巨人きょじんと大頭おおと

巨人きょじんと大頭おおと; gigantes y cabezudos
	パンプローナの巨人きょじん
会場かいじょう所在地しょざいち	スペインを中心ちゅうしんとするラテン系けい諸国しょこく

「巨人きょじんと大頭おおと」（スペイン語ご: gigantes y cabezudos、カタルーニャ語ご: gegants i capgrossos、バスク語ご: erraldoi eta buruhandiak、ガリシア語ご: xigantes e cabezudos）は、ラテン系けい民族みんぞくの祭礼さいれいにしばしば登場とうじょうする大型おおがたの人形にんぎょう。典型てんけい的てきな「巨人きょじんと大頭おおと」は頭あたまがパピエ・マシェ（英語えいご版ばん）^{[注記ちゅうき 1]}の仮面かめん（マスク）であり、胴体どうたいは祭礼さいれいの主題しゅだいに見合みあった衣装いしょうが着きせられている。

種類しゅるい

巨人きょじん

ブルゴスの「巨人きょじん」

多おおくの場合ばあい、「巨人きょじん」は全高ぜんこう数すうメートルの中空なかぞらの人形にんぎょうである。頭部とうぶと腕うで部ぶは塗装とそうされたパピエ・マシェ（英語えいご版ばん）でできており、製作せいさくの際さいには石膏せっこうが使用しようされる。他たの胴体どうたいは布ぬのや衣類いるいで覆おおわれており、通常つうじょうは腕うでを回まわすことができる構造こうぞうにはなっていない。

胴体どうたいには人間にんげんが入はいることができる構造こうぞうとなっており、動うごかし手しゅは肩かたにハーネスを付つけて人形にんぎょうを持もち上あげる。人形にんぎょうの傍かたわらにはマーチングバンドがいることもあり、音楽おんがくに合あわせて人形にんぎょうを動うごかしたり振ふったりする。通常つうじょう、このようなダンスは少すくなくとも男女だんじょ2体たいの人形にんぎょうで行おこなわれ、男性だんせいの人形にんぎょうはヒガンテ、女性じょせいの人形にんぎょうはヒガンタもしくはヒガントーナと呼よばれる。

「巨人きょじん」はキリスト教きりすときょう以前いぜんの神かみや王おうを表あらわすことが多おおく、聖体せいたいを守護しゅごする役目やくめがある^[1]、ブルジョワの男性だんせいと農民のうみんの女性じょせい、町まちを建設けんせつした王おうと王女おうじょ、ムーア人じんとキリスト教徒きりすときょうとの貴族きぞくなどのペアで構成こうせいされる。

大頭おおと

パンプローナの「大頭おおと」

一般いっぱん的てきに「大頭おおと」はパピエ・マシェの頭部とうぶを備そなえているが、身長しんちょうは人間にんげんと同どう程度ていどであり、「巨人きょじん」と比くらべると小規模しょうきぼな人形にんぎょうである。「巨人きょじん」のように胴体どうたいまでパピエ・マシェで作つくられることはなく、主題しゅだいに合あった衣装いしょうを着きた人間にんげんが被こうむる仮面かめん（マスク）が「大頭おおと」である。内部ないぶの人間にんげんは片手かたてでその頭部とうぶを押おさえ、もう一方いっぽうの手てには鞭むちや豚ぶたの膀胱ぼうこうを握にぎりしめ、子こどもや若わかい女性じょせいを怖こわがらせるために使用しようする。仮面かめんの口くち部ぶから前方ぜんぽうを確認かくにんして彼かれらを追おいかける。

「大頭おおと」は、「巨人きょじん」と一緒いっしょに聖体せいたい拝領はいりょうの行列ぎょうれつに出現しゅつげんするのが典型てんけい的てきな出番でばんである^[1]。怪物かいぶつや竜りゅうなど奇き怪かいな動物どうぶつであることが多おおく、聖体せいたい行列ぎょうれつの際さいに敗走はいそうする役目やくめがある^[1]。聖体せいたい拝領はいりょう以外いがいの行列ぎょうれつでは道化どうけの役割やくわりを果はたす^[1]。

巨きょ大人おとな形がたが登場とうじょうする作品さくひん

「巨人きょじんと大頭おおと」はサルスエラ（ライト・オペラ）のタイトルにもなっており、サラゴサのエル・ピラール祭さい(Las Fiestas del Pilar)が舞台ぶたいとなっている。サルスエラはアラゴン人ひとの「屈強くっきょうで頑固がんこ」というステレオタイプな印象いんしょうに焦点しょうてんが当あてられている。