デジタル大辞泉だいじせん 「独占どくせん価格かかく」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご どくせん‐かかく【独占どくせん価格かかく】 独占どくせん者ものの決定けっていする価格かかく。売うり手てまたは買かい手てが市場いちばをひとりじめにして、自分じぶんの利益りえきが最大さいだいになるように定さだめた価格かかく。 出典しゅってん 小学館しょうがくかんデジタル大辞泉だいじせんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん 「独占どくせん価格かかく」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご どくせん‐かかく【独占どくせん価格かかく】 〘 名詞めいし 〙 売手うりてまたは買手かいてが市場いちばを独占どくせんすることによって決きめられる価格かかく。生産せいさん価格かかくを上回うわまわる価格かかくとなりその超ちょう過分かぶんが独占どくせん利潤りじゅんとなる。〔投機とうき市場いちば論ろん(1926)〕[初出しょしゅつの実例じつれい]「それに例れいの関税かんぜい引上と独占どくせん価格かかく(ドクセンカカク)と、インフレーション物価ぶっかは、肥料ひりょうその他た農民のうみんの生産せいさん手段しゅだんの価格かかくを高たかめ」(出典しゅってん:真理しんりの春はる(1930)〈細田ほそだ民樹たみき〉森井もりいコンツェルン) 出典しゅってん 精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) 「独占どくせん価格かかく」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 独占どくせん価格かかくどくせんかかくmonopolistic price 英語えいごprix de monopole フランス語ふらんすごMonopolpreis ドイツ語ご 独占どくせん企業きぎょうないしは独占どくせん体たいが、その地位ちいを利用りようして、生産せいさん物ものやサービスの価格かかくを市場いちば競争きょうそう価格かかく以上いじょうの水準すいじゅんに設定せっていする価格かかくをいう。この結果けっか、独占どくせん的てき企業きぎょうは、競争きょうそう的てき企業きぎょうに比くらべてより高たかい独占どくせん的てき利潤りじゅんを得えることができ、買かい手てを独占どくせん的てきに搾取さくしゅし、経済けいざい資源しげんの適正てきせいな配分はいぶんと分配ぶんぱいをゆがめることになる。独占どくせん価格かかくの設定せっていは、特定とくてい企業きぎょうが自然しぜん資源しげんを独占どくせん的てきに支配しはいする自然しぜん独占どくせんの場合ばあいや、国くにの法的ほうてき規制きせいによって成立せいりつする場合ばあい(専売せんばい制度せいどや公益こうえき事業じぎょうなど)にも可能かのうとなる。しかし、現代げんだいの資本しほん主義しゅぎで広ひろく認みとめられるのは、少数しょうすうの巨大きょだい企業きぎょうによって市場いちばが事実じじつ上じょう支配しはいされている寡占かせん的てき産業さんぎょうで、いわゆる「寡占かせん的てき相互そうご依存いぞん性せい」の結果けっかとして形成けいせいされる寡占かせん的てきな高こう価格かかくの設定せっていの場合ばあいである。固定こてい設備せつびの巨額きょがく化かや販売はんばい経路けいろの系列けいれつ化かなどの結果けっかとして産業さんぎょうへの競争きょうそう企業きぎょうの新しん参入さんにゅうが困難こんなんとなること、少数しょうすう巨大きょだい企業きぎょう間あいだでは価格かかく競争きょうそうが回避かいひされ、主導しゅどう的てき企業きぎょうによる価格かかく指導しどう制せいが他た企業きぎょうの協調きょうちょう的てきな追従ついしょうによって受うけ入いれられる傾向けいこうがあることなどが、独占どくせん価格かかく設定せっていを可能かのうにする条件じょうけんである。もちろん、競争きょうそう的てき産業さんぎょうでもカルテルなど競争きょうそう制限せいげん的てきな行動こうどうの結果けっかとして独占どくせん価格かかくの設定せっていが可能かのうである。以上いじょういずれの場合ばあいでも、独占どくせん価格かかくは、その生産せいさんコスト(生産せいさん価格かかく)を正ただしく反映はんえいせず、企業きぎょうに独占どくせん利潤りじゅんをもたらし、消費しょうひ者しゃなどを搾取さくしゅし、経済けいざい的てき不公平ふこうへいを生うみ、また企業きぎょうの技術ぎじゅつ進歩しんぽによるコスト削減さくげん努力どりょくを弱よわめ、経済けいざい効率こうりつと発展はってんを抑制よくせいする傾向けいこうをもたらす。[吉家きつか清次せいじ][参照さんしょう項目こうもく] | 寡占かせん | カルテル | 独占どくせん利潤りじゅん 出典しゅってん 小学館しょうがくかん 日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)について 情報じょうほう | 凡例はんれい
百科ひゃっか事典じてんマイペディア 「独占どくせん価格かかく」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 独占どくせん価格かかく【どくせんかかく】 生産せいさんと販売はんばいを独占どくせんする地位ちいにある巨大きょだい企業きぎょうが,高こう利潤りじゅんを目的もくてきとして,生産せいさん価格かかく(生産せいさん費ひ+平均へいきん利潤りじゅん)以上いじょうに決きめる価格かかく。価格かかくは自由じゆう競争きょうそう下かでは生産せいさん価格かかくを中心ちゅうしんに決きめられるが,巨大きょだい企業きぎょうは価格かかくをつりあげ,超過ちょうか利潤りじゅんを確保かくほできる。→管理かんり価格かかく→関連かんれん項目こうもく価格かかく|クールノー|市場いちば価格かかく|独占どくせん資本しほん 出典しゅってん 株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ百科ひゃっか事典じてんマイペディアについて 情報じょうほう
世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)内うちの独占どくせん価格かかくの言及げんきゅう 【市場いちば価格かかく】より …この点てんから,市場いちばに非常ひじょうに多おおくの競合きょうごう的てきな需要じゅよう者しゃ・供給きょうきゅう者しゃが存在そんざいする競争きょうそう市場いちばで成立せいりつする市場いちば価格かかくを競争きょうそう価格かかくという。また需要じゅよう者しゃ・供給きょうきゅう者しゃのいずれか一方いっぽう,もしくは双方そうほうが比較的ひかくてき少数しょうすうである不完全ふかんぜん競争きょうそう市場いちばにおいて成立せいりつする市場いちば価格かかくを広ひろく独占どくせん価格かかくと呼よび,競争きょうそう価格かかくから区別くべつする。【佐藤さとう 寿博としひろ】[マルクス経済けいざい学がく] 市場いちば価格かかくは市場いちばで現実げんじつにあらわれる価格かかくであって,需要じゅようと供給きょうきゅうの相互そうごの関連かんれんのなかで決定けっていされる。… 【独占どくせん】より …また,市場いちばが独占どくせん化かされると,価格かかく競争きょうそうが回避かいひされる一方いっぽう,広告こうこくやモデル・チェンジなどの非ひ価格かかく競争きょうそうが激化げきかし,販売はんばい費ひが膨張ぼうちょうするという懸念けねんも強つよい。 このほか,独占どくせん化かによって価格かかくの下方かほう硬直こうちょく性せいが強つよまり,一般いっぱん的てき物価ぶっか騰貴とうきの原因げんいんになりはしないかという管理かんり価格かかくインフレ,独占どくせん価格かかくの非ひ伸縮しんしゅく性せいが生産せいさんや雇用こようの大幅おおはばな変動へんどうをもたらさないか,独占どくせん企業きぎょうの経営けいえい者しゃに与あたえられる自由じゆう裁量さいりょう権けんが,従業じゅうぎょう員いんの採用さいように際さいして女性じょせいや少数しょうすう民族みんぞくに差別さべつ的てきに行使こうしされないかといった諸しょ問題もんだいにも,関心かんしんがもたれるに至いたった。[独占どくせんへの対策たいさく] 独占どくせん規制きせいの必要ひつようを説とく声こえは経済けいざい学がくそのものと同おなじほど古ふるい歴史れきしをもつ。… ※「独占どくせん価格かかく」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつの一部いちぶを掲載けいさいしています。 出典しゅってん|株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)」