設しせつ地上ちじょう試験しけんされた。実験じっけんでは多様たよう燃料ねんりょう酸化さんかざい化合かごうぶつためされ全体ぜんたい設計せっけい堅牢けんろうだった。

ザイールのShaba NorthとリビアのSebaオアシスで小型こがたの4製造せいぞう試験しけんされ、20から50kmの高度こうど到達とうたつした。使用しようされたロケットの全長ぜんちょうは6mと12mだった。基本きほんてきなCRPUの概念がいねん作動さどうすることがしめされたが、いくつかのロケットでは誘導ゆうどう部品ぶひん失敗しっぱいした。OTRAGロケットの最後さいごげは1983ねん9がつ19にちエスレンジおこなわれた。このげでOTRAGはこう高度こうど研究けんきゅう使用しようされた。

政治せいじてき圧力あつりょくによる計画けいかく中止ちゅうしOTRAG記事きじ参照さんしょう

1987ねん会社かいしゃがリビアから撤退てったいしたときに、いくつかの機材きざい政府せいふ接収せっしゅうされたが、計画けいかく継続けいぞくするための十分じゅうぶん部品ぶひん知識ちしきはリビアからうしなわれた。

関心かんしん復活ふっかつ[編集へんしゅう]

最近さいきんでは同社どうしゃ助言じょげんあたえていたインターオービタル システムズ類似るいじのモジュラーロケットの設計せっけいがネプチューンシリーズに導入どうにゅうされた。[1]

アルマジロ・エアロスペース創設そうせつしゃ最高さいこう経営けいえい責任せきにんしゃ(CEO)のJohn Carmackは2006ねん5がつにOTRAGの設立せつりつ技術ぎじゅつしゃであるKayserにって原型げんけい研究けんきゅう機材きざいのいくつかが貸与たいよされた。

"わたしすうヶ月かげつLutz Kayserに対応たいおうしていくつかのことまなんだ。わたし真剣しんけん濃度のうど98%の過酸化水素かさんかすいそ(ケロシンとの2えき推進すいしんけい仮定かてい)によるOTRAGがただい規模きぼなクラスターがた廉価れんかなモジュールしき軌道きどう周回しゅうかい設計せっけい検討けんとうしてすでに軌道きどう周回しゅうかい費用ひよう大幅おおはば低減ていげんする実行じっこう可能かのう方法ほうほうひとつであると確信かくしんする。Lutzと詳細しょうさいについて協議きょうぎしたのちわたしはこれは大幅おおはば軌道きどう投入とうにゅう能力のうりょく獲得かくとくするもっと廉価れんか開発かいはつであるとかんがえた。最終さいしゅうてきにはさい利用りよう可能かのうなロケットがぐだろうが、現在げんざい予算よさんでできるすべての方法ほうほうでこの方法ほうほう最良さいりょうであると確信かくしんした。個々ここのモジュールは既存きそん機体きたいよりも単純たんじゅんで、わたしたちは手作てづくりの試作しさく凌駕りょうがする、より生産せいさんせいすぐれた生産せいさん方法ほうほうつけるでしょう。" -- 2006ねん6がつ アルマジロ エアロスペース更新こうしん[2]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]