第7回自らを「関税マン」 脅して取引するトランプ流 貿易戦争が再来か
連載 トランプ再来 備える日本と世界:⑦
「米国の人々へ」
1987年9月の新聞に載った意見広告は、そんな呼びかけで始まった。
「数十年にわたって日本や他の国々は、米国を利用してきた」
日本などが対米輸出で潤う一方、米国は巨額の貿易赤字を背負わされるばかりだと嘆き、こう訴えた。
「豊かな国々に『課税』せよ。我々の巨額の赤字に終止符を打て」
末尾には、広告を出した本人の筆圧の強い特徴的な署名が添えられた。
「ドナルド・J・トランプ」
11月の米大統領選で、もしトランプ前大統領が当選したら? 選挙戦はこれからなのに、早くもそんな議論が巻き起こっています。「第2次政権」が誕生したら、米国、日本、世界はどう変わるのか。見取り図を示します。
ニューヨークで不動産開発を手がけていた当時41歳のトランプ前大統領は、自国の防衛を米国に頼りながら、半導体や自動車の対米輸出で利益をあげる日本への敵意を隠さなかった。
意見広告のなかで強く訴えた他国への「課税」は、輸入品への「関税」を意味する。「タリフ(関税)マン」。自らをそう呼ぶトランプ氏の原点があった。
「日本」の代わりに言及した国は
それから37年後の今月11…
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