路線ろせん価かを計算けいさんしたら考かんがえたい相続そうぞく税ぜい対策たいさく　生前せいぜんからできる不動産ふどうさんの贈与ぞうよも解説かいせつ

1. 不動産ふどうさんの相続そうぞくで使つかえる対策たいさくとは

相続そうぞく税ぜいを計算けいさんする手順てじゅんとして、まず、現金げんきん、預貯金よちょきん、株式かぶしき、家財かざい、不動産ふどうさん等とうの財産ざいさんの評価ひょうか額がくから、借入金かりいれきん等とうの債務さいむ額がくを控除こうじょして課税かぜい価格かかく（純資産じゅんしさん価額かがく）を算出さんしゅつします。

自宅じたくの不動産ふどうさんの評価ひょうか額がくを知しるには、土地とちは路線ろせん価かから登記とうき面積めんせきを乗じょうじた金額きんがくで概算がいさんを算出さんしゅつし、建物たてものは最新さいしんの固定こてい資産しさん税ぜい課税かぜい明細めいさい書しょ（通常つうじょうは4～6月がつ頃ごろに送付そうふされてきます）の評価ひょうか額がくに記載きさいされている金額きんがくを確認かくにんします。

次つぎに課税かぜい価格かかく（純資産じゅんしさん価額かがく）から基礎きそ控除こうじょとして「3000万まん円えん＋600万まん円えん×法定ほうてい相続そうぞく人じんの数かず」を差さし引ひきます。法定ほうてい相続そうぞく人じんが配偶はいぐう者しゃのみでしたら3000万まん円えん＋600万まん円えん×1人ひとり＝3600万まん円えん、配偶はいぐう者しゃと子供こども一いち人にんでしたら3000万まん円えん＋600万まん円えん×2人ふたり＝4200万まん円えんとなります。

課税かぜい価格かかくから基礎きそ控除こうじょを差さし引ひいた結果けっかがゼロ以下いかの場合ばあいは、相続そうぞく税ぜいは課税かぜいされませんので納税のうぜいを考慮こうりょした相続そうぞく対策たいさくは不要ふようです。しかし、この結果けっかがプラスであれば、相続そうぞく税ぜい申告しんこくが必要ひつようとなり納税のうぜいも発生はっせいする可能かのう性せいが生しょうじますので、相続そうぞく対策たいさくを検討けんとうすることをお勧すすめします。

相続そうぞく税ぜいの計算けいさんについて具体ぐたい的てきな事例じれいで検討けんとうします。前提ぜんていとして、夫おっとが都内とないに7250万まん円えん（路線ろせん価か29万まん円えん/㎡・面積めんせき250㎡）の敷地しきちに2750万まん円えんの建物たてものを自宅じたくとして所有しょゆうし、その他た財産ざいさんとして4億おく円えんを所有しょゆうするとします。

相続そうぞく人じんは、【ケース1】が妻つま、【ケース2】が妻つまと子こ2人にん（1人ひとりは同居どうきょ、もう1人ひとりは別居べっきょ）、【ケース3】は子こ2人にん（1人ひとりは同居どうきょ、もう1人ひとりは別居べっきょ）とし、それぞれ、相続そうぞくにより各かく相続そうぞく人じんが取得しゅとくする財産ざいさんの価額かがくが全ぜん財産ざいさんの価額かがくに対たいして法定ほうてい相続そうぞく分ぶんの割合わりあいになるように分割ぶんかつします。

【ケース1】　相続そうぞく人じんが妻つまのみの場合ばあい
相続そうぞく人じんは妻つまのみですので、夫おっとの全すべての財産ざいさんを相続そうぞくする場合ばあいは、後述こうじゅつする「配偶はいぐう者しゃの税額ぜいがく軽減けいげん」の適用てきようにより、配偶はいぐう者しゃの法定ほうてい相続そうぞく分ぶんについて相続そうぞく税ぜいは課税かぜいされません。

【ケース2】　相続そうぞく人じんが妻つまと子こ２人にん（同居どうきょと別居べっきょ）の場合ばあい
適用てきようできる財産ざいさんの評価ひょうか減げんは何なにも考慮こうりょしないで相続そうぞく税額ぜいがくを計算けいさんすると、配偶はいぐう者しゃは法定ほうてい相続そうぞく分ぶんの範囲はんい内ないの取得しゅとくですので「配偶はいぐう者しゃの税額ぜいがく軽減けいげん」の適用てきようにより相続そうぞく税ぜいはゼロですが、各かく子供こどもには3277万まん5000円えんずつ相続そうぞく税ぜいが課税かぜいされます。

【ケース3】　相続そうぞく人じんが子こ２人にん（同居どうきょと別居べっきょ）の場合ばあい
適用てきようできる評価ひょうか減げんは何なにも考慮こうりょしない状態じょうたいで相続そうぞく税額ぜいがくを計算けいさんすると、各かく子供こどもに7605万まん円えんずつ相続そうぞく税ぜいが課税かぜいされます。

上記じょうきの3ケースを比較ひかくすると、同おなじ財産ざいさんを相続そうぞくしても、配偶はいぐう者しゃの有無うむ、相続そうぞく人じんの数かず、誰だれが相続そうぞくするかによって相続そうぞく税額ぜいがくは大おおきく異ことなることが分わかります。

【ケース1】のように相続そうぞく人じんが配偶はいぐう者しゃのみで全ぜん財産ざいさんを相続そうぞくするならば、相続そうぞく税ぜいは課税かぜいされませんので相続そうぞく税ぜい対策たいさくの心配しんぱいは不要ふようですが、【ケース2】や【ケース3】のように多額たがくの税額ぜいがくが発生はっせいする場合ばあいは、相続そうぞく税ぜい対策たいさくが必要ひつようと考かんがえられます。

2. 活用かつようできる軽減けいげん策さく　配偶はいぐう者しゃの税額ぜいがく軽減けいげん、小規模しょうきぼ宅地たくち等とうの特例とくれい、生命せいめい保険ほけんの活用かつよう

活用かつようできる相続そうぞく税ぜいの軽減けいげん策さくとして、配偶はいぐう者しゃの税額ぜいがく軽減けいげん、小規模しょうきぼ宅地たくち等とうの特例とくれい、生命せいめい保険ほけんの活用かつようがあげられます。各かく軽減けいげん策さくについて説明せつめいします。

2-1. 配偶はいぐう者しゃの税額ぜいがく軽減けいげん

配偶はいぐう者しゃの税額ぜいがく軽減けいげんは、配偶はいぐう者しゃが遺産いさん分割ぶんかつや遺贈いぞうにより実際じっさいに取得しゅとくした純資産じゅんしさん額がくについて、次つぎの金額きんがくのどちらか多おおい金額きんがくまでは、配偶はいぐう者しゃに相続そうぞく税ぜいはかからないという制度せいどをいいます。

1.  1億おく6000万まん円えん
2. 配偶はいぐう者しゃの法定ほうてい相続そうぞく分ぶん相当そうとう額がく

上記じょうき【ケース1】と【ケース2】については、配偶はいぐう者しゃに対たいしてこの制度せいどが適用てきようされています。

2-2. 小規模しょうきぼ宅地たくち等とうの特例とくれい

小規模しょうきぼ宅地たくち等とうの特例とくれいとは、被ひ相続そうぞく人じんまたは被ひ相続そうぞく人じんと生計せいけいを一いちにしていた被ひ相続そうぞく人じんの親族しんぞくの事業じぎょうの用ようまたは居住きょじゅうの用ように供きょうされていた一定いっていの宅地たくちについて評価ひょうか額がくの減額げんがくが認みとめられる特例とくれいをいいます。居住きょじゅう用ようの宅地たくちについては330㎡（約やく100坪つぼ）までを限度げんどに80％の割合わりあいで減額げんがくされます。

この特例とくれいは、【ケース1】のように自宅じたくを配偶はいぐう者しゃが取得しゅとくする場合ばあいは、無条件むじょうけんに適用てきようできます。【ケース2】のように同居どうきょ親族しんぞくに適用てきようする場合ばあいは、適用てきよう要件ようけんとして、その同居どうきょ親族しんぞくが申告しんこく期限きげん（相続そうぞく発生はっせい日びから10カ月かげつ）までその自宅じたくを所有しょゆうし、かつ居住きょじゅうすることが必要ひつようです。

事例じれいについて、自宅じたくの土地とちについて小規模しょうきぼ宅地たくち等とうの特例とくれいを適用てきようすれば、7250万まん円えんの80％、すなわち5800万まん円えんの減額げんがくとなります。特とくに、路線ろせん価かが高額こうがくな土地とちについては、この特例とくれいの適用てきようができれば相続そうぞく税額ぜいがくは大幅おおはばに減額げんがくします。

2-3. 生命せいめい保険ほけんの活用かつよう

生命せいめい保険ほけんについては、その保険ほけん料りょうの全部ぜんぶ又または一部いちぶを被ひ相続そうぞく人じんが負担ふたんしていたものは、相続そうぞく税ぜいの課税かぜい対象たいしょうとなりますが、死亡しぼう保険ほけん金きんの受取うけとり人じんが相続そうぞく人じんである場合ばあい、全すべての相続そうぞく人じんが受うけ取とった保険ほけん金きんの合計ごうけい額がくに対たいして、非課税ひかぜい限度げんど額がくである500万まん円えん × 法定ほうてい相続そうぞく人じんの数かずについて、相続そうぞく税ぜいの課税かぜい対象たいしょうから外はずれます。

下図したずのイメージのとおり財産ざいさん額がく1億おく円えんで相続そうぞく人じん2人にんの前提ぜんていですと、非課税ひかぜい限度げんど額がく500万まん円えん×法定ほうてい相続そうぞく人じん2人にん=1000万まん円えんの生命せいめい保険ほけんに加入かにゅうすることにより、相続そうぞく税額ぜいがくは150万まん円えん軽減けいげんすることができます。

事例じれいでは、法定ほうてい相続そうぞく人じんは【ケース1】は1人ひとり、【ケース2】は3人にん、【ケース3】は2人にんですので、非課税ひかぜい限度げんど額がくは【ケース1】は500万まん円えん、【ケース2】は1,500万まん円えん、【ケース3】は1,000万まん円えんとなります。非課税ひかぜい限度げんど額がくの範囲はんい内ないで預金よきん等とうの財産ざいさんを生命せいめい保険ほけんに組くみ替かえることにより、相続そうぞく税ぜいが減額げんがくします。相続そうぞく税ぜいが心配しんぱいという方ほうにとって、生命せいめい保険ほけんの活用かつようは相続そうぞく税ぜい対策たいさくに欠かかせない検討けんとう項目こうもくとなります。

相続そうぞく税ぜいがかかる【ケース2】と【ケース3】について上記じょうき（2）及および（3）の対策たいさくを適用てきようすると、相続そうぞく税額ぜいがくは次つぎのとおりとなります。【ケース2】は、相続そうぞく税ぜいの総額そうがくが841万まん6600円えん（6555万まん円えん－5713万まん3400円えん）、【ケース3】は3010万まん100円えん（1億おく5210万まん円えん－1億おく2199万まん9900円えん）の減額げんがくとなります。

3. 生前せいぜんからできる不動産ふどうさんの相続そうぞく税ぜい対策たいさく

生前せいぜんにできる対策たいさくとして、年数ねんすうをかけて現金げんきんや預金よきんをコツコツ贈与ぞうよすることは、効果こうかある対策たいさくの代表だいひょう例れいですが、ここでは不動産ふどうさんに関かんして生前せいぜんにできる相続そうぞく税ぜい対策たいさくとして、（1）不動産ふどうさんの持分もちぶんの贈与ぞうよ、（2）贈与ぞうよ税ぜいの配偶はいぐう者しゃ控除こうじょ（おしどり贈与ぞうよ）についてご説明せつめいします。

3-1. 不動産ふどうさんの持分もちぶんの贈与ぞうよ

自宅じたくの土地とち・建物たてものの持分もちぶんを生前せいぜんに贈与ぞうよを行おこなう対策たいさくです。贈与ぞうよ税ぜいの税率ぜいりつは次つぎの表ひょうのとおりで、18歳さい以上いじょうの者ものが父母ちちははや・祖父母そふぼから受うける贈与ぞうよについて適用てきようされる特例とくれい贈与ぞうよとそれ以外いがいの一般いっぱん贈与ぞうよの2種類しゅるいの税率ぜいりつがあります。特例とくれい贈与ぞうよの方ほうが一定いっていの範囲はんいで税率ぜいりつが低ひくく有利ゆうりになっています。夫おっとが妻つまに贈与ぞうよする場合ばあいは一般いっぱん贈与ぞうよが適用てきようされ、子こに贈与ぞうよする場合ばあいは特例とくれい贈与ぞうよが適用てきようされます。

なお、特例とくれい贈与ぞうよとは父母ちちはは・祖父母そふぼ等とうから18歳さい以上いじょう（贈与ぞうよ年ねんの1月がつ1日にち時点じてん）の子こや孫まご等とうへの贈与ぞうよをいい、一般いっぱん贈与ぞうよとは、特例とくれい贈与ぞうよ以外いがいの贈与ぞうよをいいます。一般いっぱん贈与ぞうよは、例たとえば、父母ちちははや祖父母そふぼ等とうから未成年みせいねんの子こや孫まご等とうへの贈与ぞうよ、夫おっとから妻つまへの贈与ぞうよ、叔父おじから甥おい・姪めいへの贈与ぞうよ、兄弟きょうだい姉妹しまいから受うける贈与ぞうよ、あるいは、義理ぎりの父母ちちはは・祖父母そふぼから受うける贈与ぞうよなどです。

相続そうぞく税ぜいに適用てきようされる税ぜい負担ふたん率りつよりも低ひくい税ぜい負担ふたん率りつの範囲はんいで年数ねんすうをかけて贈与ぞうよすることで、相続そうぞく税ぜいの負担ふたんを軽減けいげんすることができます。また、不動産ふどうさんの持分もちぶんの贈与ぞうよ移転いてんは不動産ふどうさん取得しゅとく税ぜい（税額ぜいがくは1.5％～3％（減額げんがく措置そちあり）、相続そうぞくの場合ばあいは非課税ひかぜい）と登録とうろく免許めんきょ税ぜい（税額ぜいがくは固定こてい資産しさん税ぜいの2％（原則げんそく）、相続そうぞくの場合ばあいは同どう0.4%）の課税かぜいもありますので、これらの税ぜい負担ふたんも考慮こうりょに入いれて持分もちぶん贈与ぞうよの有利ゆうり不利ふりを検討けんとうする必要ひつようがあります。

なお、贈与ぞうよ者しゃが亡なくなった日ひからさかのぼって3年ねん以内いないに贈与ぞうよされた財産ざいさんは相続そうぞく財産ざいさんに加算かさんされて相続そうぞく税ぜいの課税かぜい対象たいしょうになります（その贈与ぞうよ財産ざいさんに課税かぜいされた贈与ぞうよ税額ぜいがくは相続そうぞく税額ぜいがくから控除こうじょされます）。

配偶はいぐう者しゃに贈与ぞうよする場合ばあいは、相続そうぞくであれば、配偶はいぐう者しゃの税額ぜいがく軽減けいげんの適用てきようもあり、小規模しょうきぼ宅地たくち等とうの特例とくれいの適用てきようも考かんがえられますので、相続そうぞく時じにその効果こうかを加味かみしてもなお、贈与ぞうよの方ほうが有利ゆうりかどうかを検討けんとうすることをお勧すすめします。

3-2. 贈与ぞうよ税ぜいの配偶はいぐう者しゃ控除こうじょ

贈与ぞうよ税ぜいの配偶はいぐう者しゃ控除こうじょとは、結婚けっこんして20年ねん以上いじょうの夫婦ふうふの間あいだで、居住きょじゅう用よう不動産ふどうさんまたは居住きょじゅう用よう不動産ふどうさんを取得しゅとくするための金銭きんせんを贈与ぞうよする場合ばあい、贈与ぞうよ税ぜいの基礎きそ控除こうじょ110万まん円えんのほかに最高さいこう2000万まん円えんまで控除こうじょできるという特例とくれいをいい、「おしどり贈与ぞうよ」ともいわれます。　　

なお、贈与ぞうよ者しゃがお亡なくなりになった日ひからさかのぼって3年ねん以内いないに贈与ぞうよされた場合ばあいであってもこの特例とくれいを適用てきようして贈与ぞうよされた財産ざいさんは相続そうぞく財産ざいさんに加算かさんされず、相続そうぞく税ぜいの課税かぜい対象たいしょうにはなりません。

配偶はいぐう者しゃの税額ぜいがく控除こうじょも（1）と同様どうように不動産ふどうさんの持分もちぶんの贈与ぞうよですので、配偶はいぐう者しゃの税額ぜいがく軽減けいげん、小規模しょうきぼ宅地たくち等とうの特例とくれい、不動産ふどうさん取得しゅとく税ぜい・登録とうろく免許めんきょ税ぜいの負担ふたんを考慮こうりょして実行じっこうの有利ゆうり不利ふりを検討けんとうすることが重要じゅうようです。

【ケース2】について、軽減けいげん策さく適用てきように加くわえて、おしどり贈与ぞうよの限度げんど額がく2000万まん円えんと暦年れきねん贈与ぞうよの基礎きそ控除こうじょ110万まん円えんの合計ごうけい2110万まん円えん分ぶんの建物たてもの持分もちぶんを夫おっとから妻つまに贈与ぞうよする場合ばあい、相続そうぞく税ぜいは139万まん6600円えん（5713万まん3400円えん－ 5573万まん6800円えん）軽減けいげんします。一方いっぽうで、相続そうぞくに比くらべて概算がいさんで不動産ふどうさん取得しゅとく税ぜいが約やく63万まん円えん（贈与ぞうよ等とうの3％と相続そうぞく時じでの税率ぜいりつ差さ3％）、登録とうろく免許めんきょ税ぜいは約やく34万まん円えん（贈与ぞうよ時じの2%と相続そうぞく時じの0.4%の税率ぜいりつ差さ1.6%）の税ぜい負担ふたんは増ふえますので、税額ぜいがく上じょうは約やく42万まん6600円えん有利ゆうりとなります。

将来しょうらいの建物たてものの減価げんかや追加ついかで生しょうじる登記とうきに要ようする司法しほう書士しょし報酬ほうしゅうも考慮こうりょすると、本ほんケースは税額ぜいがく軽減けいげん効果こうかが低ひくく、実行じっこうは見合みあわせるべきと判断はんだんする方ほうもいらっしゃると思おもいます。その一方いっぽうで、現行げんこうの民法みんぽうでは婚姻こんいん期間きかん20年ねん以上いじょうの夫婦ふうふ間あいだの居住きょじゅう用よう不動産ふどうさんの贈与ぞうよについては、遺産いさん分割ぶんかつの対象たいしょうから原則げんそくとして除のぞかれますので、相続そうぞく財産ざいさんから贈与ぞうよする建物たてもの持分もちぶんを外はずすことで妻つまにより多おおくの財産ざいさんを相続そうぞくできる余地よちを残のこしつつ、自分じぶんが亡なき後あとも妻つまが自宅じたくに居住きょじゅうできるように対策たいさくをして妻つまを安心あんしんさせておきたいと考かんがえるならば、実行じっこうしようと判断はんだんする方ほうもいらっしゃると思おもいます。

このように、具体ぐたい的てきに金額きんがくで示しめすことで、対策たいさくの実行じっこうの可否かひを自分じぶんで判断はんだんすることができます。

今回こんかいは、活用かつようできる軽減けいげん策さくや不動産ふどうさんの相続そうぞく税ぜい対策たいさくを相続そうぞく税ぜいの試算しさんに示しめしながら検討けんとうしました。ただし前提ぜんていが変かわれば、効果こうかの有無うむや程度ていどは異ことなります。ご自分じぶんの前提ぜんていにあてはめて検討けんとうしてみてはいかがでしょうか。計算けいさんが難むずかしいという方ほうは税ぜいの専門せんもん家かに相談そうだんしてみることをおすすめしますが、自みずから対策たいさくを考かんがえて効果こうかを知しろうとする気持きもちが大切たいせつです。

上記じょうきは対策たいさくの一いち例れいで、例たとえば配偶はいぐう者しゃ居住きょじゅう権けんの活用かつようなど対策たいさくは他ほかにもあります。いろいろな対策たいさくを試行錯誤しこうさくごすることで、予想よそう以上いじょうの効果こうかを知しるときは嬉うれしくなります。効果こうかを金額きんがくで実感じっかんできると、どうしたらよいだろうかとモヤモヤした不安ふあんが解消かいしょうして、自信じしんをもって相続そうぞく対策たいさくに取とり組くむことができると思おもいます。

（記事きじは2022年ねん9月がつ１日にち時点じてんの情報じょうほうに基もとづいています）

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