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2005年度企業年金運用の課題 2005年04月07日 | 大和総研 | 飛田 公治

2005年度ねんど企業きぎょう年金ねんきん運用うんよう課題かだい

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2005ねん04がつ07にち

  • 飛田ひだ こう

昨年度さくねんど企業きぎょう年金ねんきん決算けっさん大幅おおはば収益しゅうえきげは出来できなかったものの、げた予定よてい利回りまわりが3%前後ぜんごであれば、おおきな不足ふそくきん発生はっせいかったものと推測すいそくされる。日本にっぽん年金ねんきん資産しさん運用うんよう現状げんじょうかえれば、異常いじょうてい金利きんりといまだ不安定ふあんてい株式かぶしき相場そうば背景はいけいに、金利きんり上昇じょうしょうへの短期たんきてき配慮はいりょをもふくみながら従来じゅうらい債券さいけん株式かぶしき中心ちゅうしんとした運用うんようから、(1)負債ふさいヘッジを如何いかかんがえるかの運用うんよう指向しこうする。(2)絶対ぜったいリターンの追及ついきゅう明瞭めいりょうにする。というおおきな運用うんよう戦略せんりゃく変更へんこうかっているものと認識にんしきされる。

とく代行だいこう返上へんじょう終了しゅうりょうした身軽みがる企業きぎょう年金ねんきん基金ききんは、後発こうはつ債務さいむ発生はっせい抑制よくせいためにキャッシュ・バランス・プランの導入どうにゅう採用さいようするケースも増加ぞうかしていることから、ていリスク許容きょよう運用うんようおおきくそのかじをきっておりその変革へんかくスピードはきわめてはやいものとかんがえていとかんがえる。企業きぎょうリストラが終了しゅうりょうした段階だんかいでは、最終さいしゅうてき積立つみたて不足ふそく解消かいしょうするために負債ふさいヘッジを意識いしきした運用うんよう重要じゅうようであるが、当年度とうねんどとくに(1)負債ふさいとのコントロールのなかでデュレーションのコントロールを適正てきせいおこなこと(2)リスク分散ぶんさん考慮こうりょするなかでの絶対ぜったいリターン追及ついきゅうがたのオルタナティブ運用うんよう如何いかむかの検討けんとう(3)アルファ・ベーター戦略せんりゃく見直みなおしとその導入どうにゅうったてん基本きほんてき課題かだいかんがえてかろう。

企業きぎょうサイドの問題もんだいてん多面ためんてき検証けんしょうすれば、予測よそく給付きゅうふ債務さいむ(PBO)の規模きぼ積立つみた不足ふそく状況じょうきょう企業きぎょう競争きょうそうりょく担保たんぽするB/S健全けんぜん度合どあとう戦略せんりゃく検討けんとうには重要じゅうようである。つまり、多様たようせいのある検討けんとう事項じこうとおして自在じざい発想はっそうをもってしん時代じだい合致がっちする年金ねんきん経営けいえい戦略せんりゃく構築こうちくすること重要じゅうようなのである。草原そうげん自由じゆうめぐ遊牧民ゆうぼくみん(ノマド)のように年金ねんきんファンドがきてくためには、コントロールされたリスクのしたあたらしい運用うんよう戦略せんりゃくさい構築こうちくはか哲学てつがくてき思想しそう「ノマドロジー」が重要じゅうようである。

以上いじょう背景はいけい年金ねんきん運用うんよう今後こんご課題かだい整理せいりすれば、(1)ベンチマーク運用うんよう見直みなおしと負債ふさいベンチマークの実現じつげん可能かのうせいさぐ戦略せんりゃく構築こうちく(2)企業きぎょう母体ぼたい年金ねんきん基金ききん意思いし決定けってい連関れんかんせい向上こうじょう(3)同時どうじ年金ねんきん経営けいえい戦略せんりゃく多面ためんてき視点してんからのさい構築こうちく(4)運用うんよう会社かいしゃおよびコンサルタント会社かいしゃへの期待きたい役割やくわり変質へんしつとう議論ぎろんされることになろう。それゆえに、年金ねんきんプランスポンサーとコンサルタントおよ運用うんよう会社かいしゃ相互そうご対等たいとう議論ぎろんとコミュニケーションこそが重要じゅうようなポイントとなるのである。強制きょうせい支配しはいのないコミュニケーションによってされる合意ごういこそがしん生産せいさんてきちからとなるものであり、最終さいしゅう受益じゅえきしゃたる加入かにゅういん受給じゅきゅうしゃ利益りえき守護しゅごする年金ねんきん受託じゅたくしゃ責任せきにん完遂かんすいつながるものと主張しゅちょうしたい。

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