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PKCS

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』

PKCS (Public-Key Cryptography Standards) は、RSAセキュリティにより考案こうあんされ公開こうかいされた公開こうかい鍵かぎ暗号あんごう標準ひょうじゅんのグループを示しめす。

RSAセキュリティは、RSA暗号あんごうアルゴリズムの（2000年ねんに期限きげんが切きれた）特許とっきょに対たいするライセンス権けんを割わり当あてて、幾いくつかの他ほかの鍵かぎに関かんする特許とっきょ（例れい：Schnorr特許とっきょ）も同様どうように取得しゅとくした。このように、RSAセキュリティおよび、その研究けんきゅう部門ぶもんである RSA Labs は、公開こうかい鍵かぎ技術ぎじゅつ利用りようの普及ふきゅうと促進そくしんに関心かんしんを持もっており、その結果けっか、RSA は PKCS 標準ひょうじゅんを開発かいはつした。RSA は彼かれらが必要ひつようであると考かんがえた変更へんこうや改良かいりょうは行おこなうと告知こくちし、PKCS 標準ひょうじゅんを管理かんりし続つづけた。そのため PKCS 標準ひょうじゅんは多おおくの意味いみにおいて、その名前なまえにかかわらず本ほん当とうの産業さんぎょう標準ひょうじゅんではなかった。全すべてではないが、近年きんねんになって PKCS の一部いちぶは一ひとつ以上いじょうの標準ひょうじゅん化か組織そしき（有名ゆうめいなところではIETF PKIX ワーキンググループ）により'標準ひょうじゅん化か'手続てつづきに入はいっている。

PKCS標準ひょうじゅんの一覧いちらん

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バージョン 名前なまえ 説明せつめい
PKCS #1（英語えいご版ばん） 2.2 RSA暗号あんごう標準ひょうじゅん RFC 8017 参照さんしょう。RSA暗号あんごう鍵かぎ、公開こうかい鍵かぎおよび秘密ひみつ鍵かぎのフォーマットの規定きてい。Not encrypted.
PKCS #2 - 廃案はいあん 現在げんざい、無効むこう。メッセージダイジェストのRSA暗号あんごうを扱あつかっていたが、PKCS#1に統合とうごうされた。
PKCS #3 1.4 Diffie-Hellman鍵かぎ共有きょうゆう標準ひょうじゅん お互たがいに事前じぜん知識ちしきを持もたない2つの組織そしきが連携れんけいして安全あんぜんでない通信つうしんチャンネルを上うえでも共通きょうつう鍵かぎを確立かくりつできるようにする暗号あんごうプロトコル。
PKCS #4 - 廃案はいあん 現在げんざい、無効むこう。RSA 鍵かぎの構文こうぶんを扱あつかっていたが、PKCS#1に統合とうごうされた。
PKCS #5 2.1 パスワードに基もとづく暗号あんごう化かの標準ひょうじゅん RFC 8018 および PBKDF2 を参照さんしょう。
PKCS #6 1.5 拡張かくちょうされた証明しょうめい書しょ構文こうぶんの標準ひょうじゅん 古ふるいX.509v1証明しょうめい書しょの仕様しように対たいする拡張かくちょうを規定きてい。X.509v3により破棄はき。
PKCS #7 1.5 暗号あんごうメッセージ構文こうぶん標準ひょうじゅん RFC 2315 参照さんしょう。PKI の下したでメッセージを署名しょめいや暗号あんごう化かするのに使用しようされる。証明しょうめい書しょの配布はいふのためにも用もちいられる（例たとえば、PKCS #10メッセージの応答おうとうとして）。現在げんざい、RFC 3852 に基もとづいている S/MIME の基礎きそを構成こうせいし、暗号あんごうメッセージ構文こうぶん標準ひょうじゅん (CMS) として更新こうしんされている。
PKCS #8 1.2 秘密ひみつ鍵かぎ情報じょうほう構文こうぶんの標準ひょうじゅん RFC 5958 参照さんしょう。詳細しょうさいは後述こうじゅつ。
PKCS #9 2.0 選択せんたくされた属性ぞくせいタイプ RFC 2985 参照さんしょう。PKCS #6 証明しょうめい書しょ拡張かくちょう、PKCS #7 デジタル署名しょめいメッセージ、PKCS #8 秘密ひみつ鍵かぎ情報じょうほう、および PKCS #10 証明しょうめい書しょ署名しょめい要求ようきゅうで利用りようされる属性ぞくせいタイプの選択せんたくされた定義ていぎ。
PKCS #10 1.7 証明しょうめい書しょ署名しょめい要求ようきゅう RFC 2986 参照さんしょう。公開こうかい鍵かぎの認証にんしょうを要求ようきゅうするために認証にんしょう局きょくへ送信そうしんされるメッセージのフォーマット。証明しょうめい書しょ署名しょめい要求ようきゅうを参照さんしょう。
PKCS #11（英語えいご版ばん） 2.40 暗号あんごうトークンインタフェース (Cryptoki) 暗号あんごうトークンへの汎用はんようインタフェースを定義ていぎするAPI。（ハードウェアセキュリティモジュール（英語えいご版ばん）も参照さんしょうの事こと）
PKCS #12（英語えいご版ばん） 1.1 個人こじん情報じょうほう交換こうかん構文こうぶんの標準ひょうじゅん RFC 7292 参照さんしょう。パスワードに基もとづく鍵かぎ（暗号あんごう）により保護ほごされた秘密ひみつ鍵かぎと、それに関連かんれんする公開こうかい鍵かぎ証明しょうめい書しょを保管ほかんするために一般いっぱんに利用りようされるファイルフォーマットの定義ていぎ。PFXは PKCS#12 の旧称きゅうしょうである。

これは、複数ふくすうの組くみ込こみオブジェクト、例たとえば複数ふくすうの証明しょうめい書しょを格納かくのうできるコンテナフォーマットである。通常つうじょう、パスワードにより保護ほご/暗号あんごう化かされる。

Java の鍵かぎストアのフォーマットとして利用りようできる。Tomcatでは利用りようできるがApache HTTP Serverでは利用りようできない。

PKCS #13 – 楕円だえん曲線きょくせん暗号あんごうの標準ひょうじゅん （策定さくてい中ちゅう）98年ねんの提案ていあんから進展しんてんなし。
PKCS #14 – 擬似ぎじ乱数らんすう （策定さくてい中ちゅう）EMCのサイトからは削除さくじょされている。
PKCS #15 1.1 暗号あんごうトークン情報じょうほうフォーマットの標準ひょうじゅん 暗号あんごうトークンのユーザが、アプリケーションの Cryptoki の実装じっそう (PKCS #11) や他たのAPIに依存いぞんせず、アプリケーションに対たいし自身じしんを特定とくていできるようにするための標準ひょうじゅんの規定きてい。RSA は、この標準ひょうじゅんのICカードに関かんする部分ぶぶんを ISO/IEC 7816-15に対たいし譲渡じょうとした。[1]

PKCS 8

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PKCS #8は、PKCSのうち、鍵かぎの構文こうぶんについての標準ひょうじゅんである。

最新さいしんバージョンの1.2はRFC 5208として利用りようされている[1]。

PKCS #8の秘密ひみつ鍵かぎは、複数ふくすうのciphersをサポートするPKCS #5標準ひょうじゅんを使用しようしたパスフレーズ（英語えいご版ばん）で暗号あんごう化かされている場合ばあいもある[1]。

2010年ねんに新あたらしいバージョン2がS. TurnerによりRFC 5958として提案ていあんされた[2]。

鍵かぎはbase64エンコードされたPEM（英語えいご版ばん）のフォーマットで記述きじゅつされる。以下いかにPEMフォーマットの秘密ひみつ鍵かぎの例れいを示しめす。 

-----BEGIN PRIVATE KEY-----
MIIBVgIBADANBgkqhkiG9w0BAQEFAASCAUAwggE8AgEAAkEAq7BFUpkGp3+LQmlQ
Yx2eqzDV+xeG8kx/sQFV18S5JhzGeIJNA72wSeukEPojtqUyX2J0CciPBh7eqclQ
2zpAswIDAQABAkAgisq4+zRdrzkwH1ITV1vpytnkO/NiHcnePQiOW0VUybPyHoGM
/jf75C5xET7ZQpBe5kx5VHsPZj0CBb3b+wSRAiEA2mPWCBytosIU/ODRfq6EiV04
lt6waE7I2uSPqIC20LcCIQDJQYIHQII+3YaPqyhGgqMexuuuGx+lDKD6/Fu/JwPb
5QIhAKthiYcYKlL9h8bjDsQhZDUACPasjzdsDEdq8inDyLOFAiEAmCr/tZwA3qeA
ZoBzI10DGPIuoKXBd3nk/eBxPkaxlEECIQCNymjsoI7GldtujVnr1qT+3yedLfHK
srDVjIT3LsvTqw==
-----END PRIVATE KEY-----

-----BEGIN ENCRYPTED PRIVATE KEY-----
MIIBrzBJBgkqhkiG9w0BBQ0wPDAbBgkqhkiG9w0BBQwwDgQImQO8S8BJYNACAggA
MB0GCWCGSAFlAwQBKgQQ398SY1Y6moXTJCO0PSahKgSCAWDeobyqIkAb9XmxjMmi
hABtlIJBsybBymdIrtPjtRBTmz+ga40KFNfKgTrtHO/3qf0wSHpWmKlQotRh6Ufk
0VBh4QjbcNFQLzqJqblW4E3v853PK1G4OpQNpFLDLaPZLIyzxWOom9c9GXNm+ddG
LbdeQRsPoolIdL61lYB505K/SXJCpemb1RCHO/dzsp/kRyLMQNsWiaJABkSyskcr
eDJBZWOGQ/WJKl1CMHC8XgjqvmpXXas47G5sMSgFs+NUqVSkMSrsWMa+XkH/oT/x
P8ze1v0RDu0AIqaxdZhZ389h09BKFvCAFnLKK0tadIRkZHtNahVWnFUks5EP3C1k
2cQQtWBkaZnRrEkB3H0/ty++WB0owHe7Pd9GKSnTMIo8gmQzT2dfZP3+flUFHTBs
RZ9L8UWp2zt5hNDtc82hyNs70SETaSsaiygYNbBGlVAWVR9Mp8SMNYr1kdeGRgc3
7r5E
-----END ENCRYPTED PRIVATE KEY-----


関連かんれん項目こうもく

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注釈ちゅうしゃく・参考さんこう文献ぶんけん

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  • Jean-Sébastien Coron, Marc Joye, David Naccache, and Pascal Paillier, New Attacks on PKCS #1 v1.5 Encryption, EUROCRYPT 2000, pp. 69-381. [2]

出典しゅってん

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  1. ^ a b RFC 5208 - Public-Key Cryptography Standards (PKCS) #8: Private-Key Information Syntax Specification Version 1.2
  2. ^ RFC 5958 - Asymmetric Key Packages

外部がいぶリンク

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