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砂浜の生物 - Wikipedia

砂浜すなはまは、生物せいぶつにとってかならずしもみよいわけではなく、そのため特有とくゆう生物せいぶつしょうがある。

砂浜すなはま環境かんきょう

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砂浜すなはまなみたり、風当かぜあたりがつよい。そこしつであるすな固定こていせず、ふうなみによって移動いどうする。また、そのために表面ひょうめんつね平坦へいたんで、凹凸おうとつなどの変化へんかがほとんどなく、しかも一定いっていしない。このような条件じょうけんは、潮間しおまたい全域ぜんいきからうえすなつづ範囲はんいにかけて、したなみしおながれの影響えいきょうつづ範囲はんいでほぼ共通きょうつうである。

これらの条件じょうけんは、生物せいぶつ生息せいそく環境かんきょうとしては不利ふりめんおおい。そこしつ表面ひょうめん生活せいかつする動物どうぶつにとっては、かくれる場所ばしょすくない。そこしつ固定こていしていないから固着こちゃくせい生物せいぶつはほとんどられない。ただし、砂利じゃりであれば、大粒おおつぶのものの表面ひょうめん固着こちゃくすることができる。

海中かいちゅう

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うみではおも生産せいさんしゃ海藻かいそうであり、そのおおくはいわうえのような構造こうぞう固着こちゃくして生育せいいくする。したがって砂浜すなはまには海藻かいそうはほとんど生育せいいくしない。また、海産かいさん種子しゅし植物しょくぶつである海草かいそうすなどろしつそこ地下茎ちかけいばすので、あらすなしつところには出現しゅつげんしない。このように、大型おおがた植物しょくぶつ生育せいいくしないので、そこしつ単調たんちょうさに拍車はくしゃがかかる。遊泳ゆうえいせい動物どうぶつにとってもそれらの存在そんざい休憩きゅうけいしょしょくとして重要じゅうようなので、生息せいそくには不向ふむきである。そこしつちゅう潜行せんこうする生活せいかつをするものにとっては、すなもぐりやすいめんもあるが、あなって生活せいかつする場合ばあいには、ふか部分ぶぶん大丈夫だいじょうぶのようだが、とく表面ひょうめん部分ぶぶんかたち維持いじむずかしく、すぐにうずもれてしまう。このようにくと、素早すばやすなせんれる能力のうりょくのある動物どうぶつでないと、生活せいかつするのはむずかしそうである。

なお、このような状況じょうきょうは、なみたりなどがよわく、すなどろこんじるところではかなり緩和かんわされる。

陸上りくじょう

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陸上りくじょうがわにおいてもよく状況じょうきょうがある。波打なみうぎわ攪乱かくらんおおきく、またすぐに海水かいすいをかぶるので陸上りくじょう動物どうぶつめる場所ばしょではない。波打なみうぎわからある程度ていどはなれたりくがわには海浜かいひん植物しょくぶつえるおびがあるが、そこまでのあいだまったすなだけの地形ちけいであり、その表面ひょうめんたいらで、きわめて単調たんちょう地形ちけいである。すな乾燥かんそうしがちだからあなるのもむずかしく、てきからもつかりやすい場所ばしょである。げられた流木りゅうぼく海藻かいそうなどゴミのしたはやや湿度しつど維持いじされ、しょう動物どうぶつかくむことができる。ただし干潮かんちょうあいだだけである。

海浜かいひん植物しょくぶつえる区画くかく以上いじょうでは、安定あんていしたそこしち遮蔽しゃへいがあるが、乾燥かんそう塩分えんぶん影響えいきょうおおきい。

いろいろな生物せいぶつ

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常時じょうじ利用りようするもの

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  • 砂浜すなはま波打なみうぎわは、すなつねにかきみだされ、生活せいかつするにはむずかしいおもえるが、ちゃんと生活せいかつ利用りようするものがある。スナホリガニヒメスナホリムシなどの甲殻こうかくるいは、遊泳ゆうえいりょくつよく、素早すばやすなくぐ能力のうりょくがある。かれらはそれを利用りようして、つね波打なみうぎわらし、なみがくるとおよぎだし、素早すばやすなもぐってはこられるのをける。また、二枚貝にまいがいのフジノハナガイも、なみがくると素早すばやすなからし、なみによってはこばれ、ふたた素早すばやすなくぐることで、波打なみうぎわでの生活せいかつ維持いじする。
  • ていしおせん以下いかでも、どろすくない砂地すなじでは、すなくぐることのできる生物せいぶつ中心ちゅうしんになる。二枚貝にまいがいかく貝類かいるい基本きほんてきすなもぐって生活せいかつするものであるし、巻貝まきがいでもツメタガイなどはすななかもぐってすすみ、二枚貝にまいがいべる。ヒトデるいのモミジガイがかんあし吸盤きゅうばんがなく、すなもぐって生活せいかつしているように、岩場いわばでは吸着きゅうちゃくして生活せいかつする動物どうぶつ仲間なかまが、すなもぐって生活せいかつするように適応てきおうしたものがられる。イソギンチャクるいにも、すななかふかからだしずめてからだ固定こていするたねがある。沖縄諸島おきなわしょとうサンゴ礁さんごしょうすなそこでは、ガンガゼれをなして移動いどうしつつ生活せいかつする。
  • 波打なみうぎわからうえには、ある程度ていど距離きょりいて海浜かいひん植物しょくぶつ生育せいいくする部分ぶぶんがある。海浜かいひん植物しょくぶつおび波打なみうぎわあいだには、一定いっていはばで、外見がいけんじょうはほとんど生物せいぶつられない区域くいきがある。うみ生物せいぶつにとっても、りく生物せいぶつってもみにくい区域くいきである。ふかあなって、りくはしまわってえさをスナガニなどが生息せいそくする。また、海藻かいそうなどの漂着ひょうちゃくぶつ帯状おびじょうにたまった場所ばしょでは、そのしたハマトビムシるいヒョウタンゴミムシなど海浜かいひんせい昆虫こんちゅうるい多数たすう生息せいそくしている。また、この区域くいきさい上部じょうぶウミガメあなって産卵さんらんする。
  • さらにそのうえ区域くいきには海浜かいひん植物しょくぶつ生育せいいくする。だい部分ぶぶん草本そうほんひく木本もくほんである。北海道ほっかいどうではハマナスなどうつくしいはなかせるものがおおく、原生花園げんせいかえんばれる。動物どうぶつとしてはハマダンゴムシオカヤドカリなど、あるいはクビキレガイなど特有とくゆうくがさんかいがいる。この区域くいき上部じょうぶ潮風しおかぜつよ海岸かいがんせい高木たかぎ生育せいいくして、海岸かいがんせい森林しんりん海岸かいがんりん)へ移行いこうする。日本にっぽん本土ほんどではクロマツトベラなどからなる森林しんりんとなる。砂浜すなはま松林まつばやし印象いんしょうひろがっているが、樹木じゅもく生長せいちょうして土壌どじょう安定あんていするような場所ばしょでは、そのおおくは広葉樹こうようじゅりん移行いこうするものとかんがえられる。沖縄おきなわでは、海岸かいがんりん最前線さいぜんせんアダン群落ぐんらくられる。また、本土ほんどのマツに一見いっけんよくモクマオウられるが、これは外来がいらいしゅである。
  • 海水かいすいひた部分ぶぶんでは、すな粒子りゅうし隙間すきま生活せいかつする生物せいぶつぐんがある。その性格せいかくじょう、すべてが小型こがたであり、そとからいだすことは不可能ふかのうであるし、すなをかきまぜてもさがすのがむずかしく、採集さいしゅうには特殊とくしゅ技法ぎほう必要ひつようとなる。それらの生物せいぶつ間隙かんげきせい生物せいぶつぶ。

一時いちじてき利用りようするもの

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砂浜すなはま産卵さんらんじょうにしている動物どうぶつもある。たとえばウミガメるいは、すべて砂浜すなはま産卵さんらんする。しかもそれぞれのたね産卵さんらんする海域かいいき世界中せかいじゅう結構けっこうかぎられており、おおくのたね乱獲らんかく減少げんしょうしているため、それぞれの産卵さんらん保護ほご重視じゅうしされている。ほかにさかなグルニオン多数たすう砂浜すなはまなかげられるようにして産卵さんらんすることでられる。