出典 しゅってん : フリー百科 ひゃっか 事典 じてん 『ウィキペディア(Wikipedia)』
UB (ロシア語 ご : УБ:Универсальный Березина. ラテン文字 もじ 表記 ひょうき の例 れい :Universalni Berezina. “ベレージン汎用 はんよう 型 がた (機関 きかん 銃 じゅう )”の意 い )は、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか のソビエト連邦 れんぽう で開発 かいはつ された航空機 こうくうき 用 よう 機関 きかん 銃 じゅう である。
ソビエト連邦 れんぽう の開発 かいはつ した軍用 ぐんよう 機 き に広 ひろ く用 もち いられた12.7mm口径 こうけい の重 じゅう 機関 きかん 銃 じゅう で、独 どく ソ戦 せん 開戦 かいせん 2ヶ月 かげつ 前 まえ の1941年 ねん 4月 がつ 22日 にち に制式 せいしき 採用 さいよう された。
基本形 きほんけい であるUBから開発 かいはつ された各種 かくしゅ の型式 けいしき が第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか のソビエト連邦 れんぽう 製 せい 軍用 ぐんよう 機 き の大 だい 多数 たすう に搭載 とうさい された。特 とく に、大戦 たいせん 後半 こうはん になって航空機 こうくうき の防弾 ぼうだん 性能 せいのう が強化 きょうか されると、それまで用 もち いられていた7.62mm ShKAS 機関 きかん 銃 じゅう の多 おお くは威力 いりょく 不足 ふそく を理由 りゆう にUBに代替 だいたい されるようになった。
UBの設計 せっけい は使用 しよう 口径 こうけい を20mmに拡大 かくだい したB-20機関 きかん 砲 ほう として発展 はってん した[1] 他 た 、新 あら たに開発 かいはつ されたTKB-201 23mm機関 きかん 砲弾 ほうだん を使用 しよう するVya-23 23mm機関 きかん 砲 ほう としても発展 はってん し[2] 、ソビエトにおける航空 こうくう 機関 きかん 砲 ほう の基礎 きそ の一 ひと つとなっている。
1937年 ねん 、ミハイル・ベレージン(Михаил Евгеньевич Березин )は、歩兵 ほへい 用 よう の12.7mm重 じゅう 機関 きかん 銃 じゅう の弾薬 だんやく を使用 しよう する新型 しんがた の航空 こうくう 機関 きかん 銃 じゅう の設計 せっけい を開始 かいし した。この銃 じゅう は1938年 ねん に工場 こうじょう による試験 しけん を通過 つうか し、1939年 ねん にBS (ロシア語 ご : БС,Березин Синхронный . “同調 どうちょう 型 がた ベレージン”の意 い )として制式 せいしき 採用 さいよう された。BSは概 がい して成功 せいこう したデザインだったが、欠陥 けっかん もいくつか抱 かか えており、特 とく に大 おお きな問題 もんだい となったのが給 きゅう 弾 だん のための遠隔 えんかく 操作 そうさ にケーブル を使用 しよう していたことだった。
UBはBSの欠点 けってん を改良 かいりょう する形 かたち で開発 かいはつ されたもので、BSで問題 もんだい となった給 きゅう 弾 だん 方式 ほうしき は遠隔 えんかく 操作 そうさ が必要 ひつよう な場合 ばあい には圧縮 あっしゅく 空気 くうき を利用 りよう するものに改 あらた められていた[3] 。
基本形 きほんけい となるUBを基 もと に、使用 しよう 目的 もくてき / 装備 そうび 方法 ほうほう により「UBK 」(УБК:Универсальный Березина, Крыльевой. “翼 つばさ 内 ない 装備 そうび 型 がた ベレージン”の意 い )、「UBS 」(УБС:Универсальный Березина, Синхронный. “(プロペラ)同調 どうちょう (英語 えいご 版 ばん ) 型 かた ベレージン”)、「UBT 」(УБТ:Универсальный Березина, (Турельный. “銃 じゅう 塔 とう 装備 そうび 型 がた ベレージン”)の3種類 しゅるい が開発 かいはつ されている。
UB 銃 じゅう 本体 ほんたい と12.7x108mm弾 だん および弾 たま 帯 たい
UBはガス圧 あつ 作動 さどう 方式 ほうしき の空冷 くうれい 機関 きかん 銃 じゅう で、冷戦 れいせん 時代 じだい のアメリカ軍 ぐん の報告 ほうこく 書 しょ では「設計 せっけい にはフィンランドのラハティ対戦 たいせん 車 しゃ ライフル を始 はじ めとしたフィンランド製 せい 火器 かき の影響 えいきょう が見 み られる 」と記述 きじゅつ されている[4] 。使用 しよう する弾薬 だんやく には歩兵 ほへい 用 よう の重 じゅう 機関 きかん 銃 じゅう と同 おな じ12.7x108mm弾 だん が採用 さいよう された。
給 きゅう 弾 だん は弾 たま 帯 たい (給 きゅう 弾 だん ベルト)によって行 おこな われ、新 あたら しく装填 そうてん される弾薬 だんやく が排 はい 莢 さいかち 機能 きのう の一部 いちぶ を担 にな うという独特 どくとく の機構 きこう を備 そな えていた。他 た の特徴 とくちょう 的 てき な構造 こうぞう としては、弾 たま 帯 たい を移動 いどう させるタイミングが一般 いっぱん 的 てき な機関 きかん 銃 じゅう の設計 せっけい とは逆 ぎゃく に発射 はっしゃ の反動 はんどう によって遊 ゆう 底 そこ が後退 こうたい する途中 とちゅう ではなく後退 こうたい 後 ご に元 もと の位置 いち に戻 もど る時点 じてん になっていることが挙 あ げられる。射撃 しゃげき 開始 かいし 時 じ の初 はつ 弾 たま 装填 そうてん は銃 じゅう 手 しゅ が直接 ちょくせつ 操作 そうさ する銃 じゅう 塔 とう 装備 そうび 型 がた は手動 しゅどう 式 しき であるが、遠隔 えんかく 操作 そうさ される翼 つばさ 内 ない 装備 そうび 型 がた とプロペラ同調 どうちょう 型 がた は空気圧 くうきあつ を利用 りよう した装置 そうち で遊 ゆう 底 そこ を操作 そうさ する[3] 。
UBの顕著 けんちょ な特徴 とくちょう としては、航空 こうくう 機関 きかん 銃 じゅう として高 たか い発射 はっしゃ 速度 そくど とそれを可能 かのう にするために各 かく 部品 ぶひん の長期 ちょうき 耐久 たいきゅう 性 せい や長期 ちょうき 信頼 しんらい 性 せい を追求 ついきゅう せず、運用 うんよう にあたっては“故障 こしょう もしく破損 はそん したら銃 じゅう を丸 まる ごと交換 こうかん する”ために軽量 けいりょう かつ機体 きたい への取 と り外 はず しが容易 ようい な構造 こうぞう であることを前提 ぜんてい として設計 せっけい されていることが挙 あ げられる[4] 。これは航空 こうくう 機関 きかん 銃 じゅう というものへの赤軍 せきぐん の結論 けつろん 、「航空機 こうくうき は一 いち 回 かい の出撃 しゅつげき にあたり長時間 ちょうじかん 長日 ちょうじつ にわたって運用 うんよう されることはなく、機銃 きじゅう も一 いち 回 かい の出撃 しゅつげき において万 まん 発 はつ 単位 たんい で撃 う つことはない(空戦 くうせん においてそのような弾 たま 数 すう を連射 れんしゃ し続 つづ けることはなく、そもそもそのような弾 たま 数 すう は搭載 とうさい しない)ため、高 こう 発射 はっしゃ 速度 そくど の連射 れんしゃ を少 しょう 数 すう 回 かい 確実 かくじつ に行 おこな えればよく、射撃 しゃげき 後 ご に故障 こしょう や破損 はそん が生 しょう じても帰還 きかん 後 ご に機体 きたい 整備 せいび の一環 いっかん として銃 じゅう を本体 ほんたい ごと取 と り替 か えればよい」に基 もと づくものである。
^ Широкоград (Shirokograd), 2001, p.118
^ Chinn, 1952, p.96
^ a b MILITARY FACTORY.com, 2022
^ a b Chinn, 1952, p.94
Широкоград А.Б. (2001) История авиационного вооружения Харвест (Shirokograd A.B. (2001) Istorya aviatsionnogo vooruzhenia Harvest. ISBN 985-433-695-6 ) (History of aircraft armament )
Chinn, George M. The Machine Gun , Vol II, Part VII. US Department of the Navy, 1952