X-27 (航空機こうくうき)

X-27のモックアップ

X-27はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのロッキード社しゃが開発かいはつしていた戦闘せんとう機き。実機じっきは製作せいさくされず、モックアップのみが製作せいさくされた。当機とうきは厳密げんみつには実験じっけん機きではなく、売込うりこみが難航なんこうしていたF-104の発展はってん型がたCL-1200 ランサー(Lancer)の開発かいはつ資金しきんを、実験じっけん機き名目めいもくで政府せいふ・軍ぐんから調達ちょうたつしようと目論もくろんだ物ものであり、X-27の公式こうしき名称めいしょうは与あたえられたものの、結局けっきょく資金しきんの支出ししゅつはなく計画けいかく中止ちゅうしとなった。

CL-1200

1960年代ねんだい後半こうはん、ロッキード社しゃはNATO諸国しょこくや日本にっぽんの航空こうくう自衛隊じえいたいに対たいして自社じしゃ製せいF-104Gの後継こうけい機きとして、F-104をベースに改良かいりょうしたCL-1200ランサーを提案ていあんしていた。CL-1200はレーダーFCSの換かわ装そうによりスパロー空そら対空たいくうミサイルの運用うんようを可能かのうにし、胴体どうたい延長えんちょうによる燃料ねんりょう搭載とうさい量りょうの増加ぞうか、エンジンをTF-30ターボファンに換かわ装そう、主翼しゅよくを肩かた翼つばさ化か・大型おおがた化かした上水じょうすい平尾ひらお翼つばさを通常つうじょう配置はいちにして運動うんどう性せいを向上こうじょうさせている。しかし、依然いぜん胴体どうたいが細ほそい為ためレーダーFCSの性能せいのう向上こうじょうに限界げんかいがあり、外部がいぶ搭載とうさいが少すくない欠点けってんも残のこっていた為ためNATO諸国しょこく空軍くうぐんもCL-1200に興味きょうみを示しめさず資金しきん難なんに陥おちいってしまった。航空こうくう自衛隊じえいたいでも第だい2次じF-Xの候補こうほとなったが、F-4EJに敗やぶれ採用さいようには至いたらなかった。イタリア空軍くうぐんのみロッキード社しゃの提案ていあんに興味きょうみを示しめし、改装かいそう型がたのF-104Sとして採用さいようされたが、レーダーFCSの換かわ装そう以外いがいには小規模しょうきぼな改装かいそうに留とまり、CL-1200のような大だい規模きぼ改装かいそうは行おこなわれなかった。

スカンクワークスのケリー・ジョンソンは状況じょうきょうを打破だはする為ために政治せいじ力りょくと人脈じんみゃくを駆使くしして政府せいふの後援こうえんを得えようとしたが、1971年ねん3月がつにX-27の名称めいしょうが与あたえられただけで資金しきんは調達ちょうたつできなかった。その後ごも海外かいがい供与きょうよ機きの審査しんさやLWFに応募おうぼしたものの、いずれもペーパープランに終おわった。

計画けいかく値ち

• 乗員じょういん:1名めい
• 全幅ぜんぷく:8.74 m
• 全長ぜんちょう:17.17 m
• 全高ぜんこう:4.98 m
• 翼つばさ面積めんせき:28.89 m²
• 重量じゅうりょう:7,825 kg
• 全備ぜんび重量じゅうりょう:14,742 kg
• 発動はつどう機き:P&W TF-30-PF-100 ターボファン 推力すいりょく11,340 kg
• 燃料ねんりょう:4,120 kg + 増ぞう槽そう2,150 kg
• 最高さいこう速度そくど:2,334 km/h
• 実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど:18,300 m
• 航続こうぞく距離きょり:3,380 km

関連かんれん項目こうもく

• F-104

参考さんこう文献ぶんけん

• 「Xプレーンズ」,世界せかいの傑作けっさく機きNo67,文ぶん林堂はやしどう ISBN 978-4893190642

外部がいぶリンク

• AMERICAN X-VEHICLES An Inventory—X-1 to X-50 NASA資料しりょう 2003年ねん