ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから24日で2年になります。侵攻に「出口」はあるのでしょうか。2年間の戦況や今後の見通しについて、防衛省防衛研究所の兵頭慎治研究幹事(ロシア地域研究)に聞きました。
――2年間の戦況の変化をどう見ますか。
三つのポイントになる出来事があると思います。
まず一つ目は、侵攻開始直後に首都キーウの陥落をウクライナが阻止したこと。この段階でウクライナ全土の軍事侵略がロシアにとって軍事的に難しくなりました。ロシア側の見積もりが甘く、ゼレンスキー大統領が屈服せず抗戦を貫いたことも大きかったです。
二つ目は、ウクライナが2022年9月に北東部ハルキウ州、同11月に南部ヘルソン州の一部を奪還したこと。特にハルキウではウクライナ軍の見事な電撃作戦が成功し、かなり広範囲の領土を奪還しました。
そして三つ目は、昨年6月ごろからのウクライナの反転攻勢が失敗に終わったこと。24年2月現在はロシアが東部で攻勢を強めています。とはいえ、ロシアの現有戦力にも余裕はなく、前線では長く膠着(こうちゃく)状態が続いている。双方とも打開の糸口が見いだせない中、ロシアが国内で兵器増産を進め、北朝鮮やイランからの軍事支援も得て、有利な状況を整えつつあります。
「次の一手」描けぬウクライナ
――前線ではどんなことが焦点になりますか。
現在の焦点は間違いなくウク…