サステナビリティが変かえる企業きぎょう価値かち

“サステナビリティ”を軸じくとした具体ぐたい的てきな、より踏ふみ込こんだ取とり組くみが欠かかせない時代じだいが始はじまった。脱だつ炭素たんそやTCFD提言ていげんへの対応たいおうに頭あたまを悩なやませている企業きぎょう担当たんとう者しゃも多おおいことであろう。経営けいえい者しゃにとっては、これらの取とり組くみをどのように企業きぎょう価値かち向上こうじょうに結むすび付つけ、そのストーリーをステークホルダーや投資とうし家かに伝つたえていくか、難むずかしい課題かだいに直面ちょくめんしていると言いえる。

一方いっぽうで、投資とうし家かにとっては、サステナビリティをどのように投資とうし基準きじゅんに組くみ入いれていくかが重要じゅうようなテーマとなっている。

経済けいざい産業さんぎょう省しょうでは、「サステナブルな企業きぎょう価値かち創造そうぞうのための長期ちょうき経営けいえい・長期ちょうき投資とうしに資しする対話たいわ研究けんきゅう会かい」（サステナビリティ・トランスフォーメー ション（SX）研究けんきゅう会かい）を2021年ねん5月がつに立たち上あげ、企業きぎょうと投資とうし家かの対話たいわの在あり方かたに関かんし議論ぎろんを行おこなっている。2022年ねん7月がつに開催かいさいされる第だい8回かい研究けんきゅう会かいでは、「SX版ばん・伊藤いとうレポート（案あん）」が示しめされる予定よていとなっている。

サステナビリティと企業きぎょう価値かちに関かんしては、社会しゃかいや環境かんきょう等とうへの取とり組くみや投資とうしがどのように企業きぎょう財務ざいむを向上こうじょうさせていくのかという論点ろんてんのほか、社会しゃかいや環境かんきょう等とうの変化へんかが企業きぎょう財務ざいむにどのような影響えいきょうを与あたえるのかという論点ろんてんがある。また、企業きぎょうの取とり組くみや投資とうしが社会しゃかいや環境かんきょう等とうの維持いじ改善かいぜんにどの程度ていどのインパクトを与あたえることができるのかという非ひ財務ざいむの論点ろんてんもある。さらに、効果こうかが表あらわれるまでの時間じかん軸じくが長期ちょうきか短期たんきかという論点ろんてんもある。このような論点ろんてんにおいて、企業きぎょうと投資とうし家かの間あいだには様々さまざまな考かんがえ方かたのギャップが存在そんざいする。前記ぜんきSX研究けんきゅう会かいでは、長期ちょうきの時間じかん軸じくで、企業きぎょうのサステナビリティ（企業きぎょうの「稼かせぐ力ちから」の持続じぞく性せい）と社会しゃかいのサステナビリティ（将来しょうらい的てきな社会しゃかいの姿すがた）を同期どうき化かし、企業きぎょうと投資とうし家かの対話たいわを促進そくしんする重要じゅうよう性せいが示しめされている。

このような企業きぎょうと投資とうし家かのギャップを解消かいしょうする考かんがえ方かたとなる「“インパクト指標しひょう”を活用かつようし、パーパス起点きてんの対話たいわを促進そくしんする　～企業きぎょうと投資とうし家かによるサステイナブルな資本しほん主義しゅぎの実践じっせん～」が2022年ねん6月がつ14日にちに経団連けいだんれんより公表こうひょうされた。

企業きぎょうのパーパスを起点きてんに、インパクト指標しひょうの目標もくひょう値ちを長期ちょうき目標もくひょうとして設定せってい。財務ざいむ目標もくひょう等とうと併あわせ、その達成たっせいまでの道みちのりとなる長期ちょうき経営けいえい戦略せんりゃくを価値かち創造そうぞうストーリーとして策定さくていする。これを企業きぎょうと投資とうし家かを含ふくむステークホルダーとの共通きょうつう言語げんごとして対話たいわを促進そくしんし、ギャップの解消かいしょうにつなげようという考かんがえ方かた（下図したず参照さんしょう）である。

インパクト指標しひょうとは、「事業じぎょうや活動かつどうの結果けっかとして生しょうじた、社会しゃかい的てき・環境かんきょう的てきな変化へんかや効果こうかを示しめす指標しひょう」と定義ていぎされている。

価値かち創造そうぞうストーリーの策定さくていは簡単かんたんではないと思おもわれるが、このようなストーリーを基もとにした対話たいわが積つみ重かさねられることは、企業きぎょうのサステナビリティへの取とり組くみをより深化しんかさせ、投資とうし家かもこのような企業きぎょうへ投資とうしする理由りゆうを明確めいかく化かでき、投資とうししやすくなる。投資とうし家か以外いがいのステークホルダーが企業きぎょうの取とり組くみを後押あとおしすることにもつながる。

サステナビリティや脱だつ炭素たんそが世間せけんで強つよく叫さけばれながらも、自分じぶんの行動こうどうも含ふくめ今いまひとつ、世よの中なかの一人ひとりひとりの行動こうどうや価値かち観かん、サービス選択せんたくの判断はんだん基準きじゅんにつながっていない点てんに“もやもや”を感かんじている。このような取とり組くみが世よの中なかに広ひろく浸透しんとうすることにより、この“もやもや”が解消かいしょうされ、真しんのサステナブルな社会しゃかいにつながればと思おもう。

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