近年の急速な技術革新は、交通・通信網の発達をもたらし、高度情報化、国際化が進展するなかで、経済、文化、教育等のあらゆる分野において世界的規模での相互依存関係が深まってきております。とりわけ、資源を海外に依存しながらも、戦後急速な経済発展を遂げ、世界のGNPの1割を占めるに至ったわが国にとって、世界の平和と安定は必要不可欠であり、国際社会においてわが国が果たすべき役割と貢献が強く求められています。
このような国際環境の中にあって、海外からの原料産品が市民生活の隅々まで浸透していることに表されるように、地域社会も国際社会の枠組みに深く組み込まれてきております。
国際交流が国レベルにとどまらず、都市と都市、市民と市民等多様なレベルにおいて展開されている現状を踏まえるとき、市民一人一人が、人と人、心と心の交流を通して世界的視野と国際感覚を身につけ友好親善を進めるとともに、様々な諸外国の現状を正しく認識することにより相互理解を深めることが、ひいては世界の平和につながるものでもあります。
熊本市は、1991年に他都市に前例のない歴史的大合併を行い、来るべき21世紀において市民が誇りにできる都市づくりをめざして市政を展開しておりますが、国際化の面でも、中国・桂林市、アメリカ・サンアントニオ市、ドイツ・ハイデルベルク市との都市間交流を推進するなど国際都市の実現を目指しております。
そのような現状の中、本市を訪れる留学生をはじめとする外国人は、増加の一途をたどり、市民の海外に対する関心とともに国際交流活動への参加意欲は、ますます高まり、市民の国際交流へのニーズは複雑多様化してきております。
このようなことから、本市としても、市民の創意工夫と民間活力を導入し、将来における国際交流事業を効率的かつ積極的に展開することにより、市民レベルでの相互理解と友好親善を更に促進するとともに地域の活性化を図るため、財団を設立し、我が国の国際化、ひいては、世界の平和と安定に貢献しようとするものであります。
平成5年1月11日