さまざまな土壌 どじょう
土壌 どじょう 学 がく の主要 しゅよう な分野 ぶんや であるペドロジー 、栽培 さいばい 土壌 どじょう 学 がく の双方 そうほう で、土壌 どじょう は地球 ちきゅう を構成 こうせい する層 そう の一 ひと つである土壌 どじょう 圏 けん (en )を構成 こうせい しているものとして扱 あつか われる。ペドロジーは土壌 どじょう の自然 しぜん 科学 かがく 的 てき な性質 せいしつ を研究 けんきゅう する分野 ぶんや であり、栽培 さいばい 土壌 どじょう 学 がく は土壌 どじょう の利用 りよう について研究 けんきゅう を行 おこな う分野 ぶんや である。どちらの分野 ぶんや も物理 ぶつり 学 がく 、化学 かがく 、生物 せいぶつ 学 がく などの手法 しゅほう を組 く み合 あ わせて研究 けんきゅう がおこなわれる。土壌 どじょう 圏 けん をとりまく生物 せいぶつ 圏 けん 、大気圏 たいきけん 、水圏 すいけん の間 あいだ には膨大 ぼうだい な相互 そうご 作用 さよう が存在 そんざい するため、 土壌 どじょう だけに注目 ちゅうもく するのではなく、より統合 とうごう 的 てき な視点 してん を持 も って研究 けんきゅう を行 おこな うことが重要 じゅうよう である。そのような視点 してん で見 み ると、学際 がくさい 領域 りょういき としての土壌 どじょう 学 がく の側面 そくめん が浮 う かび上 あ がってくる。
土壌 どじょう 利用 りよう という目的 もくてき や、土壌 どじょう への純粋 じゅんすい な好奇心 こうきしん によって土壌 どじょう 学 がく の研究 けんきゅう がすすめられ、土壌 どじょう 資源 しげん の多様 たよう 性 せい やダイナミクスについて、日々 ひび 新 あら たな知見 ちけん が示 しめ されている。また、地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か への関心 かんしん の高 たか まりもあって、気候 きこう 変動 へんどう や温室 おんしつ 効果 こうか ガス 、炭素 たんそ 隔離 かくり といった事柄 ことがら と土壌 どじょう との関係 かんけい を調 しら べるための、新 あたら しい研究 けんきゅう 手法 しゅほう が必要 ひつよう とされている。さらに、地球 ちきゅう の生物 せいぶつ 多様 たよう 性 せい の維持 いじ や、化石 かせき 人類 じんるい の文化 ぶんか 研究 けんきゅう などの分野 ぶんや においても土壌 どじょう の知見 ちけん が必要 ひつよう とされており、土壌 どじょう についてのさらなる理解 りかい が求 もと められている。
土壌 どじょう 調査 ちょうさ の風景 ふうけい (1923年 ねん )
土壌 どじょう の知見 ちけん のうちもっとも経験 けいけん 的 てき に得 え られるものは、土壌 どじょう 調査 ちょうさ (土壌 どじょう マッピング)による知見 ちけん である。土壌 どじょう 調査 ちょうさ によって地質 ちしつ やその他 た の特徴 とくちょう が調査 ちょうさ され、マッピングされることで、土壌 どじょう の基本 きほん 的 てき な分類 ぶんるい 体系 たいけい の確立 かくりつ や土壌 どじょう 性質 せいしつ の推測 すいそく 、土壌 どじょう 利用 りよう などに役立 やくだ てられている[2] 。古典 こてん 的 てき には、土壌 どじょう はそれぞれの特徴 とくちょう から大 おお きく5種 しゅ に分類 ぶんるい され、地形 ちけい 学 がく や自然 しぜん 地理 ちり 学 がく 、また土地 とち 利用 りよう パターンや植生 しょくせい 分析 ぶんせき などに役立 やくだ てられる。土壌 どじょう 調査 ちょうさ は、通常 つうじょう フィールドワーク によって行 おこな われるが、リモートセンシング によってデータを収集 しゅうしゅう することもある。
気候 きこう や生物 せいぶつ の影響 えいきょう を受 う けて土壌 どじょう が生成 せいせい されるという近代 きんだい 土壌 どじょう 学 がく の概念 がいねん を最初 さいしょ に提唱 ていしょう したのは、ロシアの地質 ちしつ 学者 がくしゃ 、ワシーリー・ドクチャーエフ である[5] 。ドクチャーエフは自 みずか らの論文 ろんぶん 中 ちゅう で、土壌 どじょう 生成 せいせい 因子 いんし として母 はは 材 ざい (土壌 どじょう の元 もと となる材料 ざいりょう )、気候 きこう 、生物 せいぶつ 、地形 ちけい 、時間 じかん の5つを挙 あ げており、土壌 どじょう を植物 しょくぶつ への養分 ようぶん 供給 きょうきゅう 源 げん としてとらえる、といった一 いち 面 めん 的 てき な考 かんが え方 かた が主流 しゅりゅう であった当時 とうじ の土壌 どじょう 観 かん を変革 へんかく させた[5] 。
1914年 ねん の百科 ひゃっか 事典 じてん では、土壌 どじょう は「岩石 がんせき の破砕 はさい 、あるいは風化 ふうか などによって形成 けいせい された」[6] ものとされる。しかしドクチャーエフよって、土壌 どじょう は生物 せいぶつ などを介 かい した過程 かてい によって変化 へんか している地球 ちきゅう 上 じょう の物質 ぶっしつ であるものであるという概念 がいねん がもたらされた[7] 。逆 ぎゃく に言 い えば、生物 せいぶつ などの介在 かいざい しない土壌 どじょう は単 たん なる地球 ちきゅう の表層 ひょうそう 部分 ぶぶん であるということである。
日本 にっぽん における土壌 どじょう 学 がく は、明治 めいじ 期 き のお雇 やと い外国 がいこく 人 じん 教師 きょうし のイギリス人 じん E. Kinchとドイツ人 じん O. Kellnerによってもたらされた農芸 のうげい 化学 かがく と、同 おな じくドイツ人 じん マキス・フェスカ による「土 ど 性 せい 調査 ちょうさ 」とその基礎 きそ にあった農業 のうぎょう 地質 ちしつ 学 がく に端 はし を発 はっ する[8] 。
土壌 どじょう 学 がく の各 かく 分野 ぶんや
編集 へんしゅう
土壌 どじょう 学 がく が応用 おうよう される分野 ぶんや
編集 へんしゅう
土壌 どじょう を用 もち いた廃棄 はいき 物 ぶつ の活用 かつよう
危機 きき に瀕 ひん した区域 くいき の特定 とくてい と環境 かんきょう 保護 ほご
湿地 しっち 、流域 りゅういき
環境 かんきょう 変動 へんどう の影響 えいきょう を受 う けやすい土壌 どじょう
生物 せいぶつ 多様 たよう 性 せい 、生息 せいそく 地 ち 保護 ほご の観点 かんてん からみて重要 じゅうよう である土壌 どじょう
土地 とち 利用 りよう の管理 かんり
水質 すいしつ 管理 かんり
損傷 そんしょう を受 う けた土壌 どじょう の復元 ふくげん 、レメディエーション
鉱山 こうざん の再生 さいせい 利用 りよう
洪水 こうずい 、豪雨 ごうう による浸食 しんしょく
土壌 どじょう 汚染 おせん
維持 いじ 可能 かのう な資源 しげん 利用 りよう
^ Jackson, J. A. (1997). Glossary of Geology (4. ed.). Alexandria, Virginia: American Geological Institute. p 604. ISBN 0922152349
^ Soil Survey Staff (1993). Soil Survey: Early Concepts of Soil.(英語 えいご ) Archived 2006年 ねん 12月19日 にち , at the Wayback Machine . (2010年 ねん 2月 がつ 23日 にち 閲覧 えつらん )
^ 庄子 しょうこ 貞雄 さだお 、南條 なんじょう 正巳 まさみ (1996)「土壌 どじょう 資源 しげん 評価 ひょうか のための世界 せかい 土壌 どじょう 分類 ぶんるい 体系 たいけい におけるアンドソルの分類 ぶんるい : その問題 もんだい 点 てん と改訂 かいてい 案 あん 」日本 にっぽん 土壌 どじょう 肥料 ひりょう 學 がく 雜誌 ざっし 67(3) pp.322-326
^ 小崎 おざき 隆 たかし 、荒木 あらき 茂 しげる (1991)「日本 にっぽん の統一 とういつ 的 てき 土壌 どじょう 分類 ぶんるい 体系 たいけい (第 だい 一 いち 次 じ 案 あん )の問題 もんだい 点 てん (I) : 湿性 しっせい 土壌 どじょう の分類 ぶんるい 基準 きじゅん について」日本 にっぽん 土壌 どじょう 肥料 ひりょう 学会 がっかい 講演 こうえん 要旨 ようし 集 しゅう (37) pp.151
^ a b 久馬 きゅうま 一 はじめ 剛 つよし 『最新 さいしん 土壌 どじょう 学 がく 』(1997年 ねん 、浅倉 あさくら 書店 しょてん )pp.1-9
^ “New Student's Reference Work/Soils Soils ”. The New Student's Reference Work . F. E. Compton and Company (1914年 ねん ). 2010年 ねん 2月 がつ 24日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Buol, S. W.; Hole, F. D. and McCracken, R. J. (1973). Soil Genesis and Classification (First ed.). Ames, IA: Iowa State University Press. ISBN 978-0-8138-1460-5 .
^ 「土 ど 性 せい 」について:フェスカの「日本 にっぽん 地産 ちさん 論 ろん 」を読 よ む 久馬 きゅうま 一 はじめ 剛 つよし 、肥料 ひりょう 科学 かがく ,第 だい 31号 ごう ,75~110(2009