實み

實み，滿也みつや，誠まこと也。虛きょ之の對たい也。（蓋ぶた實み者しゃ不ふ虛きょ。）

《孟子もうし》云うん：「充實じゅうじつ之の謂いい美び，充實じゅうじつ而有光輝こうき之の謂いい大だい。」

佛教ぶっきょう

佛法ぶっぽう云うん：「法ほう離はなれ迷情，絕ぜっ虛妄きょもう，云うん真實しんじつ。」其所謂いわゆる真實しんじつ者しゃ，梵文ぼんぶん之の𑖭𑖝𑖿𑖧也。又また云うん：「諸法しょほう真實しんじつ之の義ぎ有ゆう四よん種しゅ：一世いっせい流布るふ真實しんじつ義よし，世間せけん之の法ほう，悉同其名，眾生見地けんち即そく言げん是ぜ地ち，見み火ひ即そく言げん是ぜ火ひ，終おわり不言ふげん是ぜ水すい是ぜ風ふう，乃至ないし見み苦く終おわり不言ふげん樂らく，見み樂らく終おわり不言ふげん苦く，是ぜ雖於假名がな立りつ相しょう，然しか稱たたえ認みとめ皆同かいどう。此為世よ流布るふ真實しんじつ義ぎ。二に方便ほうべん流布るふ真實しんじつ義よし，世間せけん有ゆう智之としゆき人じん，先さき以心意しんい籌量，隨ずい宜むべ方便ほうべん，造作ぞうさく經書けいしょ論議ろんぎ以開導しるべ人じん，此為方便ほうべん流布るふ真實しんじつ義ぎ。三淨煩惱障真實義，聲聞しょうもん緣えん覺さとし是ぜ以無漏も道破どうは諸しょ煩惱ぼんのう結ゆい業ぎょう，得とく無礙むげ智さとし，此為淨きよし煩はん惱障真實しんじつ義ぎ。四淨智慧障真實義，聲聞しょうもん緣えん覺さとし得とく無礙むげ智さとし，未み能のう顯あらわ發はつ中道ちゅうどう之の理り，故こ名めい智慧ちえ障さわ。佛菩薩ぶつぼさつ斷だん此障中道ちゅうどう之の理り自然しぜん顯現けんげん，此為淨きよし智慧ちえ障さわ真實しんじつ義ぎ。見み菩薩ぼさつ善ぜん戒經二に。」

泰西たいせい

泰西たいせい哲學てつがく之これ宗むね，希まれ臘也。希まれ臘語謂いい實み者しゃ曰ΑΛΗΘΕΣ，意い謂いい「不ふ藏ぞう焉」，而基督きりすと徒と尤ゆう尚之なおゆき。蓋ぶた以基督とく之の說せつ，神かみ，理り也。化か而爲物ぶつ，其形也人，其身也有やゆう死し，謂いい之の耶穌基督きりすと，此理之の成なり實じつ矣。