2023年決定版 インフレ時代の「負けない」マンション売買・管理#13Photo:PIXTA

マンション価格かかく高騰こうとうするなか共働ともばたら夫婦ふうふ2人ふたりでローンをみ、物件ぶっけん共同きょうどう保有ほゆうするペアローンを利用りようするひと急増きゅうぞうしている。ぞくう「馬力ばりき」だが、じつはこのかたにはおおきなリスクがある。離婚りこんだ。ひとたび離婚りこんすると、このローンで購入こうにゅうした物件ぶっけん処理しょりにはかなりの手間てまがかかるのだ。特集とくしゅう『2023ねん決定けっていばん インフレ時代じだいの「けない」マンション売買ばいばい管理かんりぜん24かい)の#13では、「離婚りこん不動産ふどうさん」にくわしい2人ふたり専門せんもんがその対策たいさく解説かいせつする。(ダイヤモンド編集へんしゅう 鈴木すずき洋子ようこ

都内とないでマンションを購入こうにゅうする夫婦ふうふ大人気だいにんき
馬力ばりきローンのられざる深刻しんこくリスク

 購入こうにゅう夫婦ふうふにんさんきゃくで、あかるい未来みらい夢見ゆめみ購入こうにゅうしたマイホームが、ひとたびあいこわれたときはとんでもない重荷おもにになることもある。それがペアローンだ。共働ともばたらきの夫婦ふうふ2にん共同きょうどうのローンをみ、物件ぶっけん2人ふたり共同きょうどう所有しょゆうするものである。ぞくに「馬力ばりき」などともばれる。

 三井みついトラスト・資産しさんのミライ研究所けんきゅうじょ調査ちょうさによると、住宅じゅうたくローンを利用りようして自宅じたく購入こうにゅうしたひとのうちペアローンをんでいるひとは、20だいで22.2%(回答かいとうしゃすう126にんちゅう)、30だいで17.6%(どう370にんちゅう)にもたっする。とく都内とないでは「体感たいかんでは、ファミリータイプのマンションをうカップルはほとんどのひとがペアローンで物件ぶっけん購入こうにゅうしている」と、ある都内とない不動産ふどうさん仲介ちゅうかい会社かいしゃ社員しゃいんける。

 おっと年収ねんしゅう600まんえんつま年収ねんしゅう400まんえんなど平均へいきんてき年収ねんしゅうでも、合算がっさんした世帯せたい年収ねんしゅうなら1000まんえんになる。20だいや30だいわか共働ともばたらきのカップルで、大手おおて企業きぎょう勤務きんむしており今後こんご昇給しょうきゅう見込みこめるなどの属性ぞくせいがあれば、かなりの高額こうがくれでもペアローンなら審査しんさとおるというのが現状げんじょうだ。

 ほん特集とくしゅう#3売買ばいばい座談ざだんかいうえ#2なか#7した#11)でも縷々るるげてきたが、マンション価格かかく高騰こうとうまらない。とく子育こそだ世帯せたいねらう、利便りべんせいのいい立地りっちで2LDK以上いじょうなどのひろ面積めんせきがあるマンションは、新築しんちくはもちろん中古ちゅうこでもかなりの高額こうがくになる。こうした「単独たんどくではとどかないマンション」をうための有効ゆうこう手段しゅだんとして、ペアローンはひろがってきていた。

 一方いっぽうで、そこにひそむリスクはあまり注目ちゅうもくされてこなかった。それが離婚りこんである。じつはペアローンは、夫婦ふうふ共同きょうどういえう、ということが前提ぜんていだからこそみとめられているローンであり、婚姻こんいん関係かんけいがなくなると同時どうじにそれは機能きのうしなくなってしまうのだ。専門せんもんは“ある理由りゆう”から、「ペアローンは本来ほんらい使つかわないほうがいい」とまで指摘してきする。

 じつはひそかにえているという「ペアローン離婚りこん」にともな各種かくしゅトラブル。ペアローン離婚りこんかんするトラブルの専門せんもんたちにその実際じっさい対応たいおうさくいてきた。つぎページからていこう。