【スペック】全長ぜんちょう×全幅ぜんぷく×全高ぜんこう=4555×1870×1230mm/ホイールベース=2655mm/くるまじゅう=1480kg/駆動くどう方式ほうしき=FR/5.7リッターV8OHV16バルブ(355ps/5200rpm、49.8kgm/4000rpm)/車両しゃりょう本体ほんたい価格かかく=598.0まんえん(テストしゃおなじ)

シボレー・コーベット クーペ(4AT)【試乗しじょう

ふか満足まんぞく 2002.05.09 試乗しじょう 金子かねこ 浩久ひろひさ シボレー・コーベット クーペ(4AT) ……598.0まんえん 「ツアー」「スポーツ」「パフォーマンス」と3つの走行そうこうモードをそなえるコーベット。シボレーのほこるスポーツカーにった自動車じどうしゃジャーナリスト、金子かねこ浩久ひろひさは、5.7リッターV8のリズムとトルクにのって、決意けつい?をあらたにするのであった……。

イグニッションオンと同時どうじ

「シボレー・コーベット」の実力じつりょく過小かしょう評価ひょうかされている。1997ねん登場とうじょうした「C5」がたこと5代目だいめにあたる現行げんこうモデルにるたびに、そのスポーツカーとしての魅力みりょくおおきさにいつも感心かんしんさせられてしまう。
のクルマきたちは、いったいこのクルマのさをちゃんとわかっているのか!」“私設しせつコーベット応援おうえんだんいん”としては、るたびに切歯扼腕せっしやくわんせざるをない。今回こんかいも、そんなおもいをいだきながら、エレクトロンブルーというあざやかなボディーカラーの2002ねんモデルで都内とないから箱根はこね往復おうふくした。

まず、なんといってもコーベットの魅力みりょくのひとつはスタイリングにある。ダイナミックな「ロングノーズ・ファストバック」スタイルでありながら、フェンダーとボディのつながり具合ぐあい、ルーフ、テールなど各部かくぶ造形ぞうけいまっているのは、旧型きゅうがた以前いぜんのコーベットからおおきく変身へんしんしたところだろう。4555mmの全長ぜんちょうは、おなじシボレーの「カマロ」より355mmもみじかく、カマロのライバルたる「フォード・マスタング」より100mmみじかい。1870mmの全幅ぜんぷくもカマロより20mmほそいのだ。実際じっさい寸法すんぽうまっているのである。

るだけで気分きぶんたかめてくれるコーベットだが、運転うんてんせきすわってキーをひねると、ドライバーの気持きもちをさらにげてくれる。だいみちの「速度そくど」と「エンジン回転かいてん」メーターを中心ちゅうしんに、その左右さゆうに2ずつ、けい6配置はいちされているメーターのあかはりが、イグニッションオンと同時どうじ一旦いったんリミットまでシュンとれ、ゆっくりともどってくる。これが、カッコいい。こちらのヤルをかきててくれるのだ。


独特どくとくのリズム

5.7リッターのV8はしずかにアイドリングし、4だんATのギアセレクターを「D」にれて、発進はっしんする。そとつとはばひろいようにえるボディも、フェンダーの“みね”ががっているので、ドライバーズシートからはくるまはば感覚かんかくつかみやすい。
ガスペダルにいたあしをちょっとでもうごかすと、V8は「ウォン!」と「ファン!」の中間ちゅうかん排気はいきおんともないながらがる。レスポンスがするどい。都内とないほそ路地ろじをゆっくりとすすぶんには、アイドリングだけでことりてしまう。49.8kgmものふといトルクは伊達だてじゃない。

東名高速道路とうめいこうそくどうろる。100km/hは、4そくトップでエンジン回転かいてん1700rpmにぎない。そこからんでいけば、えない巨人きょじんられるような、強烈きょうれつ加速かそくっている。
2そくでも、3そくでも、アイドリングから3000rpmぐらいまでが、このエンジンのもっと魅力みりょくてきなところだ。もちろん、355psの最高さいこう出力しゅつりょく発生はっせいする5200rpmまで一気いっき回転かいてんげていくのだが、アイドリングから3000rpmぐらいまでがもっと甘美かんびなのである。エンジンが、つぎにダッシュするためのクラウチングポーズをとっているようだ。
このV8は、ととのっていながらも1はつずつの爆発ばくはつのビートが明瞭めいりょうで、気筒きとうすう配列はいれつのエンジンではかんじられない独特どくとくのリズムをかなでる。だから、意味いみもなくシフトダウンしてその音楽おんがくたのしんでしまう。


3つのモード

コーベット(とコーベットコンバーチブル)のセンターコンソールには「切替きりかえしきリアルタイムダンピング」スイッチが装着そうちゃくされている。「ツアー」「スポーツ」「パフォーマンス」の3つのなかから、ドライバーが選択せんたくしたモード、および車速しゃそく路面ろめん状況じょうきょうわせて、ショックアブソーバーのダンピング特性とくせいを10〜15ミリセカンドでえることができる。
東名とうめい高速こうそく速度そくど制限せいげん範囲はんいないはしかぎりでは一番いちばんやわらかいツアーと中間ちゅうかんのスポーツのはほとんどかんることができなかった。もっとかたいパフォーマンスでは舗装ほそう継目つぎめをビシビシとひろう。

ツアーとスポーツのちがいが明瞭めいりょうになったのは、傾斜けいしゃきゅう箱根はこねターンパイクをのぼはじめたときだ。加速かそくに、ツアーではテールがおおきくしずむのにたいし、スポーツではグッと踏張ふんばる。当然とうぜん踏張ふんばほうがターンパイクのようなところでははしりやすい。同様どうように、コーナーでのロールもスポーツのほうちいさく、そうじてこう印象いんしょうけた。もっともハードなパフォーマンスモードは、おそらくサーキット走行そうこうなどのような限界げんかいてき状況じょうきょう効果こうか発揮はっきするのではないだろうか。

それにしても、安定あんていした姿勢しせいたもち、ふといトルクでワインディングロードをグイグイとのぼっていくようは、のどんなスポーツカーでも真似まねできない。ヨーロッパせい一流いちりゅうスポーツカーと方法ほうほうろんことなっていても、はしりのしつにおいては最終さいしゅうてきふか満足まんぞく到達とうたつすることができる。ぼく今後こんご私設しせつコーベット応援おうえんだんいんつづける決意けついあらたにした。みなさんも、ぜひ入団にゅうだんしませんか?

ぶん金子かねこ浩久ひろひさ/写真しゃしん河野こうのあつしじゅ/2002ねん3がつ

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