列車 の力
2005
ときたまサッカー観戦 をすることがあるのだが、その度 に感心 させられるのは列車 の力 だ。日本 代表 戦 であれば、5万 人 の観客 が集 まる。列車 であれば、1両 に400人 を乗 せることも可能 である。10両 編成 であれば、4000人 の観客 を一遍 に運 ぶことができる。3分 に1本 走 らせれば、30分 で4万 人 の観客 を処理 できる。一 つの駅 があるだけであっという間 に観客 が処理 できる。いくつもの駅 が利用 可能 な国立 競技 場 であれば、その処理 の速 さは驚異 的 になる。
バスであれば、1台 で50人 の乗客 しか運 べない。4万 人 の観客 を処理 するために800台 のバスが走 れば道 は渋滞 してしまう。車 であれば、気 の遠 くなるような時間 がかかる。アメリカで、フットボールの観客 は車 で集 まる。行 きも帰 りも大変 な時間 がかかる。
列車 の力 に、特 に感銘 を受 けたのは北朝鮮 戦 だった。幸運 にもチケットが入 ったので観戦 しようとの誘 いを友人 から受 けたのだが、あいにく名古屋 での講演 があった。しかし、時間 をチェックするとキックオフに間 に合 うではないか。新幹線 の速 さと列車 の輸送 力 になおさら感銘 を受 けたわけだ。
考 えてみれば、我々 は日常 的 に、列車 の莫大 な輸送 力 とスピードの恩恵 を受 けている。都市 と都市 、都心 と郊外 を結 ぶ人 の流 れが生 み出 しているビジネスは、列車 がなければ成立 しない。3分 ごとに250キロの列車 が走 り、一 度 に4000人 を運 ぶことも可能 な力 の偉大 さを、対 北朝鮮 戦 を名古屋 から駆 けつけて観戦 するという非 日常 的 体験 で思 い知 らされた。しかし、より驚 くべきことは、この素晴 しい力 を、日本 が日常 的 に保持 しているという事実 だ。こんな国 はどこにもない。
だが、観客 が、祝勝 会 ないしは反省 会 で回遊 することによって、輸送 処理 能力 の負担 を引 き下 げるという手 もあるはずだ。これは地域 の活性 化 にもなる。ワールドカップで建設 されたサッカー場 の稼働 率 が低 いことも問題 だが、回遊 施設 のないことも楽 しさを減退 させているのではないか。日本 で、列車 の力 には感銘 を受 けるが、楽 しさを演出 する力 には不足 しているのではないか。
バスであれば、1
だが、
このコンテンツの