ハマダ（読よみ）はまだ（英語えいご表記ひょうき）hamada

アラビア語ごのHammadahに由来ゆらいする地形ちけい用語ようごで、異ことなった二ふたつの地形ちけいに使用しようされている。一ひとつはサハラ砂漠さはらさばくなどのように、安定あんてい陸りく塊かたまりにみられる基盤きばんが裸出らしゅつしているが、強風きょうふうで砂すななど細ほそ粒つぶ物ぶつが吹ふき飛とばされ、基盤きばん岩石がんせき上じょうに礫つぶて(れき)だけが残のこっている平坦へいたん(へいたん)な地形ちけいをいう。水平すいへいな地層ちそうの所ところに形成けいせいされており、この地形ちけいはしばしば周辺しゅうへんからの侵食しんしょくにより台地だいち地形ちけいになっており、この台地だいち地形ちけいもハマダとよばれている。オーストラリア砂漠さばくにも台地だいち地形ちけいが発達はったつしているが、こちらはテーブル・ランドtable landとよばれている。

　もう一ひとつの地形ちけいは扇状地せんじょうちやバハダ（連続れんぞくした扇状地せんじょうち）などの堆積たいせき(たいせき)地形ちけいにみられる礫つぶてを敷しき詰つめた状態じょうたいの地形ちけいをいう。表面ひょうめんの礫つぶては1～2層そうで、礫つぶての下したには礫つぶて混まじりのシルト（粒つぶ径みち0.004～0.06ミリメートルの粒つぶ径みちの粒子りゅうし）と粘土ねんどが堆積たいせきしている。西にしサハラではレグreg、東ひがしサハラではセリールserirが使用しようされており、北きたアメリカ砂漠さばくではデザート・ペーブメントdesert pavement、オーストラリア砂漠さばくではバー・プレーンgiber plainが使用しようされている。大だい部分ぶぶんのハマダの成因せいいんは、強風きょうふうによって砂すななどの細ほそ粒つぶ物ぶつが吹ふき飛とばされ、礫つぶてだけが残のこるデフレーションdeflationであるが、一部いちぶはたまに降ふる豪雨ごううに起因きいんする細ほそ粒つぶ物ぶつの除去じょきょや、礫つぶてを含ふくむ細ほそ粒つぶ物質ぶっしつ層そうが湿潤しつじゅん・乾燥かんそうを繰くり返かえすことにより、礫つぶてが表面ひょうめんに集あつまる「乾いぬい・湿しめ作用さよう」により形成けいせいされたと考かんがえられている。

［赤木あかぎ祥さち彦］