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Org-mode

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
Org-mode
Org-mode logo
作者さくしゃ Carsten Dominik
開発元かいはつもと Carsten Dominik, Bastien Guerry et al.
最新さいしん版ばん
9.61[1] / 2023年ねん1月がつ11日にち (19か月げつ前まえ) (2023-01-11)
リポジトリ
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プログラミング
言語げんご		 Emacs Lisp
種別しゅべつ アウトラインプロセッサ、TODO管理かんり、表ひょう、表おもて計算けいさん
ライセンス GPL
公式こうしきサイト orgmode.org
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Org-mode (オーグモード / [ˈɔːrɡ moʊd]) は、フリーソフトウェアのテキストエディタであるEmacs内うちのノート、計画けいかく、およびオーサリングのために設計せっけいされた、文書ぶんしょの編集へんしゅう、書式しょしき設定せってい、および整理せいりをするモードである[2]。

orgファイルは単純たんじゅんなテキストファイルで、階層かいそうレベルを示しめす単純たんじゅんな表記ひょうき(マークアップ)を含ふくみ、その階層かいそうにはエッセイのアウトライン、入いれ子こになったトピック一覧いちらん、コンピュータコードなどを包含ほうがんする。そしてマークアップを読よみ取とって、要素ようその展開てんかい/非ひ表示ひょうじ、要素ようそのブロックの移動いどう、To-Doリストの項目こうもくのチェックオフなどの階層かいそう要素ようそを操作そうさできる各種かくしゅエディタによって使用しようされる。

Org-modeは、2003年ねんにカーステン・ドミニク (Carsten Dominik) によって作成さくせいされたが、当初とうしょは彼かれ自身じしんの生活せいかつや仕事しごとを整理せいりするためであり[3]、最初さいしょのリリース以降いこう、他たの多おおくのユーザーや開発かいはつ者しゃがこのフリーソフトウェアパッケージに貢献こうけんしてきた[4]。Emacsには、デフォルトでメジャーモードとしてOrg-modeが含ふくまれている[5]。バスティアン・ゲリー (Bastien Guerry) が現在げんざいのメンテナーで、活発かっぱつな開発かいはつコミュニティ (英語えいご版ばん) と協力きょうりょくしている[6]。Emacsでの成功せいこう以来いらい、他たのシステムでもorgファイルを扱あつかう機能きのうを提供ていきょうし始はじめている。

Org-modeは、ほぼ直交ちょっこう的てきに、さまざまな外部がいぶ言語げんごでコードを実行じっこうすることを目的もくてきとした機能きのうがあり、これらの機能きのうは「org-babel」を形成けいせいする[7][8]。

システム

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Org-modeのホームページでは、「Org-modeは、基本きほん的てきにメモ取とりとリスト管理かんりのための単純たんじゅんなアウトライナーである」と説明せつめいされている[9]。Orgシステムの作者さくしゃであるカーステン・ドミニクは、「Org-modeは、アウトライン化か、メモ取とり、ハイパーリンク、スプレッドシート、To-Do（英語えいご版ばん）リスト、プロジェクト計画けいかく、GTD、HTML、LaTeXのオーサリングを、すべてEmacsのプレーンテキストファイルで行おこなう 」と説明せつめいしている[10]。

Orgシステムは、単純たんじゅんなマークアップを施ほどこしたプレーンテキストファイルに基もとづいているため、ファイルの移植いしょく性せいが非常ひじょうに高たかくなる。Linux Information Projectは、「プレーンテキストは、すべてのオペレーティングシステム上じょうのほぼすべてのアプリケーションプログラムでサポートされている」と説明せつめいしている[11]。

このシステムには、プレーンテキストファイル用ようの軽量けいりょうマークアップ言語げんごが含ふくまれており (Markdown、reStructuredText、Textile (英語えいご版ばん) などと同様どうようの機能きのうで、実装じっそうが異ことなる)、プレーンテキストの行くだりやセクションを階層かいそう的てきに分割ぶんかつ、タグ付づけ、リンクすることができる。

機能きのう

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orgファイルのツリーを表示ひょうじするemacsのorg-mode
同おなじorgファイルから概要がいようを表示ひょうじするemacsのorg-mode

このセクションでは、プレーンテキストの階層かいそう表示ひょうじや編集へんしゅうの例れいをいくつか挙あげる[12]。

  • To-doリストはしばしばサブタスクを持もっているので、階層かいそう化かシステムに適てきしている。Org-modeは、項目こうもくを単純たんじゅんなステップ (入いれ子こになったTo-Doやチェックリスト) に細分さいぶん化かし、優先ゆうせん順位じゅんいや期限きげんなどのタグやプロパティを指定していすることで、これを容易よういにする。今週こんしゅうまたは当日とうじつに行おこなわれる項目こうもくのアジェンダは、日付ひづけタグから自動的じどうてきに生成せいせいされる[13]。
  • プレーンテキストのアウトライン (英語えいご版ばん) [14]。
  • リンク用ようのマークアップを使用しようして、個人こじんwiki (英語えいご版ばん) の相互そうご接続せつぞくされたページとしてorgファイルを整理せいりする。
  • Gitのような分散ぶんさんリビジョン管理かんりシステムにorgファイルを保存ほぞんすることで、プロジェクトのバグを追跡ついせきする。
  • Webページ、同おなじファイル内ない、他たのファイル、電子でんしメールへのリンク、カスタムリンクの定義ていぎなど、幅広はばひろいリンク機能きのうを備そなえている。

org-mode文書ぶんしょは様々さまざまなフォーマット(HTML, LaTeX, OpenDocument, PDF, DocBook, TaskJuggler, Freemind, iCalendar, プレーンテキストを含ふくむ)にエクスポートすることができ、これらのフォーマットは構造こうぞうのアウトラインを適切てきせつな方法ほうほうで表示ひょうじするために使用しようされる(必要ひつように応おうじて相互そうご参照さんしょうを含ふくむ)。また、MarkdownやLaTeXに存在そんざいするものと同様どうようの機能きのうを備そなえたフォーマット化かマークアップ (数学すうがく用ようのLaTeXを含ふくむ) を使用しようでき、これらのツールの代替だいたい手段しゅだんを提供ていきょうする。

Org-babel

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Org-modeは、編集へんしゅう中ちゅうの文書ぶんしょにソースコードを挿入そうにゅうする機能きのうを提供ていきょうする。ソースコードは、ドキュメントのエクスポート時じに自動的じどうてきにエクスポートまたは実行じっこうされる。このコードによって生成せいせいされた結果けっかは、結果けっかの出力しゅつりょくの中なかに自動的じどうてきに取とり込こまれる。これらの機能きのうは「org-babel」(オーグ・バベル)を形成けいせいする。

このソースコードは、再さい利用りよう可能かのうなスニペットとして構造こうぞう化かでき、論理ろんり的てきな説明せつめいのために必要ひつような場所ばしょでソースドキュメントに挿入そうにゅうされるため、この機能きのうをコンパイラ/インタプリタに必要ひつような構造こうぞうから独立どくりつさせることができる。

org-modeのマークアップ機能きのうと合あわせて、この2つの機能きのうは以下いかのことを可能かのうにする。

  • 文芸ぶんげい的てきプログラミング : プログラムの機能きのうの説明せつめいをコード構造こうぞうから切きり離はなすことで文芸ぶんげい的てきプログラミングを実現じつげん
  • 再現さいげん可能かのうな研究けんきゅう : 説明せつめい、元もとのデータ、分析ぶんせき、議論ぎろん、結論けつろんを統合とうごうした一貫いっかんしたドキュメントを作成さくせいすることにより、同おなじソフトウェアツールを使つかって誰だれでも再現さいげん可能かのうな研究けんきゅうを実現じつげん

2018年ねん11月がつ現在げんざい、org-babelは50以上いじょうのプログラミング言語げんごやプログラマブルな設備せつびを直接ちょくせつサポートしており、他ほかにも20以上いじょうのツールが貢献こうけんしたパッケージやドライバを介かいして利用りよう可能かのうである[15]。

統合とうごう化か

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org-modeは他たのフォーマットにエクスポートする機能きのうを持もち、他たのシステムはorg-modeフォーマットを扱あつかう機能きのうを持もっている。さらに、フル機能きのうのテキストエディタには、Wiki、個人こじん的てきな連絡れんらく先さき、電子でんしメール、カレンダーなどを扱あつかう機能きのうが含ふくまれている場合ばあいがある。org-modeは単たんなるプレーンテキストであるため、これらの機能きのうをorg-mode文書ぶんしょに統合とうごうすることもできる。

org-modeから、アドオンパッケージは、MediaWiki (org-export-generic, org-export) などの他ほかのマークアップ形式けいしきにエクスポートしたり、SuperMemo（英語えいご版ばん）のアルゴリズムを実装じっそうするフラッシュカード (英語えいご版ばん) 学習がくしゅうシステム (org-drill, org-learn) にエクスポートできる[16]。

orgモードエディタ以外いがいでは、orgマークアップはGitLabやGitHubのコードリポジトリ[17]、JIRAイシュートラッカー[18]、Pandocドキュメント・コンバーターなどでサポートされている。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ “GNU ELPA - org”. https://elpa.gnu.org/. OrgMode team. 2023年ねん1月がつ24日にち閲覧えつらん。
  2. ^ Gmane: Org, Org-mode, Orgmode, Org Mode Archived 2017-09-10 at the Wayback Machine. - Carsten Dominik: Org, the system; Org-mode, the major mode
  3. ^ Dominik, Carsten (2011-12-15), Emacs Org-mode: Organizing a Scientist's Life and Work (abstract and video), Max Planck Institute for Neurological Research, https://vimeo.com/33725204 
  4. ^ Org Mode Manual: History and acknowledgments, Free Software Foundation, http://orgmode.org/org.html#History-and-Acknowledgments 
  5. ^ Corbet, Jonathan (2006), “Pre-testing Emacs 22”, LWN.net, https://lwn.net/Articles/206916/ 
  6. ^ Org mode for Emacs – Community, http://orgmode.org/community.html 
  7. ^ “Babel: active code in Org-mode”. orgmode.org. 2020年ねん1月がつ9日にち閲覧えつらん。
  8. ^ Schulte, Eric; Davison, Dan; Dye, Thomas; Dominik, Carsten (2012-01-25). “A Multi-Language Computing Environment for Literate Programming and Reproducible Research” (英語えいご). Journal of Statistical Software 46 (1): 1–24. doi:10.18637/jss.v046.i03. ISSN 1548-7660. 
  9. ^ O'Toole, David, Org tutorial, http://orgmode.org/worg/org-tutorials/orgtutorial_dto.html 
  10. ^ Dominik, Carsten, Technical description in 24 words, http://orgmode.org/worg/org-quotes.html#sec-2-1 
  11. ^ The Linux Information Project: What is plain text?
  12. ^ “#10 巨大きょだいなオーガナイズシステム「org-mode」の世界せかい (Software Design 2015年ねん2月がつ号ごう掲載けいさい記事きじ) Emacs org-mode インストール 設定せってい 使つかい方かた”. るびきち「新生しんせい日刊にっかんEmacs」 (2016年ねん2月がつ10日とおか). 2020年ねん11月3日にち閲覧えつらん。
  13. ^ Chavan, Abhijeet (2007), “Get Organized with Emacs Org-mode”, Linux Journal, http://www.linuxjournal.com/article/9116 
  14. ^ Chua, Sacha, Outlining Your Notes with Org, http://sachachua.com/blog/2008/01/outlining-your-notes-with-org/ 
  15. ^ “Babel: Languages”. 25 November 2018閲覧えつらん。
  16. ^ Org-mode Contributed Packages, and many other hierarchical or list-oriented formats.
  17. ^ GitHub Markup, (2020-01-11), https://github.com/github/markup 
  18. ^ Bao, Haojun (2019-12-02), org-jira, https://github.com/baohaojun/org-jira 

推薦すいせん文献ぶんけん

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書籍しょせき

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論文ろんぶん

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外部がいぶリンク

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