目次もくじ

  1. 1. 成年せいねん後見人こうけんにんになれるひとは? 家庭かてい裁判所さいばんしょ選任せんにん
    1. 1-1. 成年せいねん後見人こうけんにん資格しかく不要ふよう
    2. 1-2. 成年せいねん後見人こうけんにんになれないひと
    3. 1-3. 成年せいねん後見人こうけんにんになれるひと資質ししつ
  2. 2. 成年せいねん後見人こうけんにんになるのはだれおおい?
    1. 2-1. 家族かぞく成年せいねん後見人こうけんにんえらばれる割合わりあいは2わり以下いか
    2. 2-2. 家族かぞく成年せいねん後見人こうけんにんになれない、は本当ほんとう
  3. 3. 成年せいねん後見人こうけんにんだれになってもらうのが適任てきにん
    1. 3-1. 成年せいねん後見人こうけんにん家族かぞくがなることのメリット
    2. 3-2. 成年せいねん後見人こうけんにん家族かぞくがなることのデメリット
    3. 3-3. 成年せいねん後見人こうけんにん専門せんもんがなることのメリット
    4. 3-4. 成年せいねん後見人こうけんにん専門せんもんがなることのデメリット
  4. 4. 成年せいねん後見人こうけんにん監督かんとくする「成年せいねん後見こうけん監督かんとくじん
  5. 5. 成年せいねん後見人こうけんにん解任かいにんするのは非常ひじょうむずかしい
  6. 6. 後見人こうけんにん財産ざいさん手堅てがたまも後見こうけん制度せいど支援しえん信託しんたく
  7. 7. まとめ 成年せいねん後見こうけん活用かつようかんがえたら司法しほう書士しょしなど専門せんもん相談そうだん

成年せいねん後見人こうけんにんは、成年せいねん後見人こうけんにん以下いか、「後見人こうけんにん」)の財産ざいさん管理かんり身上しんじょう監護かんごという重要じゅうよう役割やくわりにないます。

成年せいねん後見人こうけんにん制度せいどには、判断はんだん能力のうりょく不十分ふじゅうぶん判断はんだんされてから家庭かてい裁判所さいばんしょ申立もうしたてをする「法定ほうてい後見こうけん」と、本人ほんにん判断はんだん能力のうりょくがまだ十分じゅうぶんにあるうちに将来しょうらいそなえる「任意にんい後見こうけん」の2種類しゅるいがあります。法定ほうてい後見こうけんは、家庭かてい裁判所さいばんしょが「だれ成年せいねん後見人こうけんにんにふさわしいのか」を可能かのうかぎ慎重しんちょう検討けんとうし、後見人こうけんにん選任せんにんするのが通常つうじょうです。一方いっぽう任意にんい後見こうけんは、本人ほんにんみずからの意思いし後見人こうけんにんえらび、双方そうほう認知にんちしょうなどで判断はんだん能力のうりょく不十分ふじゅうぶんになったのち支援しえん内容ないようめます。

成年せいねん後見人こうけんにんになるために特別とくべつ資格しかく不要ふようです。

認知にんちしょうになった本人ほんにん後見人こうけんにん)の身近みぢか家族かぞくだけでなく、弁護士べんごし司法しほう書士しょし介護かいご福祉ふくしなど法律ほうりつ福祉ふくし専門せんもん成年せいねん後見人こうけんにんになることができます。なお、2019ねんには最高さいこう裁判所さいばんしょが「後見人こうけんにん親族しんぞくのぞましい」とするむね報告ほうこくおこなっています。親族しんぞくとう身近みぢか支援しえんしゃ後見人こうけんにんにすることが本人ほんにん利益りえき保護ほご観点かんてんからはのぞましく、また専門せんもんへの報酬ほうしゅうおおきな負担ふたんになるといった事情じじょうまえ、成年せいねん後見こうけん制度せいどをより利用りようしやすい制度せいどえていくために検討けんとうかさねられた結果けっか方針ほうしんです。

ただし、以下いか事由じゆうひとつでもてはまるひと成年せいねん後見人こうけんにんになれません(民法みんぽう847じょう)。

  • 未成年みせいねんしゃ
  • 破産はさんしゃ
  • 過去かこ成年せいねん後見人こうけんにんとう選任せんにんされていたが、家庭かてい裁判所さいばんしょから解任かいにんされたもの
  • 過去かこ後見人こうけんにんたいして訴訟そしょう提起ていきしたものおよびその配偶はいぐうしゃならびにその直系ちょっけい血族けつぞく
  • 行方ゆくえ不明ふめいしゃ

これらの条件じょうけんを、成年せいねん後見人こうけんにんの「欠格けっかく事由じゆう」といいます。成年せいねん後見人こうけんにん後見人こうけんにん財産ざいさん管理かんり身上しんじょう監護かんごという重要じゅうよう役割やくわりたす必要ひつようがありますので、欠格けっかく事由じゆうさだめることで適当てきとうもの排除はいじょしています。

成年せいねん後見人こうけんにんは、ほうさだめられた後見人こうけんにん代理人だいりにんです。その責務せきむ厳密げんみつで、「家族かぞくだから」という理由りゆう責任せきにんかるくなることはありません。成年せいねん後見人こうけんにんは、判断はんだん能力のうりょく後見人こうけんにんのために、財産ざいさん管理かんり身上しんじょう監護かんごなどをにないます。たとえば契約けいやく締結ていけつしたり、預金よきん口座こうざから金銭きんせんしたり、保険ほけん解約かいやくをしたり、高齢こうれいしゃ施設しせつなどへのにゅう退すさところ手続てつづきをしたりと、後見人こうけんにんにしかできない契約けいやく手続てつづきを代理だいりするため、職務しょくむ範囲はんい非常ひじょうひろいです。

どのようなときも、成年せいねん後見人こうけんにんとして誠実せいじつ職務しょくむをまっとうすることがもとめられます。後見人こうけんにん自身じしんや、その家族かぞくのために後見人こうけんにん財産ざいさん使つかいこむことはもってのほかです。

その職務しょくむには、「自分じぶん以外いがいひと財産ざいさんあずかる」という明確めいかく自覚じかくもとめられます。普段ふだん家族かぞくだからといってれられるようなことも、成年せいねん後見人こうけんにんにはみとめられないてん注意ちゅういし、きっちりと線引せんひきをして職務しょくむにのぞまなければなりません。

後見人こうけんにん親族しんぞくのぞましい」との方針ほうしん最高さいこう裁判所さいばんしょからされましたが、実際じっさいにはどのようなひと成年せいねん後見人こうけんにんになっているのかデータをもと解説かいせつします。

実際じっさい割合わりあいてきには、法定ほうてい後見こうけんでは家族かぞく親族しんぞく以外いがい第三者だいさんしゃ成年せいねん後見人こうけんにんえらばれるケースがおおいです。

最高さいこう裁判所さいばんしょ事務じむ総局そうきょく家庭かていきょく発表はっぴょうしている「れい4ねん1~12がつ成年せいねん後見こうけん制度せいど概況がいきょう」によると、配偶はいぐうしゃしん兄弟きょうだいなどの親族しんぞく成年せいねん後見人こうけんにんえらばれている割合わりあいは19.1%と2わり以下いかです。弁護士べんごし司法しほう書士しょしなどの専門せんもんしょくなど親族しんぞく以外いがい成年せいねん後見人こうけんにんえらばれるケースが8わりえています。

上記じょうき数字すうじ一人ひとりあるきした結果けっか、「家族かぞく成年せいねん後見人こうけんにんになれない」「候補者こうほしゃになっても選任せんにんされない」とのはなし出回でまわっています。たしかに、後見人こうけんにんとなるべきもの多額たがく財産ざいさんがあったり、親族しんぞくあいだ意見いけん対立たいりつがあったり、複数ふくすう賃貸ちんたい不動産ふどうさん所有しょゆうしたりして財産ざいさん管理かんり複雑ふくざつ場合ばあいは、家族かぞくまかせることを家庭かてい裁判所さいばんしょける傾向けいこうにあります。また、親族しんぞくによる「財産ざいさん使つかみ」が懸念けねんされることもあります。

しかし、「れい4ねん1~12がつ成年せいねん後見こうけん関係かんけい事件じけん概況がいきょう」には、親族しんぞく成年せいねん後見人こうけんにんなどの候補者こうほしゃになっているのは23.1%(れい3ねんは23.9%)とのデータも同時どうじ掲載けいさいされています。成年せいねん後見人こうけんにん全体ぜんたいのうち親族しんぞくめる割合わりあいは19.1%ですので、候補者こうほしゃとなった親族しんぞくのうち一部いちぶ選任せんにんされていないとえるものの、その選任せんにんりつひくいとはえないでしょう。

つまり、そもそも成年せいねん後見人こうけんにん候補者こうほしゃげる親族しんぞくすくないことが、親族しんぞく成年せいねん後見人こうけんにんえらばれる割合わりあいすくない原因げんいんとなっています。

成年後見人のうち、親族と親族以外の割合を示した円グラフ。親族が占める割合は19.1%に過ぎない。一方で、候補者も親族は23.1%でしかないことから、そもそも手を挙げる人が親族には少ないとも言え、「家族は親族になれない」わけではない。
成年せいねん後見人こうけんにんのうち、親族しんぞく親族しんぞく以外いがい割合わりあいしめしたえんグラフ。親族しんぞくめる割合わりあいは19.1%にぎない。一方いっぽうで、候補者こうほしゃ親族しんぞくは23.1%でしかないことから、そもそもげるひと親族しんぞくにはすくないともえ、「家族かぞく成年せいねん後見人こうけんにんになれない」わけではありません

したがって、家族かぞく後見人こうけんにんにすることをもうてのまえからあきらめる必要ひつようはありません。司法しほう書士しょし弁護士べんごしなどの専門せんもんなかには、家族かぞく後見人こうけんにんえらばれるようにもうての仕方しかたなどを一緒いっしょかんがえてくれるひともいますので、相談そうだんしてみるとよいでしょう。ただ、成年せいねん後見人こうけんにん選任せんにんする権限けんげん家庭かてい裁判所さいばんしょにあり、候補者こうほしゃかならえらばれるとはかぎりませんので注意ちゅういしてください。

成年せいねん後見人こうけんにん家庭かてい裁判所さいばんしょへのもうてから手続てつづきまでのながれについては、以下いか記事きじ解説かいせつしていますので参考さんこうにしてください。
関連かんれん後見人こうけんにんになるには もうてから手続てつづきのながれまで解説かいせつ

では、成年せいねん後見人こうけんにんだれがなってもらうのが適任てきにんなのでしょうか。家族かぞく専門せんもん就任しゅうにんする場合ばあいのそれぞれのメリットとデメリットを解説かいせつします。

後見人こうけんにんなかには専門せんもんなどらない第三者だいさんしゃより信頼しんらいできる家族かぞくのほうが安心あんしんして財産ざいさん管理かんりまかせられるとかんじるひともいるでしょう。また本人ほんにん性格せいかくをよくっている親族しんぞくであれば、おかね使つかかた介護かいごについても本人ほんにんのぞみをかなえることができます。

また、報酬ほうしゅうがかからないことはおおきなメリットです。家族かぞく成年せいねん後見人こうけんにんになる場合ばあいは、基本きほんてき報酬ほうしゅう発生はっせいしません。親族しんぞくでも家庭かてい裁判所さいばんしょ申立もうしたてをして報酬ほうしゅうをもらうことは可能かのうですが、申立もうしたてをしないケースがおおいでしょう。したがって、家族かぞく成年せいねん後見人こうけんにんになることで後見人こうけんにん財産ざいさんてき負担ふたんらすことができます。

親族しんぞく成年せいねん後見人こうけんにんになると、財産ざいさん管理かんりするじょう緊張きんちょうかんまれにくいこともあり、財産ざいさん使つかみがきるおそれがあります。もちろん専門せんもんしょく成年せいねん後見人こうけんにんによる横領おうりょう事件じけんもありますが、実際じっさい専門せんもんしょく以外いがい成年せいねん後見人こうけんにんによる不正ふせい事件じけん件数けんすうおおく、親族しんぞくあいだのトラブルにも発展はってんしてしまうこともあります。

後見人等による不正事例。専門職ではない後見人等による不正が、事例の大半を占めています。
後見人こうけんにんとうによる不正ふせい事例じれい専門せんもんしょくではない後見人こうけんにんとうによる不正ふせいが、事例じれい大半たいはんめています。

また成年せいねん後見人こうけんにんは、定期ていきてき財産ざいさん目録もくろく収支しゅうし報告ほうこくしょなどの書面しょめん作成さくせいし、裁判所さいばんしょ提出ていしゅつしなければならず、こうした事務じむ作業さぎょうおおきな負担ふたんとなります。

関連かんれん成年せいねん後見人こうけんにん親族しんぞくがなる場合ばあいのトラブル事例じれい対処たいしょほう

司法しほう書士しょし弁護士べんごしなどの第三者だいさんしゃ成年せいねん後見人こうけんにんになれば、使つかみなどのリスクはおさえられます。また、家庭かてい裁判所さいばんしょへの報告ほうこく一任いちにんできるので、手間てまがかかりません。

なお、特定とくてい専門せんもん候補者こうほしゃてることも可能かのうですが、候補者こうほしゃてずに成年せいねん後見こうけん申立もうしたてをしても、裁判所さいばんしょ弁護士べんごし司法しほう書士しょし社会しゃかい福祉ふくしなどの第三者だいさんしゃ成年せいねん後見人こうけんにん選任せんにんしてくれます。

成年せいねん後見人こうけんにん専門せんもんがなる場合ばあいは、報酬ほうしゅうかなら発生はっせいします。報酬ほうしゅうがくは、後見人こうけんにん財産ざいさんがくなどによるため金額きんがくまっているわけではありませんが、最低さいていでもひとがつに2まんえんたかいと5 ~6まんえん程度ていど通例つうれいです。報酬ほうしゅうは、成年せいねん後見こうけん制度せいど利用りようつづけるかぎ継続けいぞくして発生はっせいします。年間ねんかんで24~72まんえん程度ていどを、後見人こうけんにん財産ざいさんから毎年まいとし支出ししゅつしなければなりせん。また、成年せいねん後見人こうけんにん訴訟そしょう遺産いさん分割ぶんかつなどの特別とくべつ対応たいおうをした場合ばあいには、これに相当そうとうがく報酬ほうしゅうくわわることになります。

また、本人ほんにん財産ざいさんから支出ししゅつようする場合ばあいに、その都度つど専門せんもんしょく相談そうだんしてその判断はんだんもとめなければならないことを負担ふたんかんじることもあるでしょう。

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成年せいねん後見人こうけんにん監督かんとくする「成年せいねん後見こうけん監督かんとくじん」が家庭かてい裁判所さいばんしょによってえらばれることがあります。

家族かぞく成年せいねん後見人こうけんにんのときに成年せいねん後見こうけん監督かんとくじんえらばれやすいのは管理かんりする財産ざいさん多額たがく複雑ふくざつなど専門せんもんしょく知識ちしき必要ひつようなときなどで、家庭かてい裁判所さいばんしょ後見人こうけんにん財産ざいさんまもるためにも成年せいねん後見こうけん監督かんとくじん選任せんにんする傾向けいこうにあります。成年せいねん後見こうけん監督かんとくじんにはさまざまな権限けんげんみとめられています。たとえば、必要ひつようおうじて後見人こうけんにん財産ざいさん状況じょうきょう成年せいねん後見人こうけんにん事務じむ調査ちょうさしたり、家庭かてい裁判所さいばんしょ必要ひつよう処分しょぶん申立もうしたておこなったりといった権限けんげんです。

ほかにも、成年せいねん後見人こうけんにん解任かいにんもうてや、成年せいねん後見人こうけんにん後見人こうけんにん利害りがい対立たいりつするような取引とりひきさいに、後見人こうけんにん代理人だいりにんになるなど、おおくのシーンでおおきな役割やくわりになっています。

成年せいねん後見こうけん監督かんとくじんは、成年せいねん後見人こうけんにんからすれば面倒めんどうかんじる存在そんざいかもしれません。しかし、成年せいねん後見こうけん監督かんとくじん監視かんしが、成年せいねん後見人こうけんにんによる後見人こうけんにん財産ざいさん管理かんりとう安全あんぜんせい正当せいとうせいたかめていることもたしかです。

おおくのひと見過みすごしがちなポイントがあります。それは、「一度いちどえらばれた成年せいねん後見人こうけんにん解任かいにんするのは非常ひじょうむずかしい」ということです。とくに専門せんもん成年せいねん後見人こうけんにんえらばれると、毎月まいつきすうまんえん費用ひよう発生はっせいするため、後見人こうけんにん家族かぞくからすると納得なっとくがいかない部分ぶぶんもあるでしょう。成年せいねん後見人こうけんにんとして家族かぞく希望きぼうしていたにもかかわらず、専門せんもんえらばれた場合ばあいはなおさらです。しかし報酬ほうしゅうめんなどに不満ふまんがあっても、一度いちどえらばれた成年せいねん後見人こうけんにん解任かいにんすることは基本きほんてきにはできません。それは解任かいにんするだけの相当そうとう理由りゆうもとめられるからです。

たとえば、成年せいねん後見人こうけんにん不誠実ふせいじつにも後見人こうけんにん職務しょくむをまっとうしなかったり、不正ふせい行為こうい発生はっせいしたりするなど、家庭かてい裁判所さいばんしょ客観きゃっかんてき成年せいねん後見人こうけんにんにふさわしくないと判断はんだんした場合ばあい解任かいにんみとめられますが、家族かぞく一存いちぞん解任かいにんはできません。成年せいねん後見こうけん制度せいど利用りよう検討けんとうするさいは、一度いちどえらばれた成年せいねん後見人こうけんにん解任かいにんむずかしいことを念頭ねんとうにおきましょう。

成年せいねん後見人こうけんにん」に司法しほう書士しょし選任せんにんすれば、複雑ふくざつ後見こうけん業務ぎょうむから解放かいほうされ、使つかみのリスクをらすことができます。司法しほう書士しょし選任せんにんするメリットや報酬ほうしゅうについて、以下いか記事きじ参考さんこうにしてください。

後見人こうけんにん財産ざいさん手堅てがたまもつづけるために「後見こうけん制度せいど支援しえん信託しんたく」とばれる財産ざいさん管理かんり方法ほうほうがあります。後見人こうけんにんらしで必要ひつようとする金銭きんせんのみを成年せいねん後見人こうけんにん管理かんりし、その金銭きんせん信託しんたく銀行ぎんこう信託しんたくする財産ざいさん管理かんりほうで、信託しんたく銀行ぎんこう信託しんたくした金銭きんせんはらもどしたり、信託しんたく解約かいやくしたりするには家庭かてい裁判所さいばんしょ指示しじしょようします。

後見こうけん制度せいど支援しえん信託しんたく利用りようすべきかどうかを検討けんとうする機関きかんは、成年せいねん後見こうけん申立もうしたてをうけた家庭かてい裁判所さいばんしょです。さらに、後見こうけん制度せいど支援しえん信託しんたく利用りようする前提ぜんていとして、原則げんそくとして、弁護士べんごし司法しほう書士しょしなどの専門せんもん成年せいねん後見人こうけんにんとしてえらばれます。専門せんもん親族しんぞく両方りょうほう成年せいねん後見人こうけんにんえらばれ、それぞれに役割やくわり分担ぶんたんがなされているケースでも後見こうけん制度せいど支援しえん信託しんたく利用りよう可能かのうです。

専門せんもんである成年せいねん後見人こうけんにん後見こうけん制度せいど支援しえん信託しんたく利用りようについて検討けんとうし、「利用りようすべき」と判断はんだんすれば、信託しんたくする金額きんがくとう決定けってい家庭かてい裁判所さいばんしょへそのむね報告ほうこくします。報告ほうこくけた家庭かてい裁判所さいばんしょはその内容ないよう審査しんさしてから成年せいねん後見人こうけんにんたいして指示しじしょ発行はっこうするので、その指示しじしょをもって信託しんたく銀行ぎんこうとの信託しんたく契約けいやく締結ていけつするというながれです。

後見こうけん制度せいど支援しえん信託しんたく利用りよう開始かいし専門せんもんである成年せいねん後見人こうけんにん必要ひつようがなくなった時点じてんでおやく御免ごめんとなり、あとは家族かぞくである後見人こうけんにん管理かんりがれることがおおいです。このように、後見こうけん監督かんとくじん選任せんにんなしで安定あんていてき財産ざいさん管理かんりかなえるのが後見こうけん制度せいど支援しえん信託しんたくです。

成年せいねん後見人こうけんにんになるためには特別とくべつ資格しかくはなく、「欠格けっかく事由じゆう」にてはまらなければだれでも候補者こうほしゃとなることができます。ただし、成年せいねん後見人こうけんにん選任せんにん裁判所さいばんしょ裁量さいりょうであり、候補者こうほしゃ選任せんにんされるとはかぎらないてん把握はあくしておきましょう。

本人ほんにん性格せいかく希望きぼうをよく家族かぞく成年せいねん後見人こうけんにんになることもできますが、後見人こうけんにん契約けいやく手続てつづきの代理だいりなど職務しょくむ範囲はんい非常ひじょうひろく、煩雑はんざつ事務じむ作業さぎょうもこなす必要ひつようがあります。報酬ほうしゅうがかかることとのいにはなりますが、司法しほう書士しょし弁護士べんごし成年せいねん後見人こうけんにんへの就任しゅうにん依頼いらいすれば、こうした手間てまから解放かいほうされますし、本人ほんにんのために客観きゃっかんてき立場たちばから財産ざいさん管理かんりおこなってもらえるでしょう。成年せいねん後見こうけん活用かつようかんがえているひとは、司法しほう書士しょし弁護士べんごし相談そうだんすることをおすすめします。

記事きじは2023ねん7がつ1にち現在げんざい情報じょうほうもとづきます)