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ジェーン・オースティンの名作5選!恋愛小説の名手! | ホンシェルジュ

ジェーン・オースティンの名作めいさく5せん恋愛れんあい小説しょうせつ名手めいしゅ

更新こうしん:2021.11.24

高慢こうまん偏見へんけん』をはじめ、恋愛れんあい小説しょうせつ有名ゆうめいなジェーン・オースティン。イギリスのうつくしい自然しぜんかこまれた平凡へいぼん田舎いなからす、名家めいか女性じょせいたちの恋愛れんあいから結婚けっこんまでの紆余曲折うよきょくせつえがきました。絶大ぜつだい人気にんきほこる、オースティンのおすすめ5作品さくひんをご紹介しょうかいします。

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ジェーン・オースティンとは

ジェーン・オースティンは、1775ねんイングランド南部なんぶハンプシャーにまれた小説しょうせつです。1817ねんくなるまでのみじか生涯しょうがいあいだたしかな作品さくひんのこしました。圧倒的あっとうてき支持しじ現在げんざいおとろらずで、今回こんかい紹介しょうかいする5作品さくひん度々たびたびドラマ映画えいがされ、パロディや解説かいせつほん多彩たさいです。

むかしながらの田舎いなかにおいて、女性じょせいたちがどのような結婚けっこんをしていたのかをテーマにしています。当時とうじ階級かいきゅう社会しゃかい保守ほしゅてきかんがえが根強ねづよいなか、女性じょせい自由じゆう恋愛れんあい結婚けっこんをするには様々さまざま困難こんなんがありました。

日常にちじょうてき場面ばめんをありのままにえが緻密ちみつさへの評価ひょうかるぎなく、夏目なつめ漱石そうせき絶賛ぜっさんしています。ストーリーの舞台ぶたいになるのはそのいえと、さらに2、3家族かぞくくわわる程度ていどのとてもせま世界せかいなのに、つづきがになってまずにいられなくなる作品さくひんばかりです。

代表だいひょうさくにしてイギリス文学ぶんがく傑作けっさく。『高慢こうまん偏見へんけん

18世紀せいきまつ、イギリスの田舎町いなかまちむベネット夫人ふじんは、むすめたちの良縁りょうえんさがしをいそいでいました。

ある、このまち資産しさん青年せいねんビングリーがしてきます。舞踏ぶとうかい出会であったベネット長女ちょうじょジェーンとビングリーはかれあいます。

一方いっぽう次女じじょエリザベスも、ビングリーの友人ゆうじんだい資産しさんのダーシーと出会であいますが、エリザベスはかれ高慢こうまん態度たいど反感はんかんちます。ダーシーはエリザベスを魅力みりょくかんじていますが、たかいプライドが邪魔じゃまして行動こうどううつせません。

著者ちょしゃ
ジェイン オースティン
出版しゅっぱん
2011-11-10

うえ中流ちゅうりゅう階級かいきゅう女性じょせいたちはできるだけ金持かねもちの男性だんせいつけることがしあわせとされていた時代じだいにあって、エリザベスは、経済けいざいてき利益りえきのみの結婚けっこん否定ひていし、自分じぶん意思いし重視じゅうしして結婚けっこんをしたいとおもっていました。しかし、物事ものごとえているはずの彼女かのじょにも自負じふ偏見へんけんがあり、誤解ごかいかさなります。

ダーシーも、格下かくした身分みぶんであるベネット偏見へんけんちますが、エリザベスへのおもいをつのらせ、まえ忍耐にんたいつよさで、エリザベスの偏見へんけんぬぐっていきます。

人物じんぶつあざやかな描写びょうしゃ無駄むだのない構成こうせい、テンポが喜劇きげきてきなストーリーは、いまなおつづ人気にんき力強ちからづよささえています。

感情かんじょう理屈りくつどおりに抑制よくせいできるのか。『説得せっとく

サー・ウォールターは、つま先立さきだたれ、むすめ3にんらしています。長女ちょうじょさんじょ父親ちちおやて、虚栄きょえいしんつよく、気位きぐらいたか女性じょせいです。次女じじょのアンだけは、ひかえめで、家柄いえがら財産ざいさんにこだわらない性格せいかくですが、それゆえ家族かぞくなか孤立こりつしていました。

アンは8ねんまえ19さいのときに、恋仲こいなかだったまずしい海軍かいぐん士官しかんのウェントワースと、周囲しゅういせられてわかれた過去かこがありました。家柄いえがら財産ざいさんてきさないと判断はんだんされたのです。アンはその説得せっとく従順じゅうじゅんであろうとしましたが、ひそかなおもいはえられないままでした。

著者ちょしゃ
ジェイン オースティン
出版しゅっぱん

アンは様々さまざまひと出会であううち、人間にんげんたいする認識にんしきふかめていき、あいしあわせについてかんがえをたしかにし、成長せいちょうします。思慮しりょふか従順じゅうじゅん性格せいかくでしたが、それだけでなく感性かんせいとのかたおぼえ、そのかんがかた人間味にんげんみしていきました。

作品さくひんとおして、地方ちほうじゅん男爵だんしゃく一家いっかや、地主じぬし階級かいきゅういえ徐々じょじょ衰退すいたいし、海軍かいぐん軍人ぐんじんたち新興しんこう階級かいきゅうちからていくという、当時とうじのイギリスの時代じだい背景はいけいてとれます。また、作品さくひんくらべ、アンは最年長さいねんちょうで、過去かこのある女性じょせいであることがこの物語ものがたりにいっそうおもみをたせています。

本質ほんしつ見極みきわめるのに必要ひつようなのは。『分別ふんべつ多感たかん

ダッシュウッドの19さい長女ちょうじょエリナは、分別ふんべつがあり忍耐にんたいつよひかで、反対はんたいに17さい次女じじょマリアンは、情熱じょうねつてきでロマンチストです。

遠縁とおえん青年せいねんエドワードは物静ものしずかで内気うちき性格せいかくで、エリナは好感こうかんちます。しかし、のち婚約こんやくしゃがいることが判明はんめい一方いっぽう次女じじょマリアンは、35さい持病じびょうのあるブランドン大佐たいさから興味きょうみしめされますが関心かんしんたず、ハンサムな紳士しんしウィロビーに夢中むちゅうになり、人目ひとめをはばからずしたしくします。しかしエリナは、二人ふたりから一向いっこう婚約こんやくはなしかないことをいぶかしくかんじていました。

著者ちょしゃ
ジェイン オースティン
出版しゅっぱん

マリアンは、純粋じゅんすいであるぶんおもむとはげしいところがあり、それが魅力みりょくでもあります。本能ほんのう直観ちょっかん人間にんげんとしてかせない要素ようそですので、読者どくしゃもそれにけられます。エリナとマリアンを単純たんじゅん比較ひかくして、分別ふんべつ多感たかんどちらが重要じゅうようか、という議論ぎろんには終始しゅうししていません。二人ふたりともそれぞれの長所ちょうしょがあり、りないところもあるのです。

オースティンは、すくない言葉ことばでそれぞれの人物じんぶつたちの性格せいかく非常ひじょうゆたかにえがいてます。すすめると、それまで悪者わるもののようにおもえていた人物じんぶつが、あるときにわかに同情どうじょうかんじたり、行動こうどう真意しんい理解りかいできたりする瞬間しゅんかんは、オースティンの作品さくひん醍醐味だいごみひとつです。

自分じぶん自分じぶんただしく評価ひょうかできているだろうか。『エマ』

病弱びょうじゃくちち二人ふたりらしているエマは、勝気かちきあたま回転かいてんはや反面はんめん自信じしん過剰かじょう独善どくぜんてきめんがありました。独身どくしん自由じゆう満喫まんきつしており、すぐに結婚けっこんしたいという願望がんぼうはありません。

エマが好意こういてきおもい、周囲しゅういにも似合にあいだとおもわれている青年せいねんフランクには、きもちをくこともありました。しかし、フランクはべつ女性じょせい結婚けっこんしてしまいます。

やがて、年上としうえだい地主じぬしナイトリーと出会であい、会話かいわするうち、その真摯しんし忠告ちゅうこく自分じぶん言動げんどうかえりみるようになります。

著者ちょしゃ
ジェーン オースティン
出版しゅっぱん
2000-10-16

エマは、裕福ゆうふくで、自分じぶん意思いしなんでもとお家庭かていらしており、周囲しゅうい批判ひはんしてくれるひとがいませんでした。自分じぶん行動こうどうただしさをしんじ、相容あいいれない相手あいて見下みくだしさえしますが、実際じっさいはエマのほうが、根拠こんきょもなく物事ものごとめつけるなど勘違かんちがいの連続れんぞくです。

はじめは身勝手みがってなエマになかなか感情かんじょう移入いにゅうできないかもれませんが、エマは徐々じょじょに、ひと意見いけんみみち、素直すなお反省はんせいできる人間にんげん成長せいちょうしていきます。

オースティンの作品さくひんには、現代げんだいわたしたちがんでも、こういうひといるな、自分じぶんにもこういうところあるな、とおもわせるリアルな人物じんぶつ沢山たくさん登場とうじょうします。

すぐとなりにいながら、しのおもい。『マンスフィールド・パーク』

内気うちき大人おとなしいファニーは、10さいのとき実家じっか経済けいざいてき事情じじょうで、マンスフィールド・パークに養女ようじょとしてられました。この屋敷やしきのサー・トマス・バートラムは厳格げんかく古風こふう性格せいかくですが、夫人ふじん愛情あいじょうふか女性じょせいでした。

子供こどもたちは丁寧ていねいながらどこかよそよそしい態度たいどでしたが、なにかとくばってくれる次男じなんのエドマンドに、ファニーはとともにおだやかな愛情あいじょうかんじるようになります。しかしエドマンドはべつ女性じょせいがれていて、そしてファニーにも縁談えんだんがります。

著者ちょしゃ
ジェイン・オースティン
出版しゅっぱん
2010-11-12

サー・トマスの厳格げんかくさや、意地悪いじわる叔母おばなどの圧力あつりょく長年ながねんえながらも、やさしく謙遜けんそんそだったファニーがしあわせをつかむまでのストーリーです。おもいをせるひととすぐちかくにいながら、なかなかむすばれない境遇きょうぐうえる姿すがたに、おもわず応援おうえんしたくなります。

オースティンの作品さくひんはどれも、本当ほんとうあいとはなにか、ひとつべき道徳どうとくとはなにかを示唆しさするものがおおいですが、この作品さくひんもまたそうです。ファニーにはられたであるというハンデがきまとい、度々どどかなしいいますが、それでも自分じぶん愛情あいじょう感受性かんじゅせいゆたかにたもったヒロインをきにならずにいられません。


高慢こうまん偏見へんけん』がったなら、ぜひの4さくんでみてください。舞台ぶたいこそせまいのに、それぞれの主人公しゅじんこうたちはことなる事情じじょうかかえていて、ゆたかな世界せかいひろがっています。そして、日々ひび人間にんげんかえあいだちがいの数々かずかずを、オースティンは、ユーモアと皮肉ひにくをもってそれを愛情あいじょうゆたかに肯定こうていしています。

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