私立しりつ学校がっこう法ほう改正かいせい

｢私立しりつ学校がっこう法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ｣が来くる4月がつ1日にちより施行しこうされる。今回こんかいの改正かいせいは、少子しょうし高齢こうれい化か、国立こくりつ大学だいがくの法人ほうじん化か、グローバル競争きょうそう化か等とうを背景はいけいとした競争きょうそう激化げきかの中なかで、学校がっこう法人ほうじんが経営けいえい強化きょうか・ガバナンス改革かいかくを実現じつげんしていくための法制ほうせい面めんでの環境かんきょう整備せいびが最大さいだいの目的もくてきと考かんがえられる。改正かいせいのポイントは、主おもに、理事りじ制度せいど・監事かんじ制度せいどの整備せいび・改善かいぜん、および財務ざいむ情報じょうほうの公開こうかいである。

理事りじ制度せいどの整備せいび・改善かいぜんとしては以下いかの三さん点てんが挙あげられる。第だい一いちに、現行げんこう法ほうでは理事りじ会かいの設置せっちが義務ぎむづけられていなかったのに対たいして、改正かいせい法ほうでは理事りじ会かいが法律ほうりつ上じょう明確めいかくに位置いちづけられることとなった。第だい二にに、現在げんざいは理事りじ全員ぜんいんが有ゆうしている代表だいひょう権けんが改正かいせい法ほうでは実質じっしつ的てきに理事りじ長ちょう1人にんに集中しゅうちゅうすることになり、民間みんかん企業きぎょうのようなトップマネジメントによる意思いし決定けっていが遂行すいこうしやすい体制たいせいが実現じつげんされる。第だい三さんに、コーポーレート・ガバナンスにおける社外しゃがい取締役とりしまりやくに該当がいとうする外部がいぶ理事りじの導入どうにゅうが義務ぎむづけられた。

さらに、評議ひょうぎ員いん会かい制度せいどの改善かいぜんの中なかで、学校がっこう法人ほうじんの意思いし決定けっていの最高さいこう機関きかんは評議ひょうぎ員いん会かいではなく、理事りじ会かいにあることを示唆しさすることで、理事りじ会かいの権限けんげんをより一層いっそう明確めいかくにしている。

監事かんじ制度せいどの整備せいび・改善かいぜんとしては、第だい一いちに、監査かんさ報告ほうこく書しょの作成さくせい・提出ていしゅつの責任せきにんを新あらたに規定きていし、監査かんさ責任せきにん者しゃとしての監事かんじの地位ちいを明確めいかく化かしたことが挙あげられる。第だい二にに、外部がいぶ理事りじと同様どうよう、外部がいぶ監事かんじを導入どうにゅうすることが義務ぎむづけられた。会計かいけい監査かんさの専門せんもん性せいを追求ついきゅうするとともに、前述ぜんじゅつのコーポーレート・ガバナンスにおける社外しゃがい監査かんさ役やくのコンセプトの導入どうにゅうだろう。第だい三さんに、評議ひょうぎ員いんとの兼任けんにんが排除はいじょされることとなった。これは監事かんじの独立どくりつ性せいを高たかめ、より公正こうせいな監査かんさ体制たいせいを構築こうちくしていくことが目的もくてきとみられる。

財務ざいむ情報じょうほうの公開こうかいの目的もくてきは、積極せっきょく的てきなディスクロージャー（情報じょうほう開示かいじ）によって、学校がっこう法人ほうじんが公共こうきょう性せいの高たかい法人ほうじんとしてのアカウンタビリティー（説明せつめい責任せきにん）を果はたしていくことである。具体ぐたい的てきには、現行げんこう法ほうで義務ぎむづけられている財務ざいむ書類しょるいの作成さくせい及および事務所じむしょへの備そなえ置おきに加くわえて、それらの書類しょるいの関係かんけい者しゃへの閲覧えつらんを義務ぎむづけている。但ただし、関係かんけい者しゃとあるように、当該とうがい学校がっこう法人ほうじんの在ざい学生がくせいや利害りがい関係かんけい者しゃのみが対象たいしょうであって、不ふ特定とくてい多数たすうではない。この点てんについては、積極せっきょく的てきなディスクロージャーという観点かんてんからすれば、インターネットの活用かつようなどは時代じだいの流ながれに適合てきごうした望のぞましい対応たいおうといえよう。同時どうじに、近年きんねんクローズアップされてきているUSR（大学だいがくの社会しゃかい的てき責任せきにん）のコンセプトにも合致がっちしよう。