スーパーなどの安売やすうりの弁当べんとう・惣菜そうざい、想像そうぞうを絶ぜっする危険きけん！ビーフカツに金属きんぞく片へんどころじゃない…

「Thinkstock」より

「カレーハウスCoCo壱番屋いちばんや」（ココイチ）は、総そう店舗てんぽ数すう1400店てん以上いじょう（カレーショップは1220店てん、そのうち直営店ちょくえいてんは183店てん　いずれも2015年ねん5月がつ末まつ時点じてん）で、第だい2位いの「ゴーゴーカレー」（約やく80店舗てんぽ）をはるかに引ひき離はなし、カレー外食がいしょく業界ぎょうかいの中なかでは国内こくない単独たんどくトップの圧倒的あっとうてき規模きぼを誇ほこっています。年間ねんかん売上うりあげ高だか440億おく円えん、フランチャイズ店舗てんぽを含ふくむグループ全体ぜんたいの年間ねんかん店頭てんとう売上うりあげ高だか899億おく円えん、昨さく期き最終さいしゅう利益りえき27億おく円えんという優良ゆうりょう企業きぎょうです。

　このココイチを運営うんえいしているのは、愛知あいち県けん一宮いちのみや市しに本社ほんしゃがある株式会社かぶしきがいしゃ壱番屋いちばんやで、ハウス食品はうすしょくひんグループの子会社こがいしゃです。1978年ねんに創業そうぎょうされた壱番屋いちばんやは、2015年ねん12月にハウス食品はうすしょくひんが買収ばいしゅうしましたが、その買収ばいしゅうが進すすめられている最中さいちゅうの15年ねん9月がつ2日にちに愛知あいち工場こうじょう（一宮いちのみや市し）で製造せいぞうされた「ビーフカツ」の中なかに、合成ごうせい樹脂じゅし製せいの製造せいぞう機械きかい部品ぶひんの破片はへんが混入こんにゅうしました。

　このビーフカツの賞味しょうみ期限きげんは16年ねん1月がつ30日にちでした。壱番屋いちばんやは異物いぶつ混入こんにゅう発覚はっかく後ご、廃棄はいき処分しょぶんを決定けっていし、10月19日にちに愛知あいち県けん稲沢いなざわ市しにある産業さんぎょう廃棄はいき物ぶつ処理しょり業者ぎょうしゃ、ダイコーに処理しょりを委託いたくしました。廃棄はいき処分しょぶんとなるはずだったビーフカツの数かずは4万まん609枚まいに上のぼります。

「なるはずだった」という理由りゆうは、そのうち約やく3万まん3000枚まいが廃棄はいきされずに岐阜ぎふ県けん羽島はしま市しの製せい麺めん業者ぎょうしゃ、みのりフーズに不正ふせいに転売てんばいされ、それがブローカーを通つうじて食品しょくひん問屋とんやに渡わたり、さらに食品しょくひん販売はんばい業者ぎょうしゃを経由けいゆして最終さいしゅう的てきには消費しょうひ者しゃに販売はんばいされていたのです。

　みのりフーズは製せい麺めん業ぎょうとして届出とどけでがされていますが、現在げんざいは製せい麺めんは行おこなっていないということです。販売はんばいしたのは、Aマートアブヤス、スーパー生鮮せいせん館かん山彦やまびこ、フードパークウオダイ、精肉せいにく店てんのいちやなどですが、今後こんごもさらに発覚はっかくするかもしれません。

　食品しょくひん業界ぎょうかいでは、「在庫ざいこ処分しょぶん品ひん」という名目めいもくで、異常いじょうな安値やすねで取引とりひきされる商品しょうひんがあります。それらは安売やすうりのスーパーや、弁当べんとう・惣菜そうざいの製造せいぞう販売はんばいに出回でまわることがあります。今回こんかいもそのようなかたちで弁当べんとう店てんなどにも出回でまわったようですから、食たべた可能かのう性せいのある方々かたがたは、どんな心持こころもちでいらっしゃることか、ご同情どうじょう申もうし上あげるほかありません。

非常ひじょうに危険きけんな外食がいしょく産業さんぎょうの実態じったい

　今回こんかいの事件じけんを、対岸たいがんの火事かじとばかりに眺ながめていられるものでもありません。このいわば「食しょくの闇やみの部分ぶぶん」は、意外いがいにも間近まぢかに迫せまってきているのです。2月8日にちにワニブックスPLUS新書しんしょから発売はつばいされる筆者ひっしゃの最新さいしん刊かん『じつはもっと怖こわい外食がいしょく』では、そのことに踏ふみ込こみ、食品しょくひん関係かんけいの企業きぎょうで働はたらいていた人ひとたちにインタビューを敢行かんこうし、事実じじつを語かたっていただき、それを基もとに原稿げんこうを書かき上あげました。現役げんえきで食品しょくひん会社かいしゃに籍せきを置おく方ほうにもインタビューのお願ねがいをしたのですが、残念ざんねんなことに全員ぜんいんに断ことわられました。