罽賓

罽（jì）賓まろうど（上古じょうこ漢語かんご擬音ぎおん：*kǐat-pǐen〔王おう力つとむ〕，*kiar-pjien〔周しゅう法ほう高だか〕，*krads-mpin〔鄭てい張ちょう尚しょう芳かおる〕），又また译作𦋺賓まろうど、劫こう賓まろうど、羯賓，為ため古代こだい西域せいいき國名こくめい，是ぜ在ざい大月おおつき氏し迁徙浪なみ潮しお中ちゅう被ひ迫せり南みなみ迁的一支塞种人在兴都库什山やま以南いなん建立こんりゅう的てき一いち个国家こっか。其所指ゆび的てき地域ちいき可能かのう因いん時代じだい而產生せい變化へんか，約やく在ざい今いま阿おもね富とみ汗あせ東北とうほく、喀什米まい爾なんじ一帶いったい。^[1]

概論がいろん

罽賓的てき所在地しょざいち，就古來こらい的てき記載きさい有ゆう兩りょう處しょ：

迦濕彌わたる羅ら國こく（Kaśmīra），又また作さく羯𨻋弭羅、迦葉彌わたる羅ら，或ある譯わけ為ため迦閃弭羅，位い於北きた印度いんど境さかい，健けん馱邏國こく的てき北きた鄰，即今そっこん日び之の喀什米まい爾なんじ。此說出自しゅつじ《一切經いっさいきょう音義おんぎ》、《大だい唐から西域せいいき記き》。
迦畢試ためし國くに（Kāpiśī），或ある譯わけ為ため劫こう比ひ舍しゃ，位い於阿富とみ汗あせ的てき卡菲里さと斯坦（英えい语：Kafiristan）至いたり喀布爾なんじ河かわ中ちゅう下か游ゆう間あいだ。此說出自しゅつじ《貞元さだもと新定しんじょう釋教しゃっきょう目錄もくろく》、《梵語ぼんご雜ざつ名めい》。

至いたり清きよし初はつ編修へんしゅう《明あかり史し》時じ，又また以撒馬爾なんじ罕為ため罽賓，稱しょう「撒馬兒じ罕，即そく漢かん罽賓之の地ち，隋ずい曰漕こげ國こく，唐から復ふく名めい罽賓，皆みな通どおり中國ちゅうごく。」

依よ現代げんだい學者がくしゃ的てき見解けんかい，雷かみなり暮くれ沙すな（Rémusat）謂いい罽賓為ため喀布爾なんじ河かわ古名こみょう喀菲斯（Kophes）之これ譯やく音おん。萊維（Lévi）及沙すな畹（Chavannes）謂いい為ため迦濕彌わたる羅ら國こく（Kaśmīra）之の古稱こしょう。^[2]日本にっぽん學者がくしゃ白鳥庫吉しらとりくらきち認みとめ為ため《漢書かんしょ》所謂いわゆる罽賓，在ざい喀布爾なんじ河かわ流域りゅういき，應おう指ゆび以犍陀羅ら國こく為ため中心ちゅうしん、喀布爾なんじ河下かわしも游ゆう之これ塞ふさが族ぞく國家こっか。其都城みやこのじょう循鮮城じょう，應おう是ぜ位い於富とみ婁沙富とみ羅ら（Puruṣapura）之の北きた約やく十じゅう六ろく哩まいる的てき犍陀羅ら古都こと富とみ沙すな迦羅（英えい语：Pushkalavati）（Puṣkalāvatī，蓮花れんげ城じょう）。在ざい東あずま晉すすむ南北なんぼく朝あさ時代じだい，罽賓之の名めい轉てん為ため迦濕彌わたる羅ら的てき稱呼しょうこ。到いた隋ずい唐とう，罽賓又また轉てん為ため漕こげ國こく（Jabula）或ある迦畢試ためし。^[3]印しるし順じゅん認みとめ為ため罽賓指ゆび懸かか度たび山西さんせい南みなみ、犍陀羅ら以北いほく一帶いったい（犍陀羅ら以北いほく的てき雪山ゆきやま區く，今こん印度いんど西北せいほく邊べ省しょう北部ほくぶ，及阿富とみ汗あせ東北とうほく山地さんち），後ご被ひ擴充かくじゅう而用於犍陀羅（業ごう波は、業ごう波は羅ら），用よう於東おひがし鄰的喀什米まい爾なんじ，用よう於西鄰的迦畢試ためし。在ざい漢かん、晉すすむ以來いらい罽賓一向指犍陀羅、烏がらす仗那一帶いったい，到いた了りょう隋ずい唐から才ざい以迦溼彌羅ら及迦畢試為ため罽賓。^[4]^[5]^[6]

迦溼彌わたる羅ら及迦畢試在ざい隋ずい唐から被ひ突厥沙すな希まれ王朝おうちょう统治，唐から朝あさ以突厥沙希まれ王朝おうちょう的てき君主くんしゅ烏がらす散ち特とく勤つとむ洒等とう人ひと作さく为罽賓まろうど王おう。

文獻ぶんけん記載きさい

《漢書かんしょ》中ちゅう對たい於“罽賓國こく”山川やまかわ風俗ふうぞく的てき記載きさい

《漢書かんしょ·卷まき九きゅう十じゅう六ろく上じょう•西域せいいき傳でん第だい六ろく十じゅう六ろく上じょう》

“

罽賓國こく，王おう治おさむ循鮮城じょう，去さ長安ながやす萬まん二に千せん二に百ひゃく里さと。不ふ屬ぞく都みやこ護まもる。戶口とぐち勝かち兵へい多た，大國たいこく也。東北とうほく至いたり都みやこ護まもる治ち所しょ六ろく千せん八はち百ひゃく四よん十じゅう里さと，東あずま至いたる烏がらす秅國二に千せん二に百ひゃく五ご十じゅう里り，東北とうほく至いたり難なん兜かぶと國こく九日ここのか行ぎょう，西北せいほく與あずか大月おおつき氏し、西南せいなん與あずか烏がらす弋山離はなれ接せっ。

昔むかし匈奴きょうど破やぶ大月おおつき氏し，大月おおつき氏し西にし君くん大だい夏なつ，而塞ふさが王おう南みなみ君くん罽賓。塞ふさが種たね分散ぶんさん，往往おうおう為ため數すう國こく。自じ疏勒以西いせい北きた，休きゅう循、捐毒之これ屬ぞく，皆みな故こ塞ふさが種たね也。

罽賓地平ちへい，溫和おんわ，有ゆう目め宿やど，雜草ざっそう奇き木き，檀だん、櫰、梓あずさ、竹たけ、漆うるし。種たね五穀ごこく、蒲かば陶すえ諸しょ果はて，糞くそ治ち園田そのだ。地下ちか溼，生せい稻いね，冬ふゆ食しょく生なま菜さい。其民巧たくみ，雕文刻こく鏤ちりばめ，治ち宮室きゅうしつ，織お罽，剌文繡，好治こうじ食しょく。有ゆう金銀きんぎん銅どう錫すず，以為器き。市し列れつ。以金銀きんぎん為ため錢ぜに，文ぶん（文面ぶんめん，錢ぜに幣ぬさ刻字こくじ的てき一いち面めん）為ため騎馬きば，幕まく（漫面，錢ぜに幣ぬさ無む文字もじ的てき一いち面めん）為ため人面じんめん。出だし封ふう牛うし（犎牛）、水牛すいぎゅう、象ぞう、大だい狗いぬ、沐猴もっこう、孔あな爵、珠たま璣、珊瑚さんご、虎とら魄たま、璧流離りゅうり。它畜與諸國しょこく同どう。

”

佛教ぶっきょう文獻ぶんけん的てき記載きさい

根據こんきょ大だい眾部支ささえ派は的てき《分別ふんべつ功德くどく論ろん》，傳說でんせつ在ざい阿おもね育そだて王おう時代じだい，摩ま禪ぜん提ひさげ（Madhyantika）赴北方ほっぽう的てき罽賓傳でん教きょう，摩ま呻提（Ｍahinda）則のり到いた南方なんぽう的てき師し子こ國こく弘法ぐほう。

在ざい《根本こんぽん說せつ一切いっさい有ゆう部ぶ毘奈耶雜事ざつじ》，末田すえだ地ち那な（Madhyantika）宣教せんきょう的てき地區ちく是ぜ迦濕彌わたる羅ら國こく。

分別ふんべつ說せつ部ぶ的てき《善ぜん見み律りつ毘婆沙すな》記載きさい末まつ闡提（Madhyantika）前ぜん往的地點ちてん是ぜ罽賓─揵陀羅ら咤國（Kasmīra-Gandhara），罽賓所しょ對應たいおう的てき巴ともえ利り語ご為ためkasmīra。在ざい巴ともえ利とし文獻ぶんけん中ちゅう，kasmīra總そう是ぜ和わGandhara並列へいれつ，在ざい其一則そく本ほん生せい故事こじ中ちゅう，kasmīra曾為犍陀羅ら王國おうこく的てき一いち部分ぶぶん。《彌わたる蘭らん王おう問とい》提ひさげ到いた奢おご羯羅和かずkasmīra的てき距離きょり為ため12由旬ゆじゅん。^[7]^[8]