新たに1兆円徴収するのに「負担ゼロ」 少子化対策の説明に疑問符
年3・6兆円規模の少子化対策を盛り込んだ「こども未来戦略」を政府が22日に閣議決定する。財源の一つが、医療保険料とあわせて1兆円規模を新たに徴収する「こども・子育て支援金」(仮称)だ。「実質的な追加負担は生じない」と説明するが、疑問符がつく。
少子化対策の財源確保策として、政府は3本の柱を掲げる。支援金(1兆円程度)▽社会保障の歳出改革(1・1兆円程度)▽既定予算の活用(1・5兆円程度)だ。
歳出改革では、医療・介護で「現役並み」の所得がある高齢者について、窓口負担や利用料を「3割負担」とする人の対象拡大などを検討する。既定予算は、子ども・子育て拠出金や育児休業給付のための雇用保険料などを活用する。
このうち、政府が最も神経をとがらせるのが新たに設ける支援金だ。
「これは社会保険料なんですか。税か、税でないのか」
11月22日の衆院予算委員会。立憲民主党の岡田克也幹事長は岸田文雄首相に質問した。
岸田首相は「現行においても、個別の法律において、税や社会保険料、様々な形式がある。制度設計を今、こども家庭庁で行っている」と述べるにとどめた。
新制度のわかりにくさは、支援金が浮上した経緯にも由来する。
少子化対策の財源をめぐり、岸田首相は早々に自ら増税を「封印」。このため、社会保険の仕組みを活用する案が水面下で検討された。中でも医療保険に白羽の矢が立ったのは、働き手から75歳以上の全世代が加入するからだ。
実際の徴収額は個人の支払い能力で変化
政府は支援金を「新しい分か…
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