｢冷戦れいせんではない｣この戦たたかいが世界せかいへ与あたえる真しんの衝撃しょうげき ロシアの軍事ぐんじ侵攻しんこうの本質ほんしつと世界せかい経済けいざいへの多大ただいな影響えいきょう

ウクライナの首都しゅとキエフにロシア軍ぐんが侵攻しんこう。民間みんかん人じんを巻まき込こむ路上ろじょう戦闘せんとうも起おこっている（2月がつ26日にち、写真しゃしん：AP／アフロ）

「この戦たたかいは冷戦れいせんではない」

アメリカの議会ぎかい3誌しの1つであるPoliticoは2月がつ25日にち付づけで、冷戦れいせん史しの権威けんいであるカソリック大学だいがくマイケル・キマゲ教授きょうじゅのオピニオン記事きじを掲載けいさいしました。

アメリカ国務省こくむしょうでロシア及およびウクライナ担当たんとうの政策せいさく立案りつあんスタッフとしても勤務きんむした経験けいけんをもつキマゲ教授きょうじゅは、「ロシアのウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを冷戦れいせん時じのフレームワークで読よみ解とこうとする向むきも多おおいが、それは多おおくの点てんにおいて間違まちがっている」と指摘してき。特とくに「冷戦れいせんは核かく戦争せんそうも伴ともなわず西側にしがわの勝利しょうりに終おわったが、この戦たたかいは冷戦れいせんに似にていないことからこそ脅威きょういである」と述のべています。

「この戦たたかいは冷戦れいせんではない」4つの視点してん

キマゲ教授きょうじゅは、「この戦たたかいは冷戦れいせんではない」とする論拠ろんきょとして、「鉄てつのカーテン」「核かく抑止よくし力りょくの低下ていか」「外交がいこうとデタント」「秘密ひみつ工作こうさく」という4つの観点かんてんから理由りゆうを挙あげています。

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1つ目めは「鉄てつのカーテン」。「冷戦れいせん時じ」においては、東西とうざい間あいだで物理ぶつり的てき・精神せいしん的てきな分断ぶんだん線せんがあり、明確めいかくに「超こえることのできない境界きょうかい線せん」が存在そんざいしていた。しかし、「今回こんかいの戦たたかい」においては、「鉄てつのカーテン」のような物理ぶつり的てき・精神せいしん的てきな分断ぶんだん線せんはない一方いっぽう、欧州おうしゅうや中東ちゅうとうなどに緊張きんちょうをもたらす「不安定ふあんていな渦うず」となっていると指摘してき。

2つ目めかつ、より脅威きょうい的てきな内容ないようなのは、「核かく抑止よくし力りょくの低下ていか」。「冷戦れいせん時じ」には核兵器かくへいきは戦争せんそうへの抑止よくし力りょくとして作用さようし、それを前提ぜんていとした軍事ぐんじ管理かんりが発展はってんした。しかし、「今回こんかいの戦たたかい」においては、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは核かく攻撃こうげきも辞じさないことを明言めいげんしており、それを前提ぜんていとした「新あらたな種類しゅるいの戦争せんそう」の可能かのう性せいがあると指摘してき。