2023年決定版 インフレ時代の「負けない」マンション売買・管理＃20Photo by Yoko Suzuki

マンション管理かんり業ぎょう協会きょうかいの管理かんり適正てきせい評価ひょうか制度せいどと国くにの管理かんり計画けいかく認定にんてい制度せいどがスタートして1年ねん。マンションを購入こうにゅうする人ひとや現在げんざいマンションに住すむ人ひとにとっては画期的かっきてきな制度せいどなのだが、実際じっさいの管理かんりの現場げんばではどう扱あつかわれているのか？特集とくしゅう『2023年ねん決定けってい版ばん インフレ時代じだいの「負まけない」マンション売買ばいばい・管理かんり』（全ぜん24回かい）の＃20では、最大手さいおおて管理かんり組合くみあい理事りじ長ちょう団体だんたい「RJC48」代表だいひょうで、この制度せいどにも詳くわしいはるぶー氏しが、消費しょうひ者しゃと管理かんり組合くみあいがいかにしてこの両りょう制度せいどを使つかい倒たおすかのこつを伝授でんじゅする。（RJC48代表だいひょう　はるぶー）

▼プロフィール
RJC48（マンション管理かんり組合くみあい理事りじ長ちょう勉強べんきょう会かい）代表だいひょう。本名ほんみょうは應おう田でん治彦はるひこ。イニシア千住曙せんじゅあけぼの町まち管理かんり組合くみあい法人ほうじんの代表だいひょう理事りじ。理事りじ会かい役員やくいんはすでに15年ねん目めとなる別名べつめい「組合くみあいの豚ぶた」。アイコンが手てにしているのは打診だしん棒ぼう。「管理かんり組合くみあいの理事りじ長ちょうは孤独こどくでつらいよね」で、Twitter（現げんX）上じょうのつながりから始はじめた、理事りじ長ちょう同士どうしの情報じょうほう交換こうかんを目的もくてきとしたフォーラム「RJC48」の代表だいひょう。主おもに管理かんり組合くみあいネタのブログ「はるぶーのマンションヲタクな日々ひび」を書かいている。ダイヤモンドMOOKの管理かんり編へんにもよく寄稿きこうしている。

マンション管理かんり業ぎょう協会きょうかいの評価ひょうか制度せいどは
登録とうろくマンションが2400棟むねを突破とっぱ

　マンションの管理かんり状態じょうたいを可視かし化かし、評価ひょうかするという国くにの管理かんり計画けいかく認定にんてい制度せいどとマンション管理かんり業ぎょう協会きょうかい（マン管かん協きょう）のマンション管理かんり適正てきせい評価ひょうか制度せいどが開始かいしして1年ねんがたちました。前者ぜんしゃは5年ねんに1度ど、最大さいだい17項目こうもくからマンション管理かんり計画けいかくを評価ひょうか、適正てきせいなものに認定にんていを与あたえる制度せいど。後者こうしゃは毎年まいとしマンション管理かんりを30項目こうもくで、無む星ほしから五いつつ星ほしまでの6段階だんかいで格付かくづけする制度せいど。（詳細しょうさいは特集とくしゅう『マンション管理かんり 天国てんごくと地獄じごく』＃4『マンション管理かんり「評価ひょうか格付かくづけ」4月がつ開始かいしで何なにが変かわる？国交こっこう省しょう＆業界ぎょうかい団体だんたいの両りょう制度せいどを最速さいそく解説かいせつ』で解説かいせつ）今日きょうはこちらの両りょう制度せいどの実際じっさいとこれから、そして消費しょうひ者しゃと管理かんり組合くみあい理事りじ会かいがこれらをどう活用かつようすべきかについてお話はなししていきましょう。

　2022年ねん3月がつ末まつ時点じてんで1000棟むねだった、マン管かん協きょうの管理かんり適正てきせい評価ひょうか制度せいどへの登録とうろくマンション数すうは、23年ねん12月で2400棟むねを超こえました。全国ぜんこくに10万まん棟むね以上いじょうあるマンションの2％程度ていどが評価ひょうかを持もっていることになります。

　マン管かん協きょうはまず1万まん棟むねの取得しゅとくを目標もくひょうにしているそうです。今いまは、デベロッパーサイトとアットホームに評価ひょうか情報じょうほうが掲載けいさいされていますが、物件ぶっけんポータルサイトとしては最大さいだいのSUUMO、HOME'Sへの掲載けいさいはまだです。評価ひょうか制度せいどの普及ふきゅう率りつが全体ぜんたいの10～20％くらいまで上あがり、この二ふたつのサイトに普通ふつうに掲載けいさいされるようになると、よりインパクトが出でてくるはずです。

　評価ひょうかを取得しゅとくしているマンションには一定いっていの傾向けいこうが見みて取とれます。例たとえば武蔵むさし小杉こすぎや東京とうきょう湾岸わんがんのタワマン群ぐんは、ほぼ「100点てん満点まんてん」か「載のっていない」のどちらかしかありません。

　評価ひょうかを受うけるマンション理事りじ会かいにとっては「五いつつ星ぼしを取とることは必須ひっす、しかも100点てんでないと駄目だめ。100点てんを逃のがしたら理事りじ会かいが管理かんり組合くみあい員いんから袋ふくろだたきに遭あう」と、採点さいてんそのものが怖こわくて受うけられないところもあるようです。住民じゅうみんのプライドが高たかく見栄みばえを気きにするマンションにとっては、満点まんてん以外いがいの点数てんすうが付つくくらいなら参加さんかしない方ほうがいいと思おもってしまうところがあるのかもしれないですね。

　評価ひょうか制度せいどは、毎年まいとし評価ひょうかを取とり続つづけることで進化しんかや改善かいぜん点てんが見みえる制度せいどでもあります。自分じぶんのマンションの管理かんりの実力じつりょくを試ためすためには非常ひじょうにいい制度せいどですし、新あらたな制度せいどへの対応たいおう度どなども測はかれる。採点さいてん基準きじゅんが明確めいかくなので自分じぶんで何なん点てんか分わかりますから、ぜひ一ひとつでも多おおくの管理かんり組合くみあいにチャレンジしてほしいところです。

　一方いっぽう、国くにの管理かんり計画けいかく認定にんてい制度せいどの方ほうはどうでしょうか。次つぎページから詳くわしく見みていきましょう。