H ZETT M×ゲスの極きわみ乙女おとめ。ちゃんMARI対談たいだん　二人ふたりが音楽家おんがくか・鍵盤けんばん奏者そうしゃとして大切たいせつにしていること

　H ZETTRIOとしてニューアルバム『Beautiful Flight』をリリースしたばかりのH ZETT Mと、先日せんじつワンマンとしては過去かこ最大さいだいキャパとなる横浜よこはまアリーナ公演こうえんを成功せいこうさせたゲスの極きわみ乙女おとめ。のちゃんMARI。お互たがいがお互たがいのファンを公言こうげんする二人ふたりの鍵盤けんばん奏者そうしゃの対談たいだんをここにお届とどけしよう。共ともに卓越たくえつしたプレイヤビリティを備そなえ、楽器がっきを演奏えんそうする喜よろこびを目めいっぱい体現たいげんしていることが素晴すばらしい両者りょうしゃだが、対談たいだんから浮うかび上あがってきた意外いがいな共通きょうつう点てんは、「あまり自分じぶんをプレイヤーとして意識いしきしていない」ということだった。では、二人ふたりが音楽家おんがくかとして重要じゅうよう視ししていることは何なになのか？　その答こたえは、以下いかの対話たいわの中なかに。

「キーボードは目立めだたないっていうイメージが崩壊ほうかいしました」（ちゃんMARI）

――H ZETT Mさんはいつ頃ごろからゲスの極きわみ乙女おとめ。のことが気きになっていたんですか？

H ZETT M：2013年ねんとか2014年ねんぐらいですかね。僕ぼくは人ひとに「このバンドがいい」とかってメールすることないんですけど、ゲスの極きわみさんを聴きいて、「これは聴きかなきゃ」っていうメールをメンバーとスタッフにCCで送おくったんです。「パラレルスペック」とか「キラーボール」とか、4曲きょくぐらいYouTubeのリンクを貼はって。あの途中とちゅうの「幻想げんそう即興そっきょう曲きょく」とかも、最高さいこうですね。

ちゃんMARI：ありがとうございます！　大変たいへん光栄こうえいです！

H ZETT M：いろんなバンドをチェックしてたんですけど、飛とび抜ぬけてるなって。面白おもしろいことをしてやろうっていう攻撃こうげき性せいがありつつ、それでいてオシャレっていう、そこが融合ゆうごうしてるのも面白おもしろいと思おもったし、一人ひとり一いち人にんが素晴すばらしいキャラクターで、ちゃんとテクニックもあって、「これは一体いったいなんだ？」と。

ちゃんMARI：私わたしもゲスのことを知しらなかったら、「なんだ？」って思おもったと思おもいます（笑）。

――ちゃんMARIさんはいつ頃ごろからH ZETT Mさんがお好すきだったんですか？

ちゃんMARI：私わたしは16歳さいとか17歳さいの頃ころにPE’Zを……あ、違ちがうんでしたっけ？（笑）

H ZETT M：まあ、大丈夫だいじょうぶです（笑）。

ちゃんMARI：まずPE’Zの音源おんげんを聴きいて、そうしたら、東京とうきょう事変じへんにも似にたような方ほうが参加さんかされてて、ホントに衝撃しょうげき的てきで。まずパフォーマンスがすごいし、聴きいててとにかく楽たのしい。歌心うたごころもあるし、テクニックもすごいし、全部ぜんぶ詰つまってるなって、びっくりしたのを覚おぼえてます。「もっと楽たのしそうに弾ひいていいんだな」って、そこから自分じぶんのプレイも変かわりました。キーボードはバンドの中なかで目立めだたない存在そんざいっていうイメージだったんですけど、そういうのは全部ぜんぶ崩壊ほうかいしましたね。とてもいい意味いみで（笑）。

――改あらためての質問しつもんですが、H ZETT Mさんの現在げんざいのプレイスタイルはどのようにしてできあがっていったのでしょうか？

H ZETT M：根ねが真面目まじめじゃないんで、意外いがいと適当てきとうなんです（笑）。ちゃんと弾ひかなきゃとは思おもわないというか、思おもわなくなっちゃったっていうんですかね。小耳こみみに挟はさんだんですけど、割合わりあいとかの「大体だいたい」って、意外いがいと正確せいかくらしくて、「じゃあ、大体だいたい合あってればいいのかな」って（笑）。

――いつぐらいからそう考かんがえるようになったんですか？

H ZETT M：最初さいしょはクラシックピアノをすごい練習れんしゅうしてて、ちゃんと真面目まじめに弾ひくって意識いしきの人ひとだったんですけど、だんだん悪わるい友達ともだちができまして（笑）、不ふ真面目まじめになってきて、でも真面目まじめな時期じきも一応いちおう思おもい出だしながら、今いまはミックスされてる感かんじですね。スキルもちゃんとないと、説得せっとく力りょくがなくなっちゃうと思おもうので。

「プレイはそんなに重要じゅうよう視ししてなくて、全体ぜんたいでいい音楽おんがくができればそれでいい」（H ZETT M）

――お二に人にんとも小ちいさい頃ころからピアノを始はじめられてるんですよね？

ちゃんMARI：私わたしは4歳さいからです。

H ZETT M：僕ぼくも一緒いっしょですね。

――ピアノのスタートって、4歳さいが一般いっぱん的てきなんですかね？（笑）

ちゃんMARI：私わたしが通かよってた幼稚園ようちえんの音楽おんがく教室きょうしつの看板かんばんに「4歳さいになったら」って書かいてありました。でも最初さいしょは何なんの教室きょうしつかちゃんとわかってなくて、始はじめてみたら思おもっていたのと違ちがって、「あれ？」って思おもった記憶きおくがあるんですけど、「なんか楽たのしそうだからやりたい」って言いった手前てまえ、やめられなくて。でも、やってるうちに楽たのしくなってい行いったんです。

――小しょうっちゃい頃ころはどんな音楽おんがくがお好すきだったんですか？

ちゃんMARI：ジブリの映画えいがが大好だいすきだったので、久石ひさいし譲ゆずるさんとか。

――H ZETT Mさんの楽曲がっきょくにもジブリ感かんありますよね。

H ZETT M：ジブリの音楽おんがくは大好だいすきです。やっぱりメロディーの美うつくしさに感動かんどうします。名曲めいきょくの素晴すばらしさが好すきっていうのはありますね。

ちゃんMARI：私わたしもまずメロディーがきれいだなって思おもって、あとちょっと日本にっぽんっぽさを感かんじたんですよね。その影響えいきょうは弾ひいてるスケールとかに無意識むいしきに出でてるんじゃないかと思おもいます。