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ローム (土壌) - Wikipedia

ロームえい: loamどく: Lehm)とは土壌どじょう区分くぶんひとつ。粘性ねんせいしつたか土壌どじょうであり、シルトおよび粘土ねんど含有がんゆう割合わりあいが25% - 40%程度ていどのものをす。ロームで構成こうせいされた地層ちそうロームそうという。日本にっぽんでは火山かざん起源きげん関東かんとうロームが著名ちょめいだが、ロームの定義ていぎは、土壌どじょうちゅうつぶみち組成そせい比率ひりつのみであり、火山かざん起源きげん物質ぶっしつであるかどうかは関係かんけいない。

関東かんとうローム

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関東かんとうロームは、関東かんとう地方ちほう西にしえん富士山ふじさん箱根山はこねやま愛鷹山あしたかやまなどのしょ火山かざんきたえん浅間山あさまやま榛名山はるなさん赤城山あかぎやま男体山なんたいさんなどのしょ火山かざんから関東平野かんとうへいや降下こうかした更新こうしん中期ちゅうき以降いこう火山かざん砕屑ぶつやその風成かざなし堆積たいせきぶつ総称そうしょうである[1]。1881ねんダーフィト・ブラウンス成因せいいん不明ふめいのまま命名めいめいした[1]

風成かざなし堆積たいせきぶつとは火山かざん周辺しゅうへん堆積たいせきした火山かざん砕屑ぶつ火山灰かざんばいなど)が、風雨ふううなどによって再度さいどはこばれて周辺しゅうへん堆積たいせきしたもので、関東かんとうロームの場合ばあいかぜがって降下こうかしたものである。はしてきべると露出ろしゅつした土壌どじょうから飛散ひさんしたホコリである[2]。したがって、火山かざん噴火ふんかしていないときにも降下こうかぶつ供給きょうきゅうされるかぎりロームは堆積たいせきつづけており[3]関東かんとうロームは毎年まいとし0.1 - 0.2mm[4]、100ねんで1cm - 2cm、1まんねんで1mちかく、現在げんざいでももりつづけている[2]火山灰かざんばい起源きげん場合ばあいつぶみちが3mm以下いかであれば風化ふうか作用さようけやすく、関東かんとうロームではほとんどが粘土ねんどしている。関東かんとうロームはそのいろから赤土あかつちともばれるがこれは含有がんゆうする鉄分てつぶん風化ふうかにより酸化さんかした[5]ものである。また水中すいちゅう堆積たいせきすると灰色はいいろていし、そこがふるくは水面すいめんがあった目安めやすとなることがある。

関東かんとうロームの研究けんきゅうは、関東かんとうロームだんけんグループ(関東かんとうローム研究けんきゅうグループとも)が、1953ねん以来いらい研究けんきゅうおこない、はじめて地質ちしつがくてき解明かいめいおこな日本にっぽんだいよん研究けんきゅう先駆さきがけとなった。その研究けんきゅう結果けっかは1965ねんの『関東かんとうローム』にまとめられている[1]。ロームそう出来でき時代じだいによってさらにいくつかのそう区分くぶんすることができ、たとえば南関東みなみかんとうではふるいほうから、多摩たまローム、下末吉しもすえよしローム、武蔵野むさしのローム、立川たちかわロームの4そう区分くぶんされる。

火山かざんだい噴火ふんかがないときのロームそう毎年まいとしすこしずつ堆積たいせきするが、火山かざんだい噴火ふんかがあった場合ばあいはロームそうあいだ軽石かるいしそうスコリアそうなどとして一気いっきあつ堆積たいせきする。有史ゆうし以降いこうおおきなそうとしては、1707ねん富士山ふじさん宝永ほうえいだい噴火ふんかとき形成けいせいされた宝永ほうえいスコリアそうがある。また、ロームそうなかはさまれた軽石かるいしそうやスコリアそう観察かんさつによって、有史ゆうし以前いぜん火山かざん噴火ふんかることができる。

くろボクとのちが

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火山灰かざんばい風成かざなし堆積たいせきぶつ堆積たいせきした場所ばしょ湿潤しつじゅん環境かんきょうだと、そのうえ植物しょくぶつしげり、腐植ふしょくそうがたまって黒色こくしょくとなり、これはくろボクばれる[6]最終さいしゅうごおり以降いこう気候きこう湿潤しつじゅんであるため、火山灰かざんばいがロームにならずにくろボクになっている。とく台地だいちではロームがもってもかわながされることがかったため、関東かんとう地方ちほう台地だいち地層ちそうは、なんメートルももったロームそうさい上段じょうだんくろボクが堆積たいせきしているものが典型てんけいてきである。武蔵野台むさしのだいとく典型てんけいてき関東かんとう地層ちそうしめす。

ロームそうくろボクは、ともに火山灰かざんばいからなる土壌どじょうであるが、酸化さんかした鉄分てつぶんふくむためにあかいロームそうたいし、くろボク有機物ゆうきぶつふくんでおり、くろいろをしているのがおおきなちがいである[7]。そのため、「赤土あかつち」とばれるロームそうたいし、くろボクは「黒土こくど」とばれる。また、くろボクはロームそうよりもできた時代じだいあたらしいため、粒子りゅうし粘土ねんどしておらず、がボクボクした感触かんしょくとなっている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c 出典しゅってん : 『新版しんぱん 地学ちがく事典じてん平凡社へいぼんしゃ 1996ねん、288ぺーじ
  2. ^ a b 出典しゅってん : 火山かざん学者がくしゃ 早川はやかわ由紀夫ゆきお火山かざんブログ『関東かんとうロームは富士山ふじさん噴火ふんか堆積たいせきぶつではない』2010/09/16、2013ねん2がつ閲覧えつらん
  3. ^ 出典しゅってん : 群馬大学ぐんまだいがく教育きょういく学部がくぶ早川はやかわ由紀夫ゆきお研究けんきゅうしつ 6しょう:過去かこ火山かざん噴火ふんか調しらべる、2013ねん2がつ閲覧えつらん
  4. ^ かしわ教育きょういく委員いいんかい
  5. ^ 羽鳥はとり謙三けんぞうだいよん日本にっぽん列島れっとう -関東かんとうロームそう関東平野かんとうへいや
  6. ^ くろボクとローム 芙蓉ふよう地質ちしつ
  7. ^ 土壌どじょう世界せかい 国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかん

関連かんれん項目こうもく

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