XpanD

XpanD 3D（エクスパンド）は、スロベニアのX6D社しゃが開発かいはつ・販売はんばいするデジタル3Dシステムである。導入どうにゅうの際さいに既存きそんのスクリーンを流用りゅうようでき、アクティブシャッター方式ほうしきを採用さいようしている。

技術ぎじゅつ

XpanD 3Dは、右目みぎめ用ようと左目ひだりめ用ようの画像がぞうを交互こうごに、高速こうそくでスクリーンへ表示ひょうじする方式ほうしきを採とっている。映像えいぞう鑑賞かんしょう時じには、左右さゆうそれぞれの目めが意図いとされた映像えいぞうだけを見みるように、アクティブシャッター型がた液晶えきしょう（LCD)レンズを搭載とうさいした電子でんし式しき眼鏡めがねを着用ちゃくようする必要ひつようがある。液晶えきしょうレンズは投影とうえいされている画像がぞうに同期どうきして曇くもったり、透明とうめいになったりする。映像えいぞうとシャッターの同期どうきを取とるための信号しんごうを受うけ取とる赤外線せきがいせん受信じゅしん器きが電子でんし式しき眼鏡めがねに内蔵ないぞうされる^[1]。

この技術ぎじゅつはもともと米国べいこくNuVision社しゃが開発かいはつしたものであったが、X6D社しゃが2008年ねんに買かい取とった^[2]。

2021年ねん現在げんざいでは、主おもに松竹しょうちく（松竹しょうちくマルチプレックスシアターズ）や東映とうえい（ティ・ジョイ）系けいの映画館えいがかん及およびシネマコンプレックスに設置せっちされていることが多おおい。しかし、設備せつびの更新こうしんに伴ともなって一部いちぶの映画えいが館かんではMasterImageまたはRealD、ソニーデジタル3Dといったに円えん偏へん光こう方式ほうしきの設備せつびを設置せっちして置おき換かえる事例じれいもある。例たとえば、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13は2011年ねん6月がつよりXpanDからRealDへ変更へんこうされた。

長所ちょうしょと短所たんしょ

RealDなどの偏へん光こう方式ほうしきと違ちがい特殊とくしゅなスクリーンの必要ひつようがなく、追加ついか装置そうちは映像えいぞうと眼鏡めがねのシャッターを同期どうきさせるためのトランスミッターだけであるため導入どうにゅうコストが低ひくいというメリットがある。その代かわり眼鏡めがねに電子でんし回路かいろを内蔵ないぞうするため、駆動くどう用ようバッテリの寿命じゅみょう、洗浄せんじょうや故障こしょう対応たいおうを含ふくむ保守ほしゅなど、眼鏡めがねの単価たんかが高たかくなるだけでなく、その維持いじにも費用ひようがかかるというデメリットが生しょうじる^[3]。また、必然ひつぜん的てきに内蔵ないぞう部品ぶひんの分ぶんだけ眼鏡めがねが重おもくなってしまう。使用しよう後ごは指紋しもんなどで汚よごれた眼鏡めがねのレンズを拭ふく必要ひつようがあり、入場にゅうじょう者しゃの多おおい一部いちぶの劇場げきじょうではレンズ拭ふきが劇場げきじょうスタッフだけでは間まに合あわず外部がいぶの清掃せいそう業者ぎょうしゃに委託いたくしている劇場げきじょうもある。

XpanDは導入どうにゅうコストの低ひくさを背景はいけいに欧州おうしゅうおよびアジアでシェアを急速きゅうそくに伸のばしており、特とくに日本にっぽんでは他た方式ほうしきの設置せっちベースを上回うわまわっているが^[4]、北米ほくべいではRealD・ドルビー3Dについで3番手ばんてである。X6D社しゃによれば、XpanDシステムを導入どうにゅうした映画えいが館かんは50か国こく、2,700劇場げきじょうを上回うわまわっているという^[5]。

日本にっぽんにおける主おもな導入どうにゅう映画えいが館かん

☆印しるしは館かんにより、他た3D方式ほうしき（RealD,MasterImage 3D,IMAX3D等とう）を採用さいようしているところもある

チェーンマスター系けい映画えいが館かん

シネマコンプレックス

イオンシネマ☆
TOHOシネマズ☆
松竹しょうちくマルチプレックスシアターズ
ティ・ジョイ☆
- 新宿しんじゅくバルト9(2012.06.30現在げんざい)
- T・ジョイPRINCE品川しながわ
シネマサンシャイン☆
シネマボックス太陽たいよう（「デジタル3Dシネマ」名称めいしょうで導入どうにゅう^[6]）

脚注きゃくちゅう

^ David S. Cohen (2009年ねん12月8日にち). “S3D to get CES showcase - Xpand making aggressive moves in the market” (英語えいご). Variety. 2009年ねん12月12日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2010年ねん1月がつ1日にち閲覧えつらん。
^ “３Ｄコンソーシアム・立体りったい映像えいぞう技術ぎじゅつ研究けんきゅう会合かいごう同どうシンポジウム『わかる！立体りったい映像えいぞうの将来しょうらい』「３Ｄブーム・失敗しっぱいの研究けんきゅう～同おなじ過あやまちを繰くり返かえさないために」3Dコンソーシアム”. 大口おおぐち孝之たかゆき. 2010年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。^{[リンク切きれ]}
^ “『Digital Cinema Now! 26』「3Dが牽引けんいん役やくとなるか」”. 株式会社かぶしきがいしゃユニワールドフルデジタル・イノベーション編集へんしゅう部ぶ. 2010年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。^{[リンク切きれ]}
^ “映画えいがもテレビも写真しゃしんも、なぜ一気いっきに３Ｄなのか：日本経済新聞にほんけいざいしんぶん”. 2012年ねん9月がつ7日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2010年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。
^ “XpanD Partners With Cannes Film Festival To Provide Technology For 3D Screenings”. Euroinvenstor.co.uk. 2013年ねん4月がつ20日はつか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2010年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。
^ “シネマボックス太陽たいよう　デジタル3Dシネマのご案内あんない”. シネマボックス太陽たいよう. 有限ゆうげん会社かいしゃスバル興業すばるこうぎょう. 2021年ねん6月がつ28日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

XpanD Web site
XpanD World Map XpanDを採用さいようしている劇場げきじょうの一覧いちらん

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[1] David S. Cohen (2009年ねん12月8日にち). “S3D to get CES showcase - Xpand making aggressive moves in the market” (英語えいご). Variety. 2009年ねん12月12日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2010年ねん1月がつ1日にち閲覧えつらん。

[2] “３Ｄコンソーシアム・立体りったい映像えいぞう技術ぎじゅつ研究けんきゅう会合かいごう同どうシンポジウム『わかる！立体りったい映像えいぞうの将来しょうらい』「３Ｄブーム・失敗しっぱいの研究けんきゅう～同おなじ過あやまちを繰くり返かえさないために」3Dコンソーシアム”. 大口おおぐち孝之たかゆき. 2010年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。^{[リンク切きれ]}

[3] “『Digital Cinema Now! 26』「3Dが牽引けんいん役やくとなるか」”. 株式会社かぶしきがいしゃユニワールドフルデジタル・イノベーション編集へんしゅう部ぶ. 2010年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。^{[リンク切きれ]}

[4] “映画えいがもテレビも写真しゃしんも、なぜ一気いっきに３Ｄなのか：日本経済新聞にほんけいざいしんぶん”. 2012年ねん9月がつ7日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2010年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。

[5] “XpanD Partners With Cannes Film Festival To Provide Technology For 3D Screenings”. Euroinvenstor.co.uk. 2013年ねん4月がつ20日はつか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2010年ねん8月がつ21日にち閲覧えつらん。

[6] “シネマボックス太陽たいよう　デジタル3Dシネマのご案内あんない”. シネマボックス太陽たいよう. 有限ゆうげん会社かいしゃスバル興業すばるこうぎょう. 2021年ねん6月がつ28日にち閲覧えつらん。

[1]

[2]

[3]

[4]

[5]

[6]

技術ぎじゅつ

長所ちょうしょと短所たんしょ

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日本にっぽんにおける主おもな導入どうにゅう映画えいが館かん

関連かんれん項目こうもく

脚注きゃくちゅう

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