「ジキル＆ハイド」本日ほんじつ開幕かいまく、石丸いしまる幹みき二に「“ハイド祭まつり”しますから」

ミュージカル「ジキル＆ハイド」が本日ほんじつ3月がつ3日にちに東京とうきょう・東京とうきょう国際こくさいフォーラム ホールCで開幕かいまく。これに先駆さきがけ昨日きのう2日にち、同どう劇場げきじょうで囲かこみ取材しゅざいとゲネプロが行おこなわれた。

脚本きゃくほん・詞しをレスリー・ブリカッス、音楽おんがくをフランク・ワイルドホーンが手てがけた本ほん作さくは、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説しょうせつ「ジキル博士はかせとハイド氏し」を原作げんさくにしたミュージカル。日本にっぽんでは2001年ねんに山田やまだ和也かずやの演出えんしゅつで初演しょえんが行おこなわれた。今回こんかいも山田やまだが演出えんしゅつを手てがけ、ヘンリー・ジキルとエドワード・ハイドの2役やくは12年版ねんばん、16年版ねんばんに続つづいて石丸いしまる幹みき二にが演えんじる。出演しゅつえん者しゃには石丸いしまるのほか、娼婦しょうふルーシー役やくに笹本ささもと玲奈れいな、ジキルの婚約こんやく者しゃエマ役やくに宮澤みやざわエマ、ジキルの親友しんゆうアターソン役やくに田代たしろ万里ばんり生せいらが名なを連つらねた。

重々おもおもしいオーケストラと共ともに舞台ぶたいの幕まくが上あがると、19世紀せいきロンドンの街並まちなみをイメージした灰色はいいろの装置そうちがそびえ立たっている。父ちちが心しんを病やんだことをきっかけに、ジキルは人間にんげんの精神せいしんに干渉かんしょうする薬くすりの開発かいはつを決意けついし、歌うたい上あげる。彼かれは「人間にんげんの善ぜんと悪あくの両極端りょうきょくたんの性格せいかくを分離ぶんりできれば、悪あくを制御せいぎょし消けし去さることができる」と仮説かせつを立たてていた。しかし周囲しゅういから研究けんきゅうを否定ひていされるとアターソンの忠告ちゅうこくにも耳みみを貸かさず、自身じしんの体からだで薬くすりを試ためしてしまう。

薬くすりによって現あらわれた“悪あく”の人格じんかく・ハイドが、ジキルの研究けんきゅうを拒絶きょぜつした権力けんりょく者しゃたちを次々つぎつぎと殺害さつがいしていく様子ようすは、アンサンブルの息いきの合あった群ぐん唱に乗のってテンポよく展開てんかいする。またジキルとハイドの入いれ替かわりは照明しょうめいの激はげしい明滅めいめつによって表あらわされ、物語ものがたりの緊張きんちょう感かんをさらに高たかめていく。

石丸いしまるは高たからかに歌声うたごえを響ひびかせながら、ジキルとハイドの2役やくを熱演ねつえん。2つの人格じんかくが主導しゅどう権けんを争あらそう激はげしいナンバー「対決たいけつ」では声色こわいろと表情ひょうじょうを使つかい分わけ、ジキルとハイドの目めまぐるしいせめぎ合ごういを表現ひょうげんする。またガーターベルトをつけた脚あしを高々たかだかと跳はね上あげ、パワフルな歌唱かしょうで観客かんきゃくを魅了みりょうする笹本ささもとは、ジキルとハイドの両方りょうほうに惹ひかれるルーシーを繊細せんさいに演えんじた。さらに宮澤みやざわ演えんじるエマは、柔やわらかなソプラノと優やさしい笑顔えがおでジキルを包つつみ込こみ、婚約こんやく者しゃに常つねに寄より添そう純真じゅんしんなエマを体現たいげんした。

ゲネプロ前まえに行おこなわれた囲かこみ会見かいけんには石丸いしまる、笹本ささもと、宮澤みやざわの3名めいが出席しゅっせき。3度目どめの出演しゅつえんとなる石丸いしまるは、新あらたなキャストたちとの共演きょうえんについて「キャッチボールで言いうと、投なげ合あう球たまやアイコンタクト、受うけ取とり方かたが変かわるんだなと思おもいました。前回ぜんかいと比くらべるのではなく今いま起おきていることを楽たのしんで、稽古けいこ場じょうではいいキャッチボールができたと思おもいます」と自信じしんをのぞかせる。またハイドを演えんじる楽たのしさを祭まつりに例たとえ、「“ハイド祭まつり”しますから、期待きたいしててください！」と呼よびかけた。

2012年版ねんばん、16年版ねんばんではエマを演えんじた笹本ささもとは「自分じぶんなりの解釈かいしゃくでルーシーを演えんじるのが楽たのしみ」と、新あらたな役柄やくがらへの挑戦ちょうせんに気合きあい十じゅう分ふん。妊娠にんしん、出産しゅっさんによる1年ねんの休業きゅうぎょうからの復帰ふっきについては「再さいデビューのような気持きもち。感かんじたことのない緊張きんちょうで包つつまれています」と心中しんちゅうのを明あかした。またルーシーの、大おおきくスリットが入はいった衣装いしょうについて質問しつもんされると、笹本ささもとは「どうですか……？ 衣装いしょうに着きられてないかな」と恥はずかしそうに共演きょうえん者しゃに視線しせんを送おくる。石丸いしまると宮澤みやざわは口々くちぐちに「お似合にあいです」「スーパーセクシー！」と笹本ささもとに笑顔えがおを返かえした。

初はつ参加さんかの宮澤みやざわは「プレッシャーしかない、みたいな状況じょうきょう」と稽古けいこを振ふり返かえるが、衣装いしょうで舞台ぶたいに立たったことで「なんて壮大そうだいなスケールのミュージカルに参加さんかさせていただいているんだろう」と高揚こうよう感かんを得えたと心境しんきょうを述のべる。また石丸いしまるの目めを見みて歌うたうことになかなか慣なれなかったと言いい、「『私わたし今いま、息いき臭くさくないかな』とか訳わけのわからない邪念じゃねんが頭あたまの中なかでうごめくのを止とめられず……」とはにかむ。続つづけて「でも石丸いしまるさんの目めがとても優やさしく『大丈夫だいじょうぶだよ』と見みつめてくれていて。頼たのもしいパートナーです」と厚あつい信頼しんらいを寄よせた。

最後さいごに石丸いしまるが「新あたらしいメンバーも加くわわり、よりフレッシュに、より練ねりこんだ『ジキル＆ハイド』をお届とどけできると思おもいます。ぜひ劇場げきじょうに、私わたしたちの“夢ゆめの世界せかい”を観かんに来きてください。お待まちしています」と挨拶あいさつし、取材しゅざいは終了しゅうりょうした。

本ほん作さくは休憩きゅうけい込こみの約やく3時じ間あいだ。公演こうえんは3月がつ18日にちまで東京とうきょう・東京とうきょう国際こくさいフォーラム ホールC、3月24・25日にちに愛知あいち・愛知あいち県けん芸術げいじゅつ劇場げきじょう 大だいホール、3月30日にち・4月がつ1日にちに大阪おおさか・梅田うめだ芸術げいじゅつ劇場げきじょう メインホールで行おこなわれる。