Orbitrap

Orbitrap（オービトラップ）とは質量しつりょう分析計ぶんせきけいに使用しようされるイオントラップの形式けいしき。

概要がいよう

Orbitrap型がたイオントラップは電場でんじょう型がたのイオントラップで2005年ねんに開発かいはつされ、質量しつりょう分離ぶんり部ぶは中心ちゅうしん軸じくを備そなえた紡錘形ぼうすいけいの電極でんきょくを備そなえており、捕捉ほそくされた荷電かでん粒子りゅうしが中心ちゅうしんの電極でんきょくの周囲しゅういで回転かいてん運動うんどうを行おこなう。荷電かでん粒子りゅうしの回転かいてん運動うんどうは高速こうそくフーリエ変換へんかんによって解析かいせきされ、マススペクトルが取得しゅとくされる。

イオン源げんには大気たいき圧あつ化学かがくイオン化いおんか (APCI)、エレクトロスプレーイオン化か (ESI)、大気たいき圧あつ光こうイオン化いおんか (APPI)、ナノスプレー、マトリックス支援しえんレーザー脱だつ離はなれイオン化いおんか法ほう (MALDI)が利用りよう可能かのうで、イオン源げんで生成せいせいされた荷電かでん粒子りゅうしはイオンガイドを通過つうか後ご、イオンの運動うんどうエネルギーを均一きんいつ化かするためにコリジョンガスが導入どうにゅうされているリニアイオントラップに蓄積ちくせきされ、運動うんどうエネルギーが均一きんいつ化かされた荷電かでん粒子りゅうしは、Orbitrapへの高こうエネルギー荷電かでん粒子りゅうしの流ながれを防止ぼうしするためのC-Trapと呼よばれる偏向へんこう電極でんきょくからOrbitrapに入射にゅうしゃされる。

用途ようと

• 代謝たいしゃ物ぶつの構造こうぞう解析かいせき
• 不純物ふじゅんぶつ解析かいせき
• 低てい分子ぶんし化合かごう物ぶつの構造こうぞう決定けってい
• 微量びりょう成分せいぶんの同定どうてい

特徴とくちょう

• 磁場じば型がたフーリエ変換へんかんイオンサイクロトロン共鳴きょうめい質量しつりょう分析計ぶんせきけいと比較ひかくして超電導ちょうでんどう磁石じしゃくが不要ふよう
• 小型こがた化かが可能かのう
• メンテナンスが容易ようい
• 最高さいこう分解能ぶんかいのうは磁場じば型がたよりも劣おとる