【羽生はぶ結ゆい弦つる　メダリスト会見かいけん（2）】「自分じぶんが出場しゅつじょうしたことで、何なにかの活力かつりょくになれば」

[ 2020年ねん12月27日にち 14:02 ]

＜全日本ぜんにほんフィギュアスケート選手権せんしゅけん第だい2日にち＞男子だんしフリー、優勝ゆうしょうし笑顔えがおでファンに手てを振ふる羽生はぶ結ゆい弦つる（右みぎ）（撮影さつえい・小海こかい途と　良りょう幹みき）
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　フィギュアスケート全日本ぜんにほん選手権せんしゅけんの男子だんしで5年ねんぶり5度目どめの優勝ゆうしょうを果はたした羽生はぶ結ゆい弦つる（ANA）は26日にちのフリー後ご、メダリスト会見かいけんに臨のぞんだ。

　――どん底ぞこの時期じきはいつ頃ころ

　「いや、結構けっこう、長ながくてその期間きかんは。ほんと10月がつ、11月くらいまで、10月終おわりくらいまでありました。ただ、そこから少すこしずつコーチたちにメールして、ビデオ送おくって、こんな風ふうになっているんだけど、どう思おもいますか？とかいろいろアドバイスをもらったりとか、頼たよることができはじめて。で、その上うえで、もちろん、ライブでそんな会話かいわとかできるわけじゃないですし、自分じぶんの感覚かんかくと自分じぶんの今いままでの経験けいけんで練習れんしゅうを構築こうちくしていくしかないんですけど。でも、そういう意味いみではやっと、ほんとにやっと、自分じぶんがここまでスケートをやってきて、やっぱ鍵山かぎやま選手せんしゅも、宇野うの選手せんしゅも、やっぱどんどんどんどん技術ぎじゅつ的てきにうまくなっていってて、なんていうんですかね、なんか年寄としよりみたいな感覚かんかくが、自分じぶんの中なかであって、固定こてい概念がいねんみたいなのがあって。どんどん技術ぎじゅつ的てきに落おちるんだろうな、みたいな。アクセル練習れんしゅうすれば、4回転かいてんアクセル練習れんしゅうすれば、どんどん他たのジャンプも崩くずれていくし、ダメになっていくし、足あしも痛いたくなるし。そういったなんか悪わるいスパイラルに入はいっている中なかで、やっと自分じぶんが長年ながねん経験けいけんしてきたこと、ケガしたこととか、平たいら昌あきらのこととか、あとは自分じぶんがうまくできた時ときのこととか、そういったものを消化しょうかして、ベテランらしく、うん、ちょっとはいい演技えんぎが、いい練習れんしゅうができるようになったんじゃないかなという風ふうに思おもっています」

　――メダリストの宇野うの選手せんしゅ、鍵山かぎやま選手せんしゅについて

　「まず、宇野うの選手せんしゅはほんと、なんていうんですかね、両方りょうほうともそうなんですけど、なんか、すごい憧あこがれてくださって、ほんとにありがとうございますっていう気持きもちがすごくあって。ちっちゃい頃ころから、昌あきら磨すりに関かんしては一緒いっしょに試合しあいに出でて、思おもい返かえせば、ノービスの頃ころもあって。なんていうんですかね、あんなちっちゃかった頃ころが懐なつかしいなって思おもったりとか。そもそも、この子この持もっている表現ひょうげんの仕方しかたとか、所作しょさのきれいさとか、そういったものはほんとに努力どりょくして、ほんとに心しんからつらくなる時期じきもあったと思おもうし、彼かれ自身じしんが持もっているつらさみたいなものも、もちろんあると思おもうんですけど、それを押おし殺ころしてまで、ここまでやってこられたっていうのはものすごく尊敬そんけいしてるし、僕ぼく自身じしんが。なにより心しんの強つよいファイターだなって思おもっています。で、鍵山かぎやま選手せんしゅに関かんしては、やっぱあんだけ、勢いきおいを生いかして、何事なにごとにもステップもそうですし、スピンもそうだし、ジャンプもあれだけ勢いきおいを使つかってジャンプを跳とべるのはホントにすごいことだし、やっぱあれだけの衝撃しょうげきをずーっと体からだで耐たえ続つづけているわけでもあって、その中なかでちゃんとケガせずに自分じぶんをコントロールできているっていうのは、若わかいながらも、やっぱり自分じぶん自身じしんも勉強べんきょうさせてもらっているし、尊敬そんけいしている点てんです」

　――コロナ禍かでの価値かち観かんの変化へんかは

　「僕ぼくはちょっと震災しんさいと絡からんでしまうかもしれないんですけど、またあらためて、スケートできることが当あたり前まえじゃないってことを痛感つうかんしました。あの、先程さきほど言いったこととちょっとかぶってしまうかもしれないんですが、やはり、僕ぼくらよりも絶対ぜったい苦くるしんでいる方ほうはいらっしゃいますし。うん、最期さいごに会あえない方々かたがただっていらっしゃいますし、そういう方々かたがただったり、いまほんとに先さきが見みえない労働ろうどうを強しいられて、ほんとに目めの前まえが真まっ暗くらになるような方々かたがたもいらっしゃると思おもいます。そういう方々かたがたにとっては、僕ぼくが僕ぼくらがこうやってスケートをしているのは、ある意味いみ、その人ひとたちからしたら、これも仕事しごとって言いわれるのかもしれないですけど。僕ぼくにとっては、震災しんさいを経験けいけんした僕ぼくにとっては、やっぱりスケートは自分じぶんが好すきなことにしかなってないので。やっぱそれをさせてもらって、こうやって競技きょうぎの場ばとして設もうけてもらって、まあ、それを最後さいごまで闘たたかい抜ぬかせていただいて、まあ申もうし訳わけないっていうか、罪悪ざいあく感かんもちょっと、ちょっとあるといえばあるんですけど。ただ、自分じぶんが出場しゅつじょうしたことで、先程さきほど言いったようにちょっとでも何なにかの活力かつりょくになれば、なんかの気持きもちの変かわるきっかけになればという風ふうに思おもいました、はい」

＝終おわり＝