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第34回:ホンダ・アコード(後編) ―なんの変哲もないセダンに宿る“滅びの美学”― 【カーデザイン曼荼羅】 - webCG クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック

だい34かい:ホンダ・アコード(後編こうへん) ―なんの変哲へんてつもないセダンに宿やどる“ほろびの美学びがく”―

2024.07.24 カーデザイン曼荼羅まんだら ふち 健太郎けんたろう清水しみず くさいち
2024ねん3がつ日本にっぽん導入どうにゅうされた11代目だいめ「ホンダ・アコード」。かざのない“普通ふつうのセダン”に、未来みらいはあるのか!?
2024年3月に日本に導入された11代目「ホンダ・アコード」。飾り気のない“普通のセダン”に、未来はあるのか!?拡大かくだい

いさぎよいまでに“普通ふつうのセダン”であることをつらぬいた新型しんがた「ホンダ・アコード」。セダン不遇ふぐう時代じだいに、このデザインはアリやナシや? セダンというジャンルのクルマは、これからどんな存在そんざいになっていくのか、もとカーデザイナーの識者しきしゃとともにかんがえてみた。

前編ぜんぺんもどる)

唐沢からさわ寿明としあきさんも登場とうじょうした、新型しんがた「アコード」発表はっぴょうイベントの様子ようす。それにしても、ホンダはなぜこのタイミングでアコードを日本にっぽんれたのか……?
唐沢寿明さんも登場した、新型「アコード」発表イベントの様子。それにしても、ホンダはなぜこのタイミングでアコードを日本に入れたのか……?拡大かくだい
新型しんがた「アコード」は、最新さいしんADASの「ホンダセンシング360」を搭載とうさいする、日本にっぽんでははつのモデルとなる。 
ほった「こういうハイテクをせられるクルマがなくなっちゃうというのも、ホンダが『アコード』みたいな上級じょうきゅう車種しゃしゅをやめられない理由りゆうだとおもいますよ」
新型「アコード」は、最新ADASの「ホンダセンシング360」を搭載する、日本では初のモデルとなる。 
	ほった「こういうハイテクを載せられるクルマがなくなっちゃうというのも、ホンダが『アコード』みたいな上級車種をやめられない理由だと思いますよ」拡大かくだい
ほった「余談よだんですけど、ホンダが1981ねん世界せかいはじめてカーナビを搭載とうさいしたクルマも、『アコード』(と『ビガー』)なんです」
ほった「余談ですけど、ホンダが1981年に世界で初めてカーナビを搭載したクルマも、『アコード』(と『ビガー』)なんです」拡大かくだい
長年ながねんにわたりホンダの旗艦きかん車種しゃしゅつとめてきた「レジェンド」。5代目だいめのモデルには、世界せかいはつとなるレベル3の自動じどう運転うんてん技術ぎじゅつ搭載とうさいされたが、2022ねん1がつをもって販売はんばい終了しゅうりょうとなった。
長年にわたりホンダの旗艦車種を務めてきた「レジェンド」。5代目のモデルには、世界初となるレベル3の自動運転技術も搭載されたが、2022年1月をもって販売終了となった。拡大かくだい

なんでいま、このタイミングで?

ふち健太郎けんたろう以下いかふち):それにしても、このタイミングでアコードを日本にっぽん投入とうにゅうするっていうのがちょっと不思議ふしぎなんですよ。トヨタは「カムリ」を……。

webCGほった(以下いか、ほった):去年きょねんでオサラバさせたばっかりですね。

ふち日本にっぽん市場いちばでカムリがなくなったタイミングでアコードがたっていうのは、なぜなんだろう?

清水しみずくさいち以下いか清水しみず):トヨタですら撤退てったいした不毛ふもう市場いちばに、特攻とっこうをかけてるわけですよね。ひょっとして、タイ工場こうじょうみぎハンドルつくってるからついでにってことかな?

ほった:ADAS(先進せんしん運転うんてん支援しえんシステム)の「ホンダセンシング360」って、日本にっぽんではアコードからじゃないかな。

清水しみずあ!

ほった:れないからって日本にっぽん市場いちばから上級じょうきゅうモデルをどんどんなくしていくと、そういう先進せんしん装備そうびこう付加ふか価値かち装備そうび仕込しこめるクルマが、日本にっぽんからなくなっちゃいますからね。そういう意味いみれたのかもしれません。

ふちそうか、以前いぜんは「レジェンド」がその役目やくめだったけど。

ほった:そうそう。レベル3の自動じどう運転うんてんはホンダ・レジェンドが世界せかいはつでした(参照さんしょう)。そのレジェントが爆発ばくはつ四散しさんしちゃって、いまはアコードがその役割やくわりっているんだとおもいますよ。……なんか、デザインと全然ぜんぜん関係かんけいないはなしてますけど、大丈夫だいじょうぶですか今回こんかい

ホンダ アコード の中古ちゅうこしゃwebCG中古ちゅうこしゃ検索けんさく

れはしないかもしれないが……

ふちところで、これがまえがたのアコードなんですけど、これ、どうですか?

清水しみず先代せんだいわるくはなかったけど、新型しんがたのほうがシンプルで素晴すばらしくなってるなっておもいますねぇ。

ふち自分じぶんまえがたのアコードはアメリカで最初さいしょたんですけど、結構けっこうかっこいいなっておもったんですよ。ボディーがひくくてながいイメージで、存在そんざいかんがあってよかった。これもホンダは日本にっぽん販売はんばいしましたけど、人気にんきはそうでもなかったような……。

清水しみずそうでもないどころじゃないですよ(笑)。

ほった:まったくかけませんね、マジで。

ふちおそらく新型しんがたも、パッケージはまえがたからそれほどわってない。こうして新旧しんきゅう見比みくらべると、どっちが新型しんがたなのかちょっとわかんないとこがありますよね。なにもらないひとせて「どっちがあたらしさがあるとおもいますか?」っていたら、まえがたのほうをあたらしくかんじるかもしれない。それでも新型しんがたは、これだけシンプルな造形ぞうけいてっしてる。

清水しみず先祖返せんぞがえりしてるのかな?

ほった:そうかもしれませんね。

ふち「こんなクルマ日本にっぽんれるわけない」っていう意見いけんもあります。たしかに「国内こくないじゃそんなに訴求そきゅうりょくはないかも」とおも反面はんめん、「……でもやっぱり、かっこいいんじゃなかろうか」っておもうんですよ。

清水しみずいやぁ、れそうにないからこそカッコいいんですよ! 孤高ここう戦士せんしですよ!

ふちホンダの青山あおやま本社ほんしゃ実物じつぶつても、やっぱりかっこよかった。

清水しみずヘッドライトが普通ふつうについてるだけでうれしいですからね。「トヨタ・クラウン」みたいなヘッドライトは、どこがだかわかんない。

ほった:はいはい(笑)。

清水しみずアコードはやっぱり、なんの工夫くふうもしないかんじがすごくイイんだよ。

2020ねん2がつ日本にっぽん発売はつばいされた、10代「アコード」。北米ほくべいから2ねんはんおくれでようやく導入どうにゅうされたかとおもえば、2023ねん1がつにははやくも販売はんばい終了しゅうりょう日本にっぽんでのモデルライフは、3ねんたなかった。
2020年2月に日本で発売された、10代目「アコード」。北米から2年半遅れでようやく導入されたかと思えば、2023年1月には早くも販売終了。日本でのモデルライフは、3年に満たなかった。拡大かくだい
たようなフォルムの10代目だいめうえ)と11代目だいめした)だが、ディテールをると、フロントマスクの意匠いしょうやキャラクターラインの凹凸おうとつつよさ、Cピラーにるウィンドウモールの処理しょりなど、10代のほうが端々はしばしでコテコテとしている。ぱっと印象いんしょうも、おおきくことなる。(写真しゃしんこおり大二郎だいじろううえ>/花村はなむら英典ひでのりした>)
似たようなフォルムの10代目(上)と11代目(下)だが、ディテールを見ると、フロントマスクの意匠やキャラクターラインの凹凸の強さ、Cピラーに見るウィンドウモールの処理など、10代目のほうが端々でコテコテとしている。ぱっと見の印象も、大きく異なる。(写真:郡大二郎<上>/花村英典<下>)拡大かくだい
新型しんがた「ホンダ・アコード」(うえ)はフロントマスクも比較的ひかくてきシンプルな構成こうせい。フルLEDのヘッドランプはいまどきな薄型うすがただが、それでも「トヨタ・クラウン セダン」(した)あたりとくらべれば、まだコンサバでわかりやすいデザインだ。
新型「ホンダ・アコード」(上)はフロントマスクも比較的シンプルな構成。フルLEDのヘッドランプは今どきな薄型だが、それでも「トヨタ・クラウン セダン」(下)あたりと比べれば、まだコンサバでわかりやすいデザインだ。拡大かくだい

北米ほくべいではガチャガチャけいデザイン再興さいこうきざ

ふち先日せんじつの“フリード VS. シエンタ”(その1その2)じゃないですけど、トヨタと比較ひかくするとデザインが全然ぜんぜんちがうのが面白おもしろいですよね。アコードのライバルはカムリですけど、カムリはいろんな部分ぶぶんでいろんなことをやって、てんこりなデザインでした。

清水しみず「こうしなきゃのこれないんだ!」「セダン最後さいごのあがき!」みたいな。

ふちどうやって魅力みりょくすかとなったとき、カムリはいろいろ方向ほうこうえらんだわけです。どちらもグローバルではれているので、どっちが正解せいかいかっていうのはないんですけど、姿勢しせいちがいはわかりやすい。

清水しみずトヨタも、「クラウン セダン」はシンプルで、アコードにちかいですよね。

ふちそうなんですよ。

清水しみずただホンダは、最近さいきんまでゴッチャゴチャのデザインだったでしょう。レジェンドはその典型てんけいだった。まぁレジェンドは本来ほんらいアキュラブランドのクルマなんで、ホンダブランドのクルマとは方向ほうこうせいちがうし、アキュラデザインのくろ歴史れきしはまだつづいてるわけですけど。

ふち初代しょだいレジェンドはかっこいいっておもったんですけど、いまのアキュラのデザインは……(苦笑くしょう)。れゆきはどうなんでしょう? アメリカではそれなりにれられてるのかな。

清水しみずすごいんでるんじゃないかな?

ほった:検索けんさくして)え~……。最近さいきんは、なんか好調こうちょうみたいですよ。

清水しみずええっ!

ほった:2021ねんに3ねんぶりの前年ぜんねんぞうで15まん7408だい。2022ねんはいったんみましたけど、2023ねんはそこから42%ぞうで14まん5655だい去年きょねん新型しんがた「インテグラ」がグイグイったみたいですね。

清水しみず写真しゃしんて)うわ! プチレジェンド!

ほった:「ホンダ・シビック」のプレミアムばんですね。「インテグラ タイプS」で最高さいこう出力しゅつりょく320PS。これなんか、まさにシビック タイプR。

ふちでもこのクルマ、一時期いちじきのアキュラしゃくらべると、デザインてきにはそれほど破綻はたんしてないとおもいますよ。

ほった:ベースはスマートな現行げんこうがたシビックですからね。いまのシビックって、とくにタイプRはすごくカッコいいじゃないですか。まぁ、シビックもインテグラも5ドアハッチバックなんで、今回こんかい趣旨しゅし今日きょうてきセダンデザインろん)からは、ちょっとはずれるんですけどね。

「ホンダ・アコード」の永遠えいえんのライバルである「トヨタ・カムリ」。現行げんこうがたはハンマーヘッドスタイルのフロントマスクに台形だいけいのロワグリル、ななめにはしるキャラクターライン、かんつよいショルダーラインと、クルマ全体ぜんたいがアピールのかたまりしている。
「ホンダ・アコード」の永遠のライバルである「トヨタ・カムリ」。現行型はハンマーヘッドスタイルのフロントマスクに台形のロワグリル、斜めに走るキャラクターライン、張り出し感の強いショルダーラインと、クルマ全体がアピールの塊と化している。拡大かくだい
かおはアクがつよい「トヨタ・クラウン セダン」だが、サイドやリアは比較的ひかくてきすっきりした意匠いしょうとなっている。
顔はアクが強い「トヨタ・クラウン セダン」だが、サイドやリアは比較的すっきりした意匠となっている。拡大かくだい
ひと世代せだいまえのホンダデザインを象徴しょうちょうするモデルのいちだいだった「ホンダ・レジェンド」。海外かいがいではアキュラブランドより「RLX」の販売はんばいされていた。……というか、むしろ「RLXの日本にっぽんばんがレジェンド」といったあつかいだった。
ひと世代前のホンダデザインを象徴するモデルの一台だった「ホンダ・レジェンド」。海外ではアキュラブランドより「RLX」の名で販売されていた。……というか、むしろ「RLXの日本版がレジェンド」といった扱いだった。拡大かくだい
2023ねんのアキュラの好調こうちょうをけんいんし、同年どうねん北米ほくべいカー・オブ・ザ・イヤーにもかがやいた新型しんがた「インテグラ」。おさっしのとおり、その中身なかみ現行げんこうがた「ホンダ・シビック」だ。
2023年のアキュラの好調をけん引し、同年の北米カー・オブ・ザ・イヤーにも輝いた新型「インテグラ」。お察しのとおり、その中身は現行型「ホンダ・シビック」だ。拡大かくだい
オーバーフェンダーとセンター3ほんしマフラーがいさましい、「アキュラ・インテグラ タイプS」。最高さいこう出力しゅつりょく320PSの2リッターターボエンジンと6だんMTを搭載とうさいしている。
オーバーフェンダーとセンター3本出しマフラーが勇ましい、「アキュラ・インテグラ タイプS」。最高出力320PSの2リッターターボエンジンと6段MTを搭載している。拡大かくだい

日本にっぽんじつはセダン天国てんごく

清水しみずうーん。フォルムはシビックとおなじでも、アキュラがおのくどいディテールがどうにもけないな。

ほった:テリー伊藤いとうさんの言葉ことばおもして(参照さんしょう)、れてください。それと今回こんかいはなしですけど、ワタシもアコードのデザインはきっちゃきですけど、いまのご時世じせいにそれがただしいかといわれると、ちょっとわからないんですよね。セダン不遇ふぐう時代じだいに、なんの変哲へんてつもない普通ふつうのセダンをすっていうのが。もうセダンが普通ふつうのクルマだった時代じだいなんてぎているわけですから、アキュラ・インテグラみたいにかんとかスポーティーかんをバキバキにひょうしていくほうが、正解せいかいもするんですよ。北米ほくべいのこっているセダンも、「シボレー・マリブ」をのぞくとプレミアムなのやスポーティーなのばっかですから。

ふちそうですねぇ。でもセダンっていうとつい北米ほくべいはなしになりがちですが、実際じっさいには北米ほくべいでもフォードあたりはセダンをやめてるわけですよね。いっぽうで、日本にっぽん市場いちばのこってる国産こくさんセダンのかずかぞえてみたら、まだ13だいあるんですよ。

清水しみずそんなに!?

ふちそうおもうじゃないですか。でもレクサスだったら「IS」「ES」「LS」でしょう。トヨタは「クラウン セダン」「センチュリー」に「カローラ」が新旧しんきゅう2種類しゅるい。それと「ミライ」。

清水しみずトヨタがかせいでますね。

ふちホームページでは「プリウス」もセダンってあつかいになってますけど、個人こじんてきにはセダンじゃないとおもうんではぶいてます。で、ホンダは「アコード」でしょ。「シビック」もいま5ドアしかないので、これははぶいて、日産にっさんが「スカイライン」で、スバルが「WRX」、マツダが「マツダ3」と……「マツダ6」はまだのこってるのかな?

ほった:在庫ざいこ販売はんばいのみですね。

ふちそれじゃあはぶくとして……それでも12だいです。結構けっこうあるんですよ。

清水しみずうーん……。

ふち自分じぶんがちっちゃいころはセダンばっかりだったわけじゃないですか。ちっちゃいセダンもいっぱいありましたよね。それが一斉いっせいになくなって、それでもまだ12だいのこってる。

ほった:意外いがい日本にっぽんはセダン天国てんごく……いやそうでもないかも。トヨタ以外いがいはやっぱりジリ貧じりひんってかんじですし。もうメーカーが意地いじになってやってるだけで、実情じつじょう北米ほくべいともわらないがしますね。

アキュラの特徴とくちょうである、五角形ごかっけいのグリルを基本きほんとしたフロントマスクといい、ボディーサイドをななめにはしる、上下じょうげ2ほんのキャラクターラインといい、「インテグラ」は「シビック」とくらべると、やや煩雑はんざつなデザインとなっている。
アキュラの特徴である、五角形のグリルを基本としたフロントマスクといい、ボディーサイドを斜めに走る、上下2本のキャラクターラインといい、「インテグラ」は「シビック」と比べると、やや煩雑なデザインとなっている。拡大かくだい
「アコード」が主戦しゅせんじょうとする北米ほくべいだが、じつはドメスティックなセダンはすっかり消滅しょうめつ。“普通ふつうのセダン”では「シボレー・マリブ」(写真しゃしん)がのこ程度ていどで、あとはキャデラックの「CT4/CT5」、スポーティーな「ダッジ・チャージャー」ぐらいだ。
「アコード」が主戦場とする北米だが、実はドメスティックなセダンはすっかり消滅。“普通のセダン”では「シボレー・マリブ」(写真)が残る程度で、あとはキャデラックの「CT4/CT5」、スポーティーな「ダッジ・チャージャー」ぐらいだ。拡大かくだい
ふち日本にっぽんのメーカーは、意外いがいとたくさんセダンをラインナップしているんですよ」 
ほった「『マツダ3セダン』とか、まだあったんですね」
渕野「日本のメーカーは、意外とたくさんセダンをラインナップしているんですよ」 
	ほった「『マツダ3セダン』とか、まだあったんですね」拡大かくだい
ほった「そういえば、むかしは『カローラ アクシオ』みたいなクルマが、よそからもたくさんていましたよね」 
清水しみず「あったねぇ。『フィット アリア』とか! みんな、どこっちゃったんだろう」
ほった「そういえば、昔は『カローラ アクシオ』みたいなクルマが、よそからもたくさん出ていましたよね」 
	清水「あったねぇ。『フィット アリア』とか! みんな、どこ行っちゃったんだろう」拡大かくだい

武士ぶしどうといふはぬこととつけたり」

ふち個人こじんてきにはセダンというと、昭和しょうわふるきよきおとうさんのクルマみたいな、あったかいかんじがきなんですよ。

ほった:ワタシは先代せんだい「ダッジ・チャージャー」みたいにトガってるのがきだし、いまのご時世じせい、そうでないとせまくて不便ふべんなセダンをえら理由りゆうがないとおもいますけど……。それにしても、セダンにかんしてこうやってはなしてておもうのは、ほかのクルマとちがってそれぞれこのみがバラバラで、それで議論ぎろんになるのが面白おもしろい。ミニバンとかじゃ、こうはならないでしょ。

ふちそうかもしれませんね。セダンってやっぱり、それぞれの趣味しゅみるというか。

ほった:たいしたかずもさばけないのに、顧客こきゃく志向しこうがこうもてんでバラバラじゃ、やっぱりつくるのは大変たいへんだとおもいます。メーカーがやめていくのも、むべなるかな。

清水しみずう~ん、カーマニアてき方向ほうこうせいはそんなわんないとおもうんだけど。この3にん新型しんがたアコードを真横まよこからて、そろって「かっこいいなぁ」ってってるわけだから。

ふちいや~。

清水しみずシンプルなセダンは、いまるとおとこらしくて、いさぎよかんじるんだよ。ふちさんがってた「レガシィB4 3.0R」なんか、すごく“もののふ“っぽいでしょう。

ふちそうなんですか(笑)。

ほった:B4は間違まちがいなくもののふです。

清水しみずアコードももののふだとおもうんです。その方向ほうこうせいですよ!

ふちそれはわかんないなぁ。

清水しみず主君しゅくんじゅんじて切腹せっぷく! みたいなかんじがするじゃないですか!

ほった:そういう清水しみずさんがってる「プジョー508」はギラついてて、「おれカッコいいだろ、でへへ」みたいにえるんですけど。

清水しみず508もアコードとおな切腹せっぷくけいだよ!

ほった:ぜんっぜんちがいますよ!

ふちいや、案外あんがいてるんじゃないですか、全体ぜんたいてきなプロポーションは。

清水しみずでしょ? シンプルなフォルムのセダンはすべてもののふ。ほろびの美学びがくだよ!

ふちやっぱりほろんじゃうんですか(笑)。

かたり=ふち健太郎けんたろうぶん清水しみずくさいち写真しゃしん本田技研工業ほんだぎけんこうぎょうトヨタ自動車とよたじどうしゃ、ゼネラルモーターズ、ステランティス、マツダ、日産自動車にっさんじどうしゃこおり大二郎だいじろう花村はなむら英典ひでのり茂呂もろ幸正ゆきまさ、webCG/編集へんしゅう堀田ほったつよし

ふち個人こじんてきにはセダンって、ふるきよき昭和しょうわのおとうさんのクルマなんですよね」 
ほった「そういえばうちの実家じっかも、『ブルーバード』(U11)に『ローレル』(C33)って、2だいつづいて日産にっさんのセダンだったなぁ」
渕野「個人的にはセダンって、古きよき昭和のお父さんのクルマなんですよね」 
	ほった「そういえばうちの実家も、『ブルーバード』(U11)に『ローレル』(C33)って、2代続いて日産のセダンだったなぁ」拡大かくだい
今後こんごはキャラクターやブランドせいつよいモデルでないと、セダンはのこれないというのがwebCGほったのかんがえだ。写真しゃしんは2023ねん「ダッジ・チャージャー」。
今後はキャラクターやブランド性の強いモデルでないと、セダンは生き残れないというのがwebCGほったの考えだ。写真は2023年「ダッジ・チャージャー」。拡大かくだい
ふち所有しょゆうしていたという4代目だいめ「スバル・レガシィB4」。「3.0R」とは、3リッター水平すいへい対向たいこう6気筒きとうエンジンを搭載とうさいしていた、ちょっとめずらしいグレードだ。
渕野氏が所有していたという4代目「スバル・レガシィB4」。「3.0R」とは、3リッター水平対向6気筒エンジンを搭載していた、ちょっと珍しいグレードだ。拡大かくだい
清水しみずぼくの『プジョー508』も切腹せっぷくけい! もののふのクルマだよ」 
ほった「いーや。ちがいます」 
写真しゃしん茂呂もろ幸正ゆきまさ
清水「僕の『プジョー508』も切腹系! もののふのクルマだよ」 
	ほった「いーや。違います」 
	(写真:茂呂幸正)拡大かくだい
ふち「『プジョー508』も『ホンダ・アコード』とプロポーションはているのでは?」 
ほった「“もののふけい”のクルマの条件じょうけんって、カタチなんですかね?」
渕野「『プジョー508』も『ホンダ・アコード』とプロポーションは似ているのでは?」 
	ほった「“もののふ系”のクルマの条件って、カタチなんですかね?」拡大かくだい
トレンドからはずいぶんはずれたクルマとはいえ、独自どくじのカッコよさをわせていることは事実じじつ新型しんがた「アコード」や、それにるいするシンプルけいのセダンには、ぜひ頑張がんばってこの不遇ふぐう時代じだいえてほしい。
トレンドからはずいぶん外れたクルマとはいえ、独自のカッコよさを持ち合わせていることは事実。新型「アコード」や、それに類するシンプル系のセダンには、ぜひ頑張ってこの不遇の時代を乗り越えてほしい。拡大かくだい
渕野 健太郎

ふち 健太郎けんたろう

20ねん選手せんしゅだったカーデザイナーを「体力たいりょく限界げんかい」ということで現役げんえき引退いんたい現役げんえき時代じだいは「自称じしょう」エースかくとしてさまざまな試合しあい投入とうにゅうされ、結果けっかしてきた(とおもう)。引退いんたい監督かんとくやコーチにはならず、チームをはなれセカンドキャリアを選択せんたく。これまでそだててくれた自動車じどうしゃ業界ぎょうかいへの恩返おんがえしとして、自動車じどうしゃ訴求そきゅう活動かつどうおこなう。福岡ふくおかけん出身しゅっしん日本にっぽん大学だいがく芸術げいじゅつ学部がくぶ卒業そつぎょう

清水 草一

清水しみず くさいち

わらいフェラーリ文学ぶんがくである『そのフェラーリください!』(さん推社/講談社こうだんしゃ)、『フェラーリをかいふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本にっぽんでただ一人ひとり高速こうそく道路どうろジャーナリストとして『首都高しゅとこうはなぜ渋滞じゅうたいするのか!?』(さん推社/講談社こうだんしゃ)、『高速こうそく道路どうろなぞ』(扶桑社ふそうしゃ新書しんしょ)といった著書ちょしょつ。慶大けいだいそつ編集へんしゅうしゃてフリーライター。最大さいだい趣味しゅみ自動車じどうしゃ購入こうにゅうで、現在げんざいまで通算つうさん47だい、うち11だいがフェラーリ。本人ほんにんいわく「『タモリ倶楽部くらぶ』に首都高しゅとこう研究けんきゅうとしてばれたのが人生じんせい金字塔きんじとう」とのこと。

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