ユニゾンとオーケストラが五線譜ごせんふを飛とび回まわった特別とくべつな一夜いちや、サプライズゲストも駆かけつけ20周年しゅうねん祝福しゅくふく

UNISON SQUARE GARDENが7月がつ25日にちに東京とうきょう・日本武道館にほんぶどうかんにてオーケストラライブ「UNISON SQUARE GARDEN 20th Anniversary LIVE オーケストラを観かんにいこう」を開催かいさいした。

ユニゾンは前日ぜんじつ7月がつ24日にちに結成けっせい20周年しゅうねん記念きねん日びを迎むかえ、アニバーサリーライブ「ROCK BAND is fun」を同おなじ日本武道館にほんぶどうかんで開催かいさい。これに続つづいて行おこなわれたオーケストラライブはストリングスとブラスセクションを迎むかえ、通常つうじょうのライブではシーケンスの音源おんげんとともに演奏えんそうしている曲目きょくもくを中心ちゅうしんに生なま演奏えんそうによるパフォーマンスを繰くり広ひろげるという内容ないようで、ファンが楽たのしみにしていた楽曲がっきょくから予想よそう外がいの楽曲がっきょくまで、幅広はばひろいナンバーがこの日ひ限かぎりのアレンジで届とどけられた。

総勢そうぜい38名めいのアンサンブル

開演かいえん前まえの武道館ぶどうかんにはクラシックの名曲めいきょくの数々かずかずがBGMとして流ながれ、ステージセットは前日ぜんじつ24日にちと同一どういつながらまったく異ことなる雰囲気ふんいきが漂ただよう。モーリス・ラヴェルの「ボレロ」の音おとがひときわ大おおきくなる中なか、クラシックコンサートさながらに開演かいえんを告つげるブザーが鳴なり、アリーナ席せき、そして360°のスタンド席せきの満員まんいんの観客かんきゃくからは期待きたいを込こめた拍手はくしゅが起おこった。

今回こんかいのライブに参加さんかしたオーケストラの編成へんせいは弦楽器げんがっき15名めい、木管もっかん楽器がっき7名めい、打楽器だがっき2名めい、金管楽器きんかんがっき9名めいと、鍵盤けんばんを担当たんとうした成田なりたハネダ（パスピエ）、全曲ぜんきょくのアレンジとこの日ひの指揮しきを務つとめた伊藤いとう翼つばさの計けい35名めい。メンバーが続々ぞくぞくとステージに現あらわれると、その人数にんずうの多おおさに客席きゃくせきからはどよめきが起おこった。音おと合あわせが終おわり、ステージには黒くろいセットアップ姿すがたの斎藤さいとう宏ひろし介かい（Vo, G）が登場とうじょう。マイクに向むかった斎藤さいとうはストリングスとピアノに乗のせて、1曲きょく目め「アンドロメダ」をしっとりと歌うたい始はじめた。柔やわらかなアンサンブルに鉄てつ琴きんの涼すずやかな音おとも加くわわり、楽曲がっきょくの世界せかいがオーディエンスの目めの前まえに鮮あざやかに展開てんかいされていった。

ここに同おなじくセットアップ姿すがたの田淵たぶち智也ともや（B）、鈴木すずき貴雄たかお（Dr）が加くわわり、全員ぜんいんで奏かなでたのは「フルカラープログラム」。総勢そうぜい38名めいが繰くり出だす重厚じゅうこうなアンサンブルに、武道館ぶどうかん中ちゅうから新鮮しんせんな驚おどろき混まじりの大だい歓声かんせいが沸わき起おこった。ホーンセクションのメンバーがステージを降おりたのち、斎藤さいとうは大所たいしょ帯たいのステージを振ふり返かえりつつ「こう見みえて、UNISON SQUARE GARDENです（笑）」と挨拶あいさつ。「今日きょうだけは“USGフィルハーモニック”と名付なづけて演奏えんそうしていただきます。前ぜん後半こうはんに分わけて、前半ぜんはんはストリングスの皆みなさんとお届とどけします。ごゆるりとお楽たのしみください」とライブの構成こうせいを説明せつめいした。

オーケストラアレンジの「カオスが極きわまる」に武道館ぶどうかん騒然そうぜん

続つづいては「さわれない歌うた」へ。サビの印象いんしょう的てきなストリングスサウンドが生なま演奏えんそうで届とどけられ、オーディエンスは感動かんどうに満みちた眼差まなざしをステージに送おくった。田淵たぶちと鈴木すずきがいったんステージを降おり、斎藤さいとうがハンドマイクを握にぎって歌うたったのは「君きみはともだち」。成田なりたが奏かなでる軽かろやかなピアノ、ストリングスと木管もっかんのたおやかさと力強ちからづよさを兼かね備そなえたサウンドに乗のせ、斎藤さいとうは心地ここちよさそうに体からだを揺ゆらしながら透明とうめい感かんにあふれた歌声うたごえを響ひびかせた。

田淵たぶちと鈴木すずきが再ふたたび加くわわり、成田なりたのエモーショナルなピアノソロから始はじまったのは「harmonized finale」。壮大そうだいなサウンドスケープで客席きゃくせきを圧倒あっとうすると、さらに「kaleido proud fiesta」へとつなげて観客かんきゃくを狂喜きょうきさせた。流麗りゅうれいなストリングスフレーズの数々かずかずを笑顔えがおで楽たのしんでいたオーディエンスだが、続つづいて「カオスが極きわまる」が始はじまるとその予想よそう外がいの選曲せんきょくに大おおきな驚おどろきの声こえが上あがった。鈴木すずきが刻きざむ力強ちからづよいビートに乗のせて観客かんきゃくの大だい合唱がっしょうとオーケストラの不穏ふおんなアンサンブルが響ひびき合あい、武道館ぶどうかんはまさにカオスな空間くうかんに。間奏かんそうでは斎藤さいとうのギターとストリングスが息いきもぴったりなユニゾンで奏かなでられ、客席きゃくせきからは怒号どごうのような歓声かんせいが上あがった。

「オリオンをなぞる」を終おえたのち、MCで斎藤さいとうは「ちょっとすごすぎるな……来年らいねん以降いこうはUNISON SQUARE GARDENが30人にん編成へんせいになるかも（笑）」と手応てごたえを明あかし、「このあと15分ぶんの休憩きゅうけいを挟はさみます。トイレに行いくなり休やすむなり、Xに興奮こうふんを投稿とうこうするなりしてください（笑）」と前半ぜんはんパートの終了しゅうりょうを告つげた。ストリングスセクションとのラストナンバーは「春はるが来きてぼくら」。前日ぜんじつ24日にちのライブでは3人にんの切実せつじつな思おもいとともに届とどけられた楽曲がっきょくだが、この日ひは芳醇ほうじゅんな音色ねいろとともに幸福こうふく感かんに満みちたナンバーとして観客かんきゃくを包つつみこんだ。

“妖精ようせい”イズミカワソラ登場とうじょう、ビスたんは「ドラマーの悲願ひがん」叶かなえる

15分ぶんの休憩きゅうけい後ごにホーンセクションの9名めいと成田なりたがステージに登場とうじょうし、再ふたたびブザーの音おとが鳴なり響ひびいて場内じょうないの照明しょうめいが落おちる。ユニゾンの3人にんと指揮しき者しゃの伊藤いとうも加くわわり、後半こうはんパートの最初さいしょに披露ひろうされたのは「like coffeeのおまじない」だ。軽快けいかいなサウンドで再ふたたび武道ぶどう館かんの空気くうきを温あたためたあとは「フライデイノベルズ」へ。ホーンズのカラフルな音色ねいろに彩いろどられ、3人にんの演奏えんそうもより輝かがやきを増ましてオーディエンスのもとに届とどけられた。

成田なりたがステージを降おりたのち、斎藤さいとうは「後半こうはんはUSGフィルハーモニック、ホーンセクションの皆みなさんとお届とどけます」と紹介しょうかい。そして「ただでさえスペシャルな夜よるなんですが、おいしてほしい人ひとがいるので連つれてきました」とサプライズゲストの出演しゅつえんを告つげて観客かんきゃくを驚おどろかせた。ここで登場とうじょうしたのはユニゾンの日頃ひごろのライブでオープニングSEとして流ながれる楽曲がっきょく「絵えの具ぐ」を歌うたうイズミカワソラ。燕尾服えんびふく風ふうのジャケットにスカート姿すがたで現あらわれたイズミカワは、斎藤さいとうから「……おいの言葉ことばをもらってもいいですか？（笑）」と促うながされて「おめでとうございます！」と祝福しゅくふくを送おくった。イズミカワを加くわえて披露ひろうされたのは、彼女かのじょがレコーディングにもミュージックビデオにも参加さんかした楽曲がっきょく「mix juiceのいうとおり」。ユニゾンの3人にんの演奏えんそうとイズミカワのコーラスとピアノ、ホーンセクションの音おとがにぎやかに響ひびき合あい、観客かんきゃくに笑顔えがおをもたらした。

パタパタとステージを走はしり去さったイズミカワを斎藤さいとうが「……妖精ようせいだったのかな？（笑）」と見送みおくったあとは、さらなるサプライズゲストが登場とうじょうした。ここで現あらわれたのはBIGMAMAのドラマー、ビスたんことBucket Banquet Bis。大だい太鼓たいこを抱かかえて現あらわれたビスたんは「今日きょうは『ドラマーだってたまには動うごき回まわりたい』という悲願ひがんを叶かなえます。しかしそれには私わたしより適任てきにんがいると思おもいまして、勝手かってながら任命にんめいさせていただきます。スーパー大だい太鼓たいこ、鈴木すずき貴雄たかお！」と、親交しんこうの深ふかい鈴木すずきに大だい太鼓たいこを渡わたして自身じしんはドラムセットに座すわった。ビスたんがドラムを、鈴木すずきが大だい太鼓たいこを叩たたいた曲きょくは、力強ちからづよいドラムが印象いんしょう的てきなナンバー「恋こいする惑星わくせい」。鈴木すずきは日頃ひごろのライブでの田淵たぶちを超こえる移動いどう距離きょりで武道館ぶどうかん中ちゅうの観客かんきゃくとコンタクトしつつ、センターマイクでコーラスも行おこなう八面六臂はちめんろっぴの大だい活躍かつやくを見みせる。演奏えんそうを終おえると、斎藤さいとうは「御ご年とし39歳さい、がんばりましたよ」と鈴木すずきをねぎらった。

ユニゾンファン代表だいひょうukicaster＆大だい先輩せんぱいスカパラホーンズも祝福しゅくふく

「まだ祝いわってくれる友達ともだち……というか、ファンが紛まぎれこんでます」と斎藤さいとうが紹介しょうかいした3人にん目めのゲストは、ユニゾンのファンクラブ会員かいいんだというハンブレッダーズのギタリスト・ukicaster。彼かれはユニゾンがファンをエキストラに迎むかえて撮影さつえいした「桜さくらのあと（all quartets lead to the?）」のミュージックビデオに出演しゅつえんしていたという経歴けいれきの持もち主ぬしだ。高校生こうこうせい時代じだいにユニゾンのコピーバンドを組くんでいた仲間なかまたちと応募おうぼして当選とうせんし、出演しゅつえんを果はたしたというukicasterについて、斎藤さいとうは「当時とうじから輝かがやいていて。映像えいぞうのチェックをしてるときに田淵たぶちが『監督かんとく、この子こ抜ぬいてください』と言いってたんです（笑）」と振ふり返かえる。その隣となりで田淵たぶちはukicasterがMVの中なかで見みせた動うごきを再現さいげんしてみせ、ファンの笑わらいを誘さそった。その後ごに彼かれらが披露ひろうした曲きょくはもちろん「桜さくらのあと（all quartets lead to the?）」。ukicasterは田淵たぶちに促うながされ、向むかい合あって演奏えんそうしたりセンターに立たったりと、憧あこがれの存在そんざいとの共演きょうえんを存分ぞんぶんに楽たのしんでいる様子ようすを見みせた。

鈴木すずきのパワフルなドラムソロに続つづいて登場とうじょうした最後さいごのサプライズゲストは、東京とうきょうスカパラダイスオーケストラのNARGO（Tp）、北原きたはら雅彦まさひこ（Tb）、GAMO（Tenor Sax）、谷中たになか敦あつし（Baritone Sax）。ホーンズが13人にん体制たいせいとなって披露ひろうされたのは、オリジナルでもキラキラとしたホーンセクションのサウンドが印象いんしょう的てきだった「君きみの瞳ひとみに恋こいしてない」だ。スカパラの4人にんとユニゾンの3人にんはアイコンタクトを交かわしつつ、ド派手はでなアンサンブルを繰くり広ひろげる。さらに豪ごう速そくキラーチューン「徹頭徹尾てっとうてつび夜よな夜よなドライブ」が始はじまると、客席きゃくせきは阿鼻叫喚あびきょうかん状態じょうたいとなった。情熱じょうねつ的てきなパフォーマンスが終おわり、武道館ぶどうかん中ちゅうから大だい歓声かんせいが浴あびせられる中なか、谷中たになかは「20周年しゅうねんおめでとう！ 祝いわえるのが本当ほんとうにうれしいです、奇跡きせきの3人にんだと思おもいます。スカパラは9人にんだけど、ユニゾンはそれぞれが3人にんずつの働はたらきをしてると思おもいます」と評ひょうして祝福しゅくふく。斎藤さいとうも「これからもデカくて渋しぶくて、かっけえ背中せなかを見みせてください！」と35周年しゅうねんを迎むかえる大だい先輩せんぱいの言葉ことばに感謝かんしゃを表あらわした。

「今日きょうが生いきてきて最大さいだいのご褒美ほうびかも」

スカパラホーンズを見送みおくったあと、斎藤さいとうは「ホントに20年ねん続つづけてきてこんなことが実現じつげんできるとは夢ゆめにも思おもいませんでした。今日きょうが生いきてきて最大さいだいのご褒美ほうびかもしれませんね」と、この日ひのステージへの思おもいを明あかした。ここでストリングスセクションもステージに加くわわり、再ふたたびフルメンバーの編成へんせいへと戻もどる。圧巻あっかんのオーケストラサウンドで「いけないfool logic」を華はなやかに届とどけたあとは「シュガーソングとビターステップ」へ。38名めいが奏かなでるそれぞれの音おとが歌詞かしの通とおりに五線譜ごせんふを飛とび回まわり、オーディエンスも喜よろこびと楽たのしさと感動かんどうが入はいり混まじった感無量かんむりょうの表情ひょうじょうでその音おとを楽たのしむ。大だいサビではステージ上じょうの全員ぜんいんが立たち上あがって演奏えんそうし、観客かんきゃくの大だい歓声かんせいに応こたえた。

「特別とくべつすぎる夜よるを一緒いっしょに過すごしてくれてありがとうございました。次つぎで最後さいごの曲きょくです」という斎藤さいとうの言葉ことばに続つづき、披露ひろうされたラストナンバーは今回こんかいのライブのタイトルにもなった「オーケストラを観かんにいこう」。荘厳そうごんなアンサンブルが武道館ぶどうかんを震ふるわせる中なかで客席きゃくせきの照明しょうめいが点灯てんとうし、紙吹雪かみふぶきが舞まってエンディングを華々はなばなしく飾かざった。全ぜん19曲きょくの演奏えんそうを終おえたあと、斎藤さいとうと田淵たぶちと鈴木すずき、そして伊藤いとうと成田なりたは握手あくしゅやハグを交かわしてこの日ひの熱演ねつえんを称となえ合あう。最後さいごに5人にんは生なま声ごえで「ありがとうございました！」と挨拶あいさつし、帰かえり道みちへと観客かんきゃくを送おくり出だした。

なおライブの終演しゅうえん後ごには前日ぜんじつ24日にちのアニバーサリーライブ「ROCK BAND is fun」と、今回こんかいのオーケストラライブ「オーケストラを観かんにいこう」2公演こうえんの映像えいぞう作品さくひんリリースがアナウンスされた。詳細しょうさいは後日ごじつ発表はっぴょうされる。

セットリスト

「UNISON SQUARE GARDEN 20th Anniversary LIVE オーケストラを観かんにいこう」2024年ねん7月がつ25日にち 日本武道館にほんぶどうかん

01. アンドロメダ
02. フルカラープログラム
03. さわれない歌うた
04. 君くんはともだち
05. harmonized finale
06. kaleido proud fiesta
07. カオスが極きわまる
08. オリオンをなぞる
09. 春はるが来きてぼくら

10. like coffeeのおまじない
11. フライデイノベルズ
12. mix juiceのいうとおり
13. 恋こいする惑星わくせい
14. 桜さくらのあと（all quartets lead to the?）
15. 君くんの瞳ひとみに恋こいしてない
16. 徹頭徹尾てっとうてつび夜よな夜よなドライブ
17. いけないfool logic
18. シュガーソングとビターステップ
19. オーケストラを観かんにいこう