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賃金デフレ脱却の兆し 2005年06月22日 | 大和総研 | 取越 達哉

賃金ちんぎんデフレ脱却だっきゃくきざ

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2005ねん06がつ22にち

  • こし 達哉たつや

所定しょていない給与きゅうよなおしのうごきが、徐々じょじょつよまりつつある。厚生こうせい労働省ろうどうしょう毎月まいつき勤労きんろう統計とうけい」によると、4がつ所定しょていない給与きゅうよ前年ぜんねん+0.4%(25まん5,888えん)と、2000ねん11がつ以来いらいじつに4ねん5カ月かげつぶりにプラスとなっている。90年代ねんだいなかばからつづいてきた、正社員せいしゃいんから(所定しょていない給与きゅうよ正社員せいしゃいんの3わり程度ていどの)パートへ、といったうごきが急速きゅうそくよわまりつつあること、すなわちパート・シフトのよわまりが、その主因しゅいんである。

賃金ちんぎんの76%(2004年度ねんど)をめる、まさにコア賃金ちんぎんとでもいうべき所定しょていない給与きゅうよなおしは、賃金ちんぎん全体ぜんたいにも底堅そこがたさをもたらしつつある。建設けんせつぎょう医療いりょう福祉ふくしぎょうなど、はっきりとしたなおしがられない業種ぎょうしゅもあるが、電気でんき・ガス・ねつ供給きょうきゅう水道すいどうおろし小売こうりぎょう運輸うんゆぎょう飲食いんしょくてん宿泊しゅくはくぎょう金融きんゆう保険ほけんぎょうなど、すくなくない業種ぎょうしゅにおいて、賃金ちんぎん底堅そこがたさが観察かんさつされはじめている。

賃金ちんぎんは、景気けいき遅行ちこう指標しひょうというわけではない。したがって、景気けいき停滞ていたい局面きょくめんつづなか鮮明せんめいしてきた賃金ちんぎんなおしのうごきは、いささか意外いがいである。この事実じじつは、賃金ちんぎんデフレの局面きょくめんわり、賃金ちんぎんなんらかのしたささ圧力あつりょくはたらはじめた可能かのうせい示唆しさしているように見受みうけられる。そうしたちから存在そんざいしているとすれば、それは、過剰かじょう雇用こよう問題もんだいわりにともなうものであろう。実際じっさい労働ろうどう分配ぶんぱいりつ現実げんじつ企業きぎょうかんじる雇用こよう過剰かじょうかんは、80年代ねんだい前半ぜんはん水準すいじゅんにまで低下ていかしてきている。今後こんご賃金ちんぎんびは、生産せいさんせいびをどう見通みとおすかとうにも依存いぞんするが、「減少げんしょうする局面きょくめん」から「減少げんしょうしない局面きょくめん」へと徐々じょじょ移行いこうしつつある可能かのうせいがある。

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