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世間(セケン)とは? 意味や使い方 - コトバンク

世間せけんみ)セケン

デジタル大辞泉だいじせん世間せけん」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

せ‐けん【世間せけん

3原義げんぎ
ひとあつまり、生活せいかつしている自分じぶんがそこで日常にちじょう生活せいかつおくっている社会しゃかいなか。また、そこにいる人々ひとびと。「世間せけんさわがした事件じけん」「世間せけんがうるさい」「世間せけんわたる」
人々ひとびととのまじわり。また、そのまじわりの範囲はんい。「世間せけんひろげる」
仏語ふつごきもの(衆生しゅじょうしゅじょう世間せけん)と、それをまわせる山河さんが大地だいちうつわ世間せけん)、および、きものと山河さんが大地だいち構成こうせいする要素ようそかげごおん世間せけん)の総称そうしょう
ひと空間くうかんひろがり。天地てんちあいだ。あたりいちめん
にわかにはかきりち、―もかいくらがりて」〈だいかがみ道長みちなが
そうたいする一般いっぱんひと俗人ぞくじん
「あるりつそう、―になりて子息しそくあまたありけるうち」〈すなせきしゅうさん
社会しゃかいたいする体面たいめんやそれにようする経費けいひ
「―うちばに構へ、またあるときは、ならぬことをもするなり」〈浮・永代ながよぞうよん
この生活せいかつ財産ざいさんらし。境涯きょうがい
たけしゅうに―ゆたかなる、ところ地頭じとうあり」〈すなせきしゅうきゅう
[類語るいご](1なか天下てんか江湖こうここうこ社会しゃかい実社会じっしゃかい世上せじょう世俗せぞく俗世ぞくせ人世じんせいじんせい人間にんげんじんかん俗間ぞっかん民間みんかん巷間こうかんこうかんちまたちまた市井しせいしせい娑婆しゃばしゃば塵界じんかいじんかい世界せかい人中ひとなか一般いっぱん

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精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん世間せけん」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

せ‐けん【世間せけん

  1. 名詞めいし
  2. 仏語ふつご
    1. (イ) ( [梵語ぼんご] loka訳語やくごこわされ否定ひていされていくものの ) きもの(有情うじょう世間せけん)とそのきものをまわせる山河さんが大地だいちうつわ世間せけん)、あるいはこれらふたつを構成こうせいする要素ようそとしての五蘊ごうん五蘊ごうん世間せけん)の総称そうしょう
      1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「至極しごく大聖たいせいなおゆうあいしんいち 况乎世間せけん蒼生そうせいだれあい乎」(出典しゅってん万葉集まんようしゅう(8Cはち序文じょぶん)
    2. (ロ) ( [梵語ぼんご] laukika訳語やくご世間せけんぞくするものの ) 世俗せぞく出世間しゅっせけんたいして、聖者せいじゃくらいたっしない凡夫ぼんぷなどをいう。
      1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「ひゃく皇子おうじゆるがせ生死せいし無常むじょうじ、世間せけんの受楽を猒(いとひ)出家しゅっけきゅうふ也」(出典しゅってん今昔こんじゃく物語ものがたりしゅう(1120ころか))
      2. [その文献ぶんけん]〔かちかずらけいいちじょうあきら
  3. ひと生活せいかつし、構成こうせいする現世げんせい社会しゃかい。このなか。この
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「此皇子おうじ風骨ふうこつ世間せけんじんいちじつ此国これぶんいち」(出典しゅってんふところふう(751)大友皇子おおとものおうじでん)
    2. 「かく、ものおもひたるさまにてつききゅうぞ。うましきにとげんふ。かぐやひめれば、せけんしんほそくあいはべる」(出典しゅってんたけ物語ものがたり(9Cまつ‐10Cはつ))
    3. 「爰にたよるおとこは〈りゃく〉、養子ようしにきたるひとまんかねてしのぎょうなど、世間せけん(セケン)おそれぬひとのたよるべきところにはあらず」(出典しゅってん浮世草子うきよぞうし好色こうしょくいちだいおんな(1686)ろく)
  4. ひと空間くうかんのひろがり。てんのあいだ。あたりいちめん
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「にわかきりち、世間せけんもかいくらがりてはべりしに、東西とうざいもおぼえず」(出典しゅってんだいかがみ(12Cまえろく)
  5. 人々ひとびととのまじわり。世間せけんづきあい。また、世間せけんたいする体面たいめんてんじて、そのための経費けいひなどをいう。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「さかいといふところは〈りゃく世間せけん(セケン)うちばにかまへ、またゆうは、ならぬことをもする也」(出典しゅってん浮世草子うきよぞうし日本にっぽん永代えいたいぞう(1688)よん)
  6. この生活せいかつらしむき。生計せいけい。また、身代しんだい家産かさん財産ざいさん
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「かれ地頭じとう世間せけんおとろえへ、ついまかりぬ。ただ一人ひとりゆうける子息しそく財宝ざいほう所領しょりょうもなければ」(出典しゅってん米沢よねざわほんすなせきしゅう(1283)なな)

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改訂かいてい新版しんぱん 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん世間せけん」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

世間せけん (せけん)

元来がんらい仏教ぶっきょう用語ようごで,サンスクリットloka(場所ばしょ領域りょういき)のかん訳語やくごであり,えざる転変てんぺん破壊はかいのさま,すなわち遷流をす。またサンスクリットlaukika(世俗せぞく)の訳語やくごでもあり,出世間しゅっせけん出家しゅっけ)してそうになるのではなく,俗世間ぞくせけんにいることをいう。こうした原義げんぎから派生はせいしたかたちで,有為転変ういてんぺんする世俗せぞくてきひと,すなわちなか世界せかい用語ようごとなった。そうした意味いみでの世間せけんあらわかたりとして,中国ちゅうごくの〈人間にんげん(レンジヤン)〉がある。だが日本語にほんごでの〈人間にんげん〉は,〈じんかん〉におけるひと,すなわち〈にんげん〉であって,なかそのものではない。しかし世間せけんといえば,なかそれ自体じたいとともに,人々ひとびとという含意がんいをもあわせもっている。結局けっきょくにち本人ほんにんにとって世間せけんとは,自分じぶんたちの活動かつどう交際こうさいするとしての社会しゃかいと,そこにんでいて自分じぶん直接ちょくせつ間接かんせつのかかわりをもつひとたちのことである。こうした日常にちじょうとしての世間せけんは,societyの翻訳ほんやくである〈社会しゃかい〉とは語感ごかんことにする。〈社会しゃかい〉は,それを構成こうせいする個人こじん集合しゅうごうたいであり,各人かくじんそれぞれの利益りえき利権りけんまもるための社交しゃこう仕組しくみ,ないしそのための集団しゅうだんてき組織そしきしている。そのさいたがいにらないものどうしの結合けつごう前提ぜんていにしている。もちろん〈社会しゃかい〉にも,仲間なかまどうしのむすびつきという語義ごぎはあるが,なんらかの意味いみ顔見知かおみしりであることを前提ぜんていとする世間せけんとは,基本きほんてき性格せいかくことにする。〈世間せけんひろようでせまい〉といういいかたや,〈わた世間せけんおにはない〉ということわざからもさっせられるように,それはあらかじめえんによってむすばれている世界せかいなのである。おもいもよらずたがいに身近みぢかものどうしだとすれば,こまったときには援助えんじょけられるはずだ,といった期待きたいさえあるのである。また,〈社会しゃかい〉には,個人こじん外側そとがわにあって,個人こじん行動こうどう自由じゆう束縛そくばくする全体ぜんたいてき制度せいどだとするニュアンスがある。そこで欧米おうべいでは,あい対立たいりつする社会しゃかい個人こじんのどちらがしん実在じつざいする存在そんざいであるかについて見解けんかいかれ,社会しゃかい実在じつざいろん社会しゃかい個人こじんをこえたひとつの実在じつざいだとするかんがえ)と社会しゃかい名目めいもくろん社会しゃかいそれ自体じたい実存じつぞんみとめず,個人こじん相互そうご関係かんけい還元かんげんするかんがえ)というかたちあらそわれてきた。だが世間せけん場合ばあいは,それは各人かくじんにとって外在がいざいする拘束こうそくてき機構きこうではない。むしろひろ範囲はんいおよ自分じぶん生活せいかつ空間くうかんであって,あくまで外側そとがわけて拡大かくだいされた内部ないぶ世界せかいである。〈世間せけんひろい〉〈世間せけんせまい〉といった表現ひょうげんは,当人とうにん生活せいかつ空間くうかんひろさについての他者たしゃ評価ひょうかをいうのである。〈世間せけんなれ〉〈世間せけんずれ〉〈世間せけんらず〉〈世間せけんず〉〈世間せけんばなれ〉なども,当人とうにん世間せけんとの一体化いったいか程度ていどしめ用語ようごである。しかし世間せけんは,本人ほんにん行動こうどうにとって一種いっしゅ基準きじゅんわくともなる。いわば,準拠じゅんきょ集団しゅうだんreference groupとしての性格せいかくをもそなえている。〈世間せけんさわがせた〉だけで公職こうしょくしたり,犯罪はんざいしゃ家族かぞくが〈世間せけんもうしわけない〉とか〈世間せけん顔向かおむけができない〉とじるのは,世間せけん行為こうい是非ぜひ判定はんていしゃとして機能きのうするからで,そこから,本人ほんにんは〈世間体せけんてい〉をつよ意識いしきするにいたる。〈世間せけん〉をおもんぱかり,はじをかかないようにするのである。
世間せけんばなし
執筆しっぴつしゃ

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普及ふきゅうばん どおり世間せけん」のみ・字形じけい画数かくすう意味いみ

世間せけん】せけん

このなか。〔史記しき斯伝〕おっと(そ)れひとまれてるや、たとえ(たと)へばろく驥(りくき)を騁(は)せて、けつすき(けつげき)(わずかのすきま)をぐるがごとし。

どおり」の項目こうもく

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ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん世間せけん」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

世間せけん
せけん
loka

仏教ぶっきょう用語ようご世界せかいどう。 lokaにぞくするものという意味いみでラウキカ laukikaというかたりがあるが,これもまた世間せけんやくされ,「世俗せぞく」という意味いみもちいられる。世間せけんは,うつかわり,破壊はかいまぬかれないまよいの世界せかいという意味いみである。衆生しゅじょうをさす有情うじょう世間せけんと,山河さんが大地だいちなどのうつわ世間せけんとの2しゅける場合ばあいと,このしゅ世間せけん構成こうせいしている五蘊ごうん世間せけんふくめて3しゅける場合ばあいとがある。また五蘊ごうん世間せけんかわりにしゅ世間せけん教化きょうかする化身けしんをさすさとし正覚しょうがく世間せけんふくめる場合ばあいもある。

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世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん旧版きゅうばんうち世間せけん言及げんきゅう

おおやけかい】より

公共こうきょうのものをさし,井田いだ中央ちゅうおうおおやけかいといったともいうが,無学むがくもとの〈まどかさとしおおやけかい〉という表現ひょうげん,〈くもどうおおやけかい坐禅ざぜん〉(《正法しょうぼうぞう》),〈おおやけかいじん〉(東福寺とうふくじ文書ぶんしょ)などの用例ようれいからみて,俗界ぞっかいからはなれた修行しゅぎょう修行しゅぎょうそう意味いみするものとおもわれる。南北なんぼくあさ時代じだいには〈述懐じゅっかい私事しじ弓矢ゆみやみちおおやけかいよし〉(《太平たいへい》)のように,私事しじたいするおおやけをさすかたりとして,一般いっぱんてき使つかわれはじめ,室町むろまち戦国せんごく時代じだいはいると,おおやけかい世間せけん公衆こうしゅう意味いみで,内々うちうち内証ないしょうたいする言葉ことばとしてひろもちいられるようになった。それとともに,おおやけかいしゃおおやけかいしゅ私的してき隷属れいぞくみん(下人げにんしょしたがえ)とはことなる遍歴へんれき職人しょくにん芸能げいのうみんをさし,遍歴へんれきさんおけ(さんおき)がおおやけかいしゃをかけることを昂然こうぜん拒否きょひしたような(狂言きょうげんきょくい(いぐい)》),積極せっきょくてき意味いみつようになる。…

他所よそしゃ】より

…その社会しゃかいとまったく関係かんけいのないもの他所よそしゃばれることもないが,なんらかのかたち接触せっしょく交渉こうしょうしょうじると,他所よそしゃ認識にんしきされ,そのようにばれることになる。日本にっぽん伝統でんとうてき村落そんらく社会しゃかいにおいてはウチとソトを区別くべつする観念かんねんつよく,ムラにたいしソトの世界せかいをセケン(世間せけん)とかタビ(たび)といった。人間にんげんについても自分じぶんたちの仲間なかまとそうでないもの明確めいかく区別くべつし,セケンやタビのもの他所よそしゃとして位置いちづけた。…

※「世間せけん」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつ一部いちぶ掲載けいさいしています。

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