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ポプラ - Wikipedia

ポプラ白楊はくよう白楊はくようじゅ 英語えいご: poplar)は、真正しんしょうそう子葉しようるいキントラノオヤナギヤマナラシぞくまたはハコヤナギぞく学名がくめいPopulus)にぞくする樹木じゅもく(ハコヤナギはヤマナラシの別名べつめい)。

ヤマナラシぞく
ケンとメリーの木
セイヨウハコヤナギのがた北海道ほっかいどう美瑛びえいまち通称つうしょうケンとメリーの
分類ぶんるいAPG III
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ Angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい Eudicots
: キントラノオ Malpighiales
: ヤナギ Salicaceae
ぞく : ヤマナラシぞく Populus
学名がくめい
Populus L.
タイプしゅ
Populus tremula L.
和名わみょう
ヤマナラシぞく
英名えいめい
poplar
たね
  • 本文ほんぶん参照さんしょう

名称めいしょう

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「ポプラ」とは、ラテン語らてんごの「人々ひとびと共同きょうどうたい国民こくみん」などを意味いみする populus ポプルス に由来ゆらいし、古代こだいローマでしばしば公共こうきょう集会しゅうかいしょ周囲しゅういえられたからであるという[1]古代こだいローマの市内しないにポプラがよくえられ、イタリア語源ごげんで「市民しみん」を意味いみする Arbor popli(アルボル・ポプリ)とよんだからだとわれている[2]異説いせつとして、もともと「ふるえる」というっていたというせつがあり、そのがそよぐおとからの命名めいめいともいわれている[2]。ラテンけい言語げんごでも、スペインではアラモとよばれる[3]

特徴とくちょう

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ポプラぞくは、北半球きたはんきゅう温帯おんたいやく30しゅ分布ぶんぷする[3]イタリア半島はんとうをはじめ、ヒマラヤクリミア中近東ちゅうきんとうなどにも分布ぶんぷする[2]あつさにつよ性質せいしつで、「アラモのとりで」でられるアメリカテキサスにもえられている一方いっぽうで、さむさにもつよくてロシアでも栽培さいばいされている[3]日本にっぽんでは北海道ほっかいどうおおく、しばしば牧場ぼくじょうえられている[4]

日本にっぽんのポプラぞくは、ヤマナラシドロノキの2しゅ自生じせいする。一般いっぱんには明治めいじ導入どうにゅうされた外来がいらいしゅをポプラとぶ。和名わみょうのポプラは、狭義きょうぎにはこのぞくいち変種へんしゅであるセイヨウハコヤナギ[5][3]

落葉らくよう広葉樹こうようじゅほそ直立ちょくりつしてえだうえばしたがた特徴とくちょうてきである[3]こう三角形さんかっけい雌雄しゆうかぶで、はるはなかせる。はなわるとすぐに綿毛わたげきの種子しゅし大量たいりょうける。この種子しゅしふうばされてそらい、並木なみきなど多数たすうのポプラのあるところでは、地面じめんしろになることもある。このため、英語えいごでコットンウッドともいう。

生長せいちょうはやいが寿命じゅみょう比較的ひかくてきみじかすうじゅうねんから100ねん程度ていど老木ろうぼくになるといわれるが、フランスディジョン植物しょくぶつえんのものが樹齢じゅれい500ねんつたえられ、直径ちょっけい5 m、たかさ35 mある[6]老木ろうぼくではよくみき空洞くうどうができる[6]生長せいちょうはや利点りてん反面はんめんざいやわらかくて緻密ちみつさにけ、えやすく強度きょうど耐久たいきゅうせいおとり、用途ようとかぎられる。あさくて風害ふうがいたおれることもしばしばあり、市街地しがいち街路がいろじゅ用途ようとではあまり歓迎かんげいされない[6]

分類ぶんるい

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外来がいらいポプラの和名わみょう現在げんざいまで整理せいりがなされていないため、どういちしゅでも別名べつめいべつ表記ひょうきおおく、学術がくじゅつ論文ろんぶんですら混乱こんらんしており、植物しょくぶつえんなどの表記ひょうきにも統一とういつなものがおおい。以下いか名称めいしょう統一とういつ名称めいしょうではない。

 
北海道大学ほっかいどうだいがくのポプラ並木なみき札幌さっぽろ

YListに掲載けいさいされたおもたね変種へんしゅなどを下記かきしる[7]

ポプラは交配こうはい繁殖はんしょく容易よういで、ふるくから品種ひんしゅ改良かいりょうおこなわれ、おおくのハイブリッドしゅ作成さくせいされてきた。現在げんざいでも目的もくてきにあわせた品種ひんしゅ育成いくせいおこなわれ、ポプラの品種ひんしゅはいよいよえつつある。品種ひんしゅ改良かいりょうされたポプラは「改良かいりょうポプラ」と総称そうしょうされる。

 
地面じめんうポプラの綿毛わたげ札幌さっぽろ
  • 紅葉こうよううつくしいがた特徴とくちょうてきで、日本にっぽんでは、並木なみき街路がいろじゅ牧場ぼくじょう境界きょうかい目印めじるし防風ぼうふうりんとしてえられる。著名ちょめい北海道大学ほっかいどうだいがくのポプラ並木なみき明治めいじ36ねんえられた。
  • 材木ざいもく白色はくしょくやわらかくえやすいため、マッチ軸木じくぎとして使つかわれる。合板ごうはん包装ほうそう用材ようざい、パルプ用材ようざいなどにももちいられ、えのきだけ栽培さいばいにもてきする。しかし日本にっぽんでは用材ようざいとしての利用りようおおくなく、身近みぢかにはあまりられない。日本にっぽんでは1960年代ねんだい植林しょくりん目指めざして実験じっけんおこなわれたが、病虫害びょうちゅうがい台風たいふう克服こくふくできず、日本にっぽん自然しぜん環境かんきょうではだい規模きぼ植林しょくりんにはてきさないとされた。
  • 中国ちゅうごく内陸ないりくでは成長せいちょうはや活着かっちゃくいことに着目ちゃくもくし、1950年代ねんだい以降いこうだい規模きぼ植林しょくりんおこなわれている。おおくは成長せいちょう水分すいぶんおおようするようになる樹齢じゅれい20ねん以前いぜん目安めやす伐採ばっさいされ、用材ようざい地域ちいき貴重きちょう現金げんきん収入しゅうにゅうとなっている。
  • 韓国かんこくでは植林しょくりん成長せいちょうはやいポプラのニセアカシアとともにおおえられる。
  • ポプラは、その商業しょうぎょうてき価値かちたかさやゲノムサイズのちいささ (450–550 Mbp) から、モデル生物せいぶつとして研究けんきゅうすすんでいる[9]。2006ねんにはPopulus trichocarpa のゲノムが解読かいどくされた[10]
  • エレキギターのボディざいとして もちいられることがある。特性とくせいとしてはアルダーちかく、代替だいたいひんとして初心者しょしんしゃようモデルに採用さいようされることがおおい。

人間にんげんとの関係かんけい

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脚注きゃくちゅう

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参考さんこう文献ぶんけん

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  • 辻井つじい達一たついち日本にっぽん樹木じゅもく中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ中公新書ちゅうこうしんしょ〉、1995ねん4がつ25にち、72 - 75ぺーじISBN 4-12-101238-0 
  • Wullschleger, Weston, DiFazio, Tuskan(2012) Revisiting the sequencing of the first tree genome: Populus trichocarpa. Tree Physiol doi: 10.1093/treephys/tps081