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シンボル - Wikipedia

シンボル

記号きごうとく組織そしき個人こじん作品さくひんなどを象徴しょうちょうするために使つかわれるもの

シンボル象徴しょうちょうsymbol)は、記号きごう (sign) を分類ぶんるいした1つの種類しゅるいである。その厳密げんみつ定義ていぎは1つではないが、記号きごうのうちその対象たいしょうとの関係かんけい本来ほんらいてき[1]隠然いんぜんてきであるものがシンボルとされる。「象徴しょうちょう記号きごう」とやくされることもある。"symbol"の語源ごげん古代こだいギリシャの"symbolon"(σύμβολον) に由来ゆらいし、syn-が「一緒いっしょに」、boleが「げる」や「ばす」を意味いみし、わせて、「一緒いっしょにする」や、ふたつにったものをつきわせて同一どういつもの確認かくにんする「割符わりふ」(古代こだいギリシアではった土器どきへん)や「合言葉あいことば」を意味いみする。

くにのシンボルとして国旗こっきかかげられる。
南極なんきょくてん南極なんきょく条約じょうやく加盟かめいこくはた
各種かくしゅ宗教しゅうきょうのシンボル。

イコン/インデックス/シンボル

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記号きごうろん(semiotics)のチャールズ・サンダース・パースによれば、シンボルは記号きごう(この文脈ぶんみゃくではsemiosis)のうち「やく定性ていせい」により対象たいしょうあらわすものとして定義ていぎされる。

シンボル以外いがい記号きごうにはイコン (icon) とインデックス (index) がある。イコンは「類似るいじせい」により対象たいしょうあらわす、つまり、対象たいしょうそのものをかたどった記号きごうである。インデックスは「因果いんがせい」により対象たいしょうあらわす、つまり、対象たいしょう時間じかんてきまたは空間くうかんてきむすびついたもの使つかった記号きごうである。

それらにたいしシンボルは、(あるいははなとききて)のあいだ約束事やくそくごとによる記号きごうである。純粋じゅんすいなシンボルは、記号きごう自体じたいにはイコンやインデックスのような対象たいしょうあらわ要素ようそはない。ただし実際じっさいのシンボルには、イコンやインデックスの性質せいしつあわせてつものもおおい。

典型てんけいてきなシンボルとして言語げんごがある。はた紋章もんしょうなども、基本きほんてきにはシンボルである。

日本にっぽん」のシンボルのれい
日本語にほんご表記ひょうき 英語えいご音声おんせい 国旗こっき ISO 3166-1 サッカー代表だいひょう ナショナルカラー
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純粋じゅんすいなシンボルでない国旗こっきれい
+ イコン + インデックス
   

シグナル/シンボル

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記号きごうを、特定とくていてき実践じっせんてきなシグナル (signal) と、普遍ふへんてき観念かんねんてきなシンボルとにけることもある。

団体だんたいとうのシンボル

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会社かいしゃ団体だんたい個人こじん作品さくひんなどを象徴しょうちょうするためにシンボルが使つかわれる。

家紋かもん紋章もんしょうロゴマークのようにとくにシンボルとなる記号きごうまた図柄ずがらのことをシンボルマークぶ。たとえば、かたなが、武士ぶしのシンボルとされるように、あるものから、べつのあるものへとおもこされるもの。また、企業きぎょうあらわすためにニューヨーク証券しょうけん取引とりひきしょ採用さいようされる、4文字もじ記号きごうからなるティッカーシンボルのように、そのための特徴とくちょうてき図案ずあん意匠いしょうのようなものをシンボルとしてもちいることもおおい。地方ちほう公共こうきょう団体だんたい企業きぎょう学校がっこう大学だいがくスポーツ国際こくさい見本市みほんいち国際こくさい会議かいぎなどでは、シンボルとしてのマスコットキャラクター採用さいようされたり、学生がくせいえらぶコンテストがおこなわれたりすることもおおい(ミスキャンパスミスターキャンパス)。

コンピュータ科学かがく関連かんれん分野ぶんやにおける「シンボル」

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このふしでは、コンピュータ科学かがく関連かんれん分野ぶんやにおける専門せんもん用語ようごとしての「シンボル」を解説かいせつする。これは人文じんぶんがく分野ぶんやにおけるシンボル(象徴しょうちょう)とは意味いみことなるため注意ちゅういようする。

シンボルテーブル

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ここでは「シンボル」とは、データにふくまれるひとかたまりの記号きごうや、プログラミングもちいられる「名前なまえ」のことであり、その名前なまえから実体じったいのデータをるデータ構造こうぞうシンボルテーブルう。たとえばコンパイラソースコードからオブジェクトコード生成せいせいするさい関数かんすうであればその「実体じったい」を構成こうせいする一連いちれん機械きかい命令めいれいれつ(「コードへん」などともう)だけでなく、その関数かんすう関数かんすうめいからそれをす「シンボル」を、シンボルテーブルに追加ついかする。ビルドプロセスでは、コンパイルのつぎのリンクの段階だんかいで、リンカ複数ふくすうモジュールからそれぞれのシンボルテーブルを参照さんしょうし、実行じっこうファイルやライブラリのリンクを解決かいけつする。近年きんねんのコンパイラが複雑ふくざつ方法ほうほうもちいてシンボルを生成せいせいすることにかんしては名前なまえ修飾しゅうしょく参照さんしょうされたい。

唯一ゆいいつせいのある名前なまえとして

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Lispや、その影響えいきょうけたSmalltalkRubyなどにあるSymbolは、interning(en:String interning)された文字もじれつである(外部がいぶ資料しりょう[2]参照さんしょう)。またとくにLispでは、その処理しょりけいにおける伝統でんとうてき手法しゅほうひとつである shallow access の実装じっそうにおいても重要じゅうようである。

人工じんこう知能ちのう分野ぶんや

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人工じんこう知能ちのう分野ぶんやでは、1990ねんにStevan HarnadがThe Symbol Grounding Problem提起ていきしたsymbol grounding(記号きごう接地せっちあるいは記号きごう着地ちゃくちなどとやくされることもある)問題もんだいなどといった話題わだい代表だいひょうされる「シンボル」がある。ここでの「シンボル」とは、コンピュータによる情報処理じょうほうしょりシステムがあつかっている符号ふごうされた情報じょうほうといったような意味いみで、究極きゅうきょくてきにはチューリングマシンがそのテープにきする「記号きごう」のことであり[ちゅう 1]、それを自律じりつロボットのような人工じんこう知能ちのうシステムがいかに「意味いみ」にむすびつけ(接地せっちし)物事ものごと理解りかいさせるのか、といったことが論点ろんてんである。

情報じょうほう理論りろん

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情報じょうほう理論りろんでは、情報じょうほうげんアルファベット符号ふごうアルファベットもとをシンボルという。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ したがって、記号きごうがくにおける議論ぎろんおおくに関係かんけいするような側面そくめんは、前提ぜんてい時点じてん捨象しゃしょうされている。

出典しゅってん

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  1. ^ 広辞苑こうじえんだい5はん (1998)「シンボル」(3)
  2. ^ https://sumim.hatenablog.com/entry/20051029/p1

関連かんれん項目こうもく

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