羽生はぶ結ゆい弦つるの離婚りこん騒動そうどう「マスコミへの苦言くげん」で浮うき彫ぼりになった「報道ほうどうと後始末あとしまつ」の大だい問題もんだい

　先日せんじつ、男子だんしプロフィギュアスケーター・羽生はぶ結ゆい弦つるが離婚りこんを発表はっぴょうした。「過激かげきなファン」による妻つまへの誹謗ひぼう中傷ちゅうしょうや嫌いやがらせが原因げんいんであるとされるが、羽生はぶ自身じしんのコメントでも「様々さまざまなメディア媒体ばいたいで、一般人いっぱんじんであるお相手あいて、そのご親族しんぞくや関係かんけい者しゃの方々かたがたに対たいして、そして、私わたしの親族しんぞく、関係かんけい者しゃに対たいしても、誹謗ひぼう中傷ちゅうしょうやストーカー行為こうい、許可きょかのない取材しゅざいや報道ほうどうがなされています」としており、ファンというよりメディアへの苦言くげんにしか見みえない。

　事実じじつ、公開こうかいされていない妻つまの名前なまえを報ほうじ、外出がいしゅつできなくなるまでプライベートを執拗しつように追おい回まわし、さらに破局はきょくすれば「なぜ隠かくす必要ひつようがあるのか」「（妻つまの）地元じもとの人ひとたちは羽生はぶに怒おこっている」「男おとこならなぜ守まもってやれない」とい出いだす始末しまつだ。

　この件けんに限かぎらず、メディアが大々的だいだいてきに煽あおり、それにより暴走ぼうそうした一部いちぶの連中れんちゅうが問題もんだいを起おこす、というのはよくある話はなしだ。

　自民党じみんとうの杉田すぎた水脈すいみゃく議員ぎいんも、アイヌ民族みんぞくと在日ざいにちコリアンに対たいする言動げんどうが法務局ほうむきょくから人権じんけん侵犯しんぱんと認定にんていされたことで、大だいマスコミと野党やとうから総そうバッシングされた。ところがのちに、本人ほんにんへの聴取ちょうしゅも行おこなわず、一方いっぽう的てきに人権じんけん侵犯しんぱん認定にんていがなされていたことが判明はんめいし、法務省ほうむしょうが法務局ほうむきょくに注意ちゅういを与あたえるという珍事ちんじが発生はっせいしている。

　ところがマスコミはそれについてはほとんど触ふれず、杉田すぎた議員ぎいんに対たいして毎日まいにちのように一方いっぽう的てきな断罪だんざいとバッシングが続つづいている。

　LGBT問題もんだいもそのひとつだ。性的せいてき少数しょうすう者しゃの声こえを聞きくことこそが多様たよう性せいであり正義せいぎで、異論いろんを唱となえる人間にんげんは差別さべつであると多おおくのメディアが一方いっぽう的てきな報道ほうどうを続つづけた結果けっか、自分じぶんたちこそ正義せいぎであると思おもい込こんだ人々ひとびとの暴走ぼうそうが起おきている。

　そうした決きめつけ報道ほうどうに対たいし、LGBTの当事とうじ者しゃからは「＃LGBT活動かつどう家かは私わたしたち性的せいてき少数しょうすう者しゃの代表だいひょうではありません」「＃私わたしたち性的せいてき少数しょうすう者しゃはLGBT活動かつどう家かが嫌きらいです」というツイッターデモ、略りゃくしてツイデモが展開てんかいされている。

　マスメディアはそしらぬ顔かおで「こういう事象じしょう、こういう主張しゅちょうをする人ひとがいた」と言いうのだろうか。トイレの後始末あとしまつと同様どうように、報道ほうどうすればその後ご始末しまつをするのが当然とうぜんだろう。

　本来ほんらい、公開こうかいもしていないプライベートなことまで晒さらし上あげる必要ひつようなど全まったくないし、多種たしゅ多様たような意見いけんがあるものは、しっかりと両論りょうろん併記へいきで議論ぎろんを進すすめるべく導みちびくのが、報道ほうどうの役割やくわりではないだろうか。

（群ぐんシュウ）