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PostScript

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
PostScript
拡張子かくちょうし.ps
MIMEタイプapplication/postscript
UTIcom.adobe.postscript
マジック
ナンバー
%!
開発かいはつしゃアドビ
初版しょはん1985ねん (1985)
最新さいしんばん
3
(1996ねん)
種別しゅべつページ記述きじゅつ言語げんご
拡張かくちょうEncapsulated PostScript

PostScript(ポストスクリプト)は、アドビ開発かいはつしている、1984ねん発表はっぴょうしたページ記述きじゅつ言語げんご

スタック指向しこうがたプログラミング言語げんごで、様々さまざま計算けいさん処理しょりとも描画びょうが命令めいれい実行じっこうすることができる。事前じぜんにデータをスタック格納かくのうし、命令めいれいがデータを処理しょりするというモデルで実行じっこうされる。そのために記述きじゅつほうぎゃくポーランド記法きほう一貫いっかんしており、名前なまえは「追伸ついしん」の英語えいご「post script」にこうおけ記法きほうといった意味いみけている。

バージョン[編集へんしゅう]

  • 1985ねん - PostScript Level 1。初期しょきバージョン。
  • 1990ねん - PostScript Level 2。日本語にほんごやカラー対応たいおう
  • 1996ねん - PostScript 3。PDF形式けいしきへの対応たいおう。(Level 3は正式せいしき名称めいしょうではない)

概要がいよう[編集へんしゅう]

PostScriptは1985ねんApple ComputerレーザープリンターLaserWriter採用さいようされた[1]モトローラ68000プロセッサと1.5メガバイトRAM搭載とうさいしたこのプリンターは、プリンターでありながら当時とうじパーソナルコンピュータ同等どうとう計算けいさん能力のうりょくち、それ自身じしんが PostScript インタプリタ実行じっこうしてページを生成せいせいした。おなねんライノタイプによりPostScriptを採用さいようしたイメージセッタ発表はっぴょうされた。

当時とうじはコンピュータとプリンターあいだ通信つうしん速度そくどおそさが、印刷物いんさつぶつ品質ひんしつ向上こうじょうのネックになっていた。しかし、プリンター自身じしんたか計算けいさん能力のうりょくたせて、プログラミング言語げんご実行じっこうするという大胆だいたん発想はっそうにより、一気いっき問題もんだい解決かいけつされた。PostScript以前いぜんは、伝統でんとうてき手法しゅほうより品質ひんしつおとるとされてきた電子でんし印刷いんさつが、一気いっき商業しょうぎょう印刷いんさつのレベルでも使つかわれるようになり、今日きょうではたりまえになっているDTP普及ふきゅうするきっかけとなった。

のち印刷いんさつ以外いがい用途ようとでも使つかわれ、ワークステーションである「NeXT」は、描画びょうがエンジンとしてDisplay PostScript採用さいようしていた。

今日きょうでは、パーソナルコンピュータの性能せいのうがると同時どうじに、コンピュータ・プリンターあいだ接続せつぞく速度そくど向上こうじょうしたため、個人こじんレベルでパーソナルコンピュータにPostScriptインタプリタを搭載とうさいし、生成せいせいされたイメージをプリンターにおくるということもおこなわれる。

実装じっそう[編集へんしゅう]

ほとんどは、レーザープリンター実装じっそうされている。「PSプリンター」とばれ、PDFベースとなったMac OS XよりまえMacintosh標準ひょうじゅんてきプリンターであり、Windowsでも利用りようされることがあるが、アドビへのライセンスりょう高額こうがくなためか、価格かかくすうじゅうまん - ひゃくまんえん以上いじょう一般いっぱんのレーザープリンターにくら高価こうかで、もっぱらDTP用途ようとかぎられている。

ソフトウェアによる実装じっそうでは、アドビからライセンスをけたラスターイメージプロセッサ (RIP) がエプソンなどいくつかのメーカーから自社じしゃせいプリンターのために販売はんばいされていたが、PSプリンターの価格かかく低下ていかもあり、あまり普及ふきゅうしていない。なお互換ごかんフリーソフトウェアとしてGhostscriptがある。

サンプルプログラム[編集へんしゅう]

以下いか内容ないようをPostScriptプリンターに送信そうしんすると、文字もじれつ「Hello World!」が印刷いんさつされる。

 /font /Courier findfont 24 scalefont def
 font setfont
 100 100 moveto
 (Hello World!) show
 showpage

以下いか内容ないようをPostScriptプリンターに送信そうしんすると、長方形ちょうほうけい文字もじれつ印刷いんさつされる。また、テキストファイルとして保存ほぞんし、Adobe Illustratorなどでひらくこともできる。

 %!
 % macro (draw rectangle) ; usage: left top width height RRECT
 /RRECT { newpath 4 copy pop pop moveto dup 0 exch rlineto exch 0 rlineto neg 0 exch rlineto closepath pop pop } def
 
 100 100 100 150 RRECT
 .5 setgray
 fill
 
 100 300 moveto
 /Helvetica findfont
 12 scalefont
 setfont
 .5 0 .5 0 setcmykcolor
 (test string) show
 
 showpage

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 印刷いんさつ出版しゅっぱん変革へんかくしたPostScript | 大塚商会おおつかしょうかい”. mypage.otsuka-shokai.co.jp. 2022ねん8がつ6にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • アドビシステムズ『ページ記述きじゅつ言語げんご PostScriptチュートリアル&クックブック』野中のなか浩一こういちアスキー出版しゅっぱんきょく〈ASCII電子でんし出版しゅっぱんシリーズ〉、1998ねんISBN 978-4-7561-0005-4 
  • アドビシステムズ『PostScriptリファレンスマニュアル』くわさわ清志きよしだい3はん)、アスキー出版しゅっぱんきょく〈ASCII電子でんし出版しゅっぱんシリーズ〉、2001ねんISBN 978-4-7561-3822-4 
  • アドビシステムズ『ページ記述きじゅつ言語げんご PostScriptプログラム・デザイン』松村まつむら 邦仁くにひと、アスキー出版しゅっぱん技術ぎじゅつ、アスキー出版しゅっぱんきょく〈ASCII電子でんし出版しゅっぱんシリーズ〉、1990ねんISBN 978-4-7561-0047-4 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]