ラウール×佐久間さくま大介だいすけのユニットMV、もはや芸術げいじゅつ作品さくひんでは / 制服せいふくにルーズソックス姿すがたの浜崎はまざきあゆみが歌うたう闇やみ

文ぶん / 真ま貝かい聡さとし

まずはこの週しゅうの初はつ登場とうじょう曲きょくの振ふり返がえりから

今週こんしゅうのYouTubeのミュージックビデオランキングは、7位いにCreepy Nutsが「THE FIRST TAKE」で披露ひろうした「ビリケン」の一発いっぱつ撮とりパフォーマンスがランクイン。DJ松永まつながのジャージードリルを軸じくとした中毒ちゅうどく性せいの高たかいトラックと、多彩たさいなパターンのリズムを乗のりこなし、歌声うたごえを使つかい分わけるR-指定していのレベルの高たかいラップに魅了みりょうされる。原曲げんきょくとは違ちがうビートの入いれ方かたなど、「THE FIRST TAKE」だけのスペシャルバージョンになっているのもポイントだ。

Creepy Nuts「ビリケン」THE FIRST TAKE

11位いには、京本きょうもと大我だいがが主演しゅえんを務つとめているドラマ「お迎むかえ渋谷しぶやくん」の主題歌しゅだいかである、SixTONESの「音色ねいろ」のMVが登場とうじょうした。今いま作さくは彼かれらにとって12枚まい目めとなるシングルの表題ひょうだい曲きょくで、歌詞かしには大切たいせつな人ひとや仲間なかまと出会であえた感謝かんしゃ、喜よろこびが表現ひょうげんされている。MVでは仲良なかよしの少年しょうねん6人組にんぐみが、大人おとなになった今いまも変かわらずに肩かたを組くんで楽たのしそうに歌うたう姿すがたが描えがかれており、この映像えいぞうを観みていると積つみ重かさねてきた絆きずなの強つよさを感かんじて温あたたかい気持きもちになった。今年ことしで結成けっせい10年ねん目めを迎むかえる彼かれらが、グループの結成けっせい日びである5月がつ1日にちにリリースすることからも、「音色ねいろ」がいかに特別とくべつな楽曲がっきょくであるかが伺うかがえる。

SixTONES「音色ねいろ」（YouTube ver.）

25位いには乃木坂のぎざか46の「車道しゃどう側がわ」が初はつ登場とうじょうした。この曲きょくは4月がつ10日とおかにリリースされたシングル「チャンスは平等びょうどう」に収録しゅうろくされているアンダー曲きょくで、4期生きせいの筒井つついあやめがセンターを務つとめている。きらびやかで甘酸あまずっぱく、はかなさのあるこの曲きょくのサウンドは、まさに“青春せいしゅん”そのものを表あらわしているようだ。MVは学校がっこうで撮影さつえいされ、メンバーそれぞれがバスケ部ぶ、ダンス部ぶ、吹奏楽すいそうがく部ぶ、軽音楽けいおんがく部ぶ、帰宅きたく部ぶに分わかれ、新しん学期がっきの学校がっこう生活せいかつを送おくる様子ようすが描えがかれている。個人こじん的てきには、生徒せいとたちに向むけたカメラを下おろしたときの、筒井つついのどこか寂さびしげな表情ひょうじょうに引ひき込こまれた。

乃木坂のぎざか46「車道しゃどう側がわ」

50位いは千葉ちば雄喜ゆうき, SOCKS, ¥ellow Bucks, MaRI, DJ RYOWの「チーム友達ともだち（東海とうかい Remix）」がランクインした。2022年ねんに引退いんたいしたKOHHが突如とつじょ本名ほんみょうの千葉ちば雄喜ゆうきとしてリリースした「チーム友達ともだち」は瞬またたく間まに世界中せかいじゅうで話題わだいに。3月12日にちには関西かんさいのラッパー、Young CocoとJin Doggを迎むかえて制作せいさくした「チーム友達ともだち（Remix）」が公開こうかいされた。第だい3弾だんとなる今いま作さくでは、名古屋なごやのアーティスト4組くみが千葉ちばとコラボ。「チーム友達ともだち」のMVでZORNがチラッと登場とうじょうしたように、今回こんかいはラストに中日ちゅうにちドラゴンズのキャップを被こうむったAK-69が3秒びょうだけ映うつり、それを見みつけて興奮こうふんしたヒップホップヘッズも多おおかった。今後こんごおそらく第だい4弾だん、第だい5弾だんも公開こうかいされると思おもうので、果はたして“友達ともだちの輪わ”がどこまで広ひろがっていくのかが楽たのしみだ。

千葉ちば雄喜ゆうき, SOCKS, ¥ellow Bucks, MaRI, DJ RYOW「チーム友達ともだち（東海とうかい Remix）」

友情ゆうじょうをテーマにした楽曲がっきょくが多おおく並ならんだ今週こんしゅうは、下記かきの3曲きょくをピックアップ。

Snow Man「Bass Bon」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初はつ登場とうじょう44位い

2022年ねん9月がつ発売はつばいの2ndアルバム「Snow Labo. S2」に収録しゅうろくされている「Color me live...」「ガラライキュ！」「HYPNOSIS」、3rdアルバム「i DO ME」収録しゅうろくの「Gotcha!」「Vroom Vroom Vroom」「Bass Bon」「Two」と、これまで初回しょかい盤ばんDVDでしか観みられなかったSnow Manの過去かこのユニット曲きょくのMVが、4月がつ10日とおかに一気いっきに公開こうかいされた。その結果けっか、今週こんしゅうはトップ100にSnow Manの楽曲がっきょくが多数たすう並ならぶことになった。

Snow Man「Two」

49位いには渡辺わたなべ翔太しょうたと目黒めぐろ蓮れんによるはかないバラード曲きょく「Two」が登場とうじょう。58位いは深澤ふかざわ辰哉たつや、ラウール、渡辺わたなべ翔太しょうたによる王道おうどうのラブソング「ガラライキュ！」で、MVではミニチュアのようになった3人にんの姿すがたにキュンとする。

Snow Man「ガラライキュ！」

そして62位いはクールなラップパートと大人おとなな雰囲気ふんいきのサビが印象いんしょう的てきな、岩本いわもと照あきら、向井むかい康二こうじ、目黒めぐろ蓮れんの「HYPNOSIS」。77位いには深海しんかいで歌うたう3人にんの美うつくしい映像えいぞうが魅力みりょく的てきな、阿部あべ亮平りょうへい、宮みや舘たて涼太りょうた、佐久間さくま大介だいすけの「Color me live…」がランクインした。弾はじけるようにポップで、聴きいているだけで思おもわず体からだが動うごいてしまう向井むかい康二こうじと阿部あべ亮平りょうへいの「Gotcha!」は83位い、岩本いわもと照あきら、深澤ふかざわ辰哉たつや、宮みや舘たて涼太りょうたの「Vroom Vroom Vroom」は86位いにランキング入いりしている。

中なかでも再生さいせい数すうを伸のばしているのは、44位いに初はつ登場とうじょうしたラウールと佐久間さくま大介だいすけの「Bass Bon」だ。ゴリゴリのテクノサウンドを見事みごとに乗のりこなすパーカッシブなフロウや、グループの中なかでもトップクラスのダンススキルを持もつ2人ふたりが踊おどるヴォーグダンスが話題わだいを呼よんでいる。

振付ふりつけを担当たんとうしたのは、難易なんい度どが高たかい緻密ちみつな振ふりで有名ゆうめいな東京とうきょうゲゲゲイのMIKEY。なめらかな首くびのアイソレーションや、腕うでをムチのようにしならせるパンキングのうまさ、ヴォーグダンスの特徴とくちょうである無機質むきしつでロボットのような動うごきに見入みいってしまう。MVはモノトーンで統一とういつされた部屋へやや、後半こうはんの鮮烈せんれつな色彩しきさいのペイントなどが楽曲がっきょくやダンスの雰囲気ふんいきと見事みごとにマッチ。トータルで1つの芸術げいじゅつ作品さくひんとして完成かんせいしていて、まるで美術館びじゅつかんに展示てんじされるアートのような凄すごみを感かんじさせる。

あしざるFC「バモス2」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初はつ登場とうじょう54位い

あしざるFCは「フットサルを日本一にっぽんいちのスポーツに！」をスローガンに掲かかげている、広島ひろしまのフットサル選手せんしゅで結成けっせいされたYouTuberグループ。そんな彼かれらが、去年きょねん5月がつにリリースした初はじめてのオリジナル曲きょく「バモス」の続編ぞくへん「バモス2」を発表はっぴょうした。

あしざるFC「バモス」

これらの曲名きょくめいになっている「Vamos」という言葉ことばは、ポルトガル語ごやスペイン語ごで「さあ行いこう！」「一緒いっしょに～をしよう！」という意味いみ。「バモス2」は、「シャッシャッシャシャシャシャッシャッシャシャシャ エブリバーディ！」というフレーズでお馴染なじみのLMFAOの「Shots ft. Lil Jon」を想起そうきさせる「バ！バ！ バ！バ！バ！バ！ Ready vamos！」の連呼れんこで、曲きょくの出でだしから高揚こうよう感かんを味あじわえる。ちなみに、主おもにラップパートを担当たんとうしている「のぶ」と「ダンガンくん」は、過去かこにASHISALというヒップホップユニットでも活動かつどうしていた。

ASHISAL「my road」

彼かれらは今回こんかいの「バモス2」で、自身じしんの目標もくひょうである“2026年ねん3月がつまでに代々木体育館よよぎたいいくかんを満員まんいん”に向むけて熱あつい思おもいを歌うたっている。2年ねん後ごにこの曲きょくが代々木体育館よよぎたいいくかんで聴きけたら、と期待きたいしたくなる希望きぼうに満みちた楽曲がっきょくだ。

浜崎はまざきあゆみ「BYE-BYE」

※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初はつ登場とうじょう98位い

浜崎はまざきあゆみがデビュー26周年しゅうねんを迎むかえた4月がつ8日にちに、新曲しんきょく「BYE-BYE」を配信はいしんリリースし、同時どうじにMVも公開こうかいした。この曲きょくはNHK「みんなのうた」の2024年ねん4・5月がつの曲きょくとして書かき下おろされた楽曲がっきょくで、作曲さっきょくは多胡たご邦夫くにお、編曲へんきょくはtasukuが手てがけた。

この曲きょくは2000年代ねんだい初期しょきのR&Bを彷彿ほうふつとさせるミディアムダンスナンバーでありながら、「相談そうだんしましょ そうしましょ」という「はないちもんめ」を引用いんようしたフレーズが登場とうじょうし、メロディにも「みんなのうた」を意識いしきした童謡どうようのエッセンスが感かんじられる。かと言いって子供こども向むけの曲きょくというわけではなく、歌詞かしは「未来みらいのために、今いまは別わかれを選えらぶ」というのが全体ぜんたいのテーマ。「怖こわいものは見みないようにって / そのうちに / 無なかったことになるって / みんなが ah 思おもいたがる」など、要よう所要しょよう所しょで挟はさみ込こまれる浜崎はまざきらしいダークで意味深いみしんなフレーズが、楽曲がっきょくの奥深おくふかさを際立きわだたせている。

MV監督かんとくを務つとめたのは、「ANGEL’S SONG」「Nonfiction」「MASK」など、これまでにも浜崎はまざきのMVを手てがけてきた須永すなが秀明ひであきだ。廃校はいこう風ふうの閉鎖へいさ的てきな空間くうかんで、キッズダンサーを加くわえた総勢そうぜい23名めいと浜崎はまざきが手てをつなぎながら、「はないちもんめ」を想起そうきさせる動うごきをしたり、サビの「Byebyebye bybybybye」という歌うたに合あわせて手てを振ふったりする特徴とくちょう的てきな動うごきが印象いんしょう的てきだ。驚おどろきなのは制服せいふくにルーズソックス姿すがたの浜崎はまざきが、10代のダンサーたちと混まじってもまったく違和感いわかんがないことである。本当ほんとうにデビュー26周年しゅうねんなのか？と疑うたがいたくなる。

唯一ゆいいつ無二むにの存在そんざいとして多おおくの人ひとに影響えいきょうを与あたえ、常つねに我々われわれを驚おどろかせ続つづけてくれるayu。27年ねん目めに突入とつにゅうし、今後こんごもどんな感動かんどうを与あたえてくれるのか楽たのしみだ。

真ま貝かい聡さとし

ライター / インタビュアー。雑誌ざっしやWebで執筆しっぴつするほか、MOROHA「其ノ灯ひ、暮くれラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像えいぞう作品さくひんや、テレビ特番とくばん「Mrs. GREEN APPLE ～Review of エデンの園えん～」にインタビュアーとして参加さんかしている。