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蔀(シトミ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

しとみみ)シトミ

デジタル大辞泉だいじせんしとみ」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

しとみ【×しとみ

平安へいあん時代じだいから住宅じゅうたく社寺しゃじ建築けんちくにおいて使つかわれた、格子こうしけた板戸いたど上部じょうぶ蝶番ちょうつがいちょうつがいをつけ、そとまたは内側うちがわ水平すいへいげてける。しとみど
和船わせん舷側げんそくててなみしぶきや日光にっこうなどをふせいた平常へいじょうはずしておく。しとみいた。
築城ちくじょうで、しろがいからくところをおおう、るい
町屋まちや前面ぜんめんにはめ横戸よこと。2まいまたは3まいからなり、左右さゆうはしらみぞにはめる。ひるはずしておく。しとみど。

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精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてんしとみ」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

しとみ【しとみ

  1. 名詞めいし
  2. ひかり風雨ふううをさえぎるもの。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「に、雨下うか(ふ)りて、にわたずみすい(いさらみつ)にわに溢(いはめ)り。せき障子しょうじ(むしろシトミ)もっくらさっかばね(かはね)くつがえ(おほ)ふ」(出典しゅってん日本書紀にほんしょき(720)すめらぎきょくよんねんろくがつ岩崎いわさきほん平安へいあん中期ちゅうきくん))
  3. はしらあいだれる建具たてぐひとつ。いた両面りょうめんあるいはいちめん格子こうしんでつくる。上下じょうげまいのうちうえ長押なげし(なげし)からり、うえにはねあげてひらくようにしたはんしとみ(はじとみ)おおいが、いちまいになっているものもある。寝殿造しんでんづくおおく、神社じんじゃ仏閣ぶっかくにももちいる。しとみど。
    1. 蔀<b>②</b>〈<ruby><rb>紫式部</rb><rt>むらさきしきぶ</rt></ruby><ruby><rb>日記</rb><rt>にっき</rt></ruby><ruby><rb>絵巻</rb><rt>えまき</rt></ruby>〉
      しとみ紫式部むらさきしきぶ日記にっき絵巻えまき
    2. [初出しょしゅつ実例じつれい]「かうなれば、をのこどもよびて、しとみあげさせてみつ」(出典しゅってん蜻蛉とんぼ日記にっき(974ごろじょう)
  4. ふね舷側げんそくもうける、なみ・しぶきよけで、多数たすうしとみりつ(しとみたつ)ててそのあいだにいたれるもの。大力だいりきせんしょうはや渡海とかいせんなど本格ほんかくてきかきりつのない中小ちゅうしょう和船わせんもちいる。〔和漢わかん船用せんようしゅう(1766)〕
  5. 築城ちくじょうで、そとから城内きうちくところをおおっておくるい
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「信玄しんげんおおやけ御家おいえ中城なかしろ極意ごくいいつつは、いちつじうまし、にしとみのくるわ、しとみの土居どい」(出典しゅってんきのえようぐんかん(17Cはつしなさんきゅう)
  6. 町屋まちや前面ぜんめんにはめこむ横戸よことまいあるいはさんまいからなり、左右さゆうはしらみぞにはめ、ひるははずし、よるははめる。「ひとみ」ともいう。しとみど。

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日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)しとみ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

しとみ
しとみ

日本にっぽん建築けんちくうえからつるし(つ)りげた格子戸こうしどしとみ(しとみど)ともいう。そとげ、あるいはうちげてけ、のきまたは天井てんじょうからげた金具かなぐっかけてめる。しとみには構造こうぞうじょう多少たしょうことなるものがあり、表裏ひょうり両面りょうめん格子こうしみ、そのあいだいたはさむのが正式せいしきで、ひょうのみ格子こうしうらいたるものや、よこ桟または縦桟たてざんだけでいためたものもある。しとみ敷居しきい鴨居かもい(かもい)のあいだを1まいるとおもいので、上下じょうげ2まいけ、うえしとみげ、しもしとみはしらあいだ(はしらま)にむのが通例つうれいである。このようなけたしとみはんしとみ(はじとみ)または小蔀こじとみ(こじとみ)という。

 しとみ奈良なら末期まっき平安へいあん時代じだい(8世紀せいき後半こうはん)にあらわれた建具たてぐで、内裏だいり(だいり)の殿舎でんしゃ貴族きぞく邸宅ていたくもちいられたが、中世ちゅうせい以降いこうになると一般いっぱんされ、社寺しゃじでも使用しようした。にわない目隠めかくようへいとして、土台どだいうえしとみ連続れんぞくしてならべたものはたてしとみといい、上部じょうぶたけふしかざりとしてつける。また江戸えど時代じだい民家みんかでは、格子戸こうしどとせずにたん板戸いたどだけをげたものもあり、これは「しとみ」「しとめ」「ひとみ」または「ぶちょう」とよび、たたんでげるもの、はしらみぞじょうげるものなどがあった。

工藤くどうけいあきら

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山川やまかわ 日本にっぽんしょう辞典じてん 改訂かいてい新版しんぱんしとみ」の解説かいせつ

しとみ
しとみ

しとみとも。建具たてぐひとつで,うすいた両面りょうめん格子こうしんだ長押なげし(なげし)からって水平すいへいにはねあげてひらく。「し」は風雨ふうう,「とみ」はとめという。風雨ふうう日光にっこうをさえぎる意味いみであろう。はじめはひとつのはしらあいだ(はしらま)に1まいしとみれたが,おもくて開閉かいへい難儀なんぎするため上下じょうげ2まいにわけ,うえ半分はんぶんだけをあげてはんしとみ(はじとみ)とした。

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世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん旧版きゅうばんうちしとみ言及げんきゅう

しとみ】より

寝殿造しんでんづくり住宅じゅうたくそとまわりの主要しゅよう建具たてぐ。〈しとみ〉の語義ごぎは〈ひよけ〉〈おおい〉であり,《和名わみょうしょう》でも〈だんをおおい,ひかりをさえぎるもの〉としている。現在げんざいでは格子こうしいたったもの,あるいはいた表裏ひょうりから格子こうしではさんだものをしとみんでいるが,ふるくはこれを〈格子こうし〉とび,格子こうしまずいただけのものをしとみんで区別くべつしていたようである。…

※「しとみ」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつ一部いちぶ掲載けいさいしています。

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